森林ボランティア 

 

猪名川町北部の里山整備   もどる

・インターネットで森林ボランティア活動を探していたら、あまがさき山仕事
体験隊を見つけたので早速入会するつもりで参加申し込みをしました 
尼崎高原ロッジ周辺の裏山で里山保全を行う市民団体だとのことです


前日まで本土直撃を予想されていた台風15号が急に回れ左?!、お陰で月に一度の森林ボランティアを初体験する事が出来ました

街から1時間半駆けて猪名川町の尼崎高原ロッジに集合、4人ほどそれらしいいでたちの人がいたのであいさつをするとなんだか話がかみ合いません
何でも猪名川町の募った森林ボランティア希望の人たちで”あまがさき山仕事体験隊”には初参加だとの事、今回は8人も来ていました。

やがて今回の担当者の楠瀬さんが現れて何やらせわしなく猪名川町の世話人達と話をしていましたが肝心のメンバー達との紹介があやふやなまま作業の説明が始まりました

一通りの説明を受けパンフレットをもらった後、ようやく作業に出かけることになりました。山中の伐採作業だというのに複数名の女性がいたのでびっくり、ご夫婦でしょうか

今回のポイントはロッジ近くの谷間、ハイキングコースになっていてフィールドアスレチックの遊具が点在しています。それらの遊具は太めの削り丸太製ですが青く苔むしているし、生成の太いロープは黒っぽくて汚れだかカビているのか解らない状態で、見るからに風通しの悪いところに置き忘れられたという雰囲気です

ロッジ近くの5,6カ所はすでに伐採が済んでいるとかで周辺がさっぱりしていました。近くには伐採の済んだ、葉っぱが着いたままの枝が山と積まれています

今回作業するポイントに近づくと、ツタこそ絡んではいないもののうっそうとしていかにもカビが生えそうな不健康な感じ。なるほど以前はこんな状態だったのかと納得

網に組んだロープをよじ登るタイプの遊具ですが、それにもたれるように10cmくらいの椿らしい木が生えていてどうにもじゃまをしています
当然切り倒しましたが年輪が15年分くらい有りました、チェーンソーで切るので倒すのはあっと言う間。その倒れた大木にとりついて鉈や鋸で小枝を払っていきます。

鉈で生木を切るのは初めて、あまりに簡単に切り払えるのでびっくり。生木が柔らかいのか、鉈の手入れがいいのかはまだ判断出来ませんが作業が小気味よく進むので快感です。ばっさばっさと切り離しては長さを揃えて傍らに積み上げていきます

後かたづけはやっぱり大変で谷間ということもあり非常に湿気が多いので見る間にシャツもズボンも汗でびしょぬれです

一息ついていると、「山で蒸し暑いのはハラがたちませんねえ」と相棒さん、急斜面なので何度もよろけたりふらついたりでどろどろに汚れたシャツに風を入れながらも嬉しそうに話していました
登山歴が長い私は当たり前のように感じていましたが、そう聞いて確かに町の蒸し暑さはやりきれないけれど、ここのは母なる大地の息吹というか体温みたいに感じます

ある程度切り開いて少し空の明るさが入ってきたなあ、とがけの上を見るとかなり長い倒木が二本の大木に挟まった状態で空に向かって突き出ています。
「急な崖の上だけど、何とかがんばって切り倒しましょうか」

現場まで近づくのも大変、足場を固めるために近くの低木や複雑に絡んでるツタをばっさり切っては沢に落とす、落とした枝葉を切りそろえてはじゃまにならない場所に積み上げる。ようやく支点になっている部分まで近づいたけど高いのでチェーンソーが届かない、無理に刃を入れると今度はいつ折れるかが怖くて近寄れなくなる

「あぶないでぇ、山では眼より高いところで仕事をせんもんや」とベテランさんの意見
でもこのままにしといて次の作業に移るのは気がひけるなあと言うことで相棒さんが鋸で切り始めた、直径20cmは有りそうな倒木ですが乾燥してるからがんばって見ます。
結局30分も掛かってやっとこさ切り離したものの思った方向に傾かず、ベテランさんが見かねて挟まってる方の木もろとも切ろうと言うことになりました

昼食を挟んで作業再開、ベテランさんがいきなり根っこを切り離したが‥あれれ倒れてこない‥たった50cmほど降りてきただけ?
はるか上の方の茂った枝葉が絡んで倒れて来ないんです。さあ大変なんとしてでも落として片づけないとかえって危ないことになる
下からずたずたに切り刻んでようやく片づいた、後は本題の倒木を切り刻むだけ
たったそれだけの事でも足場のない急な斜面なので何度もチェンソーもろとも転がったり引っかかったり、小一時間も掛かって切り刻みました


こうして倒木処理は済みましたがそれにしても一本の倒木処理になんと多くの手間をかけ枝葉を落としたことか。改めて人工設備を森に作り、維持する事の大変さを認識しました。
これで今日の作業は終了、広場に戻るなりベテランさん達はバケツを囲んで何やら始めました、今日使った鉈、鎌、鋸そしてチェーンソーなどの道具類の手入れです、道理で使い回しの道具にしてはよく切れるなあと思いました
みんな、汗と汚れでどろどろなのによくやるなあと言う気分です、着替えちゃったらもうさわる気もしなくなりますからねえ、こういうのは登山とはちがうところですね

これで高原ロッジに戻り大浴場に無料で入れていただきました、ああいい気持ち
このあとすっきり顔でミーティング、ここ以外にも栃原や篠山などでも作業をし始めましたという事、森林大学や箕面国有林等での森林ボランティアの案内も有りました

初めての森林ボランティア体験作業はこうして終わりました、ここ尼崎高原ロッジ周辺の敷地は10ヘクタールほども有るとか、今回のペースではコースの一通りを作業し終わるのは何時になる事やら、まだまだ参加者も来てほしいと言うことでした                2000年 9月9日 秦 宗時


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