コラム『動点』(週一回の連載)  2005年1月〜 

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目次

2005年1月〜 
1月
 ○高校サッカーの決勝戦  ○NHKの放送内容改変問題  ○大阪市のカラ残業カラ退職金

2月
 ○映画『北の零年』  9条の会のアピール  ○三位一体の改革の高槻市への影響
  映画「火火」鑑賞記
3月
 宮崎アニメがベネチアで栄誉賞   西武王国と脱税容疑  自民党の憲法改正草案  ○サラリーマン川柳
 行政の説明責任
4月
 ○新規採用職員へ  ○花見日和  ○マネーゲームの非情  ○野菜は足跡分生長する

5月
 松代大本営計画  ○わが街の9条の会  ○自治会総会が開かれました
6月
 住基ネットに違憲性の判決  ○春のスポーツカーニバル  ○市民とともにある市バス  ○市労組バス旅行
 書記さんのバトンタッチ
7月
 ○愛知万博見聞記  ○プロ棋士編入試験  ○私の見たスターウオーズ  ○進化するPCの基本仕様

8月
 ○体験的夏野菜活用法  ○郵政民営化法案否決の背景   ○人事院勧告を斬る
 ○『ターニングポイント』読後感

9月
 市民体育大会  小泉劇場の第二幕  ○憲法9条を守ろう  ○中坊公平・私の事件簿
10月
 
万歩計  ○外来語の言い換え  ○携帯デジタルオーディオ  ○ブログは新しいメディア
11月
 ○全国IT情報集会  ○シイタケ栽培  
構造計算書の偽造事件  退職と互助会給付金
12月
 ○働きすぎの時代  ○映画「マザーテレサ」鑑賞  ○無防備・平和都市条例  ○映画『ALWAYS3丁目の夕日』

 


映画『ALWAYS 3丁目の夕日』   20051228掲載

 仕事納めの日です。さて今評判の映画『三丁目の夕日』を観られましたか▼舞台は昭和三三年の東京下町夕日町三丁目。東京タワーが建設中だ。町の自動車修理工場鈴木オートに青森から集団就職で六子がやってきた。向かいに住む龍之介は東大出の作家で駄菓子屋を営みながら少年雑誌に投稿している。近くに一杯飲み屋が開業して女将は評判の美人である。そこへ親に捨てられたと淳之介が連れられて来る。女将に頼まれて淳之介の面倒を見ることになる竜之介。鈴木オートに待望のテレビが来た。ちょうど力道山が中継されていた‥‥▼昭和三三年の下町と人情が再現されています。少年冒険小説が大好きで自らも習作を書く淳之介、面倒を見る竜之介、淳之介が親に会いたいと言うと手助けするガキ仲間の一平、自分は口減らしだ思っているが母親の本当の想いを知る六子などのエピソードはホロリとさせます。仕事する大人が溢れ、遊ぶ子供が溢れて、下町に活気があります▼監督の山崎貴さんは一九六四年生まれというのも驚き。知らない時代を再現しています。高槻松竹では団塊の世代料金があって千円で鑑賞できます。今年の日本アカデミーの本命と思う作品。未見の人は是非どうぞ▼よいお年をお迎えください(M)

無防備・平和都市条例   20051221掲載

 高槻市民の直接請求による『高槻市無防備・平和都市条例』制定の審議が市議会で始まっています。不案内でしたので同運動の全国ネットの本から概要を紹介します▼この「無防備地域」とはジュネーブ条約第一追加議定書(一九七七年)第五九条第一項に「紛争当時国が無防備地域を攻撃することは、手段のいかんを問わず、禁止する」と規定しているところからきています。同条第二項は「紛争当事国の適当な当局が所管する地域を無防備地域と宣言するための四条件」を定めています。地方自治体が所轄下の地域を非戦の地域とし、それを相手国に通告すると、その地域に対する攻撃は禁止され、結果として住民の生命・財産は守られるという、この規定を活用して、平時において非戦の地域づくりをすすめていくことを定める条例だといえます▼最初に大阪市で取り組まれ(昨年七月)枚方市(同十二月)荒川区(今年二月)藤沢市(四月)西宮市(七月)大津市(十二月)高槻市(十二月)と現在二〇数市に広がっているとのこと▼憲法第九条をめぐってきな臭い議論がある中、恒久平和を願う市民の問題提起の一つであることは確か。自治体としてどう応え、何ができるか、議会の場でしっかり議論してほしいと思う(M

映画「マザーテレサ」鑑賞   20051213掲載

 生涯学習センターで開催されている月一映画会、12月は『マザーテレサ』でした。2003年のイタリア=イギリス作品です▼1946年インドのカルカッタ。修道女テレサは女学校で教鞭を取っているが、派遣伝道師として修道院外で働くことを決意する。先ずスラム街で青空教室を始め、子どものために食料の托鉢に回る。やがて12人のシスターとともに「神と愛の宣教者会」を設立して独立する。先ず始めたのは「死を待つ人々の家」の開設。瀕死の人々の最期をみとめるための施設である。次に建てたのは孤児のための施設「聖なる子どもの家」。またハンセン病患者のためのコロニー「平和の村」建設に東奔する。1979年ノーベル平和賞受賞。「世界で最も貧しい人々に代わって受賞する」と演説する‥▼最も貧しい人々に一生を捧げたマザーテレサの半生を描いた映画でした。聡明で頑固で小気味よい人柄と決して真似できない「献身」の精神がよく描かれていました▼ところで、現役のマザーテレサを記録した映画は世界で3本しかないそうです。うち一本が日本人監督によるドキュメンタリー映画『マザーテレサとその世界』。ノーベル平和賞を受賞した年に完成しています。千葉茂樹監督の着眼がすごいと思う▼是非とも見たい映画です(M)

働きすぎの時代      2005.12.07掲載 

 ここ二〇年世界は時短から働きすぎにベクトルが向いているという問題意識から、人間的発達の原点にかえり労働時間のあり方を考えようという本が出版されています。『働きすぎの時代』(森岡孝二著 岩波新書)。要点を紹介します▼働きずぎは現代資本主義特有の問題だとして四つのキーワードを提起します。その一、グローバル資本主義。経済のグローバル化と中国・アジアの工業化などによって世界的に資本間競争が激化して労働時間を圧迫していること。その二、情報資本主義。情報通信技術の飛躍的発展が時間ベースの競争を強め仕事のスピードを高め仕事量を増やしていること。その三、消費資本主義。二四時間稼動の大衆消費社会という消費様式が雇用の不安定化と過重労働を誘発していること。その四、フリーター資本主義。労働法制の規制緩和と労働市場の流動化によって、雇用形態の多様化不安定化が進み、非正規労働者が基幹労働力になるまで増大した結果、止めどもなく働く労働者と働きたくても細切れにしか働けないを作り出していること▼総じて労働時間の標準化によって時短が進行した時代から、今は非標準化によって働きすぎの時代になっているのです▼我が子の現状を見るにつけ実感しています(M)

退職と互助会給付金      2005.11.30掲載 

 11月30日付けの退職者が高槻市は22名(新聞報道)とのこと。ご苦労さまでした。今回、大阪府下で退職者が沢山出たことを「ヤミ退職金に駆け込み相次ぐ」(21日付読売新聞・夕刊)など敵意を感じる報道がされて気になっています▼同記事は、制度廃止後の清算金は一人最大約200万円で、この月末は最高800万円程度を受給できる最後の機会であるため、最終的に300人を超える「駆け込み退職」が相次いでいる、差額の600万円は公費が充てられる、としています。公費という言い方は微妙ですが、読者が公費=税金だ理解するようだと、違うよ、と主張したい▼互助会(会員約57000人)発行のリーフレットでは、流動資産総額は約700億円あって、そのうち約100億円は返還金にあたり、残り600億円は会費積立累計相当額(清算分)だとしています。今回の支払いはこの600億円から支出されると予測します。総額を清算する際に経過措置で100%支払いも設定したということです。それだけ全体の清算額が減少しても「税金」が使用されることはありません。互助会には「地公法第42条に基づく福利厚生制度の実施機関」として引き続き事業展開してほしいと思う▼退職は職員にとって重大事。せめて謝辞で締めくくりを(M)

 

構造計算書の偽造事件      2005.11.24掲載 

 マンションなどの構造計算書が偽造された事件は大変ショッキングな出来事でした。事件の背景に、1998年の建築基準法改正によって、建築確認が民間でできるようにしたことがあると指摘されています▼建物の設計には、意匠部分と構造部分と設備設計部分があると言われています。このうち、構造部分は鉄骨・コンクリート・鉄筋などの骨組みの設計で建物の強さを決定する重要な部分ながら、外からは見えないこともあり、専門家が少なく、設計会社は下請けに出しています。そして、基準ギリギリまでコストを下げる事務所に仕事が流れる実態があるといいます。余裕を持った構造設計に対してはコスト削減を請け負う事務所すらあるとか▼そうすると、建築確認を検査する機関が大切になります。行政の建築主事の確認を受けるのが今までの「常識」でした。そこが民営化されたのです。今や民間による建築確認件数が行政機関のそれを上回るまでになっています。検査する民間会社が過当競争になれば、より「安く・早く」検査する機関に仕事が流れていくのが、営利企業の論理です。設計と検査と施行とが全て営利目的の民間企業に委ねられているという意味では、起こるべくして起こった事件かも知れません▼「官から民へ」「民でできることは民へ」の大合唱が如何に砂上の楼閣か、知るべしです(M)

シイタケ栽培      2005.11.9掲載 

 今日はシイタケの話です。食べ物の名を聞くとすぐに効能が気になる人も多いと思いますが、シイタケは血液中のコレステロール値を下げる効果や抗ガン作用があることが知られている優良食品です▼さて、そのシイタケを自家栽培した経験はありますか。小学校の総合学習などでよく取りあげられています。普通、コナラやクヌギなどの広葉樹を長さ九〇a〜一bに切った原木にドリルに穴をあけて、種駒(シイタケ菌入りコルク)を金槌で打ち込みます。できあがった「ホダ木」は、雨が当たり、直射日光が当たらず、適度の湿り気がある場所を選んで保管します(コンクリートの上は不可)。そうして一年〜一年半育成すると待望のキノコが生えてきます。運と環境が良ければ毎年春と秋に数年間は生えます▼昨年の春、実際にクヌギの木を二〇本入手して、菌を打ち付け、自宅の庭木の下に組んで保管していました。そして一週間ほど前、待望のシイタケが生えてきました。直径一八aはある傘は肉厚がたっぷりあってつやが良くて輝いています。第一発見時は感動ものです。沢山出てきましたので親戚と近所にお裾分けしました▼あなたも、完全無農薬・自然栽培のシイタケに一度挑戦を。実際に自然の不思議が体験できますヨ(M)

全国IT情報集会      2005.11.2掲載 

 京都で開催されたIT情報に関する集会で、パネルディスカッションがあって興味深く聞きました。テーマは『住民のプライバシーの保護と職員の監視体制の進行』でした。住基ネット差し止め訴訟の弁護士と関西情報活性化センターの人などが討論しました▼その中で気になったことが二点。一点目。住基ネットのセキュリティを問う弁護士に対して「住基ネットが問題なら自治体のLANは本当に大丈夫なの」というセンターの人の一言。理由はLANには住基とは比べものにならない情報量があるからです。情報主体は住民であり行政は情報保有者であって、情報漏洩の被害は情報主体者である住民が受けるという関係です。高槻市では先日課長職の研修が行なわれたようですが、万全を期してなお失敗は許されない分野だということです▼もう一点。そうした住民の権利を守るために職員のプライバシーは後退してやむを得ないのかということ。管理者は一般に「操作ログ」を取っています。パソコン操作のほぼ全容が記録されています。職員には情報主体者としての側面があるから、承諾を得ない操作ログの保存は個人情報保護条例に抵触しないかという問題提起です。要調査です▼久しぶりに刺激を受けた集会でした(M)

ブログは新しいメディア      2005.10.26掲載 

 市職員の中で「ブログ」を作成している人はどの位いるでしょうか。新しいメディアとして台頭してきています▼「ブログ」とは「ウエブ・ログ」の略で、インターネット上で公開するためにつくられた個人日記と思ったらいい。ジャーナリスティックなものから、ニュースの論評、個人的な日記、身辺の話題、エッセイ、写真付記事など、さまざまなテーマ・内容があります。ホームページと違う点は、つくるための専門のソフトや知識が全く不要なこと。このことの違いは大きい。インターネットに接続できれば何処からでも自分のブログにアクセスできて、更新・変更が可能です。プロバイダーやポータルサイトの殆どが無料でブログの場所を提供しています▼ブログはページの構成が共通していて、記事が新しい順に並び、記事は自由に分類できて、リンクとコメントの機能が付いています。そして、ブログは記事が更新され続けるところに意味があります。私のブログは正月からスタートして、現在、記事数が二三一、アクセス数が二二五〇〇です。HPは作成し始めて五年半で二六七〇〇のカウント数ですから、ブログの訪問者は一ケタ多いことになります▼個人で情報発信できる新しいメディアに皆さんも挑戦してみては(M)

携帯デジタルオーディオ      2005.10.19掲載 

 今年の高槻市の成人式で「抽選でアイポッドが当たります」とアナウンスが流れると、それまで私語でざわついていた会場が一瞬静まり返り、次に歓声が上がったという話を聞きました▼アイポッドをご存知ですか。アップル社が制作した「携帯デジタルオーディオ」の商品名で、記録的なヒットが続いています。携帯できるものといえば、ほんの一時代前はカセットテープが本流でした。それがCDとなり、次にMDが出ました。そして今はハードデスク・メモリーに。非常に小型・軽量で携帯性に優れた製品です▼私が購入したのはメモリー型「携帯デジタルオーディオ」。音楽が8時間録音できてFM放送・音声録音付きで重さ五〇cのタイプです。普通のメモリーのようにパソコンのUSBに接続して音楽の追加・削除が自由にできます。音楽CDをMP3形式などでパソコンに取り込んでドロップすればOKです。再生される音楽をイヤホーンで聞くため、両耳が塞がりますが、他の音も十分に聞こえるため、危険なことはありません。過日、いずみホールで鮫島由美子ソプラノリサイタルを聴く機会がありました。早速、CDを購入してオーディオに登録して聴いています▼新しいものが出るとつい手を出してしまいます(M)

外来語の言い換え      2005.10.12掲載 

 大江健三郎さんの本を読む機会がありました。週刊朝日に連載されたもので『「自分の木」の下で』という本です。小学校高学年に語りかけるように、易しい言葉を選んで、言いたいことを正確に表現しつつ、相手にも正確に伝わるように細心の配慮のもとで文章が綴られています。言葉をていねいに扱う大切さを学べる本です。推薦▼さて、過日の新聞に分かりにくい外国語を日本語に言い換える35例の言い換え例が出ていました。例えば、「トラウマ」とは「強いショックによって受ける後々まで消えない心の傷」の意味だが「心の傷」と言い換えしようという提案です。以下、外来語を十語続けます。日本語に言い換えてください▼「アクセスビリティー」「アミューズメント」「オーガナイザー」「オペレーション」「カスタムメイド」「クライアント」「サプリメント」「ソフトランディング」「ドナー」「バイオテクノロジー」これで十語。どうですか。言い換え例。利用しやすさ・娯楽・まとめ役・公開市場操作・受注生産・顧客・栄養補助食品・軟着陸・臓器提供者・生命工学です。ドナーなどは外来語でもいいかなと思いますが、大半は、やはり日本語で聞いたり読んだりした方が分かりやすいと思う▼日本語を大切に扱おう(M)

万歩計      2005.10.5掲載 

過日募集があった市町村健保の健康グッズで『万歩計』を入手しました。毎日身に付けています。朝から翌朝までの歩数計測を何に役立てるか。普通の出退勤で6千〜7千歩くらいです(庁舎の移動は階段です)。スポーツした日は2万歩を越えた日もありました。手帳に並んだ日ごとの数値を眺めながら考えました▼糖尿病をはじめ、高血圧・高脂血症などの生活習慣病は年齢とともに何がしかの形で私たちの身体に忍び寄ってきます。その進行を抑えるのに効果があるのが運動と言われている。手軽で継続してできる運動に何があるか。歩くことを運動と捉えよう。手を振り歩幅をしっかり取って歩くことが理想。そう考えて朝や夕方、仕事以外で時間を取って30分から1時間くらい歩いている人が増えているのだと思います。我が団地では決まった人が決まった時間に大勢の人が歩いています。目標はよく言われるように毎日1万歩でしょうか。私の場合、残り4千歩をどこでつくるかが思案のしどころです▼ところで、10月の定期異動があり今日から新体制です。一般職中心にしては予想より小さかったようですが、該当者にとっては職場環境が大きく変化して緊張もあるでしょう▼新職場での引き続きの奮闘を期待して(M)

中坊公平・私の事件簿を読む      2005.9.28掲載 

中坊公平さんの『私の事件簿』(集英社新書)を読む機会がありました。一九五七年に弁護士登録して以来、およそ半世紀、闘う弁護士・中坊公平は五百件を越す事件を担当しています。資料は全て京都の事務所の倉庫に保管してあって「死んだ後も責任をとる」と本人の弁。本書では十四のケースが紹介されています▼中坊さんを大きく変えたのは「森永ヒ素ミルク中毒事件」といいます。一九五五年森永ミルクMF缶からヒ素が検出、販売禁止しますが被害者は厚生省発表で一万二千人(実際にはその二倍と推計)にも達した事件です。森永乳業は死者二五万円、患者一万円の補償金としました。そして十四年後、患者六八名の追跡調査が新聞報道されたことが契機となって、七三年に民事訴訟を提起、要請されて弁護団長になったものです。中坊氏は被害者訪問を徹底して、父の言葉「人様の役に立て」を実践しました。被害者の恒久的救済のために「ひかり協会方式」を生み出しています▼そのほか、豊田商事事件・豊島事件・住専処理事件など解決不可能と思われた巨大事件に挑む中坊弁護士の心意気がにじんでいます。ひたむきに・懸命に・遮二無二といった副詞が合う弁護士です▼道路公団の談合をどう思っているでしょうか(M)

憲法9条を守ろう      2005.9.21掲載 

今日から臨時国会です。郵政民営化法案が再提案されますが、議員の三分の二が与党という初めての事態を受けて国会審議がどうなるか。私は民主党の代表に前原氏が就任したことが持つ影響を心配しています。それは、前原氏の政治信条に由来します▼民主党は元々「創憲」を掲げていますが、17日の記者会見の席で「わたしの意見は(戦争放棄の)9条1項はいいが、(戦力不保持の)2項は削除し自衛権を明記することだ。党調査会の論議をスピードアップさせたい」と述べています。一方、今年50年を迎える自民党は今秋に新憲法草案を発表するとしています。今国会では、改憲のための国民投票法案を審議する特別委員会の設置が議論されるようですが、与党民主で改憲への確かなレールが引かれようとしています▼この状況を放っておくわけにはいきません。今、国民の中に、政治信条を超えて「憲法9条を守ろう」という一点でまとまった第3の勢力が必要です。幸い、井上ひさしさんらが出した「憲法9条を守ろう」のアピールに協賛する輪が全国に広がっています。私の住む学区では、主婦が中心となって呼びかけを行い、100名近くの賛同者を集めています。10月1日には3回目の会合が持たれます▼来年が正念場です。今、地域や職場で賛同の輪を拡げよう(M)

小泉劇場の第二幕  2005.9.14掲載 

 小泉郵政劇場が圧倒的拍手のもと第一幕の幕を閉じました▼台本がいつ書かれたのかは不明です。刺客を名乗る女性が目立つように配役した予告編はマスコミで大々的に取上げられました。舞台の幕が開くまでの効果は満点でした。そしていざ上演。「郵政民営化是非の国民投票を」「郵政民営化は改革の本丸」「改革を止めるな」の大合唱は予告編どおりでした。別の劇場では「政権交代を」「年金改革を」と銘打った劇がかかっていますが、うまく客が入っていません。他の小劇場も「郵政に税金は一円も使われていない」「確かな野党が必要」の呼び込みがかかりますが浸透しません▼同時開催の劇に入場できるのは一箇所だけです。客を集めたのは小泉劇場。しかも以前と比べて若者の顔が目立ちます。そうして圧倒的成功のもとに第一幕は終わったのです。ことはそれで終わりません。引き続き第二幕が準備され、上演されるのは当然のことです。「財政再建には庶民増税が避けられない」「厚生・共済年金一元化を」「憲法を改正して戦争出来る国に」「義務教育国庫負担を地方に」等々。小泉劇場の観客は驚くのか、当然だと思うのか▼第二幕は四年間続きます。演題もストーリーもほぼ自由になる強力な数の力を伴いながら(M)

市民体育大会  200598.6掲載 

 急な選挙となりましたが、毎年9月の第一日曜日には私の住む市では市民体育大会が開催されています。学区対抗の形をとっていますので、学区体協の事務局がテントの設営から参加人数の確保、飲み物と弁当の手配などの実務一切を担いながら、各学区からバスを連ねて陸上競技場などの会場に集合することになります▼玉入れやリレーなどの陸上競技が中心ですが、バレーボール・卓球・ソフトボール・バドミントンなどの球技の大会も種目に入っていて熱戦が繰り広げられます。私はソフトボール大会に参加しました。参加資格は市内在住で30歳以上3名以内、残りは40歳以上です。全ての学区チームがユニホームを持っているところがこの大会の伝統を思わせます。学区を四ブロックに分けて各々8チームトーナメント方式で一日で優勝まで決めます▼私の学区には地域チームがあって、その人達中心に助っ人を加えてチーム編成。一回戦にのぞみました。相手チームも新興の学区でしたが、幸いピッチャー(私)の調子が良くてチームにリズムが生まれ、8対4で勝利しました(二回戦はウインドミルのピッチャーに完封されて0対8で敗戦でした)▼地域の人達と一緒に汗を流す貴重なスポーツの機会となりました(M)

『ターニングポイント』読後感  2005.8.31掲載 

 夏休み読書から今日は『ターニングポイント』(松井久子著 講談社1600円)という本の紹介です▼著者は、20代は雑誌の記者、30代は俳優マネージャー、40代はテレビドラマ・ドキュメンタリーのプロデューサー、50代は映画監督と、丁度10年を区切りに新たな仕事に挑戦してきています。その時系列に沿って綴られた随筆集。高倉健さんや渡哲也さんとの親交、関根恵子さんのマネージャーとしての経験、ドラマ初製作となった「女同士」の秘話など、いずれも非常に上手な文章で書かれていて中身にドンドン引き込まれていきます▼後半の映画製作の話は、監督の立場から書かれた文章として、『ユキエ』『折り梅』の二作品を如何に企画・立案して、資金集めの努力をして、製作現場で汗を流して、完成品が出来上がると、上映する所に出かけて、挨拶をして、普及運動に関わってと、トコトン自らの映画のために行動している監督の全体像が本当によく伝わってきます。2002年に大津のつくし保育園が取り組んだ「折り梅」上映会があった時も監督自らあいさつに見えられました▼本書を読んで、映画『ユキエ』と『折り梅』を通じて実現した介護と映画上映運動との熱い連帯を是非追体験して下さい(M)

人事院勧告を斬る  2005.8.17掲載 

8月15日に出された人事院勧告は賃金額だけでなく給与体系の大幅な変更を「勧告」しています。どう読みましたか▼その主要内容は@俸給表を一律4.8%引き下げるA昇給カーブをフラット化する(高齢層は一層引き下げる意)B調整手当を廃止して地域手当を創設する(0%から18%まで七段階に格差)C能力・成果主義による査定昇給制度を導入(一時金にも勤務実績配分を強化)の4点。組合ニュース等で事前に聞いていたとはいえ、実際に形となって出てくると何とも重い内容です▼@〜Bから読めることは、先ず賃金レベルを一律に5〜7%引き下げた上で、調整手当(0%〜12%)よりも格差を拡大した地域手当(0%〜18%)をつくること。これは公務員賃金を実質賃下げし、しかも地域格差を拡大するということです。Cは、能力・実績を「評価」して本格的に処遇に反映させようということです。実効ある人事評価制度の存在が前提となっていますが、民間においてすら査定賃金導入の是非について評価は定まっていません▼地域手当の経過措置・現給保障・5年かけて順次実施などの緩和条件があるような話が聞こえてきますが、賃金制度の抜本改悪であり、到底認められない内容である、が私の結論(M)

郵政民営化法案否決の背景  2005.8.10掲載 

郵政民営化法案が否決され、解散総選挙という事態になりました。どう見ていますか。先ず、私流に法案否決の背景をさぐります▼その一。四七の都道府県議会と全国二六一六の市町村議会(全体三一〇〇の八四%)が民営化反対あるいは慎重審議を望む意見書を採択していること。即ち永田町以外の地方では圧倒的に法案の今国会成立に反対していた事実があること▼その二。国民の資産である郵便貯金・簡易保険の資金340兆円が内外の金融資本に開放されることに郵政民営化の本質があること。民間には投資先がない過剰マネーが何十兆円とあるから、民営化で郵貯・簡保資金が民間市場に流れ込んでも、設備投資には回らず、利回りの良い海外に流れる結果、高い海外リスクにさらされる。その一方、利回りの悪い日本国債は引き受け手がなくなり将来不安は増すばかりとなる(内橋克人氏の意見)▼その三。改革と市場化は必ずしもイコールではなく、過日のJR西日本の事故で現実化したように、利潤追求が至上命令となるとどうなるか。郵便や貯金は鉄道交通などと並び国民が「リスクをゼロにしてほしい」と願う分野であり、郵政民営化は行き過ぎた改革でした(松原隆一郎氏の意見)▼かくして否決されました(M)

体験的夏野菜活用法 2005.8.3掲載 

自家製夏野菜といえばキュウリ、トマト、トウモロコシ、ゴーヤなど。今日は夏バテ防止を兼ねた体験的夏野菜活用法を以下に紹介します▼先ず「茹でトウモロコシ」。糖度が高い野菜です。収穫しても呼吸しているためその糖分を消費します。三日間で三分の一を消費。従って収穫して如何に早く調理するかが勝負です。収穫してすぐに「水から五分間茹でる」がベストの調理法。甘くてみずみずしいトウモロコシを食べると元気が出ます▼次に「トマトジュース」。自家製トマトは香りが強い分トマトらしいのと、赤くなってから収穫できるのがメリットです。赤いトマトを水洗いして適当な大きさに切り、ジューサーにかけます。出来たジュースをコップに分け、氷数片と塩少々を加えて出来上がりです。自家製の美味しさは味わって初めて実感できます。お勧めです▼次に「キュウリの浅漬け」。市販のぬか漬けの元と密閉容器があればOK。収穫したキュウリを漬け込めば常温で三時間くらいから食べられます。職場にキュウリを持ち込んで皆で「浅(朝)漬け」し、昼食の弁当時にお裾分けしながら食べています▼最後に「ゴーヤのテンプラ」。今年は不作です。実を取って輪切りにしてテンプラに揚げます。美味しい(M)

進化するPCの基本仕様 2005.7.27掲載 

日進月歩のPCの世界ですが、今年はその基本設計仕様が大きく進歩する年だとある雑誌で読みました。それがどんな変化か簡単に素描してみます▼PCの基本設計仕様のうち、CPUとメモリとHDDとデータバスを取り上げます。先ずCPUですが、例えば3GHzのCPUとは秒間に30億回の処理を意味します。これでも十分速いのですが、今後はデュアルコア(計算回路を個にした)CPUが登場してよりスピードを増し、64ビット化が進んで一度に計算できる量を増やします。それに伴ってメモリの高速化が要請されて、現在主流のDDRからDDR2へと変化していきます▼一方、HDDでは大容量化が進んでいます。プラッター(ディスク)はデスクトップで3.5インチ、一枚で最大120130GBの容量です。500GBだと枚装着しています。主流の7200回転では時速120kmという高速で回転しています。より容量を増すために垂直磁気記憶方式(磁石を垂直に並べる)や、高性能な読み出しヘッドであるTMRヘッドが採用され始めています。そうしたデータ転送の高速化・大量化に対応する形で転送の仕方がパラレルからシリアルへと変化してきています▼キーワードだけでも頭の隅に(M)

私の見たスターウオーズ 2005.7.20掲載 

「遠い昔、遥かなる銀河系で‥‥」の文字が流れる映画。見てきました。『スターウオーズ・エピソード3・シスの復讐』(以下EP3と略)です。以下は私的鑑賞記▼第一作「スターウオーズ」が日本公開されたのは一九七八年でした。私も参加した職員による映画研究会が活動していた時代。このハリウッドSF超大作は若者たちの熱狂に迎えられました。第二作『/帝国の逆襲』は一九八〇年、第三作『/ジェダイの帰還』(復讐はシスであってジェダイではないと当初の邦訳が変更されています)は一九八三年です。この旧三部作は、青年ルークが成長して自らの使命に目覚め、内面の試練と格闘しながら、銀河を救う選ばれし者として、皇帝と悪の象徴ダース・ベイダーと闘う物語です。内容的に分かりやすい「陽」の映画です▼それから一六年を経て製作された『 EP1/ファントムメナス』と二〇〇二年の『EP2/クローンの攻撃』そして今回と新三部作は、アナキン・スカイウオーカーの成長物語ながら、ダークサイドに転落してダース・ベイダーが誕生する物語でもあります。そして銀河共和国崩壊の物語。「影」がつきまといます。▼アナキンは何故ダークサイドに魅力を感じたのかを考えながら見た映画でした(M)

プロ棋士編入試験 2005.7.13掲載 

アマチュア将棋の強豪瀬川さん(三五才)がプロ編入試験となる六番勝負に挑戦することが話題となっています。三勝すれば合格です▼プロ将棋界はある意味閉鎖社会です。奨励会(六級〜一級・初段〜三段)に入って三段まで昇段し、年二回のリーグ戦で優勝・準優勝した者のみがプロ棋士(四段)になることができます。しかも満二六歳以下という年齢制限があります。現在、日本将棋連盟のプロ登録棋士は二五五名(女流四八名を含めても三一三名)しかいません。うち現役棋士は一四四名です。本当に「天才」の集団です。瀬川さんは、かっては奨励会に三段で八期在籍した経験があります。しかし四段に昇段できずに退会しています。その後アマチュアとして、銀河戦等の公式戦でプロ棋士相手に十七勝七敗(勝率七割はすごい!)の成績を上げ、本人から出された正会員を希望する嘆願書に応える形で編入試験が実現したものです▼さて、最近読んだ本では『編集者T君の謎』(大崎善生著)はプロ将棋界の最近の動向を綴ったエッセイです。『聖の青春』(同著)は村山聖八段の太く短い生涯。『フフフの歩』(先崎学著)は棋士の優雅な生活と素顔が上手な文で綴ってあります▼注目の第一局は七月十八日です(M)

愛知万博見聞記 2005.7.6掲載 

愛知万博の入場者が一千万人を越えました。その抽選には当たりませんでしたが、行って来ました。以下は個人的見聞記です▼朝七時に京都出発。バスの日帰りコースです。長久手会場の西ゲート駐車場には十一時過ぎに到着。これから午後六時までの見学です。帰る場所をしっかりチェックして、歩いて西ゲートへ。持ち物検査を受けて改札口から入場です。各会場を結ぶグローバルループ(遊歩道)があって移動は基本的に徒歩(有料乗物は別)です。人気企業館は何時間もの待ちがあって予約者以外は無理。当日予約は既に完了でした。携帯電話で待ち時間チェックをして外国のパビリオンを見て回ることにしました▼昼食は一時過ぎでしたが、朝からの降雨で七万人台と普段より格段に少なかったからか、ちょっと待ってビュフェに入場できました。ドイツ館レストランは一杯でした。マンモスラボは並んでも見学する決意で集団の中へ。動く歩道での見学でした。その後、待ち時間ゼロばかり選んで十館余り回り、「サツキとメイの家」へ。日本庭園散歩コースでもあります。人気が高く展望台から眺めるだけの見学でした▼雰囲気程度の見学でしたが、私のように並ぶことが苦手なせっかち屋には大変な場所です(M)

書記さんのバトンタッチ 2005.6.29掲載 

労働組合の仕事は実務的な部分が意外と沢山あります。その裏方の仕事を支える中心に書記さんが座っています。だから組合役員は仕事中組合事務所を離れても安心できる▼高槻市労組の場合、小西さんが、その役を一手に引き受けていただいてきました。特に一九九〇年の結成当初は、組合事務所は外にあって、狭くて、全員が慣れていなくて大変だったと思う。活動を軌道に乗せる上で果たした役割は大きい。日々の仕事では、組合費と組合活動に係る経理を中心に、共済事業の運営や会議室の予約、レジュメ印刷等々の雑務も含めて、多種多様な仕事が回ってきます。それをテキパキと処理する要領は人に備わった能力と思う。共済事業でお世話になった組合員は多いと思う。支援物資の購入・配付ではいつもお世話になっています▼その小西さんがこの六月一杯でバトンタッチされます。九州で一人暮らしする母親を助けることを生活の中心の一つにおきたいとのこと。継続を期待する声は大きいものの本人の決意が固くて決定となったと聞いています。「貧乏組合」ゆえアルバイト処遇に甘んじていただいたことも含めて、十六年間の活動にお礼のことばを送ります▼二代目が決まって今後も組合事務所を守ってくれます(M

市労組バス旅行 2005.6.22掲載 

三日前の日曜日は組合のバス旅行でした。今回は淡路島の旅。午後から雨の予報は見事にはずれて暑い一日でした▼市役所前に八時半過ぎに集合。退職OB会も加わって賑やかなバスとなりました。茨木から名神に乗って西宮−垂水へと走りました。休日はこのルートが近い。車中の話題は専ら「給与構造の見直し」人勧のこと。基本賃金を下げて退職金を減らそうという「団塊の世代」対策に怒り心頭の言葉を一言欄に書いて署名を回しました。明石海峡大橋を渡ってサービスエリアで休憩。つり橋としては世界最長の橋をバックに全員で記念撮影しました▼バスは洲本市に入って「御食国」へ。大正時代のカネボウ綿糸工場跡地をレストランに改造した赤レンガの建物で、昼食は焼肉コースが設定されていました。赤ワインが合うとばかり乾杯するグループも。ここから五色町にある「ウエルネスパーク」へ移動。今回は夢工房で「蕎麦打ち」を体験しました。そば粉8つなぎ2の粉に水を入れて混ぜるところから始めて、よく練って空気を追い出し、のし棒でのばして重ね、薄く切断します。ここまで一時間。このあと沸騰したお湯でゆでたのち冷水をかけて一口ずつ盛り付けます。海苔をまぶして完成。手打ちの味は格別でした。このあと「五色温泉ゆうゆう」で一風呂浴びて汗をながしました▼よく飲みよく食べよく笑った一日でした(M)

市民と共にある市バス 2005.6.15掲載 

今日から六月議会です。「高齢者市バス無料乗車証制度」の見直しなどが審議されます。今はこの件のコメントを差し控えますが、今日は高槻の街づくりに市バスが果たした役割の側面から一考察します▼一九六〇年代、全国的に農村から都市へ人口移動が起こりました。高槻市は大阪のベッドタウンとして急激に人口が増加して「過密都市」と呼ばれました。その成り立ちは宅地開発に由来します。先ず阪急沿線で民間の宅地分譲が行われ(昭和台・登美の里・天王町・藤の里・東上牧等)、そのあと南部地域に中層の府営住宅建設が進みました(下田部・富田・玉川橋・柱本)。それらの団地と駅とを結ぶ役割を果たしたのが「市バス」でした。続いて北部地域で住宅分譲が進みました(日吉台・安岡寺・松が丘・南平台・弥生が丘等)。ここでも市バスが活躍▼今度はそれらの大きな開発の間を埋める形で「ミニ開発」の嵐が起こりました。その時も「大阪・京都の中間」とともに「市バスのある街」が魅力の一つでした。「市民の足を確保する」公営理念への信頼です。そうした過密都市の形成が教育・公害等の都市問題を惹起、その克服過程が成熟都市への歩みと重なります▼変らないのは「市民と共にある市バス」です(M)

春のスポーツカーニバル 2005.6.8掲載 

地元の連合自治会に体育協会があって、十年ほど事務局に入っています▼今度の日曜日は、その体育協会が「春のスポーツカーニバル」と銘打って、ソフトボール・卓球・インディアカの各大会を開きます(翌週にはバレーボールとグランドゴルフがあります)。全部で十七町ある自治会の対抗戦の形式をとっています。今は、各町の体育委員が出場者を集めるのに忙しい時期です。私はソフトボールを担当していて、全町十七チームが各々二試合、合計十七試合を三リーグに分かれて三面で一日で消化します。そして上位二チームが各々決勝戦を戦い、表彰します。合計二〇試合。審判も自主運営です。それらの試合運営がうまく進行できるか、今から気を揉むところです▼一七町の経歴は様々。八町が明治からの集落である一方、九町が新興。同じ新興でも三五年になる我が町から、出来て二年の自治会まで様々です。スポーツはそうした自治会内外の相互交流の機会として、親睦中心に大いに楽しんでほしいと会長の弁です▼さて最近、あなたはスポーツする機会はありますか。組合青年部のソフトボール大会が無くなって久しい。高齢化はそれ相応の運動を必要としています。健康診断を待つまでもなく、自分に合った無理のない運動を(M)

住基ネットに違憲性の判決 2005.6.1掲載 

「住基ネットの磁気デスクから原告の情報を削除せよ」30日に初めて下された金沢地裁での司法判断に衝撃が広がっています。ポイントは四点▼「プライバシーの権利は人格権の内容として憲法十三条によって保障されており、プライバシーの権利には自己情報コントロール権が重要な内容として含まれる」(=住基ネットで扱う情報は自己情報コントロール権の対象になる)▼「住民票コードをマスターキーとして名寄せがなされると、住民個々人の多面的な情報が瞬時に集められ、住民個々人が行政機関の前で丸裸にされるような状態になる」(=住基ネットによるプライバシー侵害は相当深刻である)▼「住民の便益とプライバシーはいずれも個人的利益で、どちらを優先させて選択するかは各個人が自らの意思で決定すべきだ(=住基ネットに参加するか否かは本人が選択すべきもの)▼「自己のプライバシー権を放棄せず、ネットからの離脱を求めている原告らに適用する限りにおいて、改正住民基本台帳法のネットに関する各条文は憲法十三条に違反する」(=本人の参加承諾なく情報を利用することは憲法違反である)▼31日には名古屋地裁が別の判断をしたというニュースが流れました。それは別の機会に(M)

自治会総会が開かれました 2005.5.25掲載 

過日、自治会の総会がありました▼役員は事実上輪番制で、年度ごとに総入替となる六五世帯余の新興(といっても出来て35年になる)住宅地の自治会です。誰でも出来る自治会運営を一応謳ってはいますが、役員となると実際には大変なようです。10年に一度の「お勤め」。今年度は6人中5名が女性という役員構成の中で、同じ班の女性フルート奏者が「クジ」で当たって自治会長に就任しました。その彼女に頼まれて総会の議長を引き受けることに▼先ず、昨年度の活動報告。「会員交流の機会を提供する独自事業」に取り組んだとして、納涼懇親会(80余名参加)・お月見会(20名参加)・太極拳教室(11回開催延べ120名参加)・パソコン教室(13名を昼夜4コースに分け各々5回開催)・自治会だより(12回発行)をなどの行事報告がありました。このうち私はパソコン教室(と納涼懇親会での五平餅)をお手伝いしました。例年にない取組みに拍手で承認しました。今年度としては、対県・市要望のとりまとめ、専門委員会の行事計画、約四百万円の予算編成、財産目録とその得喪などが議案になりました。5人から意見が出て議論▼行事の具体化では「園芸教室」のお手伝いを検討中です(M)

わが街の9条の会 2005.5.18掲載 

昨年六月に井上ひさしさんら九名が『九条の会』アピールを発表して以来「憲法九条を守ろう」という草の根の運動が広がっています。すでに全国で一二八〇にのぼる九条の会が結成されているとか。私の住む街の「九条の会」が主催する「憲法のつどい」が開かれました▼講演者は作家の早乙女勝元氏でした。東京大空襲の体験から始まって、憲法九条は扇の要であり、戦争放棄と戦力不保持が改憲されれば、仮に環境権などの新しい権利が明文化されたとしても実態のない空文になるという話まで、戦後六〇年を振り返る興味深い話でした▼講演の中で印象に残った逸話を紹介します。軍隊のない国で知られる中米コスタリカの大統領が米国のイラク戦争支持表明した時、「憲法や国際法の精神に反する」と提訴した学生がいました。彼は最高裁で違憲判決をかち取り、米国支持の国策は変更されたとのこと。そのサモア君が来日。日本の憲法について「皆さんは非常に重要な闘いをしている。第九条は日本だけでなく、世界の国々の平和を維持するためにある、と考えたい。違憲訴訟でぼくはすごく得をしたと思う。日本に来られて生まれて初めて雪も見られた」▼一人の勇気ある行動から全てが始まります(M)

松代大本営計画 2005.5.11掲載 

戦後60年、憲法第九条の平和主義が風雲急を告げている憲法記念日に、私は長野県松代を訪れました▼真田十万石の城下町だった松代は、大本営移転計画の地という顔もあります。太平洋戦争末期の1944年、本土決戦の最後の拠点として、極秘のうちに大本営・政府各省等を松代に移すという計画(いわば本土決戦用のシェルター建設計画)がありました。それから敗戦までの九ヶ月間、二億円の巨費と延べ三百万人の住民・朝鮮人が強制動員されて、象山等三ヵ所に総延長十qに及ぶ地下壕が掘られました。今は長野市が象山地下壕を500b区間まで公開しています▼ヘルメットを被って見学。4m×3mの壕が東西20本南北10本も強固な岩盤をくり抜いて掘られています。ひんやりとした空気を感じながら奧へ。三交代の突貫工事に強制動員された人達の思いはいかばかりか。出口まで帰ってくると、地元の労働組合が建立した「不戦の誓い」の碑が目に入りました。「朝鮮人犠牲者の追悼碑」も建っています。また慰安所を復元して「もうひとつの歴史館」とする運動があることも知りました▼松代大本営はいわば戦争の生き証人。年間十万人ある見学者の一人として九条を考える機会になりました(M)

野菜は足跡分生長する 2005.4.27掲載 

花粉症のマスクが外れ、薄緑の若芽が芽吹く季節になりました。日の出は早く五時過ぎには十分に明るくなっています。五時半に起床すると一時間のフリータイムが出来ます。この時期、私は専ら家庭菜園へ「出勤」しています▼今は忙しい時期です。三月に植えたジャガイモが芽を出しています。一本を残して芽掻きと草取りが必要。タマネギの茎が太くなって青みが増してきました。草取り。エンドウの白い花が咲いてきました。転倒防止用の紐を張る必要があります。三月に種を蒔いたのが小松菜・ほうれん草・ミズナ。四月になって直播きしたのがトウモロコシ・白カブ・インゲン豆・ニンジン・ゴボウ。苗床にはチンゲン菜・キュウリ・ゴーヤ・サニーレタスの種を蒔きました。いずれも籾殻を撒いて乾燥防止しています▼朝はその籾殻を目当てに若芽や苗床に水遣りすることが日課です。この日曜日に移植したキャベツとブロッコリーの自家製苗にも水遣りが必要で、青虫防止用ネットの上からジョウロで水をかけます。帰りにはミズナと小松菜を間引きして収穫。お土産です。野菜は人の足跡分だけ生長するといいます。手間を掛けるとその分応えてくれるとの意味です▼さてと、家に帰って出勤の準備です(M)

マネーゲームの非情 2005.4.20掲載 

「ホリえもん」「想定の範囲内」などの流行語が生まれた、今回のニッポン放送株をめぐるライブドアとフジテレビの争奪戦、どう見ていますか。ニッポン放送という企業がマネーゲームの対象になって、仕掛けた側の全株を、受けて立つ側がまとめて買収するという決着。「最も想定された」決着であった気がします▼損得表をみると、フジは買収金額が七〇億円以上増加し増資四四〇億円を引き受けることに。ライブドアは買収資金一〇三一億円を回収した上で四四〇億円の資金を得た。資金提供したリーマンブラザーズ証券は百億円以上の利益を出したようです。村上ファンドは二月に買い占め株を売却して利ざやを得ました。「白い騎士」ソフトバンクは一八〇億円の資金集めに成功しました(数値はいずれも読売オンラインより)▼この二か月間、耳慣れない用語が飛び交いました。「時間外取引」「TOB」「新株予約権発行」「株の消費貸借」など。舞台は専ら証券市場で、「放送とインターネットの融合」に具体性はなく、互いに「企業価値を高める」と主張しましたが、そこに働く労働者の雇用やニッポン放送が生み出している有益なサービスといった企業の内実は語られませんでした▼企業買収の非情さが白日の下になった舞台劇でした(M)

花見日和 2005.4.13掲載

 今は花冷えの雨が降っています。先週末はほぼ全国的に桜が満開で、特に土曜日は快晴にも恵まれて、絶好の桜日和でしたが、皆さんどうされましたか。私は今年は、職場の有志と「琵琶湖疎水と三井寺散策の花見」に出かけました▼午前十一時過ぎにJR大津駅に集合。おにぎりやおつまみはまとめて買って、飲み物をクーラーボックスに収納して出発です。徒歩で十五分くらい移動すると、琵琶湖疎水の取り入れ口に到着します。豊富な水が流れる堀割の両岸に桜が植えられていて今が満開。快晴の空に映えてとても鮮やかです。水量が多いためか、がっちりした柵がこしらえてあって進入は不可。弁当を広げるスペースは残念ながらありませんでした▼ここは見物だけで通り過ごして、園城寺(三井寺)の駐車場へ移動。桜の木の下に場所を見つけて、ブルーシートを敷き、さっそくおにぎりとビールで乾杯です。道を行き交う人達も桜を観賞しながらの移動。全ての時間がゆっくりと流れている感じです。ここに陣を張ること三時間。話にも花が咲きました。腰を上げて三井寺の山すそに沿って南へ歩くと長等公園に出ます。ここも桜の名所で、あちこちに宴の輪がありました▼桜を見るとウキウキする日本人の一人です(M)

新規採用職員へ 2005.4.6掲載
今年度の新規採用職員八三人に是非読んでほしい本を一冊推薦するとして、先輩のあなたはどんな本を選びますか。やはり私は『自治体・住民の法律入門』(兼子仁著 岩波新書)を推薦します▼法務(法的な事務取り扱い)能力が自治体職員には必要だと思うからです。分権の時代、条例や規則の解釈は中央照会型ではなく自治体が自主的に解釈することが要求されます。本書は、許可や免許申請、給付や助成申請、契約や損害賠償責任、物の管理、違反行為などの具体的事例が十分に盛り込まれています。行政法の第一人者である著者の話です。じっくりメモを取って勉強してください▼それともう一つ、新規採用職員に送る言葉。私は『地域住民の繁栄なくして自治体労働者の幸せはない』(大阪衛都連行動綱領)を送ります。皆さんの『地方自治の最前線で住民福祉のための仕事がしたい』という初心は貴重で尊いものです。それを実現する足元と目線がしっかり市民に向いているか。今、小泉「構造改革」による福祉・教育・医療での負担増の嵐の中で、市民生活は苦難に立たされています。自治体は「生活の防波堤」の役を期待されています▼だから冒頭の言葉をもう一度噛みしめて下さい。期待しています(M)

行政の説明責任 2005.3.31掲載
桜の開花予想は少しずれ込んでいるようですが、職場は年度末を迎えています。今年は通常の異動と組織フラット制採用と新考課制度評定とが混在して、騒然とした雰囲気を感じます。今日付けで退職される方は長い間ご苦労さまでした▼さて、最近感じていることを以下に。下水道では「市街化調整区域と受益者負担金」が話題になっていますが、市民と直接接する場面が多い職場などで職員の「法務能力」「執行法務」が大事になっているということです。行政が「市民との協働」を謳い「行政の透明性の確保」を強調している今、その前提として市民に対する「行政の説明責任」を果たす必要があるからです▼行政の行為や決定=処分について市民の「何故?」に対して、法令の規定や仕組みや事例や予算などから具体的に説得力を持って説明されているかということ。「きまりですから」では通用しない。民法などの基礎知識や対人的なコミュニケーション能力も要求されますが、原則に立脚した法的説明を行い、説得を積み重ねることで理解してもらう努力が必要です。これが簡単ではない。難しい。だからこそ職員に必要な大切な能力だと言えます▼自己研鑽に終わりはありません(M

サラリーマン川柳
 2005.3.23掲載
第一生命が毎年行っているサラリーマン川柳。今年が十八回目です。全国から二一、八七八句の応募があり、その中から優秀百句が選ばれています。今後、お気に入り一句の投票を行って五月にはベストテンが発表されます。今日はその優秀百句から「私流」でテーマごとに選びました。軽く読み流しください▼先ず上司・部下編。「ここですと部下がクリック電子決裁」「これ大事客より上司の満足度」「おいやれと言った自分がおいやられ」「上を出せ居ないと言えと言ってます」「先読めぬ上司の口ぐせ“先を読め”」「講演会よく寝た人ほど拍手する」「楽天は天ぷら屋なのかと聞く上司」▼次は仕事編。「何ひとつ助けてくれないヘルプキー」「多機能も使いこなせず不携帯」「根回しが済んだら方針変わってた」▼家庭編。「『残念!』と俺の給料妻が斬り」「子はカスガイ女房タフガイ俺疎外」「その昔口説いた結果の自己責任」「身体よりサイフの方が燃焼系」▼世相編。「セカチュウをポケモンと思ううちの父」「娘にはゴルフと卓球覚えさせ」「携帯で捕まり免許不携帯」▼私が選んだ今年のベストワンは「所得税所得増えずになぜ増える。」今の世の中、常にユーモアは持ちあわせたいものです(M)

自民党の憲法改正草案 2005.3.16掲載
自民党の新憲法起草委員会が改憲試案の論点整理(中間報告)をまとめたことが十四日のニュースにありました。どんな内容か▼先ず焦点の第九条から。第一項(平和主義)は維持するものの、第二項は全面改定。自衛隊を『軍』と明確に位置づけ、海外派兵を意味する「国際協力」を自衛隊の中心的業務と位置づけています。そして、現行憲法が禁じている集団的自衛権の行使についても「自衛権を明確化すべき」として容認、その要件については条文には明記せずに、「安全保障基本法」で規定するとしています。もう一つ現憲法にはない「国民の責務」を設けているのも特徴。国防・社会保障制度維持のための費用負担・家庭の保護・生命の尊厳の尊重の四つの責務を国民に新たに課しています▼他は省略しますが、ここまででどうですか。自衛隊を軍隊とすること・国際協力を中心業務とすること・集団的自衛権の行使を可能とすること、第九条をめぐる論点が三点セットではっきり提起されています。これは、アメリカが加わる戦争に日本の自衛隊が参戦する仕組みを憲法の条文上で明記することを意味する、と読みました。此処まで来たか、の感がします▼第二項の「戦力不保持」規定が正念場を迎えています(M)

西武王国と脱税容疑 2005.3.9掲載
逮捕された「西武王国・国王」堤義明氏の事件をどう見ていますか▼私は証券取引法違反(虚偽記載とインサイダー取引)は入り口で本丸は「脱税」ではないかと思っています。西武王国の中核はコクドです。そのコクド株の真相解明が事件の核心となります。一九六四年に死去した父親の堤康次郎氏の遺産は、一代で巨万の富を稼いだにも関わらず、滋賀県・秦荘町の土地・建物とわずかばかりの株券でした。当時「相続税ゼロの秘密」と黒いうわさがありました。そのカラクリの一端が図らずも今回の虚偽記載で明らかになりました。コクド株の大半は役員・社員等の他人名義に。そのため相続対象となることなくで義明氏が「管理を引き継いで」います(この偽装株が実質は堤家の資産=相続対象であるとの確認訴訟も兄弟・孫から提起されています)。また康次郎氏が創立した学校に一旦寄付して税を逃れ、のちに義明氏が買い戻すこともしています。四〇年前では相続税自体は時効かも知れないが、実質株保有に係る税関係は生きています▼過日、武富士の長男に一六〇〇億円の申告漏れと一三〇〇億円超の追徴課税の報道があったばかりです(香港=海外居住で贈与税を逃れる方法)▼巨悪を許すな(M)

宮崎アニメがベネチアで栄誉賞 2005.3.2掲載
映画の話題が続きますが、一昨日、米アカデミー賞授賞式がありました。授賞式自体が随分とショー化されていて、今年はクイント・イーストウッドに話題の焦点があった気がしました▼さて、今年の八月に開幕するイタリア・ベネチア国際映画祭で宮崎駿監督が栄誉金獅子賞を受賞することが決まった、と過日のニュースがありました。今までのアニメ映画製作の業績に対する栄誉賞。日本人では初めての快挙です▼宮崎駿監督の制作は全部で九本です。「ルパン三世・カリオストロの城」「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」。皆さんのヒイキは色々あるでしょうが、どれも素敵な作品ばかりというのがすごい。一人でこれだけの長編アニメ作品を監督したのは前人未踏だそうです。しかも大半が監督のオリジナル原案で、脚本や絵コンテも自ら手を加える個人作品に近いという。主人公で、ナウシカ・シータ・サツキ・メイ・キキ・フィオ・サン・千尋・ソフィーなど少女たちが活躍するのも特徴です。最新作「ハウルの動く城」も年齢に応じて各々楽しめる映画でした▼宮崎アニメの奥は深い(M)

映画『火火』鑑賞記 2005.2.23掲載

「私は賢一さんの姿を見て勇気をもらいました。まだ闘っていけます。」(滋賀の白血病患者の声)。映画『火火(ひび)』が公開されています。信楽で今も活躍する女性陶芸家神山清子氏の半生を描いた映画。高橋伴明監督作品です▼作陶を生業とする清子(田中裕子)は自宅に穴窯(あながま)を造り江戸時代に衰退した信楽自然釉(ゆう)を再生させる苦闘が続いていた。夫との離婚、子育て、赤貧の生活。容赦なく酷い言葉が飛び交う。幾たびか失敗を重ねた後、遂に自然釉の再生に成功する清子。個展は盛況で、女性陶芸家が誕生した瞬間だった。そんな母を見ながら育った長男賢一(窪塚俊介)も、窯業試験場を卒業して陶芸の道を歩み始めた。しかし、賢一は病に倒れ白血病と診断される。今度は母と子の公的骨髄バンクの必要性を訴える闘いが始まる▼神山清子さんは自宅・窯・作業場を撮影に開放し、数百点の作品を提供しています。タイトルは火のように激しい神山さんの半生、賢一の命の火とも。サッカー井原正巳氏の特別出演、難病を克服した吉井怜さんのワンカット出演、東ちづるさんのワンカットにも大きな重みがあります。信楽の風景も身近です▼未見の人にお勧めの一作です(M)

『三位一体の改革』の高槻市への影響 2005.2.16掲載

 平成17年度予算は三月議会で審議されます。政府が進める「三位一体の改革」が市財政にどんな影響を与えるのか、春闘課題の一つでもあります。以下は組合による影響試算です▼三位とは、国庫補助負担金の廃止・縮減、税源委譲、地方交付税改革の三点です。先ず、国庫補助負担金では、公共事業などの奨励的補助金は手つかずで、民生・教育部門での負担金に集中しているのが特徴です。主要五費目で約2億5600万円減(16予算ベース)とみました。税源委譲は、所得譲与税が人口割で配分されます。17年度が12億5700万円で昨年比6億5900万円の増となります▼交付税予測は最も難しい。先ず臨時財政対策債への振替可能額が23.1%減で、9億6700万円減の32億1900万円となります。以上の増減は全て基準財政需要額あるいは収入額算定に反映させることが必要です。経常経費を0.5%減、投資的経費を10.5%減、税の伸びを2.2%、公債費同額として試算したところでは、97億9200億円となりました。結局、交付税と臨財債で26億2300万円の減。負担金廃止と所得譲与税増を考慮しても22億2000万円の減になります▼地方へのしわ寄せが改革の本質です(M)

9条の会のアピール 2005.2.9掲載

 昨年六月に結成された『九条の会』のアピールから引用します▼「第二次世界大戦に多大な責任を負った日本は、戦争放棄と戦力を持たないことを規定した九条を含む憲法を制定し、世界の市民の意思を実現した」「今、九条を中心に日本国憲法を『改正』しようとする動きが、かってない規模と強さで台頭しています」「集団的自衛権の容認、自衛隊の海外派兵と武力の行使など、憲法上の拘束を事実上破ってきています」「非核三原則や武器輸出の禁止などの重要施策を無きものにしようとしています」「相手国が歓迎しない自衛隊の派兵を『国際貢献』などというのは、思い上がりでしかありません」▼「憲法九条に基づき、アジアをはじめとする諸国民との友好と協力関係を発展させことが求められています」「私たちは、平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて憲法九条を激動する世界に輝かせたいと考えます」「そのためには、この国の主権者である国民一人ひとりが、九条をもつ日本国憲法を、自分のものとして選び直し、日々行使していくことが必要です。」「憲法を守るという一点で手をつなぎ、改憲のくわだてを阻むため、あらゆる努力をいますぐ始めよう」▼心から賛同します(M)

映画『北の零年』鑑賞記 2005.2.2掲載

 邦画の興行成績が好調という発表がありました。年間2,109億円の売上(邦画37.5%、洋画62.5%)でした。スクリーン数は5.4%増の2825。平成16年の観客は1億7,000万人です。そのうちの何人があなたですか。私は十人分かな▼さて、現在上映中の邦画では『北の零年』が話題です。三時間弱の大作。明治初期に北海道に移住した徳島藩・淡路の稲田家家臣たちの物語です。未開の地に「自分たちの国をつくる」希望と過酷な自然との闘い。淡路の野菜が育たない。イナゴの大襲来。廃藩置県による武士階級の崩壊。侍が髷を捨てる。七か月に渡る北海道ロケ、ゼロから作ったオープンセットが映像に臨場感を生んでいます▼主人公志乃は吉永小百合です(百十一本目の映画出演)。武士の妻から大地に生きる女性に変身する志乃を熱演しています。夫英明は渡辺謙。札幌に農業技術を学びに旅立つが帰ってきません。影で志乃と娘多恵(石原ひとみ)を助ける謎の男アシリカ(豊川悦司)がいい役どころ。志乃に牧場経営を教えるアメリカ人エドウイン・ダンは北海道に牧畜と競馬を根付かせた実在の人物とか▼沢山入っていた観客は比較的高齢の方が多かった気がしました。今年推薦の邦画一作です(M)

大阪市のカラ残業カラ退職金問題 2005.2.25掲載

 大阪市のヤミ退職手当・カラ残業問題をどう見ていますか。私は『自浄能力欠いた体質』が問題だと思っています▼カラ残業でいえば、五年前に残業手当をめぐる住民訴訟で「法令順守、適正支給」を約束して和解したにも拘わらず、全く改善されていないことが判明しました。ヤミ退職手当は、一九八九年に国並み退職金削減に関わって連合・市労連が労使交渉で合意したものです。決着当時に非公表部分があることが批判されていました。その後大阪市労組が結成されますが、合意事項を具体化する「福利厚生検討委員会」からは排除されました▼その大阪市労組が最近声明を発表しました。「弱点や欠陥に対して厳しい自己点検を加え、大胆にこれを克服すること」「賃金と福利厚生事業にかかる問題を適正に解決すること」「生み出した財源を市民の福祉・くらしへまわすために全力をつくすこと」「職員の良心を広く結集し、市政刷新のため奮闘すること」▼七万の生活保護世帯・十人に一人の失業者・児童生徒の三割が就学援助・国民健康保険料滞納世帯二割・野宿生活者一万人。これが大阪市民の暮らしの実態です。大阪衛都連は「地域住民の繁栄なくして自治体労働者の幸せはない」と宣言しています(M)

NHKの放送内容改変問題 2005.1.19掲載 

 2001年1月30日夜10時〜10時40分「戦争をどう裁くか」第2夜「問われる戦時性暴力」放送される(NHK教育)。その前日夜と当日に、松尾放送総局長等の手によって二度に渡る内容変更がなされ、4分間がカットされました。この行動が今問われています▼問題のカット部分を再現。法廷会場九段会館、「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」の看板、書記官の開廷宣言、裁判官や検事、韓国、インドネシア、台湾の証言、町永俊雄アナウンサーのナレーション(改変)、韓国・北朝鮮、中国、東チモールの慰安婦の被害者証言、元日本軍兵士の証言、裁判官が判決を読み上げている場面、総立ちになって拍手を送る会場の様子、などです。「誰が何のために法廷を開いたか、被告は誰でどのような罪で起訴されたか、どのような審理が進められ、どのような判決が出たのか」が削除された、とバウネット副代表は書いています▼2001年の3月に朝日新聞に載り国会でも取り上げられました。ではなぜ今再燃したのか。それは自ら設置したコンプライアンス通報制度が全く機能してないからです▼名乗りを上げた長井暁チーフプロデューサーは政治に弱いNHKからの脱却を願う勇気ある職員の声です(M

高校サッカーの決勝戦 2005.1.12掲載 

 年末に降雪があって寒い正月でした。皆さんの正月はどうでしたか▼この時期は冬のスポーツをテレビ観戦するのが好きです。高校駅伝・高校ラグビー・高校サッカー・大学ラグビー・社会人バスケットなどなど。そのうちでは、一昨日の鹿児島実業と市立船橋の高校サッカー決勝戦が見ていて興奮するほど濃い内容のゲームでした▼得点こそ0対0でしたが、鹿児島実業の非常に高い攻める姿勢と、中盤に3名で囲んでボールを奪う包囲網は最後まで衰えませんでした。一方の市立船橋は身体を張ったディフェンスが見事で、枠にいったボールをゴールキーパー以外で2本は止めていました。結局延長でも決着せず、PK戦で鹿児島実業の優勝となりました。「PKは関係ない、両校とも優勝や」と鹿児島実業の渕木選手が語っていたのが印象的でした▼もう一つは高校ラグビーで啓光学園が4連覇した試合。花園まで出かけた人もあったのでは。それと、関東学院対早稲田の大学選手権も見応えがありました。一度は逆転された早稲田が、フォワードが機能して球出しからの展開する早稲田ラグビーが発揮されるようになった一方で、関東学院はラインアウトからのボールを支配できなかった▼思うまま綴る動点今年もよろしく(M)

 


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