コラム『動点』(週一回の連載)  200 4年1月〜 

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目次

200 4年1月〜 

1月
 ○今年はやさしい日本に  ○鳥インフルエンザのニュース  ○たかつきシティ国際ハーフマラソン
 ○e−たかつき計画
2月
 ○2月はアカデミー賞の季節  ○ブログの世界   ○サラリーマン川柳

3月
 ○行革審の意見書  ○三位一体の改革と地方財政  ○女子マラソンン代表決定 ○労働基準法改正

 同期のM君への手紙

4月
 ○桜見物  ○イラクからの自衛隊撤退  ○ワラビ採り   ○湖南アルプスハイキング
5月
 ○自治会総会  ○三位一体の改革の高槻市への影響  ○東アジア共同体への希望
6月
 ○年金海悪法案は白紙に  ○邪馬台国へのバス旅行  ○早起きと夏野菜  ○ソフトボール大会

 ○パブリックコメント制度
8月
 大王陵発掘!今城塚古墳  五平餅と夏祭り  ○高齢者パソコン教室
9月
 ○映画『華氏911』  ○高槻市第6次行革大綱実施計画  ○プロ野球選手会のスト  ○夫婦50割引

10月
 ○イチローの記録  ○ホラーサスペンス大賞  ○チェチェンとプーチン
11月
 ○外来語の言い換え
12月
 ○サッカー層の厚さ  ○振り込め詐欺   ○今年の十大ニュース

 


今年の十大ニュース 2004.12.22掲載
 最後の動点となりました。私選今年の十大ニュース▼政治・社会編@新潟県中越地震 過疎地を直撃して村ごと避難!。A自衛隊イラク派兵とイラクでの日本人拉致殺害事件 なぜ自己責任論が出てくる。B三菱ふそうのリコール隠し事件 自動車は時に走る凶器となる。C日歯連が旧橋本派に一億円献金 帳簿に記載しないお金を裏金という。D台風ラッシュ・風と水が日本列島を直撃する 異常気象は冬も続くか。E北朝鮮拉致被害者が帰国して新生活 事件の解明が遅々として進まない異常さ。F憲法九条を巡るせめぎあい 何故かマスコミの無視続く。G鳥インフルエンザと・狂牛病問題 全頭検査の原則から譲歩する日米交渉 H皇太子の人格否定発言 皇室の暗部が明るみに。I振り込め詐欺 分かっただけで二百億円突破▼スポーツ編を三つ @アテネ五輪でメダルラッシュ チョー気持ちいいが流行語に。Aプロ野球再編 初のスト決行。古田選手会長の粘り。B大リーグでイチローが最多安打記録。大リーグが身近になる▼最後に、印象に残った動点記事四本 「同期のM君への手紙」「三位一体の改革の高槻市への影響」「大王稜発掘!今城塚古墳」「ホラーサスペンス大賞」▼来年もよろしく(M)


振り込め詐欺年2004.12.15掲載
 今年の世相を表す漢字が『災』だと清水寺貫主が筆書きしていよいよ師走です。今年は、台風や地震など大きな天災が日本列島を襲いました。イラク戦争は正しく人災です▼びっくりしたのが『振り込め詐欺』(オレオレ詐欺から名称変更)です。今年一月から十月までの被害総額がすでに二百億円を超えると聞くと人ごとではありません。私も八千円ほどを請求するハガキが届いたことがあります。全く無視しましたが▼以下は本当にあった怖い話です。ある職員宅に電話がかかってきました。時間は昼間。奥さんが出ると、東京で一人暮らしの息子さんが泣き声で「自動車事故を起こしてしまった。保険会社の人に変わるから」と直ぐに交代。代わった人は「とにかく先ず十万円必要だから今すぐ振り込むように」と督促しました。奥さんは気が動転していましたが、幸いなことにお姉さんが訪ねてきていて、直ちに息子さんの所に携帯電話をかける事が出来ました。ウソが発覚した相手は「人の話をよく聞け」と捨てゼリフを言ったそうです。声が息子さんによく似ていたとは奥さんの弁。最近は携帯が発達して本人と直ぐに連絡が取れることが幸いしました▼とんだ人災に引っかからないように皆さんご用心(M)


サッカー層の厚さ  2004.12.7掲載

 自治会の会合で少年サッカーコーチと話す機会がありました▼来季のJリーグはJ1十八チーム、J2十二チームで合計三〇チームになります。一九九一年に十チームで発足でしたから十五年間で三倍になったことになります。今回の加盟は徳島と草津。徳島は唯一空白だった四国でのJクラブ誕生で、草津は地元密着を徹底したクラブです。サッカーの新しい流れを象徴する二チームが加盟しました▼さて彼は、地元の学区少年サッカーチームを指導してすでに十五年になります。県大会優勝の経験もあります。今もJのジュニアクラブチームには負けないと自負していました。指導者や監督は土日がほとんど詰まります。仕事以外は全ての時間がサッカーとともにあると言っても過言ではありません。その彼が強調したのは野球とは異なるサッカーの底辺の広さです。小学生・中学生・高校生等の各年代に応じて地域中心にネットワークが作られているとのこと。Jリーグが掲げる「地域に密着したチーム」を各階層で実践しているそうした底辺の広さが結果としてJチームの拡大となっていると話していました。高槻のチームとよく試合をするとも▼キャッチボール世代に育った私ですがテレビでサッカーを観戦しています(M)


外来語の言い換え2004.11.22掲載

 国立国語研究所が行政やマスコミで使われている分かりにくい外来語の言い換えを提案しています。今回が三回目。三二語が挙がっています▼そこでは、外来語・外国語が、読み手の分かりやすさに対する配慮よりも、書き手の使いやすさを優先して使われていると指摘しています。例えば、高齢者の介護や福祉に関する広報紙の記事の場合は、読み手であるお年寄りに配慮した表現を大切にするは当然のことです。以下に具体的なことばを列挙します。あなたの理解度(言い換え度)をチェックしてください▼アカウンタビリティ(説明責任)ガバナンス(統治)コンファレンス(会議)サプライサイド(供給側)スキル(技能)スタンス(立場)ステレオタイプ(型どおり)セットバック(壁面後退)ツール(道具)デジタルデバイド(情報格差)。これで十語です。あと十語。デフォルト(初期設定)ドクトリン(原則)ハザードマップ(防災地図)パブリックコメント(意見公募)フロンティア(新分野)ボトルネック(支障)マンパワー(人的資源)ミッション(使命)ユニバーサルデザイン(万人向け設計)リテラシー(読み書き能力)▼横文字が横行する昨今にあって、納得できる提案だと思いました(M)


チェチェンとプーチン2004.10.27掲載
ユーラシア研究所の堀江さんの『チェチェンとプーチン』という文章を読む機会がありました。衝撃的ともいえる内容でした。以下にさわりを紹介します▼チェチェン戦争の根源は独立問題である。一九九一年ソ連解体の際、チェチェンは独立を宣言したが、九四年にエリツィン大統領はロシア軍十万人を侵攻させた。民族的抵抗が激しく九六年停戦合意に。ロシア軍の撤退、五年後にチェチェン共和国の法的地位を決める等独立派の勝利といえる内容が盛りこまれた▼しかし九九年、プーチンが首相に就任した直後、武装勢力の一部が隣国を侵攻、モスクワのアパートが爆破された事件(連邦保安局要員が関わった疑惑がある)を奇禍として、チェチェンを空爆、侵攻し一挙に全土を軍事占領した。「強い鉄腕」を見せつけたプーチンはその後大統領選で勝利した。大統領にのし上がる政治的資産がチェチェンである、と▼現地の情報は入手しにくいが、岩手県の広さに住む約八〇万人のうち数十万人が難民として隣接地に避難し、十万人から二〇万人が殺害されジェノサイドの様相を呈しているという。プーチンは独立派全てをテロリストと決めつけて一切の交渉を拒否している▼チェチェン戦争の泥沼化に希望はあるのだろうか。(M)


今年はやさしい日本に  2004.1.7掲載
穏やかな日和の正月でした。いかがお過ごしでしたか。新年が明けました▼新聞の年頭社説などでは今年を『時代の分岐』と捉えています。「節目の夜明けに・朝日」「重い決断を要する国家百年の計・読売」「にっぽん再起動・日経」などです。問題だと思ったのは、時代の分岐を言いながら、どんな道とどんな道に分かれていてどちらの道を選ぶのか、がはっきり提起されていないことです。自衛隊派遣や消費税増税などが当然視されてはジャーナリズムの批判精神が泣きます▼さて、私が今年に期待するもの。ひと言で言えば『やさしい日本』です。小泉首相の「動かせ日本」でも菅代表の「強い日本」でもなく、「やさしい日本」。日本の国力を何よりもまず子どもやお年寄り、弱者、ゆとりを持てないでいる多くの庶民に向けることだと思っています。将来不安の中でギリギリまで働き、生活に人間らしいゆとりを奪われている人たちが安心して暮らせる日本であってほしい。そのことが最優先される日本です。そうした日本再生は若者と子どもたちの未来とも重なります▼持つべきものさしは「やさしさ」だと言い換えてもいい。現実検証の視点として「やさしさ」が求められているというのが私の年頭のことばです(M) 
 


鳥インフルエンザのニュース  2004.1.14掲載

山口県で発生した鳥インフルエンザのニュースにはびっくりしています。前日には半年前の卵を賞味期限を偽って販売したニュースがあったばかりで、鶏受難の年のようです。鶏肉や卵から人間への感染はないと報道されていますが、消費への影響が心配されています▼人間とインフルエンザとの闘いを拾うと、一九一八年に出現したスペイン風邪、一九五七年のアジア風邪、一九六八年の香港風邪、一九七七年のソ連型と新種のウイルスが出現して世界的に大流行しています。それ以降新種はないものの、一九九七年に香港で二〇〇三年にはオランダで鳥インフルエンザが人間に感染して死亡者が出ています▼今回の場合、緊急対応措置とともに感染ルートの解明が急がれるところです。韓国では昨年から大流行、十二カ所で感染が確認され、鶏の処分・卵の廃棄がなされているとか。当該ファームの社長は「韓国との接点は全くない。野鳥の可能性があるが、はっきりとは分からない」と語っています。仮に鳥の飛来が感染ルートだとすると、他へ飛び火することが懸念されます▼米のBSEに中国のSARS、韓国・日本の鳥インフルエンザと人と病原体との闘いは果てることがありません(M)


有森裕子さんと高槻シティ国際ハーフマラソン  2004.1.21掲載

有森裕子さんは九〇年代の日本女子マラソン界を代表するアスリートの一人です。二度の五輪に選ばれて連続メダル獲得の快挙を成し遂げました。その彼女にも九二年から九四年まで「心から笑ったことがない」時期がありました▼有森さんの両親とは家族新聞を通じて交流がありましたが、「天真爛漫で純粋で人を疑うことなんかまるでなく」(小出監督談)他者と比較して自己を語ることはしない、いつも「私は」が主語となる人。それだけに、バルセロナ五輪後、自分が生きていると感じられる場所を探して、生きる意味を深く問いかける二年間であったといいます。そして、踵の手術を敢行して復活、北海道マラソンに優勝してアトランタへの道を切り開きました▼その彼女が設立したNPO『ハートオブゴールド(心の金メダル)』は「スポーツを通じて希望と勇気を分かち合う」活動を展開しています。カンボジア支援もその一環です。過日の高槻シティ国際ハーフマラソンの趣旨に共鳴して三年連続のゲスト出演となりました▼十二回目を迎えた大会は快晴の下、四千人余の参加者がありました。私は六回目の参加でした。ハーフに挑戦して、今走れることに感謝しつつ一時間五二分の気持ち良いゴールでした。(M)


e−たかつき計画  2004.1.28掲載

『e-たかつき計画』の概要版が市のホームページで公表されています。国・府の計画を受けて電子自治体たかつき実現へ基本方針と三年間のアクションプログラムを定めたものです。いわば「情報化に関する総合計画」です。それが突然公表されて大変驚いています。業務のあり方の変更を迫る内容が多く盛られていますので、さわりを紹介します▼行政内部では六本が計画されています。資産税オンライン・個人住民税賦課・GIS・文書管理・総務管理・電子会議室です。対市民との関係では十一本の計画があります。電子入札・電子申請・電子申告・電子決済、路線価格公開、情報公開・行政相談などが上がっています。市民との協働では、四本。eマーケット・コミュニティー交流・介護子育て支援情報提供・総合防災です。一覧表が示されただけで詳細は不明ですが、担当部署は明記されています▼基盤整備の関係では、住基カードを使った公的個人認証制度が一月二九日からスタートします。しかし早い話、市役所で住基カードに証明事項を入力してもらい、自分で別に購入したカードリーダーを使って自宅で電子申請をする人がどれだけいるか。とても普及は見込めないやり方だと思う▼総合計画は慎重であるべきです(M)


2月はアカデミー賞の季節  2004.2.4掲載

 二月はそれを狙った大作が相次いで公開されるアカデミー賞の季節です。今年は、ラストサムライの渡辺謙氏が助演男優賞にノミネートされて話題を呼んでいます▼作品賞候補の『ロードオブザリング』は一四日、『マスターアンドコマンダー』は二八日公開で『シービスケット』と『ミスティックリバー』が公開中です(『ロストイントラストレーション』は不明)。ミスティック・リバーの感想を少し▼幼なじみ三少年が遭遇したある日の出来事から二五年、今は雑貨店主となったジミーの十九才の最愛の娘が殺されます。殺人課刑事となったショーンが事件を担当。そして平凡に暮らすデイブが捜査線上の容疑者に浮かびます。再会する三人。全編を覆う殺人事件の謎とともに心に刺さる痛いまでの悲しみがあります。原作は二〇〇一年の年間ベストミステリーランキング作品。クイントイーストウッドが監督しています。ティムロビンスの抑えた演技は出色です▼二九日発表予想。作品と監督が『ロード…』で主演男優・助演男優が『ミスティック…』。女優は映画未見で予想不能です。希望としては外国映画賞に『たそがれ清兵衛(ザ・トワイライトサムライ)』が受賞してほしいと願っています(M)


ブログの世界  2004.2.21掲載

『ブログ』または『ウエブ・ログ』をご存じですか。ウエブとはWEBサイト、ログとは日誌の意味の造語です。毎日更新する新しいタイプのホームページです。現在どこのプロバイダーでもHP作成サービスがあるように、将来『ブログ』も定番メニューになると予想しています▼その特徴は、初期設定が簡単で更新も簡単で誰でも出来るHPです。コミュニティを形成する楽しさもあります。HTMLなどの言語やHP作成ソフト、FTPの知識は一切不要です。インターネットが出来る環境ならどこでもOKです(携帯電話でも可です)。習うよりも慣れろ、で是非挑戦してほしいと思います▼やり方は、サービスを提供しているサイトを探して(私は「はてなダイヤリー」)登録を申し込み、インタット上のURLを取得します。料金は無料です。あとはそのURLにアクセスして記事を書くだけ。更新ボタン一つで記事が追加できます。写真もOKです。普通のHPの場合、記事のライターでありページのデザイナーでありHPの管理者である必要があるのですが(それも楽しいが)ブログの場合は、WEB上で記事を書けばOKです。非常に気楽です。万人公開はHPと一緒です▼私は記事を書籍にするサービスに期待(M)


 サラリーマン川柳  2004.2.28掲載

毎年この欄でサラリーマン川柳を紹介しています。今年も力作がそろいました。以下は優秀作百選から私好みで選びました▼先ずは世相川柳から。今年はへえーが流行っています『トリビアの知識あっても常識なし』『常識をへえーと驚くただの無知』。オレオレもありました『オレオレと帰るコールにどちら様』歌詞からは『オンリーワン職場じゃただの変わり者』『おじさんも世界で一つの花だよね』。よく売れた本から『バカの壁読んで夜更かしバカも風邪』▼職場のリストラは激しくなっています『成果主義成果挙げない人が説き』『無駄省け言ってた上司省かれる』『やめるのか息子よその職俺にくれ』『前向きで駐車場にも励まされ』『課長いる?返ったこたえはいりません』。携帯電話は今や必需品です『メール打つ早さで仕事がなぜ出来ぬ』『ケイタイの機能に知能おいつかず』。カーナビも進化しました『カーナビにハイと答えるうちの母』▼夫婦は永遠のテーマです『妻の声昔ときめき今動悸』『恋仇譲れば良かった今の妻』『妻といく久々デートは人間ドック』『意識してとぼけていたのに「と」がとれて』。私が選んだ今年の一句は『オレオレと昔サッカー今は金』▼世の中を風刺で笑い飛ばす川柳は健在です(M)


行革審の意見書  2004.3.3掲載

二月十八日に行革懇話会から「意見具申」が出されています。今後の第二次行革大綱や実施計画をつくる基礎となる意見具申です。読んで感じたことを以下に▼基本認識としては、高齢化による新たな財政負担の一方で税収等が減少して深刻な財源不足となる、今後十年間で職員の約半数が定年退職となる事情の中、「民のものは民へ」の方向を徹底すべきとしています。その上で、大きな柱となっているのは法制化された指定管理者制度です。市労組がニュースで何回も触れている所以ですが、現在公社等に委託されている「社会教育施設・福祉施設・文化研究施設等の施設運営」は三年以内に直営に戻すか指定管理者を公募するかを決めなければなりません。市はこの秋までに基本方針を立て十七年度より実施する計画です。ことは急を告げています▼そのほか、委託や派遣等の「事業の外部化」で固有名詞が出ているのは保育事業・給食事業・広報・選挙・研修・バス事業などです。いずれも行政のあり方の根本問題に触れる内容が含まれています。職員にとっても重大問題です▼五回開催された会議で配布された資料や意見書本体などがHPによって情報公開されてます。私もそこで読みました。是非読んで見てください(M)


三位一体の改革と地方財政 2004.3.10掲載

三月議会が開かれています。当初予算は行政方針の屋台骨、最も大事な提案です。何処にどれだけ使って何をするかが中心の話の中で、今日は歳入の問題を取り上げます。国が進める「三位一体の改革」が高槻市を含めた地方財政に深刻な影響を与えているからです▼政府の方針をひと言でいえば「国庫補助負担金の削減と不十分な一般財源化および地方財政計画縮小を通じた地方交付税等の削減」ということです。先ず、公共事業関係の国庫補助金は約三二〇〇億円が純減しています。そして義務教育費国庫負担金と公立保育所運営費などが一般財源化されました。財源保障は九割で人口基準配分となり、都市と農村の格差が拡大しています。他方の地方交付税は、臨時財政対策債も入れて総額で二・九兆円(昨年比一〇%以上減)も削減されています。財政力の弱い小規模自治体への影響は甚大です▼以上の「改革」は、@財源再配分が東京都一人勝ちになって残りの自治体は収入減となり行革が迫られサービス削減が進んでいく。A補助金の一般財源化が公共サービスの質の確保が問われる。B農村自治体に深刻な打撃を与え、地域経済にも大きな影響が出る▼結局、国の財政再建に巧みに地方財政を利用しようとしています(M)


行革審の意見書  2004.3.3掲載

二月十八日に行革懇話会から「意見具申」が出されています。今後の第二次行革大綱や実施計画をつくる基礎となる意見具申です。読んで感じたことを以下に▼基本認識としては、高齢化による新たな財政負担の一方で税収等が減少して深刻な財源不足となる、今後十年間で職員の約半数が定年退職となる事情の中、「民のものは民へ」の方向を徹底すべきとしています。その上で、大きな柱となっているのは法制化された指定管理者制度です。市労組がニュースで何回も触れている所以ですが、現在公社等に委託されている「社会教育施設・福祉施設・文化研究施設等の施設運営」は三年以内に直営に戻すか指定管理者を公募するかを決めなければなりません。市はこの秋までに基本方針を立て十七年度より実施する計画です。ことは急を告げています▼そのほか、委託や派遣等の「事業の外部化」で固有名詞が出ているのは保育事業・給食事業・広報・選挙・研修・バス事業などです。いずれも行政のあり方の根本問題に触れる内容が含まれています。職員にとっても重大問題です▼五回開催された会議で配布された資料や意見書本体などがHPによって情報公開されてます。私もそこで読みました。是非読んで見てください(M)


三位一体改革と地方財政  2004.3.10掲載

三月議会が開かれています。当初予算は行政方針の屋台骨、最も大事な提案です。何処にどれだけ使って何をするかが中心の話の中で、今日は歳入の問題を取り上げます。国が進める「三位一体の改革」が高槻市を含めた地方財政に深刻な影響を与えているからです▼政府の方針をひと言でいえば「国庫補助負担金の削減と不十分な一般財源化および地方財政計画縮小を通じた地方交付税等の削減」ということです。先ず、公共事業関係の国庫補助金は約三二〇〇億円が純減しています。そして義務教育費国庫負担金と公立保育所運営費などが一般財源化されました。財源保障は九割で人口基準配分となり、都市と農村の格差が拡大しています。他方の地方交付税は、臨時財政対策債も入れて総額で二・九兆円(昨年比一〇%以上減)も削減されています。財政力の弱い小規模自治体への影響は甚大です▼以上の「改革」は、@財源再配分が東京都一人勝ちになって残りの自治体は収入減となり行革が迫られサービス削減が進んでいく。A補助金の一般財源化が公共サービスの質の確保が問われる。B農村自治体に深刻な打撃を与え、地域経済にも大きな影響が出る▼結局、国の財政再建に巧みに地方財政を利用しようとしています(M)


女子マラソン代表決定  2004.3.17掲載

「国民的関心事」と表現されたアテネオリンピック女子マラソン出場選手の選考結果が一昨日発表されました。すでにご承知のとおり、野口みずき・坂本直子・土佐礼子の三選手が選ばれ、高橋尚子選手は外れました。焦点だった高橋選手の扱いをめぐって翌日職場ではいろいろ意見が出ていました▼レース結果以外の「本大会でメダル獲得または入賞が期待される選手」という選考基準が一人歩きすると分かりにくくなります。だいたいのところは、選考三レースの試合結果が選考に反映されているということで、肯定の意見が多いようです。私も同感です。。高橋選手の不運は東京が二五度、大阪が三度、名古屋が一六度という当日の気温だったと私は考えています。気温がタイムに反映した。個人的体験ですが昨秋の「あいの土山マラソン」が例年より一五度も高い二五度で、体力の消耗が相当に激しくて、最後は歩いてしまったことがありました▼アテネ五輪が八月二二日の午後六時スタートで、その時の気温が三五度くらい、起伏も激しくて二百bの高低差があると聞いてびっくりしています。過酷なレースになることは間違いありません。選ばれたことを誇りに実力を出し切ってほしいと思う▼サッカーも正念場です(M)


労働基準法改正 2004.3.24掲載

使用者は労働者を解雇できるが、正当な理由がない解雇は、権利の濫用として無効とする』。労働基準法に解雇ルールを新設することを検討していた政府・労働政策審議会の労働条件分科会が二〇〇二年末に発表した「建議」の核心の一つです。事務局の厚生労働省の考えが色濃く反映していると言います。どう読みますか。ポイントは立証責任が労働者に押し付けられる恐れがあることです。解雇が権利の濫用であることを常に労働者が証明できると思いますか。どう読んでも解雇自由のルール化です▼この「建議」が「法案」となって国会の舞台へ。「解雇できる。ただし」という逆立ち記述に論議が集中しました。特にグレーゾーンの立証責任はある方が負けることが問題となりました。結局、その核心が修正されて可決・成立。改正後の労働基準法第十八条の二は『解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効である』となりました。「建議」に見る息詰まるような「支配」の思想がこの国に生まれています▼以上の内容は『ルポ解雇』(島本慈子著 岩波新書)から学びました。非常に迫力のあるルポです。是非一読をお勧めします(M)


同期のM君への手紙2004.3.31掲載

−同期のM君への手紙―『今年の桜前線は予想されたとおり一週間早く上陸して、桃園小学校の桜はこの週末が見ごろとなるようです。年度末での早期退職を申し出て今日付けで高槻市の公務員を辞めることは、だいぶ前から検討を重ねた上での結論であったようですね。生活の糧を得るための仕事を辞めることは人生の上で大きな決断でしょう。それは人の生き方・人生観に関わる事柄です。君が出した結論を他人の誰が評論できるでしょう▼団塊の世代は今、親を介護する必要がある時期を迎えていると言われています。M君のお母さんがどの程度痴呆なのかは不案内ですが、一日中顔を付きあわせて生活することがどれだけ大変なことか。ささやかな送る会の席で、経験のある友人が語っていましたね。「よくなると考えると重くなる。制度は積極的に利用すべし」▼脳溢血のため一日で亡くしてしまったため寝込む母を知らなかったことが幸せか。介護を知らない私からの助言は多くはありません。三〇数年、市民課・医療保険課・労働福祉課・市民体育課・庶務課・収納課などで職場を共にした仲間がいたこと。かけがえのない財産としてそれらの日々を何時までも胸に刻んでおいてほしいこと▼ご苦労様でした(M)


桜見物  2004.4.7掲載

今年は桜の満開が週末でしたが、日曜日は生憎の雨模様でした。桜見物には勇気がいる天候ながら、かねてからの予定どおり花見を決行して、雨中のバーベキュー・パーティーとなりました▼さて、高槻で桜を気軽に楽しめる場所としては、新川沿いの桜並木がお勧めです。芥川に架かる城西橋から下流へおよそ一q、平行して流れる新川の堤防の桜が今満開です。ここの桜の木の特長は、交通上の心配がないため、剪定されないで枝が低く伸びていること。手にとるように鑑賞することができます。芥川堤防から眼下に眺めるのもよし、桜のトンネルを歩くのもよし、です▼この一帯はジョギングコースの一部でもあります。夕方準備して出かけると、沢山の人達が歩いたり走ったり車座になったりして、思い思いの形で桜を楽しんでいます。今は普段の三倍は人が行き交っているように思います。架け替えが完了した芥川大橋近くでは、新川堤防に張られた「芝桜」が満開です。三段の帯状に伸びる薄紫の花がきれいです。また、所々ではユキヤナギの白い株が風に吹かれるように枝を揺らしています▼一年間入念な準備をした上で今とばかりに咲く桜花の生命は一週間ほどです。桜木の精一杯の表現を人は花見で応えたいものです(M)


イラクからの自衛隊撤退  2004.4.14掲載

米英軍による侵略から一年余。イラクがニュースにならない日はありません。ファルージャでは米軍が大規模な軍事作戦を行い、これまでに六百人以上の市民を殺りくしたという。一年前の戦争の再現とも言える状況です▼拉致された日本人三名が一刻も早く解放されることを願っています。ここでは自衛隊派兵によってアラブ・イスラム諸国の日本への見方が変わってしまったことを取り上げます。「日本はわれわれの友情と真心を拒否し、異教徒の米軍を補給面で支援し、米軍兵士たちがわれわれの神聖な土地を侵すのを助けた」(声明)。オマーンの新聞アルワタン紙は「日本はイラク戦争で米軍の兵たん支援を行い、さらに自衛隊を派兵し、中東地域への軍事参入を展開した。日本は欧米諸国の歴史的な誤りを共有している」と指摘しています▼自衛隊は占領軍の一部という見方がイラクでは一般的で、日本をはっきり敵対者とみなすようになっているのです。日本の憲法が国際紛争解決のための武力行使を禁止している中で派兵を強行した小泉政権が、真っ先に「撤退はない」と声明したのが情けない▼今は日本中の人々が三人の命とイラク問題を考えています。その心情を一つにして自衛隊の撤退を一日も早く実現しよう(M)


ワラビ採り  2004.4.21掲載

春の楽しみの一つに「山菜採り」があります。たらの芽・山ウド・ゼンマイ・ワラビなどがありますが、私はワラビ採りが好きです。十七日に行ってきました▼どの山菜もそうですが、生え場を知っていることが第一条件です。普段の山歩きで山菜に出会った時に場所を覚えておくことです。そして人には教えない。乱獲はソク絶滅ですから。ワラビはお茶の木と相性がよいこともあり、私だけの生え場は信楽方面で確保していますが、今回は三井寺の裏山へ出かけました▼一号線の逢坂山峠から大谷方面へ折れて、車を降りました。そこから歩くこと二十分で、目的地へ到着です。長袖・長ズボンに運動靴、軍手の出で立ちです。目当ての山腹には茶色になった昨年のワラビの枯葉が一面に広がっていて、つぼみ状態で五十pくらいのワラビがニョキニョキと立ち上がっています。ワラビにもいろいろあって、茎が太く、丈が長くてつぼみ状態なのが上等品です。少し開き気味だなと思うものは採らないのが正解です。来年用に仕舞っておく。右手で折っては左手のビニール袋にそっと入れていきます。袋にほぼ一杯採って帰宅。早速、アクを抜くために長さ別に分類して輪ゴムで止めておきます▼十八日の食卓で旬を味わいました(M)


湖南アルプスハイキング  2004.4.28掲載

二五日は快晴に恵まれました。職場のハイキングクラブが企画した湖南アルプス・ハイキングに賛同して、地元としてホスト役を受け持つことになりました▼石山駅到着は九時十五分。タクシーに分乗して湖南アルプス登山口に一行十九名が到着しました。その昔奈良の都造営の材木を供出した田上山は禿げ山となって近代砂防百年の歴史を刻んでいます。天神川に沿っての登山道は新緑の若葉が香り、木漏れ日が行く手を優しく照らしています。冷ややかな風が心地よい。三〇分ほどで迎え不動に到着しました。せせらぎが交流するこの河原が食事場所です。人気のスポット故シートで早朝に場所取りをしました。一行は頂上をめざして前進。尾根状のところを何回も通過して泣き不動から頂上の不動寺へおよそ一時間半で到着しました。密教三井寺の末寺。海抜六百bの二等水準点を皆で確認しました▼下山は約一時間。迎え不動では食事の準備が進んでいました。メニューは炭火のステーキ焼き肉・海賊焼き、自家製五平餅、野菜・ポテトサラダ等。配偶者の手柄とはいえ二一人前を下ごしらえして一切を山の中腹まで運ぶのは大変な作業。それが楽しい。快晴の青空と美味しい空気と新緑に乾杯▼楽しんだ一日でした(M)


自治会総会  2004.5.12掲載

四月・五月は自治会や管理組合などの総会が開かれる時期です。過日、我が自治会の総会がありました▼自治会ができて三〇年余。世帯主の三分の二が定年を越えている自治会です。事実上輪番となっている新自治会長のあいさつが印象的でした。「高齢化とよく言うが、具体的には家族構成が変化して、いままでの社会的地位がなくなり、体力的に限界がみえて、生活範囲が限られてくることである。人生のラストステージは、近所の和こそが大事。身近な触れあいを大切にする自治会にしたい」▼今年の活動プランには、会員交流機会の提供として、納涼懇親会や天神川レクレーション会が計画されています。市民農園の作物を持ち寄る朝市や、不要品交換のフリーマーケットを自治会主催で実施したいと提案がありました。学習機会の提供では、ウルトラ入門コース等のパソコン教室を開催することや、美しい老いを迎える知恵を身につける学習・交流会の開催などが計画されています。自治会広報も定期発行すると▼昨年は意見の対立からもめにもめて大変でした。今年は自治会の和を大切にしようという会員の空気がありました▼成り行きで二年連続の議長役でしたが、今年は自治会行事に積極的に関わる一年になりそうです(M)


年金改悪法案は白紙に  2004.5.19掲載

年金改悪法案の論議が参院で始まっています。この間の一連のニュースを見てどう思っていますか▼政府案は「保険料の上限を固定し、給付水準は現役世代の五〇%を確保する」が二枚看板でした。しかし論戦を通じて両方ともごまかしだったことが判明しています。それでも真相を隠したまま衆院通過を強行したことは重大です。そこへ、議員自身の未加入・未払問題が沸騰。審議資格が問われています。今回は白紙に戻して出直すしかない、が過半数の世論となってきています▼私が思い出すのは故郷・グリーンピア恵那のこと。二〇〇〇年四月に営業停止になり、建設費九九億円の施設は解体されました。全て年金保険料の積立金です。調べると、グリーンピアは全国で十三カ所建設しています。うち七施設停止、政府は来年までに全施設売却を決定しましたが、うち三施設が破格の値段で決まったのみです。結局、この事業は年金保険料に対して実に三八〇〇億円もの損失を与えています。天下りして蜜に群がった厚生官僚の誰一人として責任をとっていません。そればかりか、目的外使用の総額は五兆六千億円もあるといいます。政府にその全容と責任を明らかにする義務があります▼全ての情報を開示してイチから議論を(M)


東アジア共同体への希望年  2004.5.26掲載

首相の訪朝と拉致家族の帰国が大きく報道されています。前回の訪朝時の平壌宣言は、課題は山積ながら国交正常化へ一歩踏み出したという評価でした。ことを東アジアの視野で考えることが必要です▼五月に東欧の加盟があってEUは二五カ国になり、GDPではアメリカに匹敵するようになりました。そのEUは仏独の不戦の誓いが一番の原動力になって、石炭と鉄鋼の共同体が生まれたのが最初でした。一方、アジアでは東南アジア諸国連合(ASEAN)が注目されています。一九六七年の成立時にはベトナムを包囲する反共・親米の機構でした。それがだんだん変質して、一九九五年にはベトナムが加盟して七カ国になりました▼そのASEANが事実上共同体のようになっています。そこへ、日本・韓国・中国を含めた一〇カ国の東アジア共同体をつくろうという運動が今、進んでいるのです。その東アジア会議が頻繁に開催されています。親米一本の小泉政権の政治は、結局、アジア全体の中では孤立した逆流、少数派の流れであることがはっきりしています▼イラク戦争の泥沼化が象徴するアメリカ一極主義の終焉とEU・東アジア・ラテンアメリカの多極化への胎動が二一世紀初頭の世界の動きの特徴とみています(M)


三位一体の改革の高槻市への影響  2004.6.2掲載

三位一体の改革が高槻市の平成一六年度予算編成に与えた影響のうち、対策債を含む地方交付税減額分がいくらか、市労組ニュース(4・26号)は二六億円といい、財務部長は十三億円と言っています(「こちら部長室」)。違いはどこから来ているか気になっていました▼私が調査したところでは、平成十五年度に臨時財政対策債を可能額の五八億円に対して四五億円の起債に留めたことをどう見るか、にかかっていることがわかりました。この臨時財政特例債はもともと地方交付税の振り替えであって(発行可能額の全額を発行したものとみなして)その元利償還の全額が返済年度に交付される仕組みになっています。そこで高槻市は、十三億円準備することで発行可能額五八億円をその分減らし、利子相当分を浮かす財政計画を採ったとみます▼従って平成十五年度に交付対策債を含む交付税額には、将来返還が約束されている十三億円を加えて百七四億円とすることが(国から交付を受ける権利がある金額として)実態を反映しているといえます。そうすると、平成十六年度は、地方交付税の減額八億円、対策債(相当額含む)の減額十八億円で合計二六億円が三位一体の影響額となります▼数字にこだわってみました(M)


邪馬台国へのバス旅行  2004.5.26掲載

 市労組のバスツアー『邪馬台国の旅』に参加しました。専門のガイドさんの案内で天理市と桜井市の古墳群を見学する旅です。三三枚もの「三角縁神獣鏡」が出土した黒塚古墳とその展示館、崇神天皇陵となっている行燈山古墳(皇太子がお忍びの参拝をしたとか)、出土品から三C初頭と言われる箸向石塚古墳、最古の前方後円墳であるホケノ山古墳、そして卑弥呼の墓が「噂される」箸墓古墳の合計五カ所を回りました▼古代史は墳墓とそこからの出土品が手がかりのほとんどを占めます。古墳を回ってもその明快な解説なしには「邪馬台国」論争の現段階を知ることはできません。「畿内説」を採る論者は現存する前方後円墳と卑弥呼とを結びつけます。四〇を超える大和前方後円古墳群の中から、卑弥呼が没した二四八年頃に作られた巨大古墳を探していました。今までは五〇年位のズレがあって当てはまる古墳がなかった。それが石塚古墳の出土品が年輪年代法で五〇年遡ることが示されて俄然勢いづき、箸墓古墳こそが「卑弥呼の墓」だと▼いずれも周りの状況証拠です。本体は宮内庁所管でどうにもならない。今後周りの古墳の発掘がすすめば五〇年後には決着するだろうと、ガイドさんの言葉が印象的でした(M) 


早起きと夏野菜  2004.6.16掲載

 すでにしっかり陽が昇っている五時半過ぎ、「お早う」と同じ団地のウオーキンググループに挨拶しながら家庭菜園へ向かいます▼露が降りて湿った草を踏んで畑に入ると、先ずはトマトの点検から。茎を上に誘導しながら脇枝を取り除く。花には一回のみホルモンを噴霧する。過日移植したゴーヤーとオクラにはジョウロで水を打って乾燥を防ぐ。キュウリの茎はだいぶ生長してきたため上手に支柱に誘導する。ナスやシシトウやトウモロコシなどは生長を見守るだけでOK▼昨年十一月に植えたタマネギは十日ほど前に収穫を完了してガレージの脇に吊りました。今はジャガイモが収穫時期ですが、畑で乾燥するのを待っています。この週末が作業日になりそうです。夏野菜は実野菜が中心となりますが、今年は裏作気分で白菜・ブロッコリー・大根を植えています。虫の襲撃にあっていますがノー農薬で通しています▼今年は自治会で「日曜朝市」を開催する話が出ています。八月の「出展」に向けて我が農園も一役買うつもりですが、自然が相手の作業ゆえ、さてどうなることやら。今朝はインゲン・水菜・サニーレタスを収穫。午前六時半には家に戻って出勤の準備です▼早起きすると間違いなく一日が長いと感じます(M)


ソフトボール大会  2004.6.23掲載

 自治会などが取組む親睦スポーツ大会は住んでいる地域の人たちと交流するいい機会です。皆さん声が掛かった時は積極的に参加していますか▼過日、私の住む学区の体育協会主催でスポーツカーニバルが開催され、卓球・インディアカ・ソフトボール・バレーボール・グラウンドゴルフの各競技を楽しみました。学区には十七の自治会がありますが、基本は自治会対抗です。私は五年前からソフトボールを担当しています▼今年は過去三年間の成績からABCの三リーグを編成。各チームが二試合を戦って、上位二チームがリーグ決勝戦を行い、優勝チームを表彰することにしました。地元の野球グラウンドと小学校グラウンドで三面を確保、事前に抽選を行い試合時間と対戦相手を決定して選手を集めやすく配慮しました。さて当日、出場辞退する自治会はなく十七町全町参加となりました。初めてのことでうれしい悲鳴、全二十試合を一日で消化する強行日程となりました。我が自治会のチームは完全な親睦チームですが、リーグに分けたことで実力が近くなり一勝一敗とそれなりに試合を楽しむことができました▼昼食は各自治会ごとに各競技の参加者が集まって話の輪が出来ていました。天候に恵まれて楽しい一日でした。(M)


パブリックコメント制度  2004.6.30掲載

 高槻市の「パブリックコメント手続き指針(案)」が庁内意見とともに公表されました。国では平成十一年三月に閣議決定され、大阪府は平成十三年四月一日から実施しているように、インターネットの普及と無関係ではないようですが、今の行政機関の大きな流れになってきています▼この指針は「市民等に意見の提出を求める」手続き・手順を決めたものです。案を公表し、意見を求めることで市民の参画の確保・市の説明責任・公正の確保・透明性の向上を図るものです。従って、案が広く公表され、沢山の意見が寄せられ、案に反映されるか市の見解が示されることが期待されています。それを占う意味でこの指針自体の庁内「パブリックコメント」がどうであったのか、注目していました▼庁内意見は少なかったようですが、その取り扱いは、意見を整理した上で案に反映した部分を明記し意見に対する市の見解を述べて、丁寧なものでした。特に、案とともに案が出来上がる際に計画策定課で整理された論点なども含めて公表することは意義があると思いました。市民が案を立体的に理解することに役立つからです▼今後市民等の意見を経て実施されることになります。広く機能する制度になってほしいものです(M)
 


五平餅と夏祭り  2004.8.24掲載

「ごへいもち」をご存知ですか。「五平餅」が一般的ですが「御幣餅」「五兵衛餅」とも書かれています。高速道路のサービスエリアなどでよく売られています▼生活の中で五平餅が作られる地域は長野県の木曽・伊那地方を中心に天竜川水系・木曽川水系のようです。形はわらじ形が一般的ですが、馬篭宿では丸い団子が三つ串に刺して出てきます。タレは地域によって薄醤油味・味噌味・ごま味・胡桃醤油味・ピーナッツ味と多彩でいずれも美味です▼この週末に自治会の「夏祭り」があって、我が家は食べ物屋台を出店、その五平餅つくりに挑戦しました。ご飯を炊いてすりこぎで半殺しにします。そして予め作っておいたわらじ形の木枠にサランラップを敷いてご飯を詰め、割り箸を芯に入れて形を整えます。我が家のタレはピーナッツベースに醤油・味噌・砂糖・みりんを加えた秘伝の味です。下ごしらえはここまで。屋台では、バーベキューセットに炭を熾して網を敷いておきます。五平餅にタレを塗って炭火であぶると香ばしい香りが付近に漂います。「五平餅はいかがですか」と声を上げるとムード満点。近所の人がほお張って食べてくれるのを見るのが楽しい▼七年ぶりに復活した夏祭りの楽しいひとときでした(M)


大王陵発掘!今城塚古墳  2004.8.17掲載

待望の本が出版されました。『大王陵発掘!巨大はにわと継体天皇の謎』(NHKスペシャル「今城塚古墳」プロジェクト NHK出版)です。昨年八月に放送されたNHKスペシャル『史上初 大王陵・巨大はにわ軍発掘』に至るおよそ二年間の動きを、豊富な写真と参考資料を配置して丁寧に説明しています。古代史ロマンを大いに刺激してくれる一冊です▼今城塚古墳は全長三五〇m、六世紀前半につくられた当時では最大級の前方後円墳です。今城塚古墳の発掘が注目されるのは何といっても全国初の大王陵(天皇陵)の発掘である点です。宮内庁の管理下なら絶対に許されない発掘が管理外にあるが故に実現しているのです。発掘された五万点に及ぶ破片を一片一片つなぐ気の遠くなるような作業を経て、四十種類、百三十体あまりの埴輪とその配列が明らかになってきました。大王陵から出土した埴輪が謎とされる大和政権の姿の何かを語っているはずだ。NHKスペシャルは埴輪の姿とその配列の解明に焦点をあてていました。本書はその背後関係も含めて写真を使って丁寧に説明してくれています▼古事記や日本書紀は八世紀に編纂されたものです。六世紀前半の無文字時代に、直接そのものの形をビジュアルに表現している埴輪(家・盾・器台・鶏・水鳥・牛・力士・武人・巫女・馬などから何を読み解くか。興味は尽きません(M)


高齢者パソコン教室  2004.8.10掲載

今年の自治会企画の一つに「高齢者のためのパソコン教室」があって講師のお鉢が回ってきました▼今回は「パソコンは怖いものではないと知ってもらうこと」を目標に、ウルトラ入門コースと入門コースを計画しました。隔週の土曜日に午後の部と夜の部を設定して、各々二時間×五回の講座としました。場所は自治会館。六五世帯に案内状を配布して募集しました(パソコン持込の有無も同時に記入)。結局十五名の応募がありました▼早速七月から「ウルトラ入門」コースを開始しています。受講生はいずれも六〇才以上で、午後が五名(女性)夜が三名(男性二・女性一)です。八名のうち六名がノートパソコン持込みでした。準備するのは一台だけで済みました。時代を感じます。先ずは起動と終了の仕方を丁寧に。次は電卓・ペイント・メモ帳のソフトを使ってマウスの扱い方やキーボード練習を行いました。一人で五名を見るのは大変なので娘に助っ人を頼んだところ受講生に喜ばれました▼彼女らはみんな顔見知りの中で、そのにぎやかさに娘が驚いていました「話しても聞こえない」と。結局二時間が三時間になって「もう時間だから」と終了になります。にぎやかさに負けて今後の展開が読めない講座となっています(M)


映画『華氏911』  2004.9.7掲載 

映画『華氏九一一』が上映されています。今年のカンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞した作品です。「ボウリング・フォー・コロンバイン」のマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画。アメリカで公開される前に、ブッシュ大統領批判が賛否両論の物議を醸して、ドキュメンタリー映画としては未曾有の興行成績を上げました。未見の方は是非鑑賞してください▼印象に残った場面を少しだけ。その一。ブッシュ一族とビン・ラディン一族が「家族づきあい」の間柄である事実。九・一一直後ビンラディン一族が密かに自家用ジェット機で米より国外脱出しています。その二。議員が法案を読む時間さえないうちに成立した「愛国法」は国民監視の法律である事実。その三。イラク攻撃でマスコミが報道しない二つの事実を追います。イラクの子ども・老人・婦人などの生の被害と、手や足を失った兵士たちの米軍人病院での姿▼その四。監督の故郷フリントに向かう。GMの閉鎖で仕事がない。貧乏で他に行くところのない若者が志願兵となってイラク攻撃に加わっている事実。「人を殺す時、自分の中の何かも同時に殺しているんだ」と海兵隊の一人がつぶやきます▼「釣りバカ日誌一五」も上映中です。映画鑑賞の初秋(M)


高槻市の第6次行革大綱実施計画  2004.9.15掲載  

高槻市が『第六次行財政改革大綱実施計画』をパブリックコメント用に公表しています。三月に公表された大綱を受けて今後三年の実施計画です。人口減少、少子高齢化、市税等の減少、職員体制の再整備に対応する計画とされています▼柱として@施設運営に指定管理者制度を検討する A外部化(アウトソーイング)を推進する B事務事業を統廃合する C組織体制を整備し職員定数を抑制する D財源の確保と有効活用 の五本が上がっています。その各々について具体的項目を上げ、目標スケジュールと取り組みが列挙されています。影響を受けない職場と職員は皆無だと思いますが、具体的にあなたの職場名は出ていませんか▼例示すると、外部化(広報・職員研修・保育所・前島クリーンセンター・各共済・文化財等)見直しや統廃合(幼稚園・図書館・学校給食・選挙事務・学校公務員等)組織(水道と下水道・生涯学習・土地開発公社等)が挙がっています。まさにオンパレードです▼考え方の根本にあるのが職員定数の抑制と見ています。三年間でさらに七%(一八二人)の削減(退職者の四割しか補充しない計算になる)が目標となっています。自治体公務の担い手たる公務員のあり方が問われています(M) 


プロ野球選手会のスト  2004.9.22掲載 

先週の土日は選手会によるプロ野球ストが初めて決行されました。あなたの意見は? ここでは、何とも奇異に映った読売新聞の社説を取りあげます▼三日連続で載っています。「ファン裏切る”億万長者”のスト(十八日)」「選手会の弁護士と一握りの選手によって議論は振り出しに戻った(十九日)」「不毛なストの代償は、極めて大きい(二十日)」など、選手会攻撃の意図が露骨にあらわれた内容となっています。「プロ野球、このストを生かせ」(朝日)「責任はNPBの怠慢にある」(毎日)「来季からの新規参入を認めるべきだ」(日経)「球界再編今からでも間に合うはず」(産経)などの主張は、いずれも球団経営者側を批判しています▼「読売」は、球団の経営事項に関することだから選手会は口を出すな、黙ってプレイせよ、という立場に見えます。ましてファンは余計な口出しするなと。選手会やファンを無視してプロ野球の発展はないのは明らかです。「新規参入球団の積極的受け入れ」に「審議時間がない」という言い分に説得力はありません。時間はあるのに一年後以降というのは職務怠慢になります▼中日が勝った翌日のスポーツ紙を購入する程度のファンですが、選手会を応援しています「M」


夫婦50割引  2004.9.29掲載 

「夫婦五〇割引」を知っていますか。夫婦揃って映画館に出かけると、映画料金が二人二千円ポッキリで鑑賞できるという制度です。興行組合加盟の映画館ならOKのはずです。今年の六月頃から始まっています▼映画館の窓口で「夫婦です」と告げると「年齢を証明できるものは?」(夫婦のどちらかが五〇才以上という条件が付いています)「免許証でいいですか」と差し出す、これで二枚のチケットをゲットして、あとは二千円支払うだけです(夫婦のことは聞かれませんでした)。私はこの制度に大賛成です。年齢は別にして「夫婦」というところが良い。夫婦で映画館に出かけるという行動の動機付けになります。どうせだから食事も、と近くの店の消費につながります▼最近では、『ヴィレッジ』を鑑賞しました。森に囲まれた共同体に暮らす人々は森と「棲み分け」の契約をしている。その契約が破られようとする時…。サスペンス風の組立に意外な結末があります。監督からのメッセージが鮮明な映画です。『釣りバカ日誌十五』は元々千円でした。鈴木建設に成績評価システムを売り込むコンサルタント社が出てきます。成績主義、どこかで聞いたような話です。スーさんの決断があります▼制度を多いに活用を(M)


イチローの記録  2004.10.4掲載 

この週末は大リーグイチロー選手の話題で持ち切りでした。年間最多安打の大リーグ記録二五七本に挑戦した二日(土)午前十一時のテレビ中継に釘付けの人も多かったのでは。見事、新記録を達成し、最終的には年間二六二本の金字塔を打ち立てました▼ホームラン競争に象徴されるパワー野球全盛の大リーグにあってイチロー選手の野球スタイルは際立っています。シアトルの観客は、打つ瞬間だけでなく、ゴロを捕球して送球する守備陣と打者走者が一塁を駆け抜ける瞬間のスリルを味わうことができます。ライトとしてレーザービームと比喩される送球を楽しむができます。走者として盗塁の駆け引きを応援することができます。「走・攻・守ともに観客にアピールするプレー」に徹するプロフェッショナル。日本の武士道や西欧の騎士道を彷彿させるとした解説も多くありました。そんな大リーガーがたまたま日本人だったことに誇りを感じます▼一方日本のプロ野球は、六六制維持のもとで交流試合の実施など改善の方向が見えてきています。選手会が頑張った成果といえます。ひいきの中日は一年前の現有勢力のパワーアップのみで見事リーグ優勝を果たしました。パリーグはこれからダイエーVS西武のプレーオフです▼テレビ観戦でも十分に楽しい(M)


ホラーサスペンス大賞  2004.10.20掲載 
 

新潮社と幻冬社が共同主催する文学賞に『ホラーサスペンス大賞』があります。今は第六回作品の募集中で、要綱によると、ホラー性及びサスペンス性に富んだ長編小説が対象で、プロアマを問わず自作未発表の作品であればよく、四百字詰原稿用紙三五〇枚以上の作品とあります。大賞一作1千万円、特別賞一作3百万円の副賞があり、受賞作は各々の出版社から刊行されます▼第五回ホラーサスペンス大賞は応募総数二一一篇の中から最終候補四作がすでに決定されています。その候補四作品のひとつに『背の眼』(道尾秀介作 埼玉・二八才)が選ばれています。個人的で恐縮ですが、私の甥の作品です。彼はサラリーマンを続けながら作家をめざしてこれまで作品を書いてきました。HPでは『シロウト作家の訴え』のサイト名で合計四二作品が載っています。前回は『手首から先』という作品で角川ホラー大賞の最終選考に残った経験があります▼昨年、埼玉県で結婚式を挙げた際、主賓のあいさつを頼まれて「鈴木光司さんは保育園の送り迎えや家事をこなしながら、『リンク』『らせん』を書いた。夢は決して諦めないで追い求めてほしい」と話しました。その彼から、特別賞の受賞が決まったとの第一報が入りました。詳しい選考結果は小説新潮十二月号に発表されるそうですが、来年一月には幻冬社から刊行本として発行されるとのことです▼是非購入して読んでください(M


 

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