新型インフルエンザへの備え
新型インフルエンザといえども、インフルエンザにはかわりはありません。
感染しないためにはウイルスに曝露しないこと
、これにつきます。
手洗い・うがい・マスクの着用
でも、それよりも確実なのは外出しないこと
=篭城ということになります。
厚生労働省も「感染を防ぐためには不要不急の外出をしないことが原則であることから、災害時と同様に外出しなくても良いだけの最低限(2週間程度)の食糧・日用品等は準備しておくのがよいでしょう。」といっています。
参考までに通常のインフルエンザ罹患時の対策をあげておきますと
1. 早期受診で、タミフル
2. 安静第一
3. 部屋の保温・湿度維持 (22度程度、60%以上)
4. 水分・ミネラル・ビタミン補給
5. 感染防止 (患者はマスク着用などで家族にうつさないように)
マスクはひとのためならず
「情けはひとのためならず」ということばがあります。ご存知のとおり、情けをかければそれはめぐりめぐって自分に返ってくる、だから他人に情けをかけるのはひとのためではなく自分のためになるのだ、という意味ですね。昔の人って賢いなぁと思います。
さて、一般的なマスクは、健康な人がつけて感染を防ぐ効果はあまり期待できず(実証されていないということでしょう、異説はあります)、逆に患者がつけることで他に感染を広めない効果は高いと考えられています。
したがって、新型発生時に全国民が感染・非感染を問わずマスク(不織布の使い捨て)を装着するならば、ウイルスは人体から外界に出て行けないわけですから、国内で大流行など起きようもないはずです。
まさに、「マスクはひとのためならず」だと思いませんか?
そしてこの場合、高性能で高価なN95マスクなどである必要はないわけです。安価な不織布の使い捨てマスクと、咳エチケットなど公衆衛生道徳の普及・啓蒙でそうとう高い効果が期待できそうです。
こうした安価で効果的な手法があるにもかかわらず、ワクチン・タミフル・備蓄という側面ばかりを重視する国や行政や企業、新型パニックを煽りたがっているようなマスコミの姿勢に疑問を持つ人が増えているようです。
【追記】
個人的には、たとえ不織布の使い捨てマスクであっても、かなり高い予防効果があると思っています。藪の中を歩くときに例えれば、マスクなし→はだし、使い捨てマスク着用→運動靴(百歩譲ってサンダル)、N95マスク着用→登山靴・安全靴、みたいな感じではないでしょうか。
それに、この1年(新型インフルを知ったのは去年の年末でした)、電車や人ごみ、医者の待合室で必ずマスク(安物)をつけるようにしたところ、まったく病気らしい病気に罹らなかったのです。以前は年に2・3回は風邪引いて熱を出していたにもかかわらずです。
篭城という言葉について
当HPでも使っているのですが、 篭城という言葉には最近風当たりが強いようです。
社会との隔絶とか、不要な不安感を与えるとか、まあ言葉として過激ということでしょう。
確かに、アンネの日記とか連想してしまいそうなところがあるなぁとも思い直したりしてます。でも当面はこのまま「篭城」という言葉を使います。
もともとは、「不要不急の(人の多いところへの)外出を避ける」では長ったらしくてインパクトにかけるから、それイコール「篭城」と表現したのだと思いますし、わが家ではそのとおりの意味に認識していました。新しいことを世に広めようとするときには、よく行われることだし、あまり気にもしていませんでした。
でも言霊の国日本、個々人が言葉に持つイメージには強力な力があります。誤解されるのは本意ではありませんから、ここでわが家の「篭城」の定義をしておきたいと思います。
篭城=「不要不急の(人の多いところへの)外出を避ける」です!そのまんまですね。
したがって、家族で完全なヒッキーになるつもりはありません。
朝や昼間は公園で子供と遊んだり、サイクリングロードを自転車で走ったり。(ただし他人には近づかないし、エレベーターはつかわず外階段を使うとかになりますが)
一方で、人ごみは極力避けます。電車には乗りませんし、街(繁華街)には出かけませんし、スーパーに買い物にも行かないようにします。
「徹底的な篭城」というのは、あらかじめ備蓄などで準備をすることによって、2〜3か月間くらいは、あらゆることを「不要不急」にしてしまう(してしまいたい)という意味です。
ポジティブに篭城をシミュレートしてみる
篭城シミュレーションは悲観的なものが多いようなので、発想を転換してみましょう。不謹慎だと怒らないでください。
先ほど述べたとおり、篭城は、暗くて閉塞的な生活を必ずしも意味しません。うまく感染を免れれば、一種の「家族だけで過ごす人生の夏休み」になると思いませんか? 企業戦士のあなたも、家族との強い絆を確認したり、暖めたりできるよい機会かもしれません。
まずは、篭城時に、自分はなにをしたいか、家族(特にこども)になにをやらせたいか、をリストアップして話し合ってみてはどうでしょう。
わが家の例
・映画のDVDや、とり貯めているBS映画、アニメを片っ端から見る
・ハリーポッターやローマ人の物語を最初からもう一度読み直すなど、本を読む
・ビリーズブートキャンプを最後までできるまで、エクササイズ
・チャレンジ(ベネッセの通信教育)をすみずみまでおさらいする
・なにか資格試験の勉強をする
・家族ビデオを編集して、DVDに焼く
・ビデオの時間、読書の時間、勉強の時間、体育の時間?と分けて時間割作ってはどうかという提案もでました
地震とパンデミックの比較
1. 地震は予測が困難でいつ起きるかわからないが、パンデミックはWHOのアラートや外務省の渡航者むけ情報などである程度予期することができる。
ただし、WHOのアラートレベルの変更は決定されるまでのタイムラグにより現実の状況より遅れる可能性があるので、海外ニュースなどに注意しておく必要があると思います。またフェーズ4以降の足の速さや、4・5というふうに段階を踏んで進むかどうかはわかりません。最悪、フェーズ4以降は数日間隔で加速度的に進んでいくかもしれません。
2. 地震は起きた瞬間が生死の分かれ目になるが、パンデミックはその終焉までそれが続く。
スペインインフルエンザの例では、
何度も流行の波が起こり終息するまでにほぼ1年強を要しています。 終息するまでに3年以上を要し、その間に3度の大きな流行の波が起きています。
3. 地震は他地域からの援助・救援が期待できるが、パンデミックは全国・全世界で流行が起きるのでそのような期待はできない。
4. 地震のときも被災地では生活必需品の価格は高騰するが一時的なもの。一方パンデミック時には、全世界的流行であり、輸入が減少したり場合によっては停止する(空港や港湾の閉鎖などが行われるため)、また感染が広がれば流通が麻痺する(トラックの運転手さんが罹患してダウンとか)などの可能性があり、相当長期にわたって生活必需品の品不足・価格高騰が続くと考えられる。
5. 地震ではインフラ基盤への直接ダメージがありライフラインの全部または一部の停止が起きるが、パンデミックの場合は、直ちにライフラインが止まることはない。
したがって水道・電気・ガスについては、地震の場合ほど心配要らないと思います。ただし、故障を直せる人が病気でいなかったり人手不足とかで一時的な停止や、使用制限はあるかもしれません。
こうして考えてみると、パンデミックのほうが地震よりたちが悪いというか、真綿で首を絞められるような感じです。地震よりましなのは、1のある程度予期できるという点と、5のライフラインは止まらないという点くらいでしょうか。
また、3や4から備蓄の必要性は理解できると思います。心配なのは、古くはオイルショックのときのトイレットペーパー事件や、最近では「あるある大事典」の納豆事件のときにみられたように、みなが殺到するために在庫が払底してしまうような状況です。フェーズが進んで人々が買いだめに走ればパニックがおきそうですし、そのときには買いたいものはなくなっているか、相当に価格は高騰していそうです。このようなパニックを恐れて国は声高には備蓄を周知できないのではないか、と勘ぐりたくもなります。備蓄するなら今のうちです。
本当に2週間分でよいのか
上記のように、国は国民に最低限2週間以上というふうに備蓄を呼びかけているわけですが、上の3や4の理由から最低限の2週間分ではまったく心もとないと思います。
「2週間」というのは通常の一般家庭であればそのくらいの買い置きはもともとあるでしょうというあたりと、パンデミック第一波での医療崩壊だけは避けたいというあたりから出てきているように思います。つまり、個々の人命尊重というより社会機構維持のほうから出てきた数字のように思えるわけです。
備蓄をまじめに考えている人の間では、おおむね2か月から3か月分あたりが一般的のようです。
わが家では、3か月、切り詰めれば4か月もつあたりを目標に備蓄することにしました。
備蓄品リスト
厚生労働省は、個人での備蓄物品の例として以下のものをあげています。
このようなリストを下敷きにして、可能な限り外出を避けるために何が必要か、またやむを得ず外出する場合になにがあれば感染のリスクを減らせるかを考えて、自分流・わが家流の備蓄品リストをつくりましょう。
○食糧(長期保存可能なもの)の例
【主食類】
米
乾麺類(そば、ソーメン、うどん等)
切り餅
コーンフレーク・シリアル類
乾パン
各種調味料
【その他】
レトルト・フリーズドライ食品
冷凍食品(家庭での保存温度ならびに停電に注意)
インスタントラーメン
缶詰
菓子類
ミネラルウォーター
ペットボトルや缶入りの飲料
○日用品・医療品の例
【常備品】
常備薬(胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬)
絆創膏(大・小)
ガーゼ・コットン(滅菌のものとそうでないもの)
解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)
薬の成分によっては、インフルエンザ脳症を助長する可能性がありま
す。購入時に医師・薬剤師に確認してください。
【対インフルエンザ対策の物品】
マスク
ゴム手袋(破れにくいもの)
水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)
漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)
消毒用アルコール
【通常の災害時のための物品(あると便利なもの)】
懐中電灯
乾電池
携帯電話充電キット
ラジオ・携帯テレビ
カセットコンロ・ガスボンベ
トイレットペーパー
ティッシュペーパー
キッチン用ラップ
アルミホイル
洗剤(衣類・食器等)・石けん
シャンプー・リンス
保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)
生理用品(女性用)
ビニール袋(汚染されたごみの密封に利用)