VENEZIA ゴンドラ

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VENEZIA ゴンドラ ヴェネツィア名物のゴンドラは観光客を乗せて運河を走る。 ホテルの裏の運河もゴンドラのコースになっていて、 橋の上に立っていると次々とゴンドラが通り過ぎていく。 夕方になるとゴンドラには歌手も乗り込んで、 「オーソーレミーオ」とか「サンタルチア」とか、それぞれのお得意の歌を朗々と歌い上げる。 ものすごい声量で、その歌声はホテルの部屋まで聞こえていた。 歌手の乗ったゴンドラの間隔が詰まり過ぎていて、歌がかぶってしまい、 お互い声量を目いっぱいにして張り合っていた。 それがおかしくて笑っていると船頭さんと目が合った。 「よくやるよな。」って感じで船頭さんも笑っていた。 船頭のお兄さんたちはみんな均整のとれたいい体をしている。 一本のオールで船を操るには、かなりの腕力と下半身の安定性、それにバランス感覚も必要だろう。 船が壁にぶつかりそうになると、船頭さんは壁を蹴って方向を変える。 客はほとんどが日本人だから、サービスのつもりなんだろうが、 誰に習ったのか「すっとこどっこい」を連発している船頭さんもいた。 ヴェネツィアの猫につづく