2008.08.10〜更新2008.09.06
【運動エネルギーについて】 運動している物体は,衝突して止まるときに仕事をします. 例えば壁に衝突した車は,止まるときに仕事をして, 壁や車自体を壊します. このように運動する物体が持つ,仕事をする能力の大きさを 「運動エネルギー」と言います. 【運動エネルギーの大きさ】 物体は初めから動いていて,運動エネルギーを持っているわけでは ありません.以前に誰かが,物体を動かす仕事をしたはずです. 例えば動いている車は,人が車を押したり,エンジンをかけたりして 車を動かす仕事をしました. このように運動する物体は,その物体を運動させる仕事の大きさと 等しい運動エネルギーを持つと考えます. ![]() ではボールを動かして,仕事と運動エネルギーの関係を調べて下さい. |
【重要】まとめを確認して下さい. |
人がした仕事はw=fxより,w=3.2×5=16[J]です.
同じ大きさの運動エネルギーを,ボールが得ていることを確認してください.
それでは,動いているボールの運動エネルギーの大きさを計算する公式を求めます.
【考察2】次の2つのボールが顔に当たった場合,どちらのボールの方が痛い(運動エネルギーが大きい)か考えて下さい.
初め静止していた質量0.5[kg]のボールが,3.2[N]の力を受けて5.0[m]移動したときの速度は8.0[m/s]と計算できます.
だから運動エネルギーはmv=0.5×8=4.0[J]となり,考察1の結果と一致しません.
運動エネルギーの公式は,単純にmvでは求められませんでした.
では改めて運動エネルギーの公式を求めましょう.
【考察3】下図は,初め静止していた質量0.5[kg]のボールを,人が一定の力でt[s]間押し続けたところ,速度が8.0[m/s]になったところです.
【語群】
【考察4】下図は,初め静止していた質量M[kg]のボールを,人が一定の力でt[s]間押し続けたところ,速度がV[m/s]になったところです.
【語群】
【考察5】下図は,1.0[N]の摩擦力が働く床の上にある,初め静止していた質量0.5[kg]のボールを,人が6[N]の力で5.0[m]移動させたところです.
人がした仕事と,ボールが得た運動エネルギーは等しくありません.
人は6[N]の力でボールを5.0[m]動かしたので,W=fxよりW=6×5=30[J]の仕事をしました.
ところがボールは25[J]の運動エネルギーしかもらっていません.30-25=5.0[J]の仕事が消えました.
「人のした仕事は無駄なエネルギーにならない(エネルギーは消えない)」ことを,
位置エネルギーの所で学習しました.
5.0[J]の仕事が消えた理由を説明できますか?
考察1の結果と一致したので,同じ計算方法で,文字を使って公式を求めます.