位置エネルギー
アプレットの紹介ページへ戻る

2008.08.06〜更新2008.09.05

仕事
位置エネルギー
運動エネルギー
エネルギー保存則
弾性エネルギー
【位置エネルギーについて】
 高い所にある物体は,落下するときに仕事をします.
例えば水力発電所では,高いところにある水を落下させ,
水がする仕事から,電気を作っています.
 このように高いところにある物体が持つ,仕事をする能力の
大きさを「位置エネルギー」と言います.
【位置エネルギーの大きさ】
  物体は初めから高い所にあり,
位置エネルギーを持っているわけでは
ありません.以前に誰かが,物体を高い所へ
持ち上げる仕事をしたはずです.
例えば,
@ 高い所にある水は,
 太陽が水を蒸発させ,
 高い所に持ち上げる仕事をしました.
A 高いところにあるボールは,
 人が
ボールを高い所へ持ち上げる
 仕事をしました.
 これらのことから,高い所にある物体は,その物体を持ち上げる
仕事の大きさと等しい位置エネルギーを持つと考えます.
ではボールをゆっくり持ち上げ,仕事と位置エネルギーの関係を調べて下さい.
【重要】まとめを確認して下さい.    
【考察1】下図は質量0.5[kg]のボールを,ゆっくり上向きに5.0[m]持ち上げたところです.次のことを考えて下さい.
@ 質量0.5[kg]のボールに働く重力の大きさは何[N]ですか?
A 重力に逆らって,ボールをゆっくり真上に5.0[m]持ち上げる仕事は何[J]ですか?
B 以上のことから,高さ5.0[m]にある質量0.5[kg]のボールの位置エネルギーは何[J]ですか?

【考察2】考察1の数字を文字に変えて,次のことを考えて下さい.なお重力加速度は9.8[m/s2]ではなく,g[m/s2]とします.

@ 質量m[kg]のボールに働く重力の大きさは何[N]ですか?
A 重力に逆らって,ボールをゆっくり真上にh[m]持ち上げる仕事は何[J]ですか?
B 以上のことから,高さh[m]にある質量m[kg]のボールの位置エネルギーは何[J]ですか?

【考察3】下図は重力より大きな力8.9[N]で,ボールを高さ5.0[m]まで持ち上げているところです.

考察1のように重力よりほんの少し大きな力で,ボールをゆっくり持ち上げる場合は,
人がした仕事が24.5[J],ボールの位置エネルギーが24.5[J]で,大きさは同じでした.
しかし,重力より大きな8.9[N]の力で,ボールを持ち上げる場合は,
人がした仕事の大きさが44.5[J],ボールの位置エネルギーが24.5[J]で,等しくありません.
人は44.5-24.5=20[J]だけ余分な仕事をしています.
人が余分にした仕事は,何に使われたか覚えていますか?
【参考】
後で学習する内容ですが,ボールの速度が増加するとボールの運動エネルギーが増加します.
すなわち,人がした44.5[J]の仕事は,ボールの位置エネルギー24.5[J]と,運動エネルギー20[J]の増加に使われます.
人がした仕事は無駄なエネルギーにはならない」ということを覚えておいて下さい.