さかいは中世室町時代から進取の気風あふれる街として栄え、このような歴史や風土が育んできた多くの伝統工芸が今も受け継がれています。 |
堺は16世紀にポルトガルから伝来したタバコ包丁の製造がきっかけで、発展してきたといわれています。今日、堺の刃物は全国的に有名で、プロの料理人が使用する包丁の90%が堺包丁だといわれています。
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江戸時代中期に、北海道の昆布が、大阪、堺に通じる航路が開かれたことで、堺の昆布加工業が発展したといわれています。大正から昭和のはじめには1500軒もの業者が集まり一大産業地になりました。 |
16世紀の終わりに線香の製法が中国から伝わり、日本ではじめての線香が堺で作られました。選び抜かれた線香の調和は、香りの芸術品といわれています。 |
江戸時代のはじめ、水量豊かな石津川付近で綿織物の漂白(和皿視)の生産が盛んになりました。戦後に大阪市内のゆかたの染色業界が石津沿岸に移住し、堺の和ざらしと結びついて産業として発展してきました。 |
明治の初期に名古屋の紙鯉をヒントに、大阪ではじめて手書きによる紙鯉を製造販売したのがルーツです。堺の五月鯉幟は、金太郎がまたがったデザイン。ぼかしや色の濃淡、毛先の繊細さ、勢いのよさが特徴です。 |
自転車が普及し始めた明治30年代、堺では金属加工について優れた知識と経験を持っていた鉄砲鍛冶たちが部品製造や修理にあたりました。今では日本の自転車産業の中心として完成車および部品の1/3が堺で生産されています。 |
堺式手織緞通は天保年間(19世紀)に堺に伝えられ、明治時代には輸出品の花形として世界的に有名になりました。一方、敷物は日本初の敷物工業団地が建設されるなど全国シェアの10%を生産しています。 |