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★ 第8日目7/14(金) サンフランシスコ市内見物 ★ |
午前8時起床、やはりサンフランシスコまで来ると、もう車を運転して飛び回らなくても良いという気分的なものと、後は飛行機に乗れば日本へ帰れるという安心感からか、ゆったりとした気分になる。 朝食も部屋を出て行くのが面倒になって、備えつけのコーヒーメーカーでコーヒーをつくり、前日の残り物のパン、果物で簡単な朝食とする。窓から外を見れば、歩いている人は長袖の人が多く、パーカーを着ている人も多い、標高の高い国立公園より寒いとは・・・。 出発前はサンフランシスコの一日を、やはりハーツレンタカーで車を借りて、ゴールデンゲートブリツジ、急坂で有名なロンバードストリート、それにシリコンバレー生みの親のスタンフォード大学を回る計画をたてていた。ところがやはり歳か?予想外に疲れてしまって、前夜この計画は中止にした。 その代わり電車で、映画「卒業」「いちご白書」の舞台としても有名な、また15人ものノーベル賞受賞者を輩出したカリフォルニア州立大学バークレー校 (University of California Berkeley 通称UCB)へ行くことにした。 通勤ラッシュの過ぎた午前9時半すぎホテル日航サンフランシスコを出発。このホテルから1ブロックでケーブルカーの終点・始点であるとともに、BART(Bay Area Rapid Transit ベイエリア高速鉄道)のPowell駅。駅で乗車券の買い方が判らずモタモタするが、ご婦人に訊ねたら親切に教えてくれた。 キップはプリペイドのカード式で、目的地までの料金を事前にチャージしておく。クレジットカードでも現金でもチャージできるので、クレジットカードで往復1人7ドル×2、計14ドル分のプリペイドのカードを購入。 こんなカードの請求14ドルなんか来るのかと思っていたら、キッチリと口座から引落としされていた。 Powell駅からU.C.バークレーのあるDowntown Berkeley 駅までは25分から30分、乗換えか直行かで違う。途中、サンフランシスコ湾部分の区間は橋ではなく、海面下のトンネルを走行。 我々の乗った電車は直行ではなかったので、座席の前に座っていた若い女性に、乗換えの方法を聞いたら、乗換え駅ではわざわざホームまで出て来て親切に案内してくれた。 親日家のトルコ系アメリカ人で、日本人の友達もたくさんいるようなことを言っていた。 それにしても道を尋ねたり、機械の操作の仕方を聞いたり、またホテル、レストラン、ショップ、空港での応対にしても、皆親切でやさしい。昔(1971年夏)、一人旅でアメリカをグレイハウンドのバスで周っていた時は、何回となく差別的な態度に接し、嫌な思いをしたのにと思うと隔世の感がある。 駅からU.C.バークレーまではブラブラと歩いて10分ほど、まず大学のビジターセンターでキャンパスマップをもらう。キャンパスは非常に開放的で、緑豊かな森に小川が流れ、リスがいたりと、ちょっと日本では考えられない自然環境の中にある。夏休みのためかそれほど学生はいない。 そんな美しい、若者しかいないような大学のキヤンパスを、場違いなおじさんとおばさんがキョロキョロと散策し、ブックストアのショップで大学のロゴ入りグッズを買っている姿は奇異に映るだろうが、我々には何か学生時代に戻ったようなウキウキとした楽しい気分だ。 キャンパス内で出会った日本人の女子留学生からも、ミスマッチに映ったのか“どうしてこの大学に来られたのですか?”と聞かれた。“いやいや、ただ単にサンフランシスコ観光の一つですよ!”と答えたら“うわぁーうれしい!素敵!”とか何とか褒めてもらったが、サンフランシスコ市内の近くにこんな素晴らしい名所地があるのに、興味がないのかあまり観光客は行かないようだ。 「タラ、レバ」は言いたくないが、もしもう一度学生に戻れたら、そして出来ればこのような大学で真剣に真面目に勉強してみたい・・・自分の学生時代の不勉強、不真面目さを思い出し、そんな真摯な気持になる。まあ、こんなキャンパスを見たら、私だけでなく誰でも「勉強したい」って気持になるのではないか?。 もっともこの大学で勉強したいと思っても、入学の許可と一年間の授業料・寮費・本代・諸雑費で約23000ドル以上が必要であるが。 |
カリフォルニア州立大学バークレー校は1873年に創設され、UCリーグに名を連ねる姉妹校が11校もあるなかで最も古い大学で本部校でもある。サンフランシスコの中心地から、車でベイ・ブリッヂを渡り30分ほど、電車でも25分のところ、ベイエリア東部の学園都市バークレー市にあり、学生数は約24000人ほど、最近はアジア及びアジア系アメリカ人学生の比率が4割を越えている。 U.C.バークレーといえば思い出すのが、1967年公開のアメリカン・ニューシネマの代表作、ダスティン・ホフマン主演の映画「卒業」と学生運動をテーマとした1970年の映画「いちご白書」の二つ。 二つともU.C.バークレーを舞台にしており、映画の内容は省略するが、二つとも青春時代の思い入れの映画である。 「卒業」では、全編に流れるサイモン&ガーファンクルの「サウンドオブサイレンス」「スカボローフェア」「ミセスロビンソン」の歌が、「いちご白書」ではベトナム戦争反対運動とバフィ・セントメリーが歌った「サークル・ゲーム」の曲が、ほろ苦い青春時代を思い起こす。 |
![]() U.C.Berkeleyのキャンパス |
![]() U.C.Berkeleyのキャンパス |
![]() U.C.Berkeleyのマスコットのゴールデンベアー |
![]() U.C.Berkeleyのキャンパス内の噴水 映画「卒業」に出てくる噴水かと思ったが違った |
U.C.バークレーのランドマークがセイザータワー、時計台と鐘楼を兼ねている。 入口の受付で荷物を預け、入場料は1人2ドル、エレベーターに乗って最上階へ行き、階段を少し昇ると展望台がある。この展望台からは、U.C.バークレーの美しいキャンパスの全景が見渡せ、巨大なフットボール・スタジアムも見える。そして晴れた日にはサンフランシスコ湾からゴールデンゲートブリッジを見ることが出来る。 U.C.バークレーの見学を終えて、出発地のPowell駅に戻ってきたのは午後1時20分。ホテル近くのスターバックスで簡単に昼食を取り、いったんホテルの部屋に入って20分ほど休憩し、再びケーブルカーに乗場へ行く、ところが乗場は長蛇の列だ。 坂と霧と花の美しい街サンフランシスコは、丁度観光シーズン真っ盛りで世界中からの観光客で溢れかえっている。その観光客の目玉がケーブルカーの乗車だから長蛇の列も仕方ない。結局50分ほど並んでようやくパウエルーハイド線に乗れた。ここのケーブルカーは2つの路線、パウエルーハイド線とパウエルーメーソン線の出発点になっている。両線ともフィッシャーマンズ・ワーフ行きだが、途中の眺めの良いパウエルーハイド線が断然人気だ。 そのことは観光客の殆どが知っているようで、パウエルーメーソン線が入ってきてもパスしてパウエルーハイド線が来るのをジ〜ッと待っている観光客が多い、じつは我々もそうであるが(^o^;)。 |
ケーブルカーの乗場は長蛇の列、手前の丸い円の所でケーブルカーを回転して向きを変える
フィッシャーマンズ・ワーフ(漁師の波止場)の立看板
“チンチーン”という鐘の音と、ゴーッ、ゴトゴトという鋼鉄製の地響きの音をたてて、急勾配の坂道を登っていくケーブルカーに、“そうや、思い出したこの地響きの音や・・・!” 昔、一人旅のとき何度も乗ったイメージを重ねしんみりとした気持ちになる。 突然、ワッという歓声があがり前方を見ると、ハイド・ストリートの急坂を下りながらサンフランシスコ湾の真っ青な海と青空とアルカトラズ島が見える絶景ポイントを通過している。絵葉書にもよく出てくるスホ゜ットだ。終点のフィッシャーマンズ・ワーフ(漁師の波止場)で降りてブラブラと東のPier 39方面に歩く。 Pierは桟橋、埠頭の意味、以前は漁港であったようだが、今は観光客目当ての土産物店、カニ料理店、レストランがズラッ〜と並び観光客で溢れている。ストリートでは黒人の若者がラップ音楽に乗ってパフォーマンスを演じ、チップを貰っている。昔のこじんまりとした印象と違って様変わりしているようだ。 Pier43 辺りでサンフランシスコ湾内一周のクルーズ観光船があったので乗ってみる。約1時間のクルーズで1人21ドル。船内には各国語(日本語も)のイヤホンが備えられ、各自耳に当てて案内を聞く仕組みになっている。 クルーズ船で湾内に出て行くと、太平洋側からの吹きすさぶ海風が強く、7月でも肌寒さを通り越して寒い〜って感じで、甲板に出ても余りの寒さにすぐ船室に戻ってしまう。サンフランシスコ市内はクッキリとした青空なのに、ゴールデンゲートブリッジ辺りは霧に包まれ鉄塔の上部は見えない。サンフランシスコ名物の霧だから仕方ないか? |
![]() サンフランシスコ市内はクッキリとした青空なのにゴールデン ゲートブリッジ付近は霧に包まれている |
![]() サンフランシスコ湾内のアルカトラズ島 |
下船後またブラブラとあちこちの店を見ながらPier (=桟橋)39へと歩く。なぜPier39かというと、ここでは野生のアシカの群(500〜100頭)れが見れる場所として知られている。湾内にはアシカ用の浮きデッキが20ほどあって、その上で沢山のアシカが寝そべっているはず……なのに、あ〜ぁいない、何故だか知らないが見事に一頭?匹?もいない。 仕方なく引き返すが、クルーズ時の寒さが抜けてなく、何か温かいものを食べて、暖まろうと近くのレストランで名物のクラムチャウダーを注文。 クラムチャウダーはクラム(アサリやはまぐり、牡蠣)のチャウダー( クリーム味スープ)を、サワードューブレッドという少し酸味のある腰の強いしっかりとしたパンの中身をくり抜いて入れてある。 パンも全部食べるようだが、中身のクラムチャウダーだけでお腹いっぱいになってしまう。 |
![]() クラムチャウダー |
レストランを出たのが午後6時半頃、お腹も満杯になったし、身体も温まって、そろそろ帰ろうと来た道を引き返す。またブラブラと土産物屋を冷かしながら、ケーブルカーの乗場まで戻ってきたら、何と!故障でケーブルカーは全線ストップ、何時直るかも判らないとのこと。 地図を広げて、どうして帰ろうかと相談していたら、上手い具合に臨時のパウエル行のバスが出るというので飛び乗って帰ってきた。結局、ケーブルカーも片道1回だけの乗車になってしまった。 |