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 ★ 第6日目7/12(水) グランドティトン国立公園 ★



どんよりとした雲に覆われた早朝のティトン山

前夜の大雨と強風で、今朝の天気はどうかなと心配していたら、やはりどんよりとした雲に覆われた天候で、日の出の午前5時50分前から、部屋の窓越しにティトン山を眺めているが、これではティトン山の頂上からピンク色に染まるという、朝焼けも期待出来ない。

それで一般的に野生の動物は、早朝、太陽が上がる前から活動を始めるというので、動物観察に近くのオクスボーベンドへ車を走らせようかと思ったが、天候ももう一つだしと踏ん切りがつかずにいたら、何と、目の前にムース(メス)の親子がウロついているではないか。そうロッジ前の湿原はムースの大生息地であることをうっかり忘れていた。


ロッジの前に現れたムース(メス)の親子

“ムース(Moose)”という動物は日本では“ヘラジカ”と呼ばれている。
オスには手のひら状の巨大な角を持ち、春に生え始め、秋には抜け落ちる。メスには角がなく、一見して足の短い馬のような格好をしている。

ムースとはインディアンの言葉で「木を食べるもの」から来ている。その名の通り、一年中樹木を好んで食べ、また水辺を好み泳ぎも上手い。ムースは鹿類の中で最も大きく、オスの体重が750kgもあるバイソン級も多い。
ジャクソンレイクロッジの朝は早く、天気の良い日は、宿泊客も日の出前から車で動き出し、好みの日の出スポットや動物観察に出掛け、広い駐車場もガラガラになるという。

午前7時半、朝食に昨夜の夕食と同じメインロッジのミューラルルームへ車で行き、駐車場に止めるが、あまり多くの空が無いことを思うと、今朝の天気では日の出や動物観察を中止にした人が多いみたいだ。

前夜と同じく窓際の席で、ビュッフェ式の朝食。外はどんより曇っていても、大窓越しにティトン山、ジャクソンレイク、湿原を眺めながらの食事は美味しい。こうした席でいつも思うのは、外国人特に老夫婦達のゆったりと会話を楽しみながら、時間を掛けた食事である。

我々が15分か20分で終える朝食を1時間以上もかけている。夫婦間の会話といっても、毎日顔を合わせていれば、それほど話題がある訳でなし、会話も続かないと思うのになあ。

朝食後ロッジ周辺を散歩。動物との遭遇を期待するが全然いない。


ジャクソン・レイクに映るティトンの山々

午前9時30分ロッジ前の駐車場を出発。今日はシグナルマウンテンからジェニーレイクへ、そして船で対岸へ渡り、Hidden Fallsへ行く予定だ。
ジャクソンレイクロッジを出て、5,6分走ったジャクソンレイクジャンクションを右折、ティトンパークロードを少し走るとジャクソンレイク・ダムがある。朝、この湖面に映るティトン山の美しさは定評があるが、残念ながらどんよりとした雲で絶景とはいかない。

シグナル・マウンテン・ロッジを過ぎてちょっと走ると、左手にシグナルマウンテンの標識が表れるので左折、そのままシグナルマウンテン頂上まで4マイル(6.4Km)森の中を走る一本道になっている。
途中に1ヶ所展望台があるが、ここからティトン山脈の眺めも素晴らしい。頂上の展望台からは木々が邪魔して眺めももう一つだが、ジャクソンホール側の眺望は素晴らしい。



シグナルマウンテンから見たティトンの山々


シグナルマウンテンから見たスネークリバーとジャクソンホール

シグナルマウンテンから降りてきて、ティトンパークロードをジェニーレイク方面に走り出すと、突然家内が“ブラックベアーや!”と指差すが、“どこどこ”と言って車を止めてる間に、森の中に入って行ったのか影も形も見えない。
あ〜ぁ残念!、2つの国立公園で見られる野生動物はバイソン、エルク、ムース、ブラックベアー、コヨーテ、オオカミ等であるが、特によく見かけるのはバイソン、エルク、ムースであるという。
コヨーテやオオカミはなかなか見られないので最初から諦めていたが、ブラックベアーは見付けられると思っていただけに残念だ。

ジェニーレイクまで半分ほど来た所にマウントモラン展望台がある。車を止め写真を撮ったり休憩していざ出発!とフト燃料計を見たら、あれー燃料が予想外に減っている。ロッジ出発前にチェックして、これなら明日の飛行場のレンタカーリターンまで、何とかギリギリ燃料の補給なしでOKと思っていたのに、これでは途中でガス欠になってしまう恐れがある。どうしようかと迷ったが、ガス欠になったらシャレにもならないなぁと思い直して燃料の補給に決めた。

ところが地図を見たら、これから行くジェニーレイクもその途中にもガス・ステーションはない。あるのは通り過ぎてきたシグナルマウンテンロッジ、7,8Km戻らなければならない。
仕方なく戻って売店で給油だが、これが旧式の装置で操作方法が判らなくてモタモタするも、何とか近くの人に助けてもらって出来た。ところがまた失敗、5、6リットル位入れるはずが、5ガロン(約19リットル)以上も給油してしまった。単位のガロンをリットルと勘違いしていた(^o^;)。レンタカーリターン時には満タン返しの必要はないので、出来るだけ燃料は残さないよう、使い切るほうが得なのに・・・。



マウントモラン展望台から見たグランドティトン山


ジェニーレイクシーニックロードから見たティトンの山々

ティトンパークロードを再び南下し、途中でジェニーレイク・シーニックロードへ入り、ジェニーレイク沿いに走る。間近に見るグランドティトンの迫力ある雄姿には感動だ。このロードへは観光バスは入れないので、車で行く者のみが見られる絶景である。
ジェニーレイク・ロッジ辺りからは道も狭くなって、南行きの一方通行。そしてふたたびティトンパークロードに合流し、2,3分でジェニーレイク対岸のHidden Fallsへ向かうシャトルボート乗り場の駐車場に到着、ちょうど午後1時。駐車場は広いが満車に近い状態で、何とか駐車し、ついでに車の中で、燃料給油のときに買ったサンドイッチで昼食だ。

シャトルボート乗り場は、やはり大勢の観光客が並んでいた。ようやく4隻目ぐらいのボートに乗り込み10分ほどのクルーズで対岸へ渡る。そこからヒドゥン滝(Hidden Falls)へ向け、山道を登り始める。
ヒドゥン滝自体は小さな滝で、これといった特徴も何もないが、その先、30分ほど歩いたインスピレーション・ポイントからの眺めが素晴らしい。
眼下にジェニーレイク、湖面にはボートやカヌー、その先にはジャクソンホールが見える。



インスピレーション・ポイント辺りから見たジェニーレイクとジャクソンホール


        6日間お世話になったフォード・トーラス

シャトルボート乗場の駐車場に戻って来たのは午後3時半ごろだから、約2時間半のハイキングになる。Hidden Fallsのボート乗場で待っていたときから
パラパラと小雨が降り出してきたが、車に乗って空を見上げれは、モクモクとした黒い雷雲が近づいてきている。 こんな雲の中に入ったら大変と、速力を上げて走るが、雷雲も同じようなスピードで追っかけてくる。約25分でロッジに着いたが、着くと同時くらいに土砂降りの雨とカミナリが襲ってきた
       ジャクソンレイクロッジの入口に掲げられた天気予報

ヤレヤレ今回も直撃を受けずにすんだとホッとしたが、前にも書いたように前回のグランドサークルの雷雨のトラウマがあって、どうも雷雲には恐怖心ばかりが先に立ってしまう。
ロッジの部屋で雷雲の去るのを待って、午後6時ごろメインロッジのレストランへ。メインロッジの入口には上の紙が張ってあったが、なかなか正確な予想である。

当初は夕食をプールサイドのバーベキューパーティを予定したが雷雨で中止。夕食はミューラルルームではなく、その隣のスタンド式のレストランで簡単にパスタ料理。
部屋に戻ってもまだ午後8時前、どんよりとした雲行きでもまだまだ外は明るく、寝る気にもならない。

テレビもラジオも無い部屋では手持ち無沙汰になってしまうが、いよいよ明日はグランドティトンとも別れレンタカーも返却だなぁと、資料の整理をしていて、何気なくレンタカーの契約書を見たら、ガーン!、返却時間が午前11時ジャストになっているではないか。

シマッタ!明朝は Breakfast Ride-horsebackで午前7時30分に馬に乗って草原へ行き、約3時間後の午前10時30分ごろロッジに帰って来る予定だ。
ということはロッジからジャクソンホール空港まで、約45Kmを30分で走らなければならない。まあ少し位の遅れなら大目にみてくれるだろうという気持ちと、この乗馬体験と野外の朝食を楽しみにしている気持ち、それに最後になって無理して走って事故でも起こしたら大変だという気持ちがミックスされてなかなか中止の決断が出来ない。

結局、朝早くに乗馬の事務所に行って、帰ってくる時間を確認してから、どちらかに決めようということになった。あ〜ぁ、最後になって何たる失敗か・・・。
午後9時過ぎころから、再び大雨とカミナリ、それに強風だ。予想では明日の天候は晴れということで当たることを期待しょう。




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