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★第5日目7/11(火) イエローストーン国立公園→グランドティトン国立公園★ |
午前5時半起床。晩も早く寝て起きるのも早い。 泊まった戸建キャビンは、2ベッド、バス・トイレ付、簡単な調理台も付いており、税込み112ドル。隣の物音が全然聞こえないのでグッスリと眠れる。 午前6時半朝食に、天気も良いので歩いてホテルへ。このレイク・ホテルは、1904年開業の木造の伝統あるリゾートホテル、前面の高い列柱が、重厚さを醸し出して美しい。 前夜と同じダイニング・ルームで、ビュッフェ式の朝食。イエローストーンの3泊とも、同じ会社の同じような内容のビュッフェ式の朝食だが、ここのが一番美味しい気がする。快晴の朝、清清しい空気、広い湖面の視界、食事も雰囲気が大事ということが良くわかる。朝食後ロビーラウンジでくつろぎ、イエローストーン・レイク湖畔を1時間ほどブラブラ散歩しながらキャビンに戻る。 |
![]() 泊まったキャビン |
湖畔に建つレイク・ホテル
レイク・ホテル前から見たイエローストーン・レイク
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イエローストーン・レイク (Yellowstone Lake)は琵琶湖の約半分の大きさ。この湖はかって大噴火した、火口の底に雨水や川の水が流れ込み出来た火山湖。 湖の平均深度は42m、夏でも湖水の温度は平均16度と冷たく、水泳には適さない。 午前10時30分ホテルをチェックアウト。 今日はレイクホテルからまず、ウエストサム・ガイザー・ベイスンを見物し、その後イエローストーン国立公園に別れを告げ、再びグランドティトン国立公園に入り、ジャクソン・レイク・ロッジへというコース。 イエローストーン・レイク湖岸のウエストサム・ガイザー・ベイスン(West Thumb Geyser Basin)までは20マイル(約32Km)、約30分。美しいイエローストーン・レイクの湖面を左に見ての、気持ちのいいドライブコース。 午前11時過ぎ、ウエストサム・ガイザー・ベイスンの駐車場に到着。ここはイエローストーンレイクの西側に、親指(サムThumb)の形で飛び出している湖の部分をウエストサムと呼び、そこにあるガイザーベイスン。 いままで見てきたガイザーが、森や山に囲まれていたのと違い、ここのガイザーは湖面をバックにしていて、少し違った雰囲気を味わえるガイザーベイスンだ。 このベイスンで有名なのはブラック・プールとアビス・プールそれにフィッシング・コーンの三つ。ブラックと名付けられているから、付けられた当時は黒いプールだったらしいが、ある日突然に、熱水の温度が変化し始め、従来のバクテリアは消滅し、その後はブルーに輝く美しいプールになったそうだ。アビス・プール(Abyss)は深淵という意味で、その計り知れない深さからアビスと名付けられている。 フィッシング・コーンは、昔釣り人が釣った魚を、沸騰するコーンの中で茹でて調理したと云われている。 |
ブラックプールとその後ろにイエローストーン・レイク
アビス・プール
![]() フィッシング・コーン |
![]() ビッグ・コーン |
ウエストサム・ガイザー・ベイスンとも別れ、4、5分先のグラントビレッジへ。 ここで昼食をと思ったが、レストランも混んでいるようなので、売店でサンドイッチ、ジュース、サラダ、フルーツなどを買い込み、適当なピクニックエリアで昼食にする予定。 グラントビレッジからイエローストン国立公園のサウスエントランスまでは、22マイル(約35Km)。 森の中を一直線に進むような感じで走るが、中間地点辺りにルイス湖があり、ピクニックエリアもあったので車を止め昼食にする。青空の下、大自然の中で丸太で造られたテーブルを挟んで食べる食事は、何を食べても美味しい、そしてよくぞこんな辺ぴな所まできたものだと感慨深いものがある。 ここから少し走れば、1988年の大火災の傷痕を残している地域で、まだ焼け跡と倒木が多いが、自然の着実な回復力はすごく、あと50年?もすれば元に戻るのではないかと云われている。 |
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ところで左の写真のように、道路上に車が止まっていると、その周辺には動物がいる証拠。 今までもこうした場面は、幾度かあったが、なかなかシャッターチャンスがなく、残念な思いをしてきた。 今回見つけたのは下のエルク、人馴れしているのか、人が近づいてもあまり警戒もせず、カメラのシャッター音にも動ぜず、黙々と草を食べていた。 アメリカ人達も鹿一頭を取り囲んで、結構興奮してパチパチと写真を撮っていたが、こちらとしてはブラックベアかバイソンならともかく、これぐらいの鹿なら、奈良公園にもたくさんいるのにと思うと、あまり熱心に撮る気も起こらないが、角だけは立派だ。 |
イエローストーン国立公園は野生動物の宝庫である、と云われているが、これは決して自然まかせ、成行きまかせではなく、生態系のバランスを保つために過去何回もの失敗、試行錯誤を繰り返してきて今日がある。 イエローストーン国立公園のシカ類の頭数が異状に増えたのは、1980年前後から。天敵のオオカミが減った結果、シカ類が増えすぎて樹木の食害が深刻になり、その対策の一つとしてオオカミが保護対象になり、回復計画が持ち上がった。 1995年から翌年にかけて、カナダで捕獲されたオオカミ計31頭が連れてこられ、イエローストーンに放たれ、2004年には公園内外で300頭のオオカミが確認された。一方、シカの頭数も約5000頭減り、25000頭余りになって、食害が深刻だったアスペンの木や植生も回復してきているという。オオカミ再導入で公園に本来の生態系が戻り、公園全体が健康的になったという。 日本でも、世界自然遺産へ登録されている北海道・知床半島。そこに増えすぎたエゾシカによる食害の被害を減らすなど本来の生態系を取り戻すため、絶滅した天敵のオオカミをロシア極東地域から再導入しようとする案が浮上している。生態系のバランスを保つには、ある程度人為的な対策も必要ではないだろうか。 |
午後2時半、イエローストーン国立公園のサウスエントランスを、出園なのでフリーパスで通過。 ついにイエローストーンともお別れである。 イエローストーンの南口からグランド・ティトンの境界までは9マイル(約12Km)。J.D.ロックフェラー・ジュニア・メモリアル・パークウェイである。 途中両側は森林がず〜と続く中、長い長い直線の下り坂が続き、そのはるか彼方、前方にティトン山脈の雄姿が見えてきた。三日振りに見る雄大な景観に感激! そのまましばらく走ると右側にジャクソン・レイク の湖面が広がり 、ティトン山脈が写し出されている。少しばかり雲行きもあやしくなってきたが、やはりこの景色は素晴らしいの一言だ。 |
![]() イエローストーンのサウスエントランスをフリーパスで通過 |
再びグランド・ティトン国立公園へ
そしてジャクソン・レイクとティトンの山々
午後3時40分ジャクソン・レイク・ロッジに到着。 早速、フロントでチェックインの手続、夕食もミューラル・ダイニングルームを午後7時ジャストに予約。 そして明朝の Breakfast Ride-horseback つまり“馬に乗って草原へ行き朝食を食べるツアー”に申し込むが明朝は満員で、明後日のツアーに申し込む。この変更が後で失敗になるとは・・・。 今日から2泊するこのロッジは,全米でも有名なロッジで、敷地内に点在する348部屋のコテージとメインロッジに37部屋がある。元はロックフェラー財団が所有していた建物だけあって、正面にモラン山が見え、その前には広大な草原・湿地帯・ジャクソンレイクが広がり、まさしく絵画を見ているような美しい景色の中にある。それだけに人気も高く、とくにマウンテンビューのロッジは半年前の予約が必要だ。 こうした素晴らしい立地条件にある建物だけに、ロッジのパンフレットによれば、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、カーター、レーガン、クリントン各大統領が宿泊したりミューラルルームで食事をしている。さらに各種国際会議も頻繁に開かれている。 1989年にはアメリカのベーカー国務長官とソ連のシュワルナゼ外相の平和会談にも使用されている。 その時の平和条約調印に使用されたテーブルが、ロッジ2階ギフトショップの前に記念物として展示されている。グランドティトン国立公園の平和的な美しい景色の中では、戦争とか争いごとは入り込む余地はないようである。 ロッジ・フロントで手続を済ませ、2階へ上がると下の写真のようなロビーラウンジが広がり、真正面の大窓越しにモラン山が、そして左の方にはグランド・ティトンがハッキリと見える。目の前に広がる草原・湿地帯は、ムースの生息地で朝夕には頻繁に目撃されるという。 初日このロッジに寄ったときは、トイレだけ拝借して後の楽しみにしてわざと2階には上がらなかったが、今日初めて見て、その期待に違わぬ眺めの素晴らしさに感動もんだ。 ロビーには大勢の宿泊客がいた。この美しい景色をイスに座ってジッと眺めている人、本を読んでいる人、仲間同士おしゃべりしている人、皆ゆったりと時間の経つのも忘れたような感じで過ごしている。 レイク・ホテルでも感じたが、こうした美しい景色の中では、アチコチと動き回るより、一ヶ所でゆったりと過ごすのが一番だ・・・とは判っていても、日本人の性なのか、自身の貧乏性なのか、いったん外国へ行ったからには、たくさん見ないと損とばかりに動いて、いつも終わりのころにはクタクタに疲れてしまう。 |
ジャクソン・レイク・ロッジ2階のロビーラウンジから大窓越しにモラン山を見る、左はレストランのミューラル・ルーム
キャビンの部屋の中から見た草原、湿原、ジャクソンレイクとグランドティトン、モラン山等
メイン・ロッジから車で2分ほどの所に我々が泊まるキャビンがある。 2階建てキャビンが2つずつ繋がって、8軒ほど長屋のように並んでいて、その真中あたりの2階・359Jが2泊する部屋。部屋の中は今迄で一番広く、大きなベッドが2つ、バス付、コーヒーメーカー付、そして何よりも素晴らしいのは、大きな1枚ガラスを通して、ジヤクソン・レイク・ロッジ2階のロビーラウンジから見たのと同じ景色が眼前に広がっていること。 これなら部屋にいながらにして夕焼けや朝焼けのティトンの山々を見ることが出来るが、このマウンテンビューの1部屋一泊250ドル(税込)と、料金もいままでのロッジの倍以上だ。 部屋で休憩した後、午後7時前、夕食のため車でメインロッジへ向かう。予約したミューラル・ダイニング・ルームはジャクソン・レイクでは人気のレストラン、ディナーは必ず事前の予約が必要。 案内された席は窓際の二人席、よく見れば窓際は全て二人席で、大窓越しの素晴らしい景色を見ながらの食事は楽しい。食事は大学生のようなウエイトレスさんの薦めに従ってエルク料理。焼き加減はウェルダン、神戸ビーフのような柔らかい肉で、なかなか美味しかったが、家内は味ももうひとつと辛口だ。 バイソン料理の1人25ドル、モンタナビーフの1人32ドルに比べたら、エルク料理は1人38ドルと一番高い。 夕食後、ロビーラウンジでピアノの生演奏を聞きながら1時間ほど休憩。午後9時頃だが、外はまだ少し明るい、もう少しで日没だ。 キャビンに戻って休んでいたら、突然に大雨とカミナリが1時間ほど続き、雨が止んだなと思ったら、今度は突風がヒューヒューと吹き荒れ、騒々しいことこの上ない。 部屋にはテレビもなにもないので、早々とベッドに入るが、風の音が気になってなかなか寝付けない。 明日は晴れますように。 |