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★第4日目7/10(月)イエローストーン国立公園(マンモス→キャニオン→レイク)★ |
![]() リバティ・キャップ |
午前6時過ぎ起床。 午前7時車で、前夜と同じホテルのダイニングルームへ行き、ビュッフェ式の朝食。1人約1000円。 いったん、キャビンに戻って、午前8時過ぎ、前日雨で通り過ぎたマンモスホットスプリングスのアッパーテラス、テラスマウンテンの見物に車で出発。 2,3分でリバティキャップのある駐車場だが、それを通り越してまずテラスマウンテンの奥にある、アッパーテラスの一方通行のドライブルートに向かう。 このルート上には、ニューハイランド・テラス、プロスペクト・テラス、ホワイトエレファント・バック・テラス等々と名付けられたテラスマウンテンがある。 このテラスマウンテンは、温泉として流れ出てきた中に含まれる石灰質が沈殿して蓄積され、幾重にも重なって、山の斜面に棚田状の段丘が形成されたもの。 トルコ・パムッカレの石灰棚と同じだが、トルコでは石灰棚に溜る温泉水の中を素足で歩けたが、ここはボードウォーク(遊歩道・木道)以外を歩くことは厳禁だ。 |
アッパーテラスの一方通行のドライブルートを一周して、再びリバティキャップのある駐車場に車を止める。改めてリバティキャップをじっくりと間近で見ると、写真では判らないが、大きくて、どっしりとした重量感に、驚かされる。温泉の噴き出し口が、沈殿物で塞がれ、その沈殿物が幾重にも積み上がって、出来上がったものらしいが、これだけの大きさになるには何千年とかかっているのだろう 駐車場からボードウォークを少し歩いてみる。温泉中の石灰質が沈殿して蓄積され、幾重にも重なって、石灰の段丘が形成されたもの、が、テラスと呼ばれるが、ミネルバ・テラス、ジュピター・テラス、キャナリー・テラスと名前の付けられた、かっては輝くばかりに純白だった各テラスも、流れ出る温泉水の量が減って、石灰が溜まらなくなり、今では薄汚れた色になってきている。中には白、茶色、クリーム色、ウグイス色と変化に富んだテラス・マウンテンもある。 |
テラス・マウンテン
かっては純白に輝いていたミネルバ・テラス
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午前10時前、キャビンに戻る。 午前10時半、スーツケースを車に積み込み、少し離れたホテルへチェックアウトの手続に。 公園内には“8”の字をした周回道路があり、上のループ(輪)をアッパー・ループと呼び、下のループをローワー・ループと呼んでいる。道路沿いには間欠泉、滝、峡谷、平原があり、それらを一通り観光するには、車で最低公園内に3泊が必要と言われている。 今日はこのアッパー・ループのマンモスホットスプリングスから、タワー・ルーズベルト、キャニオンを通りレイクホテルまでの約65マイル(104Km)のコース。 マンモスホットスプリングスを出発しても、暫くは森の中を走り視界はあまり良くないが、やがて尾根伝いに走るようになり、下の写真のような雄大な景色の連続で、気持ちの良い高原ドライブコースを満喫する。 道路沿いの景色の良い所には、必ずといって良いほど、5,6台の車の駐車スベースがある。ここで車を止めては休憩したり、動物ウォッチングで双眼鏡を覗いて探すが、昼間は動物も動かないのか、あまり見つからない。 |
タワー・ルーズベルトへ向かう途中の雄大な景色
こうしてノンビリと休み休み、18マイル(約30Km)の距離を、1時間以上かけてタワー・ルーズベルトに到着。ここは今までのロッジと比べると、一番素朴で質素という感じ。丸太小屋のロッジと、ランチやディナーで利用する、営業用の幌馬車を見ていると西部開拓時代を彷彿とさせる風景だ。 だがあまり何も見るものがなさそうなので、トイレ休憩と昼食用の食べ物を買っただけで、次のタワーフォール(Tower Fall)目指してすぐに出発。 タワーフォールは駐車場から歩いても、3,4分のところにあり、簡単に行けるので人も多いが、展望台からは滝を見下ろすので、あまり迫力はない。 |
![]() タワーフォール(Tower Fall) 落差40m |
タワーフォールからキャニオンまでは17マイル(約28Km)、約30分。 キャニオン(Canyon)は、イエローストーン・レイクから流れ出たイエローストーン・リバーが何万年もの歳月をかけて岩を浸食し、30Km以上にわたる大峡谷を造り上げている。そしてこの大峡谷の絶壁が黄色いことが、イエローストーンの名前の由来になっている。 またここにはナイアガラ滝の倍の94mの落差を誇るロウワー滝や、落差33mのアッパー滝がある。 様々な顔を見せるイエローストーンは、ここでは美しい雄大な大峡谷と壮大な滝の世界だ。 1872年3月1日アメリカのグラント大統領は、イエローストーン国立公園をアメリカ最初の国立公園として設立する法案に署名した。そのキッカケの一つになったのが、探検画家トーマス・モランの大作絵画「イエローストーンの大峡谷」で、下の写真そのままの構図で絵が描かれている。 この絵を見た、アメリカ東部の議員や知識人たちは、そこに描かれている西部の、雄大なる絶景に心を動かされ、自然保護の重要性に気づき、イエローストーンを国立公園として保護する法案を作ったのである。 |
タワールーズベルトから南下してきたので、最初にキャニオンのノースリム(北壁)の一番東にあるインスピレーション・ポイントから順に、グランドビューポイント、ルックアウトポイントと周り、サウスリム(南壁)のアーティスト・ポイントを周って、各ポイントから雄大なキャニオンと、壮大な滝の素晴らしい絶景を充分に堪能できた。 しかし残念なのは、トレイルを歩いて滝壺の近くまで行き、落下していく迫力ある光景は見てない。 とくに北壁のブリンク・オブ・フォール・トレイル、南壁のアンクル・トムズ・トレイルのどちらかを歩いて、ロウワー滝を間近に見たかったが、二つとも少しハードなようで不整脈の持病がある身としてはあまり無理出来ない、泣く泣く断念だ。 |
![]() アッパー滝 |
キャニオンを後にしさらに南下、ヘイデン・バレーに入る。 ヘイデン・バレーは、キャニオンからイエローストーン・レイクの中間にある、草原、湿地帯をいう。 イエローストーン・レイクから流れ出たイエローストーン・リバーは年間を通じて豊かな水をたたえ、草原、湿地帯を潤し、動植物たちの命を育んで、この地域は野生動植物の宝庫といわれている。 はずだが・・・、見えるのは、遠〜くに黒い点々が少し、バイソンのようだ。と、川に水鳥が一羽、双眼鏡で探してみるが、そのほか動くものは何も見えない。3ヶ所ほど車を止めてみたが、やはり何も見えない。 イエローストーン・リバーがゆったりと流れ、気持ちの良い景色ではあるが、どうもあまり動物との遭遇には恵まれてない。やはり動物達が動き出す早朝、朝もやの立ちこめるころに来なければダメなのか?昼間は巣の中でジッとしているのか?。 そういえばイエローストーンでは、必ず1,2回は動物渋滞に巻き込まれるように書いているが、まだ一度も出会ってない。 |
ヘイデンバレーを蛇行して流れるイエローストンリバー
ヘイデン・バレーを南下して行くと、バレーの南端の右側道路脇にマッド・ボルケーノ(Mud Volcano)と呼ばれる地帯がある。 温泉プールが泥沼と化し、噴気孔から泥をボコボコと吐き出していたり、また、ドラゴン・マウス・スプリングスと呼ばれる洞穴があり、あたかも龍の口のような格好をして、大きな音とともに蒸気を吐き出している。 |
![]() 泥を噴き上げるマッドポット |
![]() ドラゴン・マウス |
さて、マッド・ボルケーノを出発したのが、午後3時40分過ぎ。 少し走り出すと、また前方に黒い雲が表れ、小雨がぱらついてきた。大降りにならない内にレイク・ホテルに着こうと、急いでフィッシング・ビレッジは素通りし、午後4時少し前、レイク・ホテルに到着。 結局は小雨だけだったが、どうも雨・雷雨・土砂降りと連想して神経質になってしまう。 ホテルの前はイエローストーン・レイクに面しているが、駐車場はホテルの裏側で、そこに車を止め、2人でホテルのフロントへチェックインの手続に、ついでにディナーも午後6時半に予約。 ロビーラウンジも広々としていて、明るい前面ガラス窓越しいっぱいにイエローストン・レイクが広がり、皆三々五々椅子に座りゆったりとくつろいでいる。日々移動して違うホテルに泊まる我々には、羨ましいかぎりだ。 今晩泊まるのは、このホテルの中ではなく少し離れたキャビン、車で1,2分だ。 キャビンの番号を確認して、裏の駐車場に車を止め、ヤレヤレ着いたと、ヒョイと隣のキャビンを見たら、何やら動くものが、バイソンだ!!いままでバイソンを、こんな近くで見ることはなかったのでビックリだが、おとなしくしていれば別に危害を加えないようだ。 実は旅行前、恥ずかしながらバイソンとバッファローは似ているが、別種の動物と思っていた。イエローストーンに行くと決まって、色々と読んでいて、二つは同一の動物でバイソンは呼称、学術名がバッファローと判った次第。一見すればの〜んびりとしているように見えるが、実際は気が荒く、体重は1トンほどあり、時速60Kmで走り、公園内では毎年多くの観光客が、角で突かれて怪我をしているらしい。そういえば公園に入園するときに、“バイソンは危険な動物ですから注意”というパンフレットを貰っていた。 夕食は午後6時半から、ホテルのダイニングルームで、モンタナ・ビーフ、バイソン・サーロインと肉料理を食べてきたので、ここではホワイトフィッシュの魚料理。食後はロビーラウンジで、弦楽四重奏の演奏に耳を傾けノンビリとくつろぐ。 |
![]() 隣のキャビンの裏で寝そべるバイソン、 |
![]() のっそりと起き上がって |