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 第2日目7/8(土)デンバー→ジャクソンホール空港→イエローストーン国立公園2/2


西部劇映画「シェーン」の撮影現場であるアンテロープ・フラット・ロードを後にし、ジャクソンホール・ハイウェイを再び北上する。
その間左手には、草原とスネーク・リバーとティトンの山々が見え、しばらくは全米一といわれる美しい雄大な景色がずーーっと続く。空は青く快晴、高原のひんやりと澄み切った空気は美味しく、本当に気持ちの良いドライブコースである。
このジャクソンホール・ハイウェイは海抜2000mぐらい、ティトン山脈の最高峰グランドティトンが4197mなので、標高差は2100mしかない。だから2000m級の山を見ている感じで、それほど高いとは思わないが、それだけに手に届きそうなほど眼前に広がる景色は迫力充分だ。

文才の無い者としては、その迫力充分な美と感動を、どのように表現すれば良いのか?単純にただただ、美しい!素晴らしい!凄いっ!としか表現出来ないのが残念だ。
途中、何ヶ所もビューポイント(展望台)があるので、そのたびに車を停めては写真を撮り、また走り出すということの繰り返し、大自然の美しさに感動しっぱなしだ。


スネーク・リバー展望台より見た最高峰のグランド・ティトン山


スネーク・リバーが湾曲しているオクスボーベンド展望台から見たティトンの山々、昼間で動物の姿は全然なし

オクスボーベンド展望台を後に、10分ほど走ってジャクソン・レイク・ロッジへ、。
また3日後にはこのロッジで2泊する予定なので、壮観と云われる2階大窓越しモラン山の眺めも見ずにトイレ休憩だけ、後々の楽しみに取っておくことにする。
それにしても、トイレ利用だけの我々に、このロッジ従業員の親切で、やさしい挨拶、笑顔、応対ぶりには感心する。ますます宿泊が待ち遠しく、楽しみになってきた。
午後2時過ぎジャクソン・レイク・ロッジを出発、一路イエローストン国立公園のオールド・フェイスフル・インを目指す。
グランドティトン国立公園とイエローストーン国立公園を結ぶ公園道路は“ジョン・D・ロックフェラーJr.メモリアルパークウェイ”と呼ばれる。

自然保護者論者であり、博愛主義者でもあった大富豪ジョン・D・ロックフェラーJr.は、幾つかのナショナルパークに寄付をしている。 このため1972年、連邦議会はロックフェラーJr.の寛大な心と先見の明を称え、両国立公園を結ぶ公園道路をジョン・D・ロックフェラーJr.メモリアルパークウェイと名付けた。

イエローストーン国立公園のサウスエントランスを入って、ルイス・リバー沿いに暫く走ると、辺りは1988年の大火災の傷跡を残している地域である。

この年、落雷による自然発火は5月から10月まで約半年間燃え続け、実に公園面積の約4割の森林が焼失した。国立公園管理局は“自然は自然のままに”という方針の下、自然の鎮火を待って一切消火活動はしなかったそうだ。

この自然保護の姿勢は徹底しており、景観を損ねる行為、生態系に影響を及ぼす行為は厳禁され、まず何より自然保護を最優先、利便性は後回しの姿勢で貫かれている。

こうした姿勢は、立派であり尊重すべきで、ケチをつける積もりは一つもないが、今まで回ってきたビューポイントで“あの樹木が2、3本無かったら、どれだけ見晴らしが良くなって景色が映えるか”と考えると“何とかならないかなぁ”とついつい思ってしまう。
この思いはその後もあちこちで感じた。
午後3時半過ぎ今夜の宿、オールド・フェイスフル・イン(Old Faithful Inn)に到着。
早速1月に貰っていた予約確認書をみせてチェックイン手続完了。ついでにレストランで夕食の予約をするが、午後9時半からしか空いてないとのこと、もう少し早い時間でと思ったが、満席続きとのことで仕方なくその時間を予約、ここのレストランは随分と人気があるらしい。

このホテルは、1904年に造られた世界最大級のログ・キャビン(丸太小屋)。
イエローストンで最も人気のあるホテルで、しかも5月から10月までの6ヶ月間しかオープンしていないので、その間は予約が殺到し、半年以上前の予約が必要。私も今年の1月始めに申し込んで予約出来たが、その1週間後には満員になっていたから、危ないところでセーフだった。

入口を入るとロビーは大きな吹き抜けの空間、見上げれば、剥き出しの丸太造りに目を見張る。中央の巨大な暖炉が山小屋風の雰囲気を醸し出して素晴らしい。
人気のホテルだけに、ガイド付きのホテル内案内ツアーまであり、またオールド・フェイスフル・ガイザーのすぐ近くにあるので、レストラン利用や噴出までの時間潰しの観光客で常に一杯である。


オールドフェイスフルインの外観

オールドフェイスフルインの外観

ホテル・フロント

ホテル玄関口


ホテル・ロビーは大きな吹き抜けの空間、剥き出しの丸太造りに目を見張る

オールドフェイスフル・インを中心とした地域は、イエローストーン国立公園の中心でもある。そしてその地域一帯に多数ある間欠泉や温泉プールを、アッパーガイザーベイスン(Upper Geyser Basin:)と呼んでいる。その中でも更に中心的な存在がオールド・フェイスフル・ガイザーであり、イエローストーン国立公園のシンボルとも云える存在である。  ガイザー(Geyser)=間欠泉、ベイスン(Basin)=地域、
オールド・フェイスフル・ガイザー(Old Faithful Geyser)は、1870年に発見されてから現在まで、忠実に(=フェイスフルFaithful)約70分毎に約4万リットルの熱水を50〜60mの高さに噴出している。

この熱水噴出現象は簡単に言えば、雨や雪が岩盤を通り地下深く浸透、マグマ近くで熱せられて今度は逆に急上昇し、気化出来ないのでその熱水が岩盤の割れ目から噴出する、と云う事らしい。

イエローストーン国立公園では、この熱水噴出現象が1万を超えるといわれ、世界の2/3の間欠泉が集中している。間欠泉は周期的に熱水を噴出するが、その間隔(1時間、1ヶ月、1年毎)と時間(1分、10分、1時間)はさまざま。


オールドフェイスフルガイザーの噴出を今か今かと待つ世界各国の観光客


噴出は音も無く、最初は緩やかに始まり、徐々に高く噴き上げ最後は大噴出
熱水と蒸気は50mもの高さになる、この間約4分ほど、演出を終えた
オールドフェイスフルガイザーは再び70分ほどの休憩に戻る




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