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★ 第3日目6/13(日) グランドキャニオン → モニュメントバレー ★ 2/2 |
チューバシティから一時間少しでカイエンタの町に到着、そのまま信号機のある交差点をUS-163号線方面に左折、あと30分で憧れのモニュメントバレーかと思うと胸の高鳴りを憶える。町を離れるとまた広漠とした赤茶けた大地と一直線の道が続き、所々に岩山?、ビュート(残丘)?がちらほらと見えてくる。モニュメントバレーに近付いてきた証拠だ。 |
そしてついに現われてきました!道路左側にふくろう岩、右にアガサ・エルキャピタン別名酋長の横顔。どこが横顔か目も鼻もどこか全然判らないが、この岩山があのジョン・フォード監督ヘンリーフォンダ主演の“荒野の決闘”のラストシーンで保安官ワイアットアープがクレメンタインに別れを告げ去って行くその正面に聳えている岩山です。 ところで旅行前にモニュメントバレーのHPを沢山見たがこのアガサ・エルキャピタンが“荒野の決闘”のラストシーンに出てくるあの岩山とは何処にも書いてなかった。 今の若者には60年以上も前の古臭い白黒の西部劇なんぞは見たくも興味もないのだろう。 そんな岩山がどうした?という気持ちなんだろう、ハシャイでいるのは我々の世代より上の者だけかも知れない。 このシーンで流れる曲が“♪♪オーマイダーリン、オーマイダーリン、オーマイダーリン・クレメンタイン……♪♪”。アメリカの古いフォークソングのようです。 詩情豊かなラストシーンに欠かせない岩山がいま目の前に近づいているわけで、ハンドルを握る両手にも思わず力が入ってしまう。 |
![]() 左、ふくろう岩 右、アガサ・エルキャピタン ![]() 映画「荒野の決闘」ラストシーンのアガサ・エルキャピタン |
しかしこの両側に現れた岩山はモニュメントバレーのほんの序章に過ぎない。本当のバレーはもう少し先だ、ここを通り越してもなかなか見えないバレーに少々不安になりかけた時、US-163号線を挟んで右へ行けばモニュメントバレーのビジターセンター、左へ行けばグールディングス・ロッジの交差点(信号機はなし)に到着。 まず今夜の宿の確保が先決と左へ向かう、2、3分で到着。早速ロッジ事務所で予約のメールを示して宿泊手続、受付の女の子に見晴らしの良い部屋をと言ったら、モーテルタイプの二階にしてくれた、これでやれやれだ。なお、我々は人気のロッジだからシーズン中は、満室続きだからと半年前に予約を済ませていたが、このロッジの入口には何と、VACANCY(空室あり)の表示があった。 宿泊を希望する人は、当日でもキャンセルが入るようだから、諦めずに一度電話で確認してみる価値はあると思う。 このナバホ族経営のグールディングス・ロッジは小高い丘にあり、ロッジの裏は巨大な岩山とロケーションも良いが、ここの素晴らしい所はモニュメントバレーに近くて唯一の宿泊施設である事、ここで泊まれなかったらもと来た道をカイエンタに戻るか、この先30分のメキシカンハットの町まで走らねばならない、そして全室からバレーが見渡せる事だ。 部屋はモーテルタイプのスタンダードで一部屋174ドル(税込)、高いか安いかは別にして、パジャマ姿でコーヒーを飲みながらモニュメントバレーのサンライズや夕日に染まるバレーの雄姿が見れることは、何ものにも変えがたい最高の贅沢と思う。 |
スーツケースを部屋に入れただけでまた車に乗り込みUS-163号線を横切り、約4(6.4Km)マイル走ってビジターセンターへ、腕時計を見たら午後4時少し前これはラスベガスで時刻を合わせたままでモニュメントバレーは夏時間採用だから一時間進めて午後5時になる。 こんな時間にバレードライブ・ツアーはないなと思いながらゲートまできたら入場料一人5ドルという、少し前までは確か一人3ドル50ぐらいだったから大幅に値上がりしている訳だ。 ここでグールディングス・ロッジでもらったどこの入場券かわからないが無料と書かれた赤い入場券を思い出して見せると簡単に入場OKだ。そうそうモニュメントバレーは正式には“Monument Valley Navajo Tribal Park”モニュメントバレー・ナバホ民族公園と言い、国立公園ではないからナショナルパークス・パスは使えない、別途入場料を払わなければならない。 駐車場に車を止めビジターセンターへ歩いていたら途中のプレハブ小屋でツアーの呼込みをしている、覗いて見ると午後5時出発の本日最後の Sunset Photo Tour が一人50ドルという。少し高いなぁとは思ったが明日よりも今日中にバレーは見ておきたかったので早速申込む。 すぐに近くの大型のRVに連れていかれ乗込むと先客のアメリカ人夫婦がいてお互いに自己紹介、ガイド兼ドライバーはフレッドという60才代のナバホ族インディアン。 高いだけあって車はジープやトラックのような吹きさらしではなくエアコン完備、窓を閉めれば砂嵐もシャットアウト出来る。 バレードライブは自分の車で周れないこともないようだが、四輪駆動車ならともかく乗用車では無舗装のデコボコ道は避けてツアーで行く方が良いような気がする。それにガイドの説明(英語だが)を聞かないことには何処に何があるのか判らないし、ガイドと一緒でないと立入禁止の場所もある。 またレンタカーだと無舗装の道を走って事故にあっても保険は効かない。 |
さてRVでビジターセンター横の道を下って行って目の前にパァ〜と広がる光景は、正にジョンフォード監督の西部劇の世界そのもの、「駅馬車」「黄色いリボン」「荒野の決闘」「アパッチ砦」等中学生の頃よく映画館に通って見たそのままのなつかしい風景にまたまたジーンとくるものがある。 出発前にもこれら映画のビデオを見て目に焼き付けてきたが、モニュメントバレーの雄大な背景の中を小さな駅馬車が駆け抜けるプロローグのシーン、アパッチ族酋長ジェロニモの襲撃、駅馬車とインディアンの追撃戦等の迫力満点の名画面を思い出し感無量だ。 「ついに来たぞー!!ヤッホー!!」 それにフォトツアーというだけあってバレーの名所案内だけでなく、写真撮影に最適のポイントをしっかりと教えてくれた。アメリカ人の旦那の方はカメラ好きらしく何台ものカメラを持って、走り回って写真を撮っていた。 私の方といえば、一応キャノンの一眼レフカメラとデジカメの二台で撮っていたがそれほどカメラに興味がある訳でなくただ映れば良いという程度だが、カメラ好きの人にはこのバレーはよだれが出るほど興味深い場所だろう。 |
このバレードライブの途中、ガイドが用事を思い出したらしくチョット寄り道して彼の家まで行ったが、なんとなんと平原のど真中にある一軒家、周りにはな〜んにもない。それにしてもこんな場所に家があるとは誰も想像すら出来ないと思う。この平屋の一軒家に一人で犬5、6匹と暮らしているらしいが、よくまぁこんな絶景の場所に建てたもんだと感心しきりだ。 それに家の周りをよく見たら、廃車になった車が4台ほど無造作に並べられていたが、ここは国立公園並みに管理は厳しいハズ、バレーの真ん中で家を建てたり、ポンコツ車を放置しても誰も文句を言わないのかと不思議に思う。 以前上空から撮ったモニュメントバレーの写真を見たとき、バレーの真ん中辺りで何かが光っているのを見て、これは鉱石でも光っているのかと思ったことがあるが、あれはひょっとして廃棄された自動車に太陽光線が当たって光っていただけなのか?そうだとしたらガッカリだが。 バレーの中でもジョンフォードポイントは一番の人気スポットだか、皆が写真を写す反対側には馬に乗ったオジサンが住む?小屋?住宅?が建っていたが、あんなところに建てなくてもと思った人は多いハズだ。ここといいガイドの家といい昔からの既得権があるのかどうか知らないが、ナバホ族ももう少し自然環境保護を考える必要があるのではと思う。 アメリカ政府がかってモニュメントバレーを国立公園に指定しようとしたとき、ナバホ族は管理が強化されるのを嫌って反対し結局国立公園にはならなかったという。なぜならモニュメントバレーはナバホ族にとっては神聖な地でありなおかつそこで暮らす人達がいるから、と何かで読んだがなるほどガイドのようにバレーのどこかに家を建てて暮らしているナバホ族は他にもたくさんいるのかも知れない。 バレーの名所を周って元の場所まで戻って来たのは午後7時半ごろ、既に駐車場もビジターセンターも閉まっていた。アメリカ人夫婦がガイドに礼を言ってさり気なくチップを渡すのを見て、慌ててこちらもポケットを探るが10ドル札しかない、多いか少ないか判らないがこの10ドル札を渡すと大変喜んでいたから多いんだろう。 この後駐車場の門が針金でくくられて出入り出来なくなっているのをワザワザ持ち上げて通してくれた、やはりチップの威力か。 駐車場を出てUS-163号線を渡りグールディングス・ロッジへ戻る。 部屋の前に車を止めてロッジのレストラン「ステージコーチ」Stagecoach(駅馬車)に向かうが入ってビックリ、中は日本人で一杯。どこかのツアー客15、6人、二人一組が5組ほどそれに我々、あと日本人でない客が4人ほど、周りから聞こえるのは日本語ばかり、そして注文は日本人の10人中8人までが注文するというナバホ・タコ。 ナバホタコ(Navajo Taco )はナバホ族が食べる小麦粉生地の揚げパンの上に、豆、レタス、トマト、チーズなどの具を乗せチリソースをかけて食べる。けっこう美味しかったが一人前の分量はすごく多くて自分は2/3、家内は半分ほどしか食べれなかった。 レストランを出てモニュメントバレーあたりの夜空を見上ると、星が輝きなかなか幻想的な雰囲気を漂わせていた。今日も朝早くからの起床で疲れ、10時前には就寝。 |