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★第4日目6/12(火)ミケルトン→スノーズヒル→ブロードウェイ→スタントン・スタンウェイ ウィンチクーム→ストーオンザウォルド→アッパースローター★ 2/2 |
ウィンチクーム・ハイストリートの駐車場を出てB4632を北へ少し戻り、B4077を右折し東へストウ・オン・ザ・ウォルド(Stow-on-the-Wold)を目指す。このB4077は片側1車線の道路だが、コッツウォルズの典型的な田舎の田園風景の中を走るので空気も美味しく、まあコッツウォルズはどこでも美味しいが、本当に気持ちいいドライブコースである。30分ほどでストウ・オン・ザ・ウォルド到着。 ストウ・オン・ザ・ウォルド(Stow-on-the-Wold)はコッツウォルズで最も標高が高い(と言ってもわずか240m)ところに位置している町。A道路やB道路が何本も交差しているので、車両も多く少しだが渋滞しているところもあって、今まで回ってきた静かな村とはちょっと違う雰囲気だ。 この村はアンティーク・ショップの店が50軒ほどあって、日本人バイヤーも多く買付けに訪れている。アンティーク収集家の間では有名な店も多いが、我々アンティークに興味がない者には見る店も少なく、中央広場に車を止め、付近を少し散歩、公衆トイレを利用しただけでほんの30分ほどで立ち去った。 次はここから7,8分の所にある「コッツウォルズのベニス」と呼ばれ、一番の人気スポットのボートン・オン・ザ・ウォーター(Bourton-on-the-Water)へ。 村の大きな駐車場に車を止め、小道を大勢の観光バスの乗客とゾロゾロと川沿いへ歩く。 村の中央をカーブを描きながら水鳥が泳ぐきれいなウィンドラッシュ川とそこに架かる石橋が有名だ。 川沿いの芝生では、たくさんの人が寝転がって日向ぼっこを楽しんでいたり、ティールームでは午後のお茶を楽しむ人で賑わっている。コッツウォルズで一番の人気スポットと言われるが、しかしあまりに多い観光客にう〜んも一つ・・・という感じ。その他にミニチュア村や香水博物館、自動車博物館などもあったが、見学は割愛した。 |
ボートン・オン・ザ・ウォーターを見物して駐車場に戻って来たら、出入口の所に駐車券の自動販売機が置いてある。出て行く時には2人とも全然気付かなかったが、あれ?ここ有料や!と慌てて車へ戻ったら、駐車違反の紙キレも何も貼ってない。助かった!フウー!。 イギリスでは(日本でも同じだが)有料駐車場に車を止めたら、必ず駐車券を買ってフロントガラスの内側かダッシュボード上の良く見える場所に置いておかなければならない。これに違反すると高額の罰金が科せられる。常時、民間の監視員が巡回して厳しくチェックしているという。ただ車のダッシュボードの上には、今までアチコチで駐車した時の駐車券が2,3枚そのまま無造作に置いていたので、ひょっとしたら見間違えたかもしれない。 長居は無用とばかりにエンジンをかけたら、燃料計のメーターが半分以下に減っている。初日に道を間違えて走り回ったせいだ。駐車場の出入口にペトロール・ステーション(イギリスではガソリンスタンドをこのように呼ぶ)とコンビニもあったのでついでに燃料の補給に立ち寄る。 もちろんセルフサービスで給油機の横に車を寄せて止め、給油口を開けようとしたらこれが全然判らない、借りた時にチェックもしてなかった。アチコチ押したり引いたりしてもダメで、近くにいた兄ちゃんにも手伝ってもらったがやはり判らない。仕方なくコンビニのレジにいた店員にSOSだ。このお姉さんも四苦八苦していたが何とか開いた。 次に給油だが、このお姉さんにはこちらがあまりにも頼り無く見えたのだろう、セルフなのにレバーを握って給油までやってくれた。そしててっきりガソリンを入れるものと思っていたら軽油を入れだした、何と!この車はディーゼル車だったのだ。そういえばエンジン音が少し大きい気がしていたがディーゼル車だとは全然判らなかった。 給油口のフタのところに軽油と書いてあるらしいが、もし私が一人で給油口を開けてセルフで給油していたら、ひょっとしたらひょっとして知らずにガソリンを入れていたかも知れないと思うと、その結末を想像するだけで冷汗たら〜りだ。開け方が判らなかったから良かったのか、単に運が良かったのか判らないが大きなため息がフゥーと出る感じだ。コンビニのレジで代金の他にチップ(なかなか受取らなかった)も渡して感謝の念を表したが、カタコトの日本語も話した親切なお姉さん!本当に有難う!。 |
ボートン・オン・ザ・ウォーターのペトロール・ステーションを出て、ロウワー・スローターを通り、今晩の宿アッパー・スローターのマナーハウス、ローズ・オブ・ザ・マナー(Lords of the Manor)へは6、7分で到着。正面玄関に車を横付けして、ボーイが出てくるのかと思ったが、誰も出てこず自分で一旦スーツケースを下ろしてから、建物裏手の駐車場に車を置きに行く。 受付で宿泊の手続を済ませ、体調も大分良くなってきたので今晩は優雅に、レストランでディナーにするかと予約の申込みをしたら満席で断られてしまった。ここのレストランはミシュラン公認の最高級レストランとして有名で人気も高いらしい。うーん満席では仕方ない、最終日の宿泊地カッスルクームもマナーハウス泊まりなので、そこでフルコースディナーを味うことにしよう。 この17世紀に建てられた貴族の館「ローズ・オブ・ザ・マナー」は、小さなアッパー・スローター村の端の方に8エーカーの敷地を有し、庭園、アイ川、草原、牧草地に囲まれて優美な佇まいを見せている。 その前庭の芝生に、木のテーブルと椅子が程よい間隔で配置され、ここで夕食替わりにゆったりとアフタヌーンティを頂く。3段トレーで出されるアフタヌーンティーは量もあってちょっとした食事といった方が良いくらいだ。一番下のトレーにはスモークサーモンやハム、キュウリのサンドイッチ、2段目のトレーにはスコーン、そして一番上のトレーにはタルト、プチケーキが盛られてくる。 |
これらが高価そうな銀食器でうやうやしく給仕されると、それだけで幸せな気持ちになってくるから不思議だ。お茶の銘柄も指定出来るが、飲んでみて違いが判るほどの通ではなし、ありきたりのダージリンとセイロンを注文した。 運ばれてきてテーブルの上に並べられたら、どちらがダージリンかセイロンか判らなくなったが、そんなことは関係なく、こうした野外の緑の芝生で頂くフル・アフタヌーンティーは本当に美味しい。 ティーカップが触れ合うだけの静けさの中、小鳥の鳴き声を聞き、木々を吹き渡る風のささやきに耳を傾けている時間は、正に至福のひとときと言える。 |
お腹も膨らんだことだしと食後の散歩で隣村のロウアー・スローターまでPublic Footpathを往復することにした。Footpath(フットパス)とは遊歩道のことで、そこが私有地であってもこの表示があれば、誰でも自由に通行できる権利がある道で、英国ではこうしたフットパスが網の目のように張り巡らされている。 このアッパー・スローター村とロウアー・スロータ村を結ぶフットパスは昨年NHKBSの番組でも紹介されている。コッツウォルズ地方でもなかなかの人気ルートの一つで、平坦な放牧地を羊の落し物に注意しながら、ゆっくり歩いても1時間半あれば往復できる。歩き始めたのが午後5時を少し過ぎていたので、観光客にも会わず、途中で出会ったのは犬の散歩に来ていた地元の中学生ぐらいの兄弟2人だけだ。 |
![]() マナーハウス横手のフットパスFootpath始点の看板 |
フットパスを終点まで歩いたら、羊が逃げ出さないように作られたゲート、これをキッシングゲイトKissing Gate という。恋人たちがデートの後、ゲートをはさんでキスをして別れるところからこのようにロマンチックに呼ばれている、が、現実は羊の糞が多くて注意がいる。 この所に「PRINCE CHARLES ∽ LADY DIANA 29th JULY 1981」と:結婚式の日付の入ったプレートがついていた。あのチャールズ皇太子と故ダイアナ妃がまだ仲むつましかった頃、この辺を散歩した場所としても有名なのだそうだ。 |
![]() フットパス終点(ロウアースローター村)の Kissing Gate |
![]() Kissing Gate の記念プレート |
ゲートを過ぎると直ぐにロウアー・スローター村だ、アッパー・スローター村よりはパブや商店もあり、観光する所も少しあるが、基本的にはコッツウォルズを代表するような、田園風景の素朴な美しさが残っている。村の中をアイ川が流れ鴨が泳ぎ、川沿いには柳の木が揺れている。町並みは美しく静かで正に絵になる風景だ。この二つの村は道幅が狭く、観光バスなどは入ってこれないのでボートン・オン・ザ・ウォーターと違って大変静かだ。 我々が行ったときは午後6時前で有名な水車小屋も商店も閉まっていて、観光客も1、2人しかおらず、各人思い思いのアングルから下の写真と同じような構図で写していた。 |