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 第3日目6/11(月) ミケルトン→ストラットフォード・アポン・エイボン★  2/2


次はヒドコート・マナー・ガーデンから約800mの近距離にある、キフツゲート・コート・ガーデン(Kiftsgate Court Gardens)へ車で移動。この二つの庭園は日本のガーデンニング愛好家には知る人ぞ知る存在である。キフツゲート・コート・ガーデンは、1920 年に現オーナーの祖母にあたるヘザー・ミュアーによって造られた個人の庭園。その後彼女の娘と孫娘に受け継がれ、女性3代にわたって造られた庭園だ。

ヒドコートと比べると規模ははるかに小さく、6.7.8月のハイシーズンでも木、金曜日は休み、開園時間も12時から午後6時までと短いので注意がいる。庭園の入園料の支払いも正式な窓口はない。
入口近くで台の上に手提げ金庫を広げたおじさん(後になってこのおじさんが現オーナー・アン・チェンバースさんのご主人と判明)に手渡して入り、確かチケットもパンフレットも貰わなかった。帰りにはもう集金のおじさんもいなかったから誰でも入り放題?、何とも素朴なノンビリとしたコッツウォルズに似つかわしい風景だ。

庭園の南西は崖で、素晴らしい眺望が広がりミケルトンの村を下の方に一望している。その間は緑の放牧地が広がり羊が草を食んでいる。高低差を上手く利用して造られており、それはそれで充分楽しめる庭園である。

B&Bからもパブリック・フットパスを利用して1時間もかからずにこれるようだ。そしてここのHPには我々の泊まっているNineveh Farm B&Bを推奨宿泊施設としていた。

ここにはその名も「キフツゲート」というイギリス最大(25m)の新種のつるバラが見られることでも有名。
キフツゲート・ローズの開花は6月初旬から約3週間ほどで、我々が行った時は見事に開花していた、その他のバラも今を盛りと咲き乱れていた。ただバラの種類があまりにも多すぎて名前まではチェックできなかった。

NHKの番組「世界一美しい村に住む人々・・・」でコッツウォルズの蜂蜜色のライムストーンの家々が並ぶチッピング・カムデン村の美しい風景と人々の暮らしを紹介、その中でこの村にあるキフツゲート・ガーデンの素晴らしさも余すところなく紹介されていた。
ただ、“世界一”という表現には少々ひっかかるところがある。ドイツやフランス、イタリアにも美しい村は沢山あるのだから“英国一”ぐらいが適当ではないかとおもうが?。
Kiftsgate Court Gardens


ローズボーダーと真正面のモダンな彫像はサイモン・ヴェリティ作、あまりにも多くの種類のオールド・ローズで名称は不明

庭園のバラの数々


この庭園で発見されイギリスの園芸研究家グラハム・トーマス氏がこの庭園の名前をそのまま品種名としたキフツゲート・ローズ
花は小輪のひとえ咲きで雄しべが黄色のアクセントとなり可愛らしいバラ、大房で咲く姿は見事でかすかにスパイスの香りもある



White Sunk Garden


Water Garde


急坂を下りるとロウワーガーデン、ここからの眺めは絶景だ、その先は羊が侵入しないように造った段差ハハ(Ha-ha)があり羊が草を
食んでる放牧地。
ハハ(Ha-ha)とはイギリス式庭園で取り入れられている庭園内と外部との境界の作り方。自然環境を尊重するイギ
リス式庭園では境界の壁や柵を取り払い、庭園内の風景と外の風景を一体化して繋がっているように見せている、日本の借景の考えと
同じ。ただ羊等の放牧地と一体化すると庭園が荒される恐れがあるので、見た目には判らないように段差をつくり羊の侵入を塞いでいる

キフツゲート・コート・ガーデンの見学を終え園内のティールームで休憩。
正式のアフタヌーンティーの簡略版であるクリーム・ティー(スコーンと紅茶のセット)を注文。自家製のスコーン(焼き菓子)にはやはりクロテッドクリームが合うのか美味しく頂いた。
周りの英国人を見ていたら、スコーンに甘いいちごジャムとクロテッドクリームをこれでもかというぐらいたっぷり塗って食べていたが、糖尿病予備軍の自分としては家内の目が気になって、遠慮がちに少しつけただけだ。

そしてギフトショップで買物をした後、車で7、8分のチッピング・カムデン(Chipping Camden)へ。
途中は典型的な緑あふれる美しい田園地帯で、放牧された羊や馬を見ているだけで心和み癒された気持ちになる。英国の豊かな素晴らしい自然環境には敬服あるのみだ

クリーム・ティー・いちごジャムとクロテッドクリーム付
途中の田舎道ですれ違った乗馬の若い女性、馬を驚かさないように手前で車を止めて待っていたらにっこり会釈して通り過ぎたが、そのきりりとしたカッコいい乗馬服姿と顔立ちの美しさにしばし見とれていた。

チッピングカムデンはかつては羊毛取引の中心地であったところで、町の中心には17世紀に建てられたマーケットホールが昔の面影そのままに保存され当時の繁栄がしのばれる。そのマーケツトホールの隣の有料駐車場に車を止めて村見物に。
NHKが「世界一美しい村」と表現したチッピング・カムデンは、英国人にもコッツウォルズの「Jewel in the Crown(王冠の中の宝石)」と呼ばれてるそうな。確かに道沿いにずら〜と並ぶ家々は蜂蜜色のライムストーンで造られており、どの家も庭をきれいに手入れし、さまざまな花々を植えているのも美しい。

町全体が中世の面影を残し、まるでおとぎ話に出てきそうなかわいらしい雰囲気の中にいる気分になる。特に町の外れにある有名な茅葺き屋根の家並みは歩いて見て回ったが、中世の時代か不思議の国にでもまぎれ込んだような錯覚にとらわれる。


17世紀に建てられた羊毛の取引場マーケットホール

茅葺き屋根の家

茅葺き屋根の家

茅葺き屋根の家

こうした家を見ていると中世の時代か不思議の国にでもまぎれ込んだような錯覚にとらわれる。

ここら辺の店舗は、午後5時にはキッチリとクローズするみたいで、夏の午後6時7時ではまだまだ太陽が輝いているのに静かなものだ。レストランは開いていたが、食欲はあまり無くウインドーショッピングを楽しんで午後7時半ごろB&Bに戻る。



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