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今年度第1回目の定期、出だしはやや緊張気味。特に「コリオラン」のアインザッツは合わせにくい曲。
オーケストラも手探りで演奏しており、後半になってようやく落ち着いたベートーヴェンになってきた。。
R.シュトラウスのオーボエ協奏曲は比較的小編成のオーケストラで、オーボエの独奏者をサポート。
独奏者のルルーは綺麗な旋律を聴かせてくれた。オペラの中でもオーボエに独特のエキゾチックなメロディーを吹かせるこの作曲家、ここでもつやっぽい音が魅力的。
ルルーの音も、派手すぎることなくメロディーの美しさを楽しませてくれた。
明るい音色のオーボエと、室内楽風にしっかり纏まったオーケストラのアンサンブルが心地好くさせてくれた。
ただ、キーを押さえるときのカタカタという音が大きくてやや興を削ぐところが残念。
でも、オーボエの優しい音色はオーケストラを聴く時の大きな楽しみの一つ。
後半の「英雄の生涯」は、オーケストラをフルに使った大曲で、演奏時間も50分近くかかる。交響曲に匹敵する交響詩。
英雄のテーマで始まるが、思ったよりあっさりとした開始。その英雄の部分が過ぎ、第2部はフルートの嘲笑するような旋律で始まるが、野津さんのフルート、やや力みすぎ。
でも大植英次の爽快なテンポは、英雄の生涯をきちんと筋道を立てて説明してるようで心地好い音楽であった。
大植英次にはこういう標題音楽が一番似合ってる。
欲を言えばもう少しロマンチックな音楽になっても面白かったかもしれない。
シーズンのスタートを切る演奏としては上々だった。
ただ、R.シュトラウスの描写音楽はあまり好きではないので、どんな名演を聴いても心底満足したという経験はない。指揮者にとっては自分の腕試しにもってこいの作曲家のようで、名指揮者たちが競い合うように録音を残している。カラヤン・小澤なども重要なレパートリーになってるし朝比奈も時々取上げていた。
わたしの嗜好に合わないだけですが・・・・ |
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