Q27.「ABO不適合妊娠」とはお母さんがO型で赤ちゃんがAやBやAB型のこと事でしょうか?ABO不適合妊娠によるHDNとは?
たとえば、A型のお母さんからB型の赤ちゃんが産まれることも不適合妊娠と呼ぶのでしょうか?この際、IgG型の抗体が問題となるようですが、私達の体の中にIgG性の抗A抗体や抗B抗体はあるのでしょうか?やはり、一回目の妊娠で型違いだった時に赤ちゃんの型に対する抗体を作って二回目の妊娠の時にその心配があるのでしょうか?


A27.

O型のお母さんはA型やB型の人よりIgG型の抗A、抗B抗体を作っている(作る)ことが多いようです。
ABO不適合妊娠によるHDNは、Rh不適合妊娠の場合と違い、第1子からでも起こるのが特徴です。
検査の進め方については、「輸血検査の実際」新生児溶血性疾患(Hemolytic disease of the newborn:HDN)
のところを参照してください。詳細に書いてあります。

また、ABO不適合妊娠によるHDN症例の場合
胎児血で直接クームス試験(DAT)を実施してもDATが陽性になることは少ないようで、
陰性か弱陽性になることが多いようです。
これは新生児の赤血球上のA、B抗原が十分に発達していない(抗原量が少ない)ためです。
こういったHDN疑いのケースでは、DAT陰性であってもDT抗体解離試験を実施して
解離液とA血球、B血球との反応を確認下さい。

参考ページ  交換輸血について

抗A・抗Bの胎盤通過性

新生児の直接クームス陽性