まだまだ技術が伴っていないのに、勢いだけで経緯総絣に挑み、
一年がかりで制作しました。思い出深い着物です。
染材-よもぎ、茜
いとゆう・・・はかないもの、あるかなきかのもののたとえ。たとえば、かげろう。
でもこの言葉の響きと文字にはなにか遊び心を感じます。
染材-よもぎ、臭木、ロッグウッド
深い緑と白とのコントラスト、軽快な花の形(ほんとはガク、、らしい)は遠くからでもすぐに気がつきます。
山の中でこの花を見つけると心が躍ります。
染材-よもぎ、杜仲、背高泡立ち草
杜仲の葉はタンニンが多く、煮出すと葉は真っ黒になります。
でも染まった色はこの上なくやわらかく、、やさしく、、何もかもを包み込んでくれる夕暮れ時の琵琶湖のよう、、、。
染材-杜仲、一位、車輪梅、他
夏の終わり、、もう扇は使わなくても秋の風が涼しさを運んでくれる、、そんな頃を指す言葉だそうです。
染材-萩、茜、楊梅、背高泡立ち草、臭木
高知の海のすぐそばで生まれ育った私は、いつも空を、風を、水を感じていたいのです。
琵琶湖のそばに、流れ着いたのはやはり必然だったのでしょうか?
染材-臭木、福木、桜、南天、他
ふと気が付くと、緯糸用の箱はグレー系ばかり、、、でも、、、
滅赤(けしあか)、灰紫(はいむらさき)、朽葉色(くちはいろ)、千歳茶(せんざいちゃ)、海松茶(みるちゃ)、
鈍色(にびいろ)、利休ねず(りきゅう)、鳩羽ねず(はとば)、梅ねず、桜ねず、、、
この美しい色たちを思うままに織り交ぜて作りました。
とにかく仕事が好きで、始めから娘たちに残そうと織った着物は一枚もありません。
でもやっぱり振袖は織らなくちゃ。紫根染の藤色で織りたいとずっと思っていました。刺繍も含めると一年がかりです。
染材-梅、梔子、背高泡立ち草、臭木、紫根
まっすぐで、、一生懸命で、、泣いたり、怒ったり忙しい、、それでもやっぱり笑顔で頑張るあなたへ、、、、
染材-茜、コチニール、一位、つわぶき、冬青、臭木、小鮒草
季節の中で新緑の頃が一番好きです。
それも遠くの方にほわっと霞のように淡い緑味を感じるくらいの頃が、、、。
染材-蝋梅、刈萱、南天、小鮒草、臭木、背高泡立ち草
まだ陽の光がそんなに強くなくて、お日様を仰ぐのがとても心地よい頃、しばらく太陽を見たあと
目をそらすと残像がきらきら残る、、、それをイメージしてみました。
染材-下野、玉葱、茜、野バラ、他
ずっとあじろ織(平織ですが、経・緯ともに二色の色が一本交互に入ることで 網代模様のようになる)にこだわって、
作品作りをしてきました。でも着物の世界で一本交互というと、どうしても色が混じってぼやけてしまいます。
意識して、普段使わないようなきれいな色を使い、朝露のような作品が出来たと思います。
染材-蝋梅、コチニール、臭木、胡桃
子どもの頃、高知の浜で水平線を、、夕焼けを、、星空を、、いつもながめていたのを覚えています。
いつしか意識はその先へ、、、
染材-蘇芳、胡桃、藍、ひさかき、楊梅
経糸に細い生絹、緯糸に生絹と紬糸を使って、夏向きの単衣を織り上げました。
柔らかさもある着やすい着物になると思います。
染材―立柳、胡桃、紫根、ヤマモモ
瑠璃色の宝石、天青の色と称される臭木の実、、
この美しい空色を思いっきり使って織り上げました。
染材―臭木の実、紫根、冬青、小鮒草、他
花が色とりどりに咲き誇っています。ハナミズキが天に向かって花弁を広げています。
一足先に逝ってしまった友人にも届きますように、、、
染材―立柳、蘇芳、小鮒草、臭木
車輪梅で染めたグラデーションがとても美しく、匂い立つようでした。
それを花びらの微妙な色合いに見立ててデザインしました。
一輪の中に広がる世界ものびやかに広がる枝ぶりも春一番を感じさせてくれます。
染材―車輪梅、南天、立柳、紫根、胡桃、枇杷、他
冬型の気圧配置が緩み始める頃、低気圧の移動に伴って吹く東風は、
時には暴風となって雪を溶かし、雪崩などを引き起こす。
でもその少し暖かな雨は春の気配を一層確かなものにしてくれます。
染材―紫根、臭木、胡桃、玉葱、小鮒草、他
-春だよ、早く目を覚ませよ、とばかりに鳴く雲雀。
ピーチクパーチクうるさいけど、なんだか笑ってしまってウキウキしてきます。
染材-木蓮、楊梅、他
海辺で育った私は、海風、凪、陸風という一日の風の流れを体が覚えています。
染材-花梨、胡桃、茜
帯は昼夜織の技法をよく使います。基本の二色の糸(一本交互に入る)に縞と絣を当てはめてみました。
それぞれの出方のバランスに大変気を遣いましたが、イメージ通りの作品になったと思います。
染材-臭木、木蓮、胡桃、柘榴、他
昼夜織の基本となる二色の糸(一本交互に入る)をどんどん変えていって、絣と絣、縞と絣、縞と縞、、、というふうに
いろいろな組み合わせでデザインを考えてみました。まだまだいろんな可能性があると思います。
染材-冬青、胡桃、茜、他
深く色づいたもみじと秋の澄み切った青空とのコントラストがとても好きです。
それをちりばめて秋をイメージしてみました。
染材-萩、胡桃、茜、臭木
補色関係に近い色を隣り合わせに並べると「視覚混合」の作用で、美しい真珠母色の輝きを得る、、、と。
どんな色なのか、、少し意識して経糸を作ってみました。
染材-背高泡立ち草、刈萱、臭木、他
時空を超えて語りかけてくるもの、、、高く高く伸びゆこうとするものに魅かれます。
その思いはどこに届くのでしょうか?
染材-茜、コチニール、胡桃、野バラ、他
最近「赤」が気になってます。特に「蘇芳の赤」が、、、染めれば染めるほどその表情の多様さに驚いています。
今はまだ「赤」の入り口に立ったところかな、、。
染材―野バラ、蘇芳
月光に照らされた砂漠の風景、、―月の砂漠をはるばると旅の駱駝が行きました。
金と銀との鞍置いて二つ並んでいきました。―
ムガシルクの鈍い光沢が月の光を彷彿させます。
染材―五倍子、蘇芳、胡桃、蝋梅、他
小鳥たちが窓辺で戯れる様子を織りだしました。モデルはジョウビタキ、、尾を縦に振りながら飛び回ります。
染材―小鮒草、臭木、車輪梅、背高泡立草
いつも空を見上げている。曇り空、青空、月夜、星空、、、意識はその先へ飛んでゆく。空の行方のその先へ、、、。
そこから見た景色を思い描いている。
染材―蘇芳、ロッグウッド、小鮒草、蝋梅
朝の陽ざしを浴びて窓辺で戯れる小鳥をデザインしました。
モデルはエナガ―長い尾を縦に振って木から木へ飛び回ります。
染材―桜、車輪梅、小鮒草、臭木、石榴、野バラ
松竹梅文様の一つ竹模様、、60年に一度、人生の終わりに一斉に花を咲かせて辺り一帯の竹が終焉を迎えるという、、
その笹の花をイメージして刺繍しました。
「幸せの青い鳥」といわれるルリビタキがモデルです。飾り縫いを使って立体感を現してみました。
実物はまだ見たことがありません。どこにいるのでしょう?!
染材―ロッグウッド、野バラ、藍、梅、石榴、他
copyright 草木染・手織工房「吾亦紅」 川崎寿喜