草木染めのこと
草木染めについて
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まだ周りに自然が多く、特に春から秋にかけての草の類には不自由しませんが、
冬場に木を採取するとなると昨今の諸事情からあまり不審な行動もできず、
太い枝や幹などは量的にもなかなか手に入りにくい状況です。
それで時々は、教室の人達と一緒に自然を求めて近くの山に出かけて、材料集めをしたりしています。
春になると、よもぎ、からすのえんどう、たんぽぽなどで春の匂いをまとい、地上に顔を出した若い芽を頼りに日本茜の根を求めて山をさまよい歩き、
夏には畑で栽培した藍草での、生葉染の透き通るような水色に感嘆し、
秋には萩、栴檀草、胡桃などで秋色を楽しみ、五倍子や臭木、
冬青を探して山をうろうろと、そうして染めに追われているうちに一年が終わります。
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毎年毎年季節が巡り、木の芽が吹き、花が咲き、青葉が茂り、紅葉したかと思うと枯れ葉が舞う。
そんな春夏秋冬のサイクルの中で、それと行きつ戻りつしながら、私たちの草木染の一年も毎年同じ事の繰り返しのようでいてすこしずつ何かが違っていて、
注意深く見つめていれば新たな感動を与え続けてくれる。
あふれるほどの自然の恩恵にただ感謝しながら、自然をありのままにまっすぐ受け入れ、真摯に対峙していきたいと思う。
渋柿取り
日本茜の根
日本茜で染めた絹糸
紅花
紅花染
紅花染で染めた絹ストール
copyright 草木染・手織工房「吾亦紅」 川崎寿喜