ハレー彗星ミッション

1986年に内部太陽系に回帰するハレー彗星の実態を解明すべく、探査機が次ぎ次ぎと打ち上げられた。1984年12月15日と21日、旧ソ連はベガ1号と2号を打ち上げた。ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は、1985年7月2日にジオットを打ち上げ、日本も同年1月8日と8月18日に、文部省宇宙科学研究所(ISAS)が「さきがけ」と「すいせい」を打ち上げた。このように、国際的な協力による彗星探査の態勢が整のった。

ベガ1号と2号はそれぞれ1986年3月6日と9日に、「さきがけ」は3月8日、「すいせい」は3月11日に、そしてジオットは3月14日にハレー彗星に最接近して観測を行った。

この結果、彗星の実態が明らかにされた。彗星は氷と塵でできた核に鉱物や金属が混入した、大きさが16km X 8km程度の表面が暗い不規則な形をした固体であることが確認された。これで、1950年頃アメリカの天文学者フレッド・ホイップル(1906〜)が提唱した、いわゆる「汚れた雪玉」説が証明された。

このハレー彗星探査の国際協力の成功は、1999年から始められている国際宇宙ステーション建設の大きな指針となった。




ベガ1号と2号      ジオット      さきがけ      すいせい