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君と一緒に歩きたい


――強い人だな.
私は苑田君の顔を,じっと見つめた.
そんな目にあったのに,今,こんなにも優しく微笑むことができるなんて.

翌日,私は噂の美津子さんを再び見つけた.
「嘘……,」
信じられない確立の偶然に,我が目を疑う.
彼女は,デパートの一階のブランドショップの中に居た.
制服姿なので,店内では目立っている.
彼氏らしい男性と一緒だった.
嬉しそうな顔で,高級ハンドバックを手にとっている.

――まさか.
私は,背筋がぞっとした.
苑田君から騙しとったお金で,それを買うの……?





私は慌てて,携帯で竹村に連絡した.
私は慌てて,携帯で苑田君に連絡した.
私は誰にも連絡しなかった.
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