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君と一緒に歩きたい


私は悲しくて,ミツキの携帯が取れなかった.
「私たち,からかわれたんだね…….」
ミツキが,ぽつりと言う.
「うん…….」
暗い気持ちで,私は頷いた.

ひどいよ,竹村.
ちょっとだけ,ときめいたのに…….

夕方,家に帰ると,兄は先に帰宅していた.
テレビを観ながら,ぼりぼりとポテトチップスを食べている.
彼女と別れてから,暇そうだ.
けれど兄はもてるらしく,すぐに次の彼女を見つける.
そしてまた,帰宅が遅くなるのだ.
今は,インターバルみたいなものだろう.

「あ〜あ,」
兄の隣に座って,私は大きなため息を吐いた.
「私もお兄ちゃんと一緒に,失恋ソングでも歌おうかなぁ.」
「……振られたのか?」
指についた塩を舐めながら,兄が聞いてくる.
「……みたいなもの.」
私は兄の肩に,こつんと頭を預けた.
すると兄は,いきなり立ち上がる.
「コンビニに行く,何か買ってきてほしいものあるか?」
ポテトチップスの袋は,空になっている.
「お兄様が,おごってしんぜよう.」
兄は,にやりと笑った.





チョコレートのお菓子を買ってきて!
お菓子なんて,要らないよ…….
私も一緒に行く.
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