君と一緒に歩きたい
「私も一緒に行く!」
「へいへい.」
テレビの電源を消して,私は兄についていった.
「いっぱい買わせるつもりじゃないだろうな?」
少しだけ,ぎくっとする.
「いいじゃん,失恋したんだから.」
「いばるな,」
こつんと,兄に頭を叩かれた.
数日後,竹村のことなんてすっかり忘れていたある日,再び竹村からメールが来た.
――あの女を見つけた.すぐに来てくれ.○×駅駅前のバーガーショッブだ.
「何,これ?」
意味が分からない.
おそらく,あて先を間違えたのだろう.
私はすぐにメールを返した.
その日,兄はなかなか大学から帰ってこなかった.
新しい彼女が出来たのだろう.
うらやましいなぁ,私はまだ失恋中なのに.
私はなぜか,もやもやとした気持ちになった.