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君と一緒に歩きたい


「チョコレートのお菓子を買ってきて!」
兄は,おどけて肩を竦めた.
「了解しました,お姫様.……いや,違った,おデブ様か.」
「もう!」
私は兄に,テレビのリモコンを投げつけた.

数日後,竹村のことなんてすっかり忘れていたある日,再び竹村からメールが来た.
――あの女を見つけた.すぐに来てくれ.○×駅駅前のバーガーショッブだ.
「何,これ?」
意味が分からない.
けれど,私は行くことにした.
メールから,竹村の切迫した状況が分かるような気がしたからだ.

バーガーショップに行くと,客席に竹村が居た.
一人ではない,見知らぬ高校の制服を着た女の子と一緒に居る.
「竹村,どうしたの?」
私が声をかけると,竹村と女の子は,ぎょっとして私の方を振り仰いだ.
「園部!? どうしてここに!?」
責めるように問いかける.
「あんたがメールで,私を呼んだのでしょ?」
竹村はしまった! と舌打ちをする.
そして慌てて,携帯でメールを打ち始めた.
隣の席の女の子はそれを見て,そっと席から立ち上がる.
「え? どこに?」
訊ねると,女の子はびくりと震えて走り出した!
「待て!」
竹村も立ち上がる.
しかし慌てたのか,ガツンとテーブルに足を打った!
「いっつ……!」
女の子は,店内から逃げていった.
「何なの,いったい?」
私ひとり,意味が分からない.





事情を説明してよ!
何だか大変そうだね,……私には関係ないけど.
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