日本食文化の醤油を知る -筆名:村岡 祥次-
第6章 醤油の種類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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第6章 醤油の種類 |
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[醤油とは】 しょうゆとは、主に大豆などの穀物を原料とした発酵液体調味料で、日本の食卓には欠かせない調味料が「醤油」です。令和元年(2019年)、都道府県民一人当たりの醤油の年間消費量は平均2.36リットル(濃口しょうゆで換算)です。トップは、長崎県で3.50リットル、最下位は沖縄県で年間1.52リットルとなっています。なお、醤油といった場合、薄口醤油など様々な種類がありますが、統計の関係上、濃口醤油で換算しているので、ご注意ください。 醤油は、大豆(うまみのもとになる)、小麦(香りや甘味のもとになる)、食塩を主な原材料とし、こうじ菌、乳酸菌や酵母による発酵、熟成を経て製造される調味料です。原材料の配合割合等の違いにより、JAS規格では、「こいくち」「うすくち」「たまり」「さいしこみ」「しろ」の五種類に分類されます。 最も一般的な「こいくちしょうゆ」、関西地方発祥の「うすくちしょうゆ」、主に東海地方で造られる「たまりしょうゆ」、山陰から九州地方にかけて特産の「再仕込しょうゆ」、愛知県碧南地方で生まれた「白しょうゆ」があります。
しょうゆの「色の濃さ」
【醤油の種類】 日本農林規格(JAS規格)で醤油は「こいくち(濃口)」「うすくち(淡口)」「溜まり」 「再仕込み」「白」の5種類に分類されています。
【醤油の種類別塩分濃度と塩分量】 醤油の種類別の塩分濃度と大さじ1杯・小さじ1杯の醤油に含まれる塩分量は次の表のとおりです。
【醤油の成分基準】
・全窒素分(うまみ成分) 大豆(タンパク質分約35%)や小麦(タンパク質分約13%)に含まれるたんぱく質が、麹菌の酵素で分解され、うまみ成分である約20種類のグルタミン酸などのアミノ酸が生成される。アミノ酸を形成するアミノ基には窒素が含まれるため、全窒素分=うまみ成分とされている。全窒素分が多いほど旨みがあります。 ・無塩可溶性固形分(エキス分) 糖分、酸分、アミノ酸などの成分が溶け込んでいる固形分を「可溶性固形分」と呼び、この「可溶性固形分」から塩分を除いたものが「無塩可溶性固形分」である。 ・直接還元糖(白醤油のみ) 糖液中に存在するぶどう糖(還元糖)の割合を示すものを直接還元糖という。つまり、ブドウ糖の含有量を示しているものと思われる。 【醤油の流通と主な生産地】 しょうゆは、生産数量の約30%が家庭用製品で、約70%が業務用製品である。(一般財団法人,日本醤油技術センター推計)家庭用製品は、ほとんどが卸売業者を通じてスーパーやコンビニエンス・ストア等の小売業者へ販売される。 ![]() また、家庭用製品はペットボトルの小型商品が主流であるが、最近では、しょうゆの味と鮮度を保つため、中身が空気に触れないよう工夫した酸化防止「パウチ包装」や「密閉ボトル容器」の商品の販売が伸びている。業務用製品は、レストランなどの外食業者が調味料として使用するほか、食品製造業者がしょうゆ加工品やつゆ・たれ類の原料として使用している。
JAS規格では、動物性タンパク質などの使用は認められていないので、魚醤油と呼ばれる秋田県の「しょっつる」や香川県の「イカナゴ醤油」、鰹節を加えた「土佐醤油」などは、醤油の範疇からはずれることになります。 ![]()
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