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ドライイースト併用で失敗なし?!自家製酵母であこがれのふんわり食パン♪ 〜実践編〜 記事登録日:2014/06/17
最終更新日:2014/06/17
 
  「自家製酵母」を育てるのが大好きです。
手間暇かけてパンに至る、その過程がなんとも言えずハマります。
ただ、
目に見えない生き物の力を借りて行う製パンは、自分が思った通りにはいかないことの方が多いです。

そこで、ドライイーストの力を借りて作る食パンをご紹介します。
ドライイーストの安定した発酵力で、失敗しがちな自家製酵母での製パンをサポート。
メインの発酵を冷蔵庫で行う事で季節を問わず安定した仕上がりを目指します。






 作り方  ポイント&雑感
1.ドライイーストの下準備  このレシピについて
2.パンケースに材料を投入  使用する材料について
3.「練り」と「フロアータイム」 強力粉 / 元種 / ビタミンC溶液 / ぬるま湯 / スキムミルク / 砂糖
4.ガス抜きをして冷蔵庫へ ドライイースト / モルトパウダー / マーガリン
5.室温に戻し成形します  使用する道具・器具について
6.「最終発酵」の後「焼成」、焼き上がり ホームベーカリー / 計量スプーン / 発酵用保存容器
7.補足 めん台とガス抜き棒 / 長時間タイマー
 





 自家製酵母でふんわり食パン  1.5斤分
材料 我が家で使用している材料詳細
  強力粉  360g    今回ははるゆたかブレンドを使用 ; 基本的には国産小麦で焼いています
  元種  145g    粉:水分が1:1の元種 ; 水分量さえ同じなら作り方はお気に入りの方法で大丈夫だと思います
  ビタミンC溶液  10g    100gの水にビタミンC(L-アスコルビン酸)を0.1cc(約0.04g)溶かしたもの
  ぬるま湯  175g    お風呂くらいの温度に沸かした浄水器の水を使用
  スキムミルク  27g    今回はこちらの商品を使用
  砂糖  30g    今回はグラニュー糖を使用
  自然塩  7g    ゲランドの塩 (顆粒)
         
  ドライイースト  小さじ1/5(約0.6g)    今回はフェルミパンを使用・サフの場合は小さじ1/4まで増やします←詳細はポイント&雑感「ドライイースト」にて
  モルトパウダー  小さじ1/4(約0.6g)    今回使用したのはこちらの商品
  ぬるま湯  10g    お風呂くらいの温度に沸かした浄水器の水を使用
         
  マーガリン  20g    今回は丸和油脂の業務用ホテルマーガリン(コストコで購入)を使用
  エムケー精工 自動ホームベーカリー ふっくらパン屋さん(1.5斤) HBK-150(←現在は151にバージョンアップ)を使用






作り方
1.ドライイーストの下準備
 
ドライイーストを10gのぬるま湯で溶きます。
この時同時にモルトパウダーも一緒に溶いて、全体に行き渡るように下準備をしておきます。
ここで言う「ぬるま湯」とは45度以下のお湯。
指先にお湯を掛けてみて、温かい〜ちょっと熱いかな?くらいまでならOKとしています。

ぬるま湯で溶くのはドライイーストの目を覚まし、活発に活動する状態にすばやくもってくるためです。
ただ、この「元気」は長持ちしませんので、その後の作業は手早く行ってください。
ぬるま湯で溶いてから10分後くらいまでが使い時らしいので、だいたい5分前後でパンケースに投入、くらいの流れが理想です。


モルトパウダーの添加は任意です。
使用量が少量ですので、強力粉にあらかじめまんべんなく混ぜ込んでおくか、ドライイーストと一緒に水で溶いて全体に行き渡らせるように配慮します。

モルトパウダーを加えると、加えない時に比べ、同じ水の量でも生地がべたつきやすくなります。
今回のレシピはモルトパウダーを加えることを前提に水の量を決めてありますので、加えない場合はもう少し水分量を増やせると思います。

モルトパウダーやモルトエキスは、加えれば加えない時に比べてキメが細かく背の高い食パンになりますが、無くてもそれなりのパンにはなります。

また、モルトパウダーには商品によって成分や使用方法に違いがあります。
詳しくはポイント&雑感のモルトパウダーについてをご覧ください。

ドライイースト小さじ1/5を計量します
重量では約0.6gになります

写真はフェルミパンを使用の場合
サフの場合は小さじ1/4まで増やします

理由はポイント&雑感「ドライイースト」
をご覧ください

モルトパウダー小さじ1/4も加えます
こちらも重量は約0.6gでした



10gのぬるま湯を加え
丁寧に溶いておきます

写真に写っているのは
シリコンのマイクロスパチュラ
小さいのに結構いいお値段するんですが
めっちゃ便利!!








2.パンケースに材料を投入
 
材料をパンケースに投入していきます。
初めに、ぬるま湯・ビタミンC溶液と砂糖・塩・スキムミルクをパンケースに入れます。
まずは、「水分」と「水に溶けるもの」を併せて軽く溶かしこみます。
完全に溶かしきる必要はありませんが、これで添加が少ない塩なども全体に行き渡りやすくなります。


この時加えるビタミンC溶液は、グルテン強化のために配合するものです。
加えると、加えない時に比べ釜伸びの高さに違いが出ます。
用意できない場合はぬるま湯を10g増やして対応してください。
このことについてはポイント&雑感の「ビタミンC溶液」の添加についてもぜひご覧ください。

次に元種、続いて1で用意したドライイースト液を加えて、軽く混ぜ合わせます。

最後に強力粉を加えて練りに入ります。


まずは砂糖・塩・スキムミルクを入れて・・・

ビタミンC溶液とぬるま湯を加えます



スパチュラで軽く混ぜ合わせたら・・・




元種とドライイースト液を入れて・・・




軽く全体をぐるぐるします

余りやり過ぎると元種を傷めてしまうらしいので
あくまでも軽く、全体になじませる程度に
混ぜ合わせましょう




最後に強力粉をドサッと入れたら
練りの工程に入ります

ここでは事前に混ぜる必要はありません
あとはHBにお任せしましょう









3.「練り」→「フロアータイム」
 
ホームベーカリーにパンケースをセットしたら、「メニュー15・練り」の強さ「高(強)」、「15分」に設定して「スタート」。
必要に応じてスパチュラで生地を寄せ、練りの手助けをしてやります。

このレシピをお試しになる場合、初めの何回かは練りの状態をよく観察し、水分量の過多をチェックされることをお勧めします。

レシピにある水分の量は絶対ではありません。
使っている粉の種類やその他の材料、個々の家庭環境に応じて増減させるのが理想です。
±30g程度の加減が可能らしいです。

練り時間が残り8分になったら、油脂(マーガリン)を投入します。
投入後すぐは生地が滑ってうまく混ざらないので、スパチュラで押さえつけるようにして羽根に絡ませ、練りの補助をしてやります。

表示画面にある数字は残り時間ですので、油脂を投入するのは練り開始から7分後という事になります。

油脂の種類は釜伸びを優先させるならショートニングを使うのがベストらしいです。
逆に、出来上がりの風味を優先するならバターを使用します。
私はその中間を狙ってマーガリンを使用しています。(この選択が科学的に正しいかは不明ですが・・・)

このことについてはポイント&雑感の「マーガリン」についてもぜひご覧ください。

練りが完了したらすぐに「取り消し(練り終了)」ボタンを押し、「メニュー16・発酵」の発酵温度「中」、発酵時間「45分」に設定し直して「スタート」。
1次発酵の準備発酵(フロアータイムと言うらしいです)に入ります。

発酵時間の45分と言うのは室温25度前後(22度から27度くらいの間)春・秋時期の場合です。
夏場は30分でOK。
冬場ですと60分くらい。
ですが、この「フロアータイムにかかる時間」は湿度や室温に大きく左右されますので、上記の字面どおりに行うのでなく、個々の環境に合わせて毎回の仕上がり具合や当日の室温等をチェックし加減するのが一番望ましい方法となります。

このフロアータイムでドライイーストの活動をベストな状態に高めて冷蔵庫に納めることが、その後の冷蔵発酵を生かし、最終発酵でボリュームのある膨らみをだすポイントになります。
「ベストな状態」とは、長時間の冷蔵発酵終了後でも過発酵にならず、また、冷蔵と言う発酵するには温度の足りない環境において充分に熟成する力を持っている、という状態のことです。

「メニュー15・練り」の強さ「高(強)」
「15分」に設定して「スタート」



パンケースのフチに残っている粉類を
スパチュラで生地の方によせてやります



細かいようですが、
スパチュラについた生地も
スケッパーでしごいて
練っている最中の生地に戻しています




5分も練れば生地がまとまってきます




モニターの表示が残り8分になったら
(練りが始まってから7分)
油脂を一度に投入します

(私の場合はマーガリンを投入)



油脂を投入したら生地がすべったり、
空回りしたり、
練り羽根にうまくかからなくなったりしますので
適宜スパチュラで手助けをしてやります

この時、
生地を底に押しつけるように押さえてやると
結構うまくいきます



写真のように
パンケースのフチにこびり付いた
油脂で緩んだ生地たちも・・・・・



スパチュラで手助けしながら
丁寧に併せていくと
写真のように綺麗にまとまります

まだ練りの途中ですが、
このように綺麗に生地がまとまったら
することは無いので・・・

蓋を閉めて練りが終了するのを待ちます



練り完了のブザーがなったら
すぐに「取消」ボタンを押して終了し
「メニュー16・発酵」の発酵温度「中」、
発酵時間「45分」に設定し直して
「スタート」を押します

この後45分間生地を発酵させます

このフロアータイムの時間は季節や室温によって
30分から60分の間で加減・調節します








4.ガス抜きをして冷蔵庫へ
 
パンケース内でのフロアータイムが終了したら、軽くガスを抜き、折りたたんでから冷蔵発酵用の保存容器に入れ、冷蔵庫に移します。

その後、12時間〜48時間程度の冷蔵発酵を行います。

この冷蔵発酵の時間は結構適当です。

参考にした情報では、発酵時間を12時間から24時間くらいの間でとるのが一般的なようでしたが、中には48時間くらいまでOKとするものもありました。
これは冷蔵庫内の温度によっても変わってくるようです。

ちなみに我が家は前日夜9時ごろパン生地を仕込み、翌日午後5時ごろから次の作業を開始していますので、おおむね20時間くらいの冷蔵発酵時間をとっている計算になります。
今回の写真では18時間程度寝かせた生地で手順をご紹介していますが、2日寝かせた生地(45時間程度)で作った際にも仕上がりに大きな違いはありませんでした。
むしろ、生地の旨味は増した気がしたので、冷蔵庫のスペースさえ許せば長時間熟成もお勧めの方法です。

18時間より短い発酵時間では作業したことが無いので、例えば「発酵時間12時間」のパンの出来について実体験からのコメントはしかねるのですが、多分作業性に大きな違いは無いと思われます・・・。



30分ほど発酵させた生地

上の写真に比べ
少し膨らんでいるのがわかります



パンケースからめん台の上に
生地を取り出します

写真に写っているのは
A4サイズの大理石めん台
カラーアイシングを練るために購入したものですが
思わぬところで大活躍



この台いっぱいくらいに
手のひらで叩くように押し広げていきます

この時めん台には打ち粉は振っていません




生地がめん台にくっつく場合には
スケッパーではがしながら
まとめています



縦1/3で上下から折り返り畳んだ生地を
横1/3で左右から折りたたみます



写真のようにまとめた生地を
保存容器におさめて密封します




最近では除菌機能付きの冷蔵庫が
普及しているようですね
酵母も一応「菌」なので
除菌機能の影響を受けないように
密封して冷蔵する方が良いようです

保存容器も抗菌仕様のもので無い方が
酵母の為には良いんじゃないかと・・・・



私が保存しているのは冷蔵室
ここで約20時間の冷蔵発酵を行います

野菜室だとまた温度が違うので
勝手がわかりませんが
一般に、冷蔵室よりも
温度が高く設定してある野菜室では
発酵が速く進むようです


生地の保存に使っているのは
フレッシュキーパーLock&Lockの2.3l
(約)23cm×16.5cmの高さ9.5cm

冷蔵庫内の限られたスペースにに入れるには
可能な限り小さいもの望ましいですよね
個人的にはこちらがジャストサイズで一押しです!








5.室温に戻し成形します
 
次の作業では、室温に戻した後(1時間)成形して(約10分)最終発酵(約3時間)、焼き上げて(約1時間)出来上がりになります。
このレシピでは、これらに合計約5時間ほどかかりますので、その余裕ができたら次の手順に進みます。

生地がどんな状態になっていれば次の作業に進めるのか;「冷蔵発酵完了の目安」なんですが・・・・・、正直ちょっとよくわかりません。(無責任ですんません)
私の場合、冷蔵庫に入れてから20時間前後で次の工程へ、という、生地の状態がどうこうよりも時間割優先で作業しています。
昨年夏(2013年夏)から現在(2014年6月)まで同じ流れで作っていますが、同じ配合の場合ですと大体毎回同じ状態に焼き上がっています。

生地の状態をあえて挙げておくと、下の写真でもお分かりの通りだいたい1.5倍くらいに膨らんでおり、容器の底から透けて見える生地にはいくつもの気泡ができているのが確認できるような状態です。

さて、適当なころ合いで冷蔵発酵を終了させます。
冷蔵庫から生地を出したら、少し生地温度を上げるため室温に置きます。
一度蓋を開けて中の冷たい空気を逃がし、生地が乾かないように軽く蓋をして、だいたい1時間くらい、室温で放置します。

この作業は、成形して最終発酵に移る際に、熱が当たりやすい生地の外側の部分と、あたりにくい内側の部分で発酵具合に極端に差が出ることを避けるためのものです。
ただし、モルトパウダーを添加した生地はベタつきやすく、生地温度が上がるほど作業がしづらくなることには注意が必要です。
室温にもよりますが、夏場などは1時間と言わず適当なころ合い(生地がべたつかない程度に硬い状態)で次の作業に移る方が良いでしょう。

また、食パンでなくプチパンなど生地をカットして成形に入る場合は、この時点で、冷蔵庫から出したときに小分けの作業を行います。

1時間後、ガス抜きをして成形に入ります。
生地の温度はそれほど上がっていないと思いますが、先にも書いた通り、触ると冷っとするくらいが生地が締まっていて扱いやすいので良いと思います。

食パンの成形の仕方には色々なタイプがあります。
私が行っているのはそのうちの一例になりますが、これについてはお好みの成形方法でOKだと思います。

成形した生地をパンケースにおさめ、最終発酵に移ります。

酵母は適度な温度と多湿を好みます。
そこで私は最終発酵の際、湿気を補充するため、パンケースの内側に霧を吹くようにしています。
湿度を高めにすると発酵が促進されるので、特に対策をせずに発酵させるよりは膨らみ具合が良くなるようです。

冷蔵庫から出して一度蓋を開け
空気の入れ替えをしてやります

生地が乾かないように軽く蓋を置いて
そのまま1時間室温に置きます


上の冷蔵発酵前の写真と比べると
生地がだいぶ膨張しているのがわかります



室温においた後、成形作業に入ります

めん台の上に保存容器をひっ繰り返して
生地を傷めないように
優しく手ではがし取ります

プラ容器であれば
わりとツルンとはぎとれると思います



取り出した生地はふかふかしていて
弾力がある状態です

この時生地が「シュッ」としぼんでしまうようだと
「過発酵」ということになるとおもいます

そんな時はドライイーストの量を
もう少し減らしてみるか
練りの後のフロアータイムを
減らすととよいかもしれません



少し押さえつけた後ですが
横から見るとこんな感じです

これから行う成形では
この折り目が見えている部分を
内側に折り込むように成形していきます

実はこの写真を撮った時代(?)には
めん台に強力粉を振っていたのですが
打ち粉をすると仕上がり時に穴が開くことがわかり
現在では打ち粉を振るのをやめています



ガス抜きめん棒でやさしく生地を伸して
大きめの気泡をつぶす感じで
ガスを抜いていきます

まずは自分に向って縦方向から

先ほどの写真で折り目が見えていた面は
この写真の上下部分
自分に向って縦方向に置いています



横方向にも押し広げます

めん棒を転がした時に
それとわかる大きめの気泡が出なくなるまで
伸しています

ガス抜きは、変な空洞を作らないためにも
ある程度は丁寧にやるべきなんですが
やり過ぎると最終発酵時に高さが出にくくなります



生地が円形に広がってしまった時は
めん棒で斜めにのして
四隅に角を作ります





写真の撮り方が悪く
わかりづらいですが
生地がなんとなく四角にまとまったところです



一方の生地の1/3を折り返し
継ぎ目をしっかりと閉じます



残った側の生地も
同様に折り返して閉じます



向かって奥側の生地を
空気が入らないように折り返し
端の部分を指先でしっかり押さえて
閉じます



スケッパーを
生地の下に差し込むように入れつつ
生地をはぎ取りつつ
丸めていきます



手前まで巻き終わりました

今回の成形は
三つ折りを巻いて塊にした形

この他、左右から折りたたむ際に
やや観音開き型に折りたたむ方法や
上下を折りたたむように成形する方法など
渦巻きタイプでもいろいろな方法があります



生地を横から見たところ

とにかく空気が入らないように
生地を密着させながら成形するのが大事!!!

と、言いつつ、
私の成形では
パンのど真ん中に穴があいていることが
しょっちゅうあります



さて、
パンケースに生地を収めました

速やかにホームベーカリーにセットし
最終発酵を始めます


私は発酵中に
何度もパンケースの蓋を開けてしまうので
乾燥防止と温度低下防止のために
ラップをかけてホームベーカリーにセットしています

もちろん、
このまま焼成してしまうと大惨事になるので
積極的にお勧めする方法ではありませんが
パンケースの中身が気になる方には
有効な対策です



発酵促進のため湿気をプラス
パンケースはあらかじめ軽く濡らしておくか
生地を収めた後にまわりに霧を吹いて
湿らせてやります

パンケースと接していない部分の生地
(パンのてっぺん部分)に
直接水をかけると
その部分だけ生地が冷えて発酵不足になったり
焼き色が薄くなったりするので注意!!



大きいサイズのめん台を
家庭用のシンクで丸洗いするのは大変!!
ということで、
我が家では拭き掃除のみで済ませています

使い終わった後はパストリーゼでシュッシュして
キッチンペーパーで拭きとり♪

ところで、パストリーゼは除菌剤なので
酵母菌とは相性が悪いです
使用前の拭き取りは水ぶきがオススメ








6.「最終発酵」の後「焼成」、焼き上がり
 
成形が済んでパンケースをホームベーカリーに納めたら、「メニュー16・発酵」の発酵温度「高」、発酵時間「3:00」(3時間)に設定して「スタート」を押し、最終発酵に入ります。

自家製酵母の最終発酵は、おおむね1〜2時間程度で指示される例が多いですが、私は3時間とかなり多めに設定しています。
これは、1時間程度室温においただけでは冷蔵庫から出してきた生地の温度が上がらないため、「生地が芯まで温まる時間」をプラスした発酵時間になっているからです。

イーストや酵母の元気度が高い状態ですと2時間半で発酵終了することもありますし、逆に元気度が低いと3時間を少し超えるくらいの時間がかかることもあります。
発酵が速い分には何の問題もないですが、3時間以上時間がかかる場合には少し手順を見直す必要がありますね。
経験上3時間半くらいまではそのまま発酵し続けても出来上がりに大きな差はありませんが、さすがにそれ以上発酵させ続けると生地が疲れてきて酸っぱいパンになったりキメの粗いパンになったりします。
発酵時に見た目大きく膨らんでいても、焼成後に生地が縮んでひとまわり小さく焼き上がったり、てっぺんがでこぼこに焼き上がったりしたらこの状態、「過発酵」です。
なかなか生地が膨らまない場合でも、3時間半を目処に発酵を終了させとりあえず焼成する方が無難です。

3時間たった時点での発酵具合が「あとひと押し!」程度の場合、次に焼く際には初めに行う「練り」が終わった後の「フロアータイム」に取る時間を15分単位で伸ばしてみてください。
これは季節的な要因(室温の変化)で発酵に時間がかかってしまう場合にも有効な対策です。

3時間高温で発酵させても全く食パンとしてのボリュームが出ない場合には、生地の発酵力が全く足りない、と言う事になるかと思います。
(もちろん、上で説明した手順通りに行っていることが前提です)
次回はドライイーストの量を少し増やして、発酵力の強い生地になるように改善してみましょう。

発酵が始まったら、大体2時間過ぎたころに一度生地の様子を見てみます。
この時の膨らみ具合で、あとどのくらい発酵させるか目処がたつとおもいます。
発酵は設定では3時間としていますが、速ければ2時間半程度で完了しますので必ずしも3時間きっちり行う必要はありません。

はるゆたかブレンドを使用して今回の生地量で作った場合、パン生地のてっぺんがパンケースと同じ高さくらい(ラップをしている場合はラップにちょうどつくくらい)になったら発酵完了です。(外国産小麦の場合はもう少し高さのある状態になるかとおもいます)
発酵が完了したら(発酵を途中で終了させる場合は取り消しボタンを長押しして作業をキャンセルします)ラップをはずして、「メニュー17・焼き」の焼き色「中」、焼成時間「55分」にセットしてスタートします。

こちらの機種では食パンの焼成は焼き色「中」がオススメです。

焼き時間は今回のように砂糖や副材料(スキムミルクなど)が多めの生地の場合1時間前後が良い感じです。
ある程度しっかり焼いた方が、時間がたっても酸味の出にくいパンになるように思います。

ホームベーカリーは上火が無いうえ、天井面に覗き窓が付いているので上側の温度がどうしても低くなり、焼き色的にさえない仕上がりになりがちです。
どうしても気になるようなら、砂糖を多めに添加した卵黄液を塗ると焼き色は若干改善されますが、結構めんどくさいので、家庭で食べる分には気にしない図太さ(?)も必要です(笑)。

ここから先は一般的なホームベーカリーによる焼き上げと同じ手順です。

焼き上がったらパンケースを取り出して取り消しボタンを押します。
パンケースからパンを取り出し、中の熱い空気を抜くように2〜3回軽くパンを台に打ちつけます。
香ばしめのパンがお好みの方は粗熱を取ってから保存容器へ、ソフトなパンがお好みの方はすぐに保存容器に移します。

「メニュー16・発酵」の発酵温度「高」、
発酵時間「3時間」に設定して
「スタート」を押します



酵母の元気度にもよりますが
我が家の場合だいたい
2時間半から3時間で
パンケースと同じくらいの高さまで
発酵します



横から見たところがこんな感じ
だいたい3時間以内で
ラップにパン生地の天井面が
触れるくらいまで
膨らみますが
生地の状態が悪い時には
そこまで膨らんでくれないこともあります



発酵が終了したら
「メニュー17・焼き」の焼き色「中」、
焼き時間「55分」に設定して
「スタート」を押します

これで焼いたのが右の写真のパン
焼き時間は1時間前後
お好みで加減して焼き色を調節します
私の場合なぜ55分かというと、
時間設定が簡単だからです
(この機種をお使いの方なら
なんとなくわかっていただけるかと・・・・・)



焼き上がり!

最終発酵終了時よりも
パンが膨らんでいれば一応成功です

過発酵のパンの場合
発酵終了時よりも
ひとまわり小さいパンに焼き上がります




ホームベーカリーので焼くパンは
上火が無い為どうしても
天井面の焼き色が貧相になります

特にこの頃は焼き時間45分で
仕上げていたため
天井面がしろーい焼き上がり

55分やけばもう少しマシになります



カットした状態
高さは14.5cmありました

ちなみに今回と同様の分量・方法で
ビタミンCやモルトパウダーを
添加しないレシピの場合
パンの高さは12.5cm程度となります



パンを上下で引っ張ってみました



左の写真のUPです

糸を引くようなキメの細かい内層が
おわかりいただけますか?

この方法で作ったパンは
とてもしっとりふわふわ
じゅわっとした噛みごたえのパンになります



こちらのレシピはクックパッドにも投稿しています。
レシピの印刷にはこちら↓のページが便利です。
Cpicon 自家製酵母と国産小麦でふんわり食パンT

ビタミンC液やモルトパウダーが用意できない場合にはこちら↓のレシピをご利用ください。
ただし、パンのボリュームはだいぶ劣ります。
Cpicon 自家製酵母と国産小麦でふんわり食パンU









7.補足
 
冷蔵発酵に20時間以上かける時、冷蔵庫におさめてから10時間たった頃に、一度パンチを入れてやる、というのが最近のお気に入りです。
冷蔵発酵途中で生地を四つ折りにすることで、内層をより複雑に絡ませるのが主な狙いですが、過発酵を避ける役割もあります。
パンチを行うと、しない場合に比べて出来上がりのパンのボリュームがやや劣る(若干高さの低いパンになる)気はしますが、キメはより細かく、引きが強く、ややもちもちとした食感のパンに仕上がるようにおもいます。

パンチを行う際には、特にガス抜きめん棒などを使う必要は無く、生地を手にとって軽く四つ折りをして、容器に戻すだけ。
食パン作りを成功させる、という意味では、必ずしも必要な工程ではありませんが、このひと手間で出来上がりの食感が随分変わりますので一度試してみる価値のあるオススメの作業(?)です。


この写真だけでは、なんじゃらほい、と
思われるかもしれませんが
パンチを入れているところです

生地を手に取り、
手のひらの上で空気を入れないように
むぎゅっと四つ折りして、保存容器に返し
冷蔵発酵を続けます














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  ドライイースト併用で失敗なし?!自家製酵母であこがれのふんわり食パン♪ 〜準備編〜
     



ポイント&雑感

  • このレシピについて

    今回ご紹介しているレシピは、佐原文枝さんの「おうちでのーんびりたのしむ『自家製酵母パン』の本」の21ページ「ミニ食パン」をアレンジしたものです。

    本来は「強力粉200gで作るミニパウンド型3本分のレシピ」でしたが、これを強力粉360gに増やして割合を合わせて再計算しました。
    その際、スキムミルク・砂糖・塩などは計量スプーン表示だったのでおおよその値で該当するg重量に換算しています。
    そこにほんの少量(約0.17%)のドライイーストを加えて発酵力を強めました。
    こちらのレシピは砂糖の量も多くスキムミルクも大量に入るので、結構「味の濃い」食パンになります。

    もっとシンプルなレシピがお好みの方のために、そのような配合の食パンも近日中にUPしようと思っていますが、ホームベーカリーで焼くパンのレシピであれば、お手持ちのレシピをアレンジすることで上記の方法を使い色々な食パンを焼くことが可能です。
    レシピのアレンジにはちょっとしたコツが必要ですが、基本的には「強力粉総量のうち約16%程度を自家製酵母元種で使用する強力粉に置き換える」、「元種は粉:水分が1:1のものを使用し、元種に含まれる水分(元種総量の1/2)をレシピの水分から減らす」、「使用する強力粉総量(元種で使用した分も含む)の約0.14%のドライイーストを添加する」ことでだいたいのレシピが変換できます。
    国産小麦を愛用されている方の著書に記述のレシピであれば特に水分調節の必要も無くうまく焼ける場合が多いです。


    分量以外の製法については「少しのイーストでゆっくり発酵パン?こんな方法があったんだ。おいしさ再発見!」や「自家製りんご酵母で焼くパン ・ りんご酵母、だからおいしい、くせになる」を参考にさせていただいています。

    ポイントは、自家製酵母で焼くパンのレシピを参考にしつつ、ほんの少量のドライイーストを添加すること、そして冷蔵庫で発酵させること、の二点。

    ドライイーストのおかげで、家庭で起こす発酵力の弱い酵母でも安定した食パン作りが楽しめ、また、冷蔵庫で発酵させることで季節を問わずおおむね同じ工程で作業することができるのがこのレシピの最大の「ウリ」です。



  • 使用する材料について

    このレシピで使用している材料について、特に説明が必要なものについて補足をしておきます。


    • 強力粉

      今回は強力粉にはるゆたかブレンドを使用しています。

      基本的に私は北海道産小麦を愛用しているのですが、ふんわり感や焼き上がりの高さ、いわゆる「釜伸び」を求められる食パン作りでは、たんぱく質量の多い外国産最強力粉(例えばスーパーキングゴールデンヨットなど)が好んで使われることも多いですね。

      ひと口に北海道産小麦といっても、ブレンドも含めかなりの種類があります。
      私自身もいくつか試してみたことはありますが、個人的にはどの粉を使った場合でも製パン方法や出来上がりについて、使用感の違いを大きく意識したことはありません。

      ただ、北海道産小麦と、国産でも北海道以外の地域の小麦、そして外国産小麦とでは仕上がりと使い勝手の差を実感します。
      以前、安さに惹かれて九州産の小麦粉を使ったことがありますが、正直あんまり良くなかったです。
      思うようなパンに仕上がらず、味もイマイチ。
      残りをすべて打ち粉で消費したほどです。

      また、外国産小麦は味の面では不満に思ったことはありませんが、とにかく水をよく吸うので国産小麦と同様の製パンはできません
      たとえば、スーパーでも売っている日清のパン専用小麦粉などは、上のレシピの場合、国産小麦を使用する場合よりも20g水の量を増やし、「ぬるま湯175g」を「ぬるま湯195g」として作ってちょうどよいくらいでした。
      この他の外麦をこのレシピで使用する場合には、個々に水分量を調節する必要があると思います。


      意外にも、専門書以外のレシピ本で、レシピに対する粉の銘柄まで指定されているものは少ないのですが、一口に「強力粉」と言ってもどれも同じわけではないので注意が必要です。
      (細かく言うと、同じ銘柄の粉でも、販売会社やロットで粉の質は変わってくるそうです。)

      また、パン専用粉の中には、あらかじめモルトやビタミンC、麹などが添加されているものもあります。
      粉の「原材料」部分を確認の上、これらがすでに添加されている場合についてはレシピから該当材料を省いた製パンを行ってください。


      パン用強力粉の種類やたんぱく量を知るにはこちらのページが便利です。
      (ただし、添加物についての記載は無いのでそれぞれの商品ページで原材料を確認してください)

      →【楽天市場】スイートキッチン  ■ 強力粉一覧 ■ ※粗たんぱく量の高い順に表示



    • 元種

      一口に「元種」と言っても、種起こしの回数や水分と粉の比率、使う粉の種類等々、流儀は多種多様で色々な方法がありますね。
      私などにはどの方法がベストかはちょっとよくわからない、と言うのが正直なところです。

      「自家製酵母のみ」でパンを焼く場合、とにかく強い元種作りがキモになりますので、ここは本来、もっとも神経質に取り組むべき重要なポイントとなりますが、今回ご紹介しているレシピは「元種の力が弱い」ことが前提になっていますので、どんな酵母でも心配ご無用です。

      水分と粉の比率が1:1、もしくはそのようにレシピを調節した元種であれば、個々人の流儀で育てたものを使用していただいて大丈夫なはずです。
      このレシピでは酵母の強さはあんまり関係ありません。
      要は、味。
      お好きな素材で育てた酵母で挑戦してみてください。

      そもそもこのレシピが生まれたのは、「酵母のみでおいしいパンを焼く」ということに何度も挫折し、ちょっともうあきらめてドライイーストの手を借りる方向にシフトしたのが発端であります・・・・・。

      また、手持ちのレシピからの変換が簡単だ、と言う一点で「水分と粉の比率1:1」方式を採用(?)しています。

      今回使用した元種は、水分と粉の比率を1:1とし、初回をかレンズ酵母と強力粉で、二回目以降を水と強力粉で、合計4回種継ぎして起こしたもの。
      元種作りの詳しい様子はこちらでご紹介しています。
      → 自家製酵母であこがれのふんわり食パン♪ 〜準備編〜 元種づくり


    • ビタミンC溶液

      パン作りにおいてビタミンCは、グルテン強化の為に添加されます。
      「グルテンが強化される」とは「切れにくい糸にしてくれる」と、例えることができるでしょうか。

      一般にビタミンCの添加はフランスパンに行われるものですが、国産小麦を使用した自家製酵母の食パン作りにおいても生地質の改良に役立ちます。
      ビタミンC液はモルトパウダーとともにパン生地の内層をきめ細かくし、ふくらみにボリュームを持たせる作用があります。

      非常に微量で効果が期待できますが、微量ゆえに溶液を作るのは結構厄介な作業になります。
      ビタミンC粉末をただ水に溶かすだけ、ではありますが、別ページにその様子をリポートしていますので参考にしてみてください。
      → 自家製酵母であこがれのふんわり食パン♪ 〜準備編〜 ビタミンC溶液

      「ビタミンCを利用すること」については以下のサイトを参考にさせていただきました。

      - e-パン工房
        ++ パンづくりのFAQ一覧 ++  + イースト・ビタミンC・モルト +
       パンの広辞苑 + は行 page1 + 「ビタミンC」 他
      (これらのページは元サイトのアーカイブにリンクしています。 以下e-パン工房さんのアドレスはすべて同様です。)



    • ぬるま湯

      私の言う「ぬるま湯」とは「お風呂の温度」前後、おおむね38度から45度程度を指しています。
      指で触れてみて温かいな〜ちょっと熱いかな、くらいですかね。

      ぬるま湯を使うのは発酵に時間のかかる自家製酵母の力をなるべく引き出してやるためと、少量しか使わないのドライイーストのパワーを短時間でMAXに持って行ってやるためです。


      ところで、プロは「捏ね上げ温度」といって、ミキシングが終わったの生地の温度を計って生地の状態を把握・管理するそうですね。
      この捏ね上げ温度をコントロールするために、仕込みの水(レシピで使用する水)の温度を逆算したりもするようです。

      家庭で少量のパンを焼く際にここまできっちり管理するのはなかなか難しいものがありますが、例えばこの「ぬるま湯」も、夏場は低い温度で、冬場は少し高めで等々、パンケースや粉類の温度に合わせて加減してみるのが理想だと思います。



    • スキムミルク

      今回のレシピでは牛乳ではなくスキムミルクを使用しています。

      製パンの現場では、牛乳よりも管理しやすく場所もとらないことが利点であるとしてスキムミルクを使用する場合があると聞きましたが、こと、自家製酵母においては牛乳ではうまく発酵しない可能性があることも私がスキムミルクを好む理由です。

      牛乳を製パンに使用する場合には、一度沸騰させたものを使用するのが基本なのだそうですが、発酵力の強いインスタントドライイーストを利用した家庭向けのレシピ本にそういうことがきちんと書かれたものは少ないですね。
      かく言う私もこのことを知ったのはつい最近です。

      我が家の場合だけかもしれませんが、うちの酵母さんたちは、牛乳で仕込むとうまく発酵してくれません。
      なんとなくスキムミルクを使用するよりも牛乳を使うほうが「上等」なイメージが私にはあるのですが、自家製酵母でパンを作る際には「酵母との相性」も頭に入れて素材選びをされることをオススメします。


      で、今回はこちらのスキムミルクを使用して作りましたが、個人的には量をたくさん入れている割に仕上がりのミルキー感が物足りない気がしています。
      風味を増すには単純に添加する量を増やすという選択肢もありますが、現在はスキムミルクの銘柄を変えてみる、と言う方向で改善を狙っています。
      たちまちは「よつ葉のバターミルクパウダー」というのを手に入れ、使ってみました。
      レビューではかなり評判が良いのですが・・・、言うほどの違いは感じられないような・・・・・私がにぶちんなだけですかね?
      ということで、次は全脂粉乳を使ってみようと思っています。



    • 砂糖

      今回はグラニュー糖を使っています。

      これは製パンの指南書に「パンに使われる砂糖は基本的にはグラニュー糖」と書かれていたからなのですが、家庭で自家消費用に作るパンであれば、上白糖でも全く問題ないと、個人的には思います。



    • ドライイースト

      今回ご紹介するレシピではごく少量のドライイーストを使用するのがポイントになります。
      添加するのは約0.6g、4時間弱で焼き上がるホームベーカリー付属のレシピでは小さじ1程度(約3g)を使用する指示になっていますので、一般的な作り方の約1/5量と言う事になります。

      ほんの少ししか使わないので、ドライイーストの銘柄はどれでも同じだろうと思いきや、少量であるがために逆に個性が際立つようです。

      まず、使用量について。
      今回は使用した写真ではフェルミパンを使用しており、この場合使用量は小さじ1/5で写真のような仕上がりになります。
      人気のあるドライイーストにはこの他に「サフ」がありますが、サフを使用する場合は小さじ1/4まで増やしたほうが製パン結果が良いようです。
      これは実際に使ってみた結果で、その理由は良くわかりません。
      種になるイーストの違いによる発酵力の違いか、またはサフにはあらかじめビタミンCが添加されているためイーストの割合が少ないか、いずれかであろうと推察していますが、定かではないです。

      また、パネトーネマザーでも同様の作り方で食パンを作れます。
      この場合使用量は6g、その他の材料はすべて同じでOKでした。
      モルトパウダーと併せて溶く際にはかなり固めのペースト状になりますが、大丈夫です。

      肝心の味ですが、今のところサフの方に軍配が上がっています。
      これは完全に好みの問題なんですが・・・、フェルミパンやパネトーネマザーは若干酸味を感じる気がします。
      酸味と言っても、いわゆる天然酵母パンの酸っぱさではなく、噛んでいるうちにほんのり感じる、と言う程度で、十分おいしいパンになります。



    • モルトパウダー

      「モルト」は麦芽糖と酵素を含む添加物です。
      麦芽糖は酵母の栄養となり発酵を促進、酵素は小麦粉のたんぱく質を分解しパンのキメを細かくしてくれます。
      今回は計量が簡単なモルトパウダーを使用しましたが、モルトエキスでも同様の働きをしてくれます。(ただし、使用量は変わります)


      同じレシピでパンを作った場合、モルトパウダーを加えると、加えない時に比べ生地がべたつくように思いますが、ビタミンCとともに加えることで仕上がりが圧倒的に良くなります。

      ざっくりとその仕組みを解説しますと・・・(私が理解した限りの内容なので間違っているかもしれませんが・・・)

      モルト中の酵素が小麦粉を粘りのある状態に変化させ、細い糸状に伸びる状態になる
      →ビタミンCがその粘りを強化し、細い糸状の生地に引っ張っても切れない強さを与える
      →モルト中の麦芽糖が栄養となって酵母が発酵、出てきた二酸化炭素が生地を膨らませ、伸びる生地はより多くの気体を閉じ込める
      →釜伸びばっちり

      、とまあ、こんな感じでしょうか。


      注意したいのは、一口にモルトパウダーといっても銘柄によっていわゆる「モルト」以外のものが入っている場合があることです。
      例えばクオカさんのモルトパウダーにはすでにビタミンC(とそれ以外にもいろいろ)が添加されており、今回のレシピに記載したモルトパウダーとは使用量が異なっています。
      もちろん、レシピ中のビタミンC溶液の添加も不要になります。
      購入・使用の際にはこの点を確認の上、作業を行ってください。


      「モルト」については以下のサイトを参考にさせていただきました。
      → e-ぱん工房 パンの広辞苑 + ま行 + 「モルトエキス・粉末モルト」



    • マーガリン

      このレシピではパンに混ぜ込む油脂にマーガリンを使用していますが、本来食パン作りにはショートニングを使用する方が利点が多いようです。
      風味においては圧倒的にバターに軍配が上がりますが、例えばイギリスパンのように背の高さが特徴となる食パン類には気泡膜が薄くなるショートニングのほうが適しているというわけです。

      バターとショートニングの違いは最終発酵温度である30度超で固形脂がどの程度あるか、と言う点なのだそう。

      ただ、やっぱりショートニングでは味気ない仕上がりになりそうだし、家庭消費用の製パンに別途ショートニングを購入するというのも手間のかかることなので私はあえてマーガリンを使用しています。
      解釈が正しいかどうかに自信はありませんが、製法的にマーガリンはショートニングに添加物(香りと味)を加えたものとされるので、製パン性と風味のいいとこどりができるか?と思ってのこの選択です。

      「ショートニング」については以下のサイトを参考にさせていただきました。
      → e-ぱん工房 ++ パンづくりのFAQ一覧 ++ 材料「Q.バターとショートニングの違いはなんですか。」



  • 今回使用している道具・器具について

     ホームベーカリー
      このページのレシピではエムケー精工の自動ホームベーカリー「ふっくらパン屋さん(1.5斤) HBK-150」を使用しています。

    現在はふっくらパン屋さん(1.5斤) HBK-151にバージョンアップしているようですが、見る限り、本体上部のメニュー表部分の色が明るく見やすくなったことと、メニューが2品(中華まん生地作り/うどん・パスタ生地作り)増えたこと以外には、機能に大きな変更点はなさそうです。

    今回このホームベーカリーで使用しているメニューは「練り」・「発酵」・「焼成」。
    これらが独立して設定できる機種であればMK社製のものに限らず同様の製パンをしていただけると思います。

    ただ、ホームベーカリーはあくまで「手軽に製パンを楽しむツール」として使っています。
    お持ちでない方も手捏ねの方法や発酵環境の設定、焼成道具に心得のある方であれば、内容を置き換えてチャレンジしていただけると思います!
      愛機「リーガルブレッドメーカー」の
    パンケースが寿命を迎え
    2013年春にこちらのHBに買い換えました

    練り・発酵・焼成が独立しているため
    製パンの自由度が飛躍的にUP!

    ドライイーストで焼く普通のパンも
    美味しくできて、
    今のところ全く不満は無いです♪




     計量スプーン
      レシピ中に出てくる「小さじ1/5(1cc)」やビタミンC溶液を作る際の「0.1cc」と言うのは普通の計量スプーンには無いサイズですね。

    今回使用したのは微量用のもの
    日常的の家事には全く不要なものですが、スパイスを計量するのにも便利で、製菓や製パンを行う方にとっては結構使える道具です。

    一応目安になる重量も記載しましたので、微量計をお持ちの方は計って計量する方法もあります。

    重量で計り取る方が正確だと思いますが、それ以外の計量がアバウトめなこともあり、厳密さよりも手軽さ優先で計量スプーンを愛用しています。

      私が使っているのは
    極厚計量スプーン4本組
    0.1cc、0.25cc、0.5cc、1cc(小さじ1/5)、
    のセット
    微量を計り取るのに超便利!




     発酵用保存容器
      このレシピではメインの発酵を冷蔵庫で行っています。
    そのため、生地が発酵する大きさに合わせた保存容器が必要になります。

    私が使っているのはフレッシュキーパーLock&Lockの2.3L
    今回のレシピ分量で作る場合、発酵後の生地のサイズ的にはもう一回り小さくてもいけるかな?という感じではありますが、密閉して冷蔵発酵をさせるため、発酵中に出るガス等々を考え、いくらかは余裕のある大きさの容器を用意する方が安心ではあります。

    こういった保存容器が無い場合には、ボウルなどに生地を入れラップで密閉して対応することもできます。
    今回のレシピですと生地はだいたい1.5倍くらいまで膨らみますので、それに応じた大きさのボウルを選んでください。

    ところで最近では抗菌仕様の調理道具が多く出回っていますが、酵母とのおつきあいに抗菌製品は控えるのが無難です。
    パン酵母(自家製酵母)も、元をただせば菌類です。
    保存容器には抗菌加工が施されていないものを選びましょう。

      フレッシュキーパーLock&Lockの2.3L
    四点止めで密封できるのが特徴の保存容器

    本当はもっと簡易なものでよかったのですが
    最近ではほとんどの製品が抗菌仕様で
    極端に安い製品以外で抗菌でないものが
    これしか身近で見つけられなかったという・・・

    元種作りでは
    ラストロウェアのスクリュートップキーパー
    が便利です





     めん台とガス抜き棒
      キメの細かい食パン作りのポイントは、丁寧なガス抜きと適切な成形がミソだと感じています。
    (まあ、私の場合、まだ修業中の身なので、内層にどでかい穴が空いちゃったりしてますけども・・・)

    特に最終成形前にはかなり強めに生地を押し広げてガス抜きをしますので、めん台とめん棒は大きめのものが必要になります

    写真は最終成形の様子で、使っているのは幅53.5×奥行43.5サイズの人工大理石製めん台です。
    初めのうちは少し大きめのまな板で代用していたのですが、伸ばした生地がまな板からはみ出てしまい、端の方にたまったガスがうまく抜けずにてこずったことからめん台の購入に踏み切りました。

    我が家にはマトファーのシリコンマットなどもあるのですが、パンの成形のように作業が短時間で終わる場合にはさっと出せてさっとしまえる道具の方が、重たいし大きいしかさばるんですけれども、便利だったりします。

    また、ガス抜き棒は、普通のめん棒でも良いのでしょうが、表面に凹凸があるタイプの方が、生地もくっつかないし効率よくガスが抜けている気がするのでオススメです。
    こちらも1.5斤分の生地を伸ばすので、(出来れば)35cm程度の長めのものを用意します。
      最終成形で使っているのが
    人工大理石パンこね台
    ガス抜きめん棒

    私が購入したのはミルクキャラメル
    本当はラッテが欲しかったのですが
    欠品になりこちらに変更をすすめられました

    ただやっぱり、打ち粉の色が見えにくいので
    もう少し濃い色のラッテがお勧めだと思います





     長時間タイマー
      我が家では、100時間タイマー(×2台)に100日計Canonの長時間タイマー(10時間)ダブルタイマー、そして普通のタイマーと、合計6台のタイマーが活躍しています。

    中でも、自家製酵母のパン作りにおいては、酵母液を仕込む際に100日計、元種を仕込む際に100時間タイマーが、非常に役立ちます。
    言うまでもなく、どちらも一般的なタイマーよりも長時間にわたって時間管理ができるのがポイント!

    Amazonのレビューでは100日計はあまり評判が良くなくて、確かにストップやリセットのボタン操作がしづらかったりと不便な点もあるのですが、自家製ハムづくりなども行っている私には無くてはならない一品です。

    長時間といえばCanonの長時間タイマーも持っているのですが、こちらは私にとっては何気に使いづらく製菓ではなく料理の方で使っていますね。
    「使いづらい」理由はカウントアップとダウンの使い分けが、ボタン操作で切り替えないといけない点が大きいかな?
    TANITAのほうはゼロ点でスタートを押すとカウントアップ、時間セットでスタートするとカウントダウン、と切り替えが無いのに対し、ばCanonのほうはいちいちボタンを押して切り替えないといけない。
    その代わり、後者はカウントアップとダウン両方同時に作動させることができて、1台で2度オイシイ(?)機能付きですが、私はそこまで器用で無く、そういう使い方は出来てません。
    ただ、ボタンの操作音がある点についてはCanonも捨てがたい。
    TANITAのタイマーで、ボタンを押したつもりが動いてなかった、と言う事が何度もあるので・・・。

    とまあ、長時間タイマーもいろいろなんですが、自家製酵母パン作りにおいては、あると絶対便利なのは、間違いないです。

      元種とカレンズ酵母を仕込み中
    100時間タイマーと100日計で
    それぞれ時間管理

    タイマーが多すぎて
    何を計っているのか分からなくなることが
    しばしばあるので
    マグネット式ホワイトボードを購入・・・
    必要事項を記入して作業しています

    冷蔵庫にごちゃごちゃ貼るのは
    あまり好きではないのですが
    オーブンの焼成時間など
    ちょっとした変更点をすぐにメモできるなど
    ホワイトボードは意外に便利♪
    活躍しています!






















【楽天市場】北海道からのめぐみ

うちでは小さい子供に食べさせているので
小麦粉はなるべく国産のものを選んでいます。
特に北海道産小麦については、
私の知る限りこのお店が一番安い。
そのうえ7200円以上で送料無料になるので、
頻繁にパンを焼く人にとっては利用価値大です。
頻繁に「麦まつり」なるセールも開催されるので要チェック!
ただし、北海道からの発送なので、
商品到着までには少々時間がかかります。

【楽天市場】北海道からのめぐみ

個人的には値段と質の関係から失敗の少ない
「はるゆたかブレンド」がおすすめですが
せっかくなのでお気に入りを探してみたいという方には
こちらのお試しセットがオススメ!

私は超リピーターなので利用できませんが
初めての方はぜひぜひ!






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