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西洋菓子のスパイス考 @ − ハレの日のお菓子たち 記事登録日:2013/04/30
最終更新日:2017/05/11
 
先日、弓田亨氏の著書Patisserie françaiseそのimagination (1)を拝読していたら、「クッキーなどの焼き菓子にはシナモンを少量加えると良い」と書かれているのを発見しました。
加える量は、ほんの少々。
たったこれだけでも、シナモンの持つ抗酸化作用や防腐作用により焼き菓子の風味や質の劣化を軽減できるのだそう。
確かに、北ヨーロッパでよく見られる、長期保存を前提としたクリスマスの飾り菓子にはたいていスパイスが加えられていますよね。
これは!
クッキーハウス作りが趣味の私としては、見逃せない話題です。
ところで、この飾り菓子、国や地域ごとに似たようなものがたくさんあるのです。
それらは同一のような気もするし、やっぱりそれぞれ違うような気もするし・・・。
違いは何?材料は?スパイスの配合は・・・?
なんだかとっても気になってきた!ので、 調べてみました。
日本人にはなじみの薄い、スパイシーなお菓子たち。
今年のクリスマスは、北ヨーロッパの国々にならい、ハレの日の香りで家中を満たしてみませんか?






・西洋菓子におけるスパイスの存在 ・まとめ ミックススパイスのレシピのみ
確認したい方はこちらをどうぞ↓
・カトルエピス Quatre épices ・番外編;チャイミックス(近日更新予定) Cpicon ミックススパイス;カトルエピス
・パン屋のカトルエピス Quatre épices de boulanger ・参考書籍 Cpicon ミックススパイス;パン屋のカトルエピス
・パンデピス Le pain d'épices ・スパイス購入のおすすめネットショップ Cpicon ミックススパイス;パンデピス
・スペキュロス Spéculoos ・ポイント&雑感 ミックススパイス作りの注意点他 Cpicon ミックススパイス;スペキュロス
・ジンジャーブレッド Gingerbread Cpicon ミックススパイス;ジンジャーブレッド
・レープ クーヘン Lebkuchen   Cpicon ミックススパイス;レープクーヘン





西洋菓子におけるスパイスの存在
日本人には若干縁遠い印象の、「甘いもの&スパイス」の組み合わせ。
ただ、洋菓子においてもスパイシーなお菓子というのはそれほどバリエーションがあるわけではないように思います。
フランスのパンデピス、ベルギーのスペキュロス、ドイツのレープ・クーヘン、スウェーデンのペッパー・カーカ・・・・・。
名前こそ違いますが、どれも素朴な雰囲気を持つ焼き菓子。
現在では季節を問わず店頭に並ぶものもあるようですが、実はどれも元々は、クリスマスを彩る、年に一度の一大イベント用のお菓子なんですよね。

調べてみると、ほとんどすべての北ヨーロッパの国々にスパイスを利かせたクリスマス用の焼き菓子が存在します。
なぜ?
その歴史は11世紀、十字軍の遠征にまでさかのぼるようです。

十字軍と言うと、「中世に西ヨーロッパのキリスト教、主にカトリック教会の諸国が、聖地エルサレムをイスラム教諸国から奪還することを目的に派遣した遠征軍のこと」ですが、この軍隊の東西大移動は「東方の文物が西ヨーロッパに到来するきっかけ」ともなりました。(「」内はWikipedia より引用)
例えば前述の「パンデピス」については、フランドル地方(現在のベルギー・フランダース)の領主(ゴッドフリー・ド・ブイヨン?)率いる部隊が十字軍に参加、遠征先のパレスチナから中国伝来のスパイスと蜂蜜が入ったパン(焼き菓子)を持ち帰ったのが起源、とされているようです。

思うにこの「目新しい焼き菓子」は、持ち帰った自国のみならず、中東からベルギーまで、帰路にヨーロッパを横断する道すがら、滞在した町や村に異文化の香りを残し、影響を及ぼしたに違いありません。
パンデピスについてはその後14世紀に、フランドル王女マルグリット(マルグリット・ド・ダンピエール?)がブルゴーニュ公国に輿入れした際、フランス(ディジョン地域)に伝えられ、その後も王族の婚姻等による文化交流で各地に広がり、それぞれの風土にあわせて発展していった、とのこと。
このパンデピスが各地の風土に合わせて姿・形を変え発展していった姿が、北ヨーロッパ全土に伝わる「スパイスを使った焼き菓子」なのだそうです。


レシピ同様、これらのお菓子に使われる「スパイス」の大半は東方伝来の品であり、ヨーロッパ原産のものではありません。
今でこそ手軽に入手できるようになったスパイスですが、かつては非常に高価で珍重される品でした。
そんな高級食材であるスパイスを嗜好品のお菓子に用いるのは、相当な贅沢であったに違いありません。
これらのお菓子が祝祭イベントに用いられるのも納得です。
しかも、共通して多用されるシナモンやジンジャーには体を温める効果があるので、これらのお菓子が根付いている北ヨーロッパのクリスマス時期にはもってこいのレシピです。
また、スパイスには素材の酸化や劣化を抑える働きがあるのだとか。
クリスマスを待つ間、室内を飾り、少しずつ大事に食べられてきたこれらのお菓子は、長い保存期間にも耐えうる、非常に「合理的なお菓子」でもあったわけです。

このページでは、北ヨーロッパ地方のクリスマス菓子に使われるスパイスを中心に、その特徴と配合を考察し、自作する際のポイントを探ってみようと思います。






カトルエピス Quatre épices
さて、まずはじめにご紹介するのは、フランスを代表するスパイス「カトルエピス」。
カトルエピスとはカトル(quatre=4)エピス(épices=スパイス);つまり四種のスパイスをミックスしたブレンドスパイスのこと。
基本的にはメインとなる辛みスパイス(ホワイトペッパー・ブラックペッパー・レッドペッパーもしくは赤唐辛子のうち一種類)に香りをプラスするスパイス(シナモン・クローブ・ナツメグ・ジンジャーのうち三種)を合わせたものを言うそうです。
→ 参考 ; marmiton, zoom epice, Melanges 4 ou 5 epices他。(ジンジャーは辛み系スパイスとされることもある)

フランスで商品として販売されている「カトルエピス」は上記四種の香り系スパイスにホワイトペッパーが入った五種のブレンドが主流のようです。

私はてっきり香りがメインのミックスかと思っていたのですが、基本的には辛み系(フランスで特に好まれるのはホワイトペッパーらしい)がメインになるようですね。
このページでは製菓に使用するという視点から見ていますが、カトルエピスは本来肉や魚料理の風味付けに使われるスパイスなのでペッパー類が主役になるのも納得です。

シナモン・クローブ・ナツメグ
フランス的ミックススパイスの大定番!
ですが、
オールスパイス一発で代用可・・・とも・・・






ページを作成するにあたり参考にさせていただいた書籍で使われていたカトルエピスのスパイス例は以下の通り。

  スパイス名人宣言
    ホワイトペッパーがかなり多めでナツメグ・ジンジャー・クローブ(ジンジャーは顆粒を使用)
  味つけ名人になるシーズニング便利帳
    ブラックペッパー・ナツメグ・クローブ・ジンジャー(ペッパーとクローブはホールを挽いて使用)
  スパイス&ハーブの便利帳 おいしい活用術
    ホワイトペッパーが多めとナツメグ・オールスパイス・ジンジャーが同量
     (それぞれ、スパイスは使用量が多い順に並んでいます。具体的な量についてはそれぞれの書籍を参考にしてください。)

上記書籍を参考に、料理用としてアレンジしてみた分量がこちら↓。

Cpicon ミックススパイス;カトルエピス


出来上がってみた印象としては、ホワイトペッパーが強すぎて他の香りの印象は薄め、拍子抜けするくらいクセのない仕上がりになりました。
特にブレンドしたての時にはホワイトペッパーの香りしかしないくらいですが、実はこれでも参考書籍よりホワイトペッパーの量を減らした配合になっています。
料理の下ごしらえには使いやすいブレンドかもしれませんが、ミックススパイスらしい個性的な風味を期待するならホワイトペッパーを少なめにして様子を見るのはいかがでしょう?
実際、フランスのサイトで紹介されているレシピではそれぞれ同量づつ配合するものもあったくらいですから。
とはいえ、実際に使用してみたところ、ホワイトペッパーの香りは調理とともに薄らぐのに対し、その他のスパイスはより主張する印象に変化しました。
ミックススパイスの「効果」は、使ってみないとわからないところがありますので要注意です。
(このことについては、下のポイント&雑感に記した感想も合わせてご覧ください。)

レシピ中のホワイトペッパーですが、こちらは同量のブラックペッパーに置き換え可能です。
スパイス名人宣言によると、フランス料理にはブラックよりもホワイトペッパーが多用されるようで、それに倣い上のレシピではホワイトペッパーを使用してみましたが、市販のカトルエピスには(下にも書いてありますが)白コショウのものも黒コショウのものも、両方存在します。

その他にブレンドされるスパイスの中では、レシピ本を参考にして、ナツメグの量が多目の配合になっています。
ナツメグの匂いが少々きつめなのがこれまたフランス風なのだそう。
苦手な方はシナモンと同量まで減らしてみてください。

レシピでは使いきれるように分量をかなり少なめにしたつもりですが、出来上がりは合計20g。
市販のスパイス小瓶が15g前後なので、そこそこの量になっています。

使用方法は肉料理の下ごしらえやムニエル、煮込み料理などに、ホワイトペッパーと同じ要領で。
とりあえずは、ぱぱっとごく少量振りかける程度に抑えて、味見をしつつ加減してみてください。
他にもナツメグを加える料理、例えばホワイトソースやハンバーグなどにも向いています。
加熱調理ではホワイトペッパー以外の香りが強く残りますので、入れ過ぎないのがポイントだと思います。

カトルエピスは、フランスではごく一般的なミックススパイスですが、日本でどちらかと言うとマイナーな部類に入るでしょうか?
専門店以外で見かけることはまずありませんよね。
でも、配合されているスパイス自体はスーパーで普通に売っているメジャーなものなので、是非オリジナルのミックススパイスに挑戦していただきたいと思います。

あれこれそろえるのはめんどくさい、と言う方にはブレンド済みのものもあります。
マスコットフーズのカトルエピス(オールスパイス・アニス・ナツメグ・ジンジャー・ホワイトペッパーを配合)やフランスから直輸入しているというレピスエピスカトルエピス(黒胡椒・クローブ・シナモン・ナツメグを配合)など、前述の通り配合は業者によって違うので、使い比べも楽しいですね。


ところで、カトルエピスはオールスパイス(フランス語では tout-epice)の別名でもあります。
オールスパイスはシナモン・ナツメグ・クローブ・ペッパーの香りを併せ持つ、まさに「all spice」、カトルエピスの代用に単品で使う事も出来るようです。
私が作った料理用カトルエピスと比べてみましたが・・・、うーん、似てますかね???
確かにオールスパイスはクローブやシナモンの風味を感じるような気はしますが、同時に青臭さも感じます。
味的にはカトルエピスはホワイトペッパーの辛みを強く感じますが、オールスパイスはほとんど無味。
料理用カトルエピスの様に使うならコショウとオールスパイス同量をブレンドすると似たような雰囲気になりそうです。


余談ですが、フランス語の口語では「特定の料理に定番のミックススパイス」を「カトルエピス」と呼ぶ傾向もあります。
例えば北アフリカ料理のクスクス用の「カトルエピス」(Ras el hanoutと呼ばれ、実際には27種類のスパイスが入るそう)とか、モロッコ料理の「カトルエピス」(ペッパー・クミン・ジンジャー・パプリカまたはターメリック)などなど、「〜用のカトルエピス」=「〜用のミックススパイス」と言う感じですね。


また、サンクエピス(Cinq epices 五種のミックススパイス)というものもあります。
こちらはペッパー・八角・シナモン・クローブ・フェンネルが基本で、カルダモンやジンジャーが入ることもあるそう。
中華料理に使われる五香粉がその起源だそうですが、日本のWikipediaによると本場の五香粉には「桂皮(シナモン)、丁香(クローブ)、花椒(カホクザンショウ)、小茴(フェンネル、ウイキョウ)、大茴(八角、スターアニス)、陳皮(チンピ)」などが入るそうで、日本の市販品にも陳皮(マンダリンオレンジの皮が原料)は必ず入っているようなので、風味には若干の違いがありそうです。







パン屋のカトルエピス Quatre épices de boulanger
さて、製パン・製菓で使われる「カトルエピス」ですが、基本的には前項でご紹介した五種ミックスと同じものです。
ただ、辛み系スパイスを抜いたシナモン・ナツメグ・ジンジャー・クローブの香り系スパイス4種のみで「Quatre épices de boulanger」(パン屋のカトルエピス)と呼ぶこともあるようです。

配合についてですが、特に「これ」と言うレシピが見当たらなかったので、私なりにアレンジしてみました。
それがこちら↓。

Cpicon ミックススパイス;パン屋のカトルエピス


ホワイトペッパーを除きシナモンの量をナツメグと同量に増やしてみました。

オリジナルで自作する場合はとりあえず小さじ1杯程度、全てを同量でブレンドし、好みで香りを調節、スパイスの追加をすると良いでしょう。
例えばクローブなどは独特の強い香りと苦い味のあるスパイスなので、私のレシピでは他のスパイスに比べ量を1/5程度に抑えてあります。
ですが、インド料理と違い、あくまで風味付けで少量使用するのが基本なので、味的なものはあまり気にせず香り重視でブレンドすることも可能です。

マスコットからは
ペストリースパイスミックスという商品も
販売されています

マスコットフーズでは
単体のスパイスもバリエーションが豊富で
充実していますが
カトルエピスイタリアンハーブミックス
ハンバーグ用ステーキ用などなど
シーズニングやミックススパイスも
たくさんあります






市販品ではマスコットフーズからも「ペストリースパイスミックス(シナモン・チンピ・クローブ・ナツメグ・メースを配合)」というのが出ています。
ナツメグとメースのダブル使いで「ナツメグ」の匂いがシナモンよりも若干主張気味ですが、ジンジャーの代わりに陳皮で柑橘系の香りをプラス、ほんのり爽やかさの香るブレンドで、おすすめです。

「パン屋のカトルエピス」は小麦粉100gに対し小さじ1(約2g)くらいからお好みで加減し、パンや焼き菓子、アップルパイ・フィリングの香り付け等、ナツメグやシナモンを使う場面で同様に使用することができます。






パンデピス Le pain d'épices
パンデピス(pain d'épices)とは、直訳すると「スパイスのパン」。
日本ではパウンドケーキに似た風貌のものがよく知られていると思いますが、フランスでは地域によってパウンド型のものや堅焼きクッキー状のものなど、いくつか種類があるそうです。
それらの詳しい解説は下にリンクしたサイトに譲るとして、ここではパンデピスに使われるスパイスに注目してみたいと思います。

ネットやレシピ本で公開されているレシピを比較すると、使用されるスパイスはアニス・ナツメグ・クローブ・ジンジャー等が同量と、それらの合計と同じだけのシナモンを配合、と言うのがよくあるパターンです。
例えば、上記4種を1gづつとシナモン4gをミックス、といった感じ。
その他のスパイスのバリエーションとしてはオールスパイスやカルダモン、ホワイトペッパーなどなど、砂糖と合うとされるスパイスや甘い香りがするものなどが割合自由に配合されているのがうかがえます。

これらの香辛料のうち、パンデピスの核になる香りは「アニス」ですね。
前述の通り、分量としてはシナモンが最も多く配合されるのが一般的ですが、香りの強さとインパクトから言うと「アニス」が一番のポイントになると、私は思います。

アマゾンで販売されている
フランス産 PAIN D'EPICE

日本では
トップに八角やシナモンが飾られた
見た目のインパクト大!なものを
良く見かける気がしますが
こちらは随分とシンプルですね




この「アニス」の香り、使用されるスパイスには「アニスシード」と「スターアニス」の二種類があります。
地中海原産でヨーロッパでは古くから使われていたスパイスの「アニスシード」と中国原産でアニスシード同様「アネトール」という芳香成分を持ちアニスシードと同じ香りがする「スターアニス(八角)」。
(二つの違いについては下のポイント&雑感;アニスシードとスターアニスをご覧ください)
パンデピスが中国由来のお菓子であることを考えると、ここで使われるべきは「スターアニス」が正しいという事になるでしょう。
ただ、アニスシードが柔らかい芳香を持ち口に含むとほんのりとした甘さを感じるのに対し、スターアニスの臭いは強烈でしかも強い苦みもあるスパイス。
特に日本人には八角の香りが苦手な人も多いですし、菓子として仕上がった時の風味を考えると、使用にはアニスシードのほうが、個人的にはお勧めです。
実際、プロのレシピを見るとスターアニスを使用する場合、ホールのものを煮出してシロップに香りを移す等の使い方が主流で、スターアニスのパウダースパイスは生地に加えない・もしくはごくごく少量加える程度、という感じでした。


パンデピスを実際に作る場合、一番贅沢かつ手の込んだスパイスの使い方は、前述の通りホールスパイスを煮出してシロップに香りを移す方法。
(下のリンクの辻調おいしいネット・パンデピスレシピメゾンカイザーのパンデピスレシピがこの作り方にあたります)
移り香を利用する方法は苦みを持つスパイスの味への影響が少なく、生地に柔らかな香りが付くので最も上品に仕上がるはずです。
煮出す際に使用したスパイスは飾り用に再利用(?)されるようですが、これにはデコレーションという目的以外にも、ホールスパイスを焼き上がった生地とともに保存することでより強く香りを移す役目もあると思います。

逆に日本で作る際に一番手軽なのは、市販のカトルエピスや五香粉に特定のスパイスを追加して利用する方法。
カトルエピスの場合はシナモンとアニスを、五香粉の場合はシナモンを追加して香りを整えるパターンが多いようです。
日本で一般的な五香粉には「陳皮(チンピ、マンダリンオレンジの皮)」が入っていますが、パンデピスにも柑橘系の皮のすりおろしをプラスするレシピがあることから、好んで代用される方も多いようです。

フランスでは「パンデピス用のミックススパイス」が販売されており、いくらか容易に入手できるようですが、自作のレシピを公開されている方も結構いらっしゃいました。
中でも評判が良かったのがこちら。 → Les Jardins de Pomone , Melange pour pain d'epices et speculoos
上のページのレシピを元にアレンジして作ってみたのがこちら↓のレシピになります。

Cpicon ミックススパイス;パンデピス


実際作ってみましたが、かーなり複雑な良い香りで、私は気に入りました!
食べた時にはちょっとアニスの風味をきつく感じるので、苦手な方はシナモンと同量まで減らした方が良いかもしれません。
(余談ですが、フランス人はアネトール臭がとても好きみたいです。アニスが多めなこちらのレシピはフランス人向きの配合なのかもしれません。)
でも匂いは本当に良いので、おすすめのミックススパイスです!

今回使用したスパイスは多い順に
アニスシード、シナモン、コリアンダー、
ジンジャー、メース、
カルダモン、クローブ
の7種






ただ、スパイスを自分でブレンドするとなると・・・・・。
必要なスパイスがスーパーで揃うカトルエピスと違い、パンデピスは使用するスパイスの種類も多いですし、アニスシードやカルダモンの粉末などは簡単に入手できないかもしれません。
あれこれ買う事を考えると、すでにミックスされているものの方が魅力的?かもしれません。
ところが、パンデピスミックスは余り需要が無いようで・・・。
楽天市場Cottaさんで販売されていますが、量が多くて高価、これで好みの香りで無かった場合、悲劇です。

ということでやっぱり自作ミックススパイス、おすすめします。

使用の際は、パン屋のカトルエピス同様、小麦粉100gに対して小さじ1(約2g)から。
もしくはレシピにあるスパイスの分量合計をミックススパイスに置き換えて使用します。

実は私はこちらのミックススパイスをもっぱらクッキーなどの風味づけに使っています。
いわゆる「パンデピス」については研究中なので、とっておきレシピを見つけた際にはまたご報告させてもらうとして・・・
とりあえず今のところ気になる&オススメだと思うレシピをリンクしておきます。

  - 辻調おいしいネット パンデピス
    アルザス風ケーキタイプ・パンデピスの本格派レシピ。柑橘系の風味が加わるのがアルザス風の特徴?
  - Recette pain d'epices de la maison Kayser メゾンカイザーのパンデピスレシピ
    Youtubeに投稿されているメゾンカイザーのパンデピスレシピ。仏語ですが本格レシピの動画は非常に参考になると思います。
  - CUOCA クオカオリジナルレシピ パンデピス
    ランス風パンデピス(?)。特別ランス風とは書ないのですが、ライ麦入りと言う事で。
  - Marmiton, Pain d'epices de Dijon
    ディジョン風パンデピスとして紹介されています。仏語のサイトですが興味のある方は是非!
  - Le Petit Citron Pain d'épice d'Alsace アルザス地方のパンデピス
    アルザス風クッキータイプのパンデピスレシピです。


パンデピスに関する詳しい情報が紹介されているサイトはこちら!

  - キャナール♪パレード パンデピスの話
    鴨料理専門店、ル・キャナール・ドレのオフィシャルブログ。パンデピスの歴史が詳しく書かれています。
  - 辻調グループ総合情報サイト 食のコラム&レシピ 【とっておきのヨーロッパだより】パン・デピスを巡る旅
    辻調現地校スタッフのレポート。いろんな種類のパンデピスについての解説。豊富な写真が参考になります。
  - アルティザン・テラ アルザス&ブルゴーニュ地方のお菓子パン・デピス
    フランス地方菓子に造詣の深い大森由紀子さん監修のパンデピスに関するコラムです。
  - Carotte & Lychee 10Maison de pain d'épice spectaculaire
    モントリオール在住の女の子二人のブログ。パンデピスで作ったプロによるお菓子の家が圧巻!仏語ですが写真だけでも見る価値あり!

 





スペキュロス Spéculoos
スペキュロスはベルギーの伝統的なスパイス・ビスケット。(スペキュラス、スペキュラースとも)
「オランダやベルギーでミラのニコラオスの日(オランダでは12月5日、ベルギーでは12月6日)に食べられるクッキーの一種」です。(出典;Wikipedia/スペキュラース)
元々は聖ニコラウスの日のための祝祭菓子でしたが、現在ではベルギーを代表する焼き菓子として、一年を通して店頭に並んでいるようです。

「スペキュロス」と言う名前になじみがなくても、「ロータスのカラメルビスケット」に見覚えがある方は多いのでは?
カルディなどの輸入食材店でよく見かける、カラメルとシナモンの風味が特徴の赤いロゴが印象的なクッキーがこれ。
おそらくは米国輸出用に分かりやすくキャラメルビスケットとなっているのだと思いますが、フランスなどでは同じ商品がスペキュロスとして販売されています。

フランスやベルギーでは2009年にロータス社が「スペキュロス・スプレッド」を発売したことから、パティシエの間でちょっとしたスペキュロスブームが起こったとか。
日本でも2012年に大丸東京店にベルギーの老舗「メゾン・ダンドア」が国外一号店がオープンするなど、スペキュロスは今後大注目の焼き菓子(?)なのです。


というわけで、スペキュロス!
と、それに使われているスパイスに注目してみようと思います!

とは言ったものの・・・。
私は「本物のスペキュロス」を食べたことがなくてですねぇ・・・。
とりあえず、今回この記事を書くために、ロータスのビスケットを買ってきました。
そこでわかったことですが、ロータスのビスケットには香辛料はシナモンしか入っていないんですね。
(ついでにバターも使われていません。植物油脂だそうです。)
シナモンだけ、っていうのではミックススパイスにならないので、
レシピ本やネットで公開されているレシピを探ってみることにしました。

レシピ本では藤野真紀子さんの私の好きなお菓子 の中で「スパイスクッキー」としてスペキュロスが紹介されています。
また、味つけ名人になるシーズニング便利帳ではデザート用のシーズニングとしてスペキュロス・ミックスが紹介されており、活用例としてスペキュロスクッキーの作り方も紹介されています。

更にネット上では「ノリエット」の永井紀之氏のレシピとして公開されているものや、フランス人のお知り合いから入手されたレシピを紹介されている個人の方のブログなどなど、検索すると意外に沢山の情報が得られました。

ロータス社のカラメルビスケット
ご存知の方も多いのでは?
実はこれのベースはスペキュロス

奥に写っているのは
カラメルビスケットスプレッド
2009年に新商品として
発売されたものだそうですが
今ではフランスでもヌテラに次ぐ
人気のスプレッドらしいです

本国にはビスケットの粒が入った
Crunchy」と言う商品もあるそうで・・・



スペキュロスの老舗
メゾンダンドアのスペキュロスクッキー
2012年には大丸東京店に
ベルギー国外一号店がオープンしました

(メゾンダンドアの公式HPはこちら



これらのレシピを、スパイスについてのみ、まとめてみます。

香りの軸になるのは何と言っても「シナモン」。
それ以外にクローブ、カルダモン、ナツメグ、アニス、ジンジャー、ブラックペッパー等が加えられることはありますが、これはあくまでシナモンの香りを消さない程度、風味づけに少量配合されるのが普通。
シナモン以外のスパイスを合計しても、シナモンの半分以下、もしくは1/4程度になっています。

スペキュロスを作るためだけであれば、その都度指定されたスパイスをその分量だけ加える方法が一番合理的。
この場合、出来るだけシンプルな材料で作れる方がありがたいですよね。

ただ、ミックススパイスを作っておけばサブレやダコワーズ等、レシピ外で応用する場合にも手軽に使えて便利です。
そしてその場合、いくらか複雑な風味の方が「作った感」が増すというもの・・・♪

と言うわけで、参考レシピを元にブレンドしたのがこちら↓。

Cpicon ミックススパイス;スペキュロス


特にこちらのサイトのスパイスレシピを参考にさせてもらいました。(フランス語のページですが、スペキュロスの作り方写真も豊富で勉強になります)

レシピにあるホワイトペッパーはお好みでブラックペッパーに変更することができます。
実際、日本で紹介されているレシピではブラックペッパーの方が主流(?)のようです。
更にレモンの皮を少量追加するレシピもありましたので、こちらもお好みで。
ミックススパイスの使用量はレシピにあるスパイスの合計と同量、もしくはパンデピスと同様に小麦粉100gに対して小さじ1(約2g)から。
基本的には「シナモン」なので、アップルパイ・フィリングへの香り付け等にも使えます。


ところで、
香辛料ではありませんが、スペキュロスの香りに欠かせないもう一つの素材が「ヴェルジョワーズ」。
フランス菓子に使用される砂糖では「カソナード」が有名ですが、こちらの原料がサトウキビなのに対しヴェルジョワーズはてん菜(砂糖大根)から作られます。
 原料の違いによる「砂糖」の違いはこちらのサイトが参考になります。
 → 知恵の生活 ”体を温める砂糖「てんさい糖」の話”

成分的な違いはともかく、風味の違いもありますので、「スペキュロス」を作るなら「ヴェルジョワーズ」は必須です。
てんさい糖ならスーパーでも売っていますし、百歩譲ってきび砂糖と言う手もありますが、ヴェルジョワーズの「濃さ」は別格。
試してみる価値のあるお砂糖です。


今回使用したスパイスは多い順に
シナモン、メース、ジンジャー
クローブ、ホワイトペッパー
カルダモン、アニスシード、の7種類



 ヴェルジョワーズ(左)と、きび砂糖(右)
それぞれを使用したクッキーです

同じ「粗糖」ですが
濃さが全く違うのは見た目でも歴然
もちろん味も違います

スペキュロスが持つ独特の深い色合いと
キャラメルの風味はやはり
ヴェルジョワーズならではのもの!



さて、冒頭でご紹介した話に戻りますが・・・。
「ミラのニコラウス」とは4世紀ごろに実在した聖人ニコラウスのこと。
サンタクロースのモデルともされる人物で、特にクリスマス時期に店頭に並ぶスペキュロスは聖ニコラウスにちなんだモチーフのものがが多いそうです。
この時成形に使われるのがスペキュロス用の木型なんですね。
日本では製菓用品の専門店でもまず取り扱っているところは無いと思うのですが、ネットでは輸入品を販売されているところがいくつかあります。
特に充実しているのがこちらのサイト → decora-shop お菓子道具の専門店
このお店の「ローリングピン & cookie mould > wood*mould」のページでアメリカ製ですがスペキュロス用の木彫りの型を見ることができます。

2017年5月より、楽天市場の馬嶋屋さんでオランダから輸入されたスペキュロス用木型の取り扱いが始まりました!
(オランダから輸入されたというだけで、オランダ製ではないかもしれませんが・・・)
比較的安価で、家庭でも使いやすそうな大きさ。
木型で抜いた素朴な形の本格スペキュロスが気になる方は、要チェックです!    

さて、この木型、使ったことのない方にはどんなふうに仕上がっていくのか、気になりますよねぇ。
ってか、うまく抜けるんだろうかと・・・。

この「木型」を使った伝統的なスペキュロスの作り方をYou Tubeで見つけましたのでご紹介します。
(木型での型抜きは5分50秒ごろから始まります)



抜き上がった生地の繊細な模様はとても魅力的なんですが、焼き上がりは・・・少々ぐでぐでと申しますか、微妙なのが残念・・・。
レシピにもよるのでしょうが・・・。

で、見つけました!スペキュロスの黄金レシピ。
カフェ-スイーツという雑誌で見つけた、近藤冬子パティシエのレシピです。
ベルギーで修業の経験のある方なので、おそらく間違いなし!
そのレシピをアレンジしたものをクックパッドに投稿しています。

Cpicon 本格!スペキュロス・クッキー

また、別ページでこのレシピの解説をしていますので是非そちらもご覧ください。
 西洋菓子のスパイス考A 〜クリスマスを彩る、お菓子たちのレシピ集〜 「スペキュロス」


ところでこの「スペキュロス」、ガリガリとした食感にほんのりシナモンの風味・・・、私などは食べるとなんとなく懐かしい気分になるのです。
考えたんですけど、「泉屋のスペシャルクッキーズ」に似ているんですね。
(昔、進物用の洋菓子と言うとこれが定番だったんですよねぇ・・・年がばれますなぁ・・・)
泉屋のクッキーのルーツはスコットランドの家庭菓子らしいですが、シナモンやクローブなどの香辛料が入っているそうなので、そう思うのでしょうか?


さて、
上記に加えて更に深くスペキュロス作りを学ぶのに勉強になるサイトはこちら!

  - Club de la galette des rois  永井紀之氏のスペキュロスレシピ
    クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワのHPで公開されている「ノリエット」の永井紀之氏のレシピです。
  - atelier cuisine フランス南アルプスより うまさ直球のこだわりレシピ 「手作りスペキュロス」
    フランス人のお知り合いの方から入手されたというスペキュロスレシピを紹介されています。
  - La Cuisine de Bernard [ Les Speculoos fins ]
    今回ミックススパイス作りでレシピを参考にさせていただいたフランスのサイト。
仏語ですが、本場のスペキュロスの作り方が写真で丁寧に説明されているので見るだけでも参考になります。


スペキュロスに関する詳しい情報が紹介されているサイトはこちら!

  - アンリ・シャルパンティエ公式HP「パリからの手紙」vol.18 味わい深いスペキュロス
    スペキュロスもそのルーツはパンデピスらしいです。
  - All About グルメ 「大丸東京店、日本初・百貨店初登場のスイーツ」
    メゾンダンドワ出店までのストーリー、主に出店の流れと現場で作られるワッフルについての記事。
  - JDNメイツリポート 菓子と菓子型のイコノロジー 木型
    アンテノールやヴィタメールなどのブランドを抱える潟Gーデルワイスが運営するエーデルワイスミュージアムの所蔵品;ヨーロッパ製菓道具約5000点についてのレポート。
伝統的なモチーフのスペキュロス用木型が圧巻。
一度行ってみたいのですが、完全予約制でしかも平日のみの受付なのが残念!






ジンジャーブレッド Gingerbread
とぼけた笑顔が印象的な人型のクッキー、「ジンジャーブレッド・マン」。
「スパイスの効いたお菓子」と言えば、これが一番知名度が高いかもしれませんね。
キャンディーケイン(杖の形をした飴)とともに、英語圏のクリスマスを代表するイメージです。

ジンジャーブレッドはその名の通り、生姜の辛みがピリリと効いた洋菓子。
パンデピス同様、十字軍が持ち帰ったレシピが起源と言われています。
ケーキ状のものや、厚焼きのソフトクッキー状のもの、おなじみの人型に抜いた堅焼きクッキーなどなど、「ジンジャーブレッド」もパンデピス同様色々なタイプがあるようですが、ここではお菓子の家づくりに使われる、堅焼きクッキーについて調べてみました。


まず、このクッキー人形。
日本では「ジンジャー・マン」と呼ばれることが多いように思いますが、英語では「ジンジャーブレッド・マン」と言うのが正確なようです。
(レシピ検索の際にも「ジンジャーブレッド・マン」の方がきちんとしたレシピがたくさんヒットします。)

クリスマスのクッキーと言えばこれ!
ジンジャーブレッドマン♪

(複数形はジンジャーブレッドメンだそうで…)

アイシングが栄える濃い生地肌は
モラセスのおかげ

明るい茶色の生地と
深い色合いになるココア入りの生地で
作ってみました



人型に抜くようになった理由には諸説あるようですが、「生姜を病気予防のため食べることを広めたイギリスのヘンリー8世を表しているというもの」(Wikipediaより引用)が有力みたいですね。
人形型の抜き型はどれも似たり寄ったりですが、よくよく比べてみるとメーカーによって手足のニュアンスがちょっとずつ違います。
その中におなかの張り出したでぶっちょのものがあるのですが、これはお太めだったヘンリー8世を模したものなのだとか。
「ジンジャーブレッド・マン」と言うからには生姜風味は必須かと思いきや、人型に焼かれたクッキー全般をこのように呼ぶ向きもあるようです。
生姜の有無はもちろん、必ずしも、スパイス入りクッキーである必要も無い、ということですね。

ただ、「ジンジャーブレッド」であるためには生姜風味は必須。
Wikipediaによると使用されるスパイスはジンジャーの他に「アニス、シナモン、ナツメグ」となっていましたが、私が見た限り、アニスよりもむしろクローブを入れるケースの方が多い印象でした。

そこで、
参考レシピを元にブレンドしたジンジャーブレッド用ミックススパイスがこちら!

Cpicon ミックススパイス;ジンジャーブレッド


そして、こちらのスパイスを使用して作る本格的なジンジャーブレッド・クッキーのレシピがこちら!

Cpicon ジンジャーブレッド・クッキー(参考にしたレシピについては下記のリンクをご覧ください)

また、別ページでこのレシピの解説をしていますので是非そちらもご覧ください。
 西洋菓子のスパイス考A 〜クリスマスを彩る、お菓子たちのレシピ集〜 「ジンジャーブレッド・クッキー」


ミックススパイスの使用量は小麦粉150gに対し小さじ1から。
参考にしたジンジャーブレッドのレシピでは最低でも小麦粉150gに対し小さじ1と1/2くらい入ったものが一般的でしたが、このミックススパイスはかーなり生姜風味がきつめで、舌に多少のピリピリ感を感じる仕上がりになりますので、初めて挑戦される方は少し少なめで試されるのが良いかもしれません。
生姜が苦手な方はシナモンと同量までジンジャーを減らすか、いっそパンデピスなど、他のミックススパイスを使用してジンジャーブレッド・クッキーを作るのもオススメ!
実際、うちの子たち(3歳と5歳)はジンジャーブレッドミックス使用のジンジャーブレッド・クッキーは一口でアウトでしたが、パンデピスミックスバージョンのものは喜んで食べていました。

スパイス以外のポイントは「糖蜜」(レシピではモラセスを利用)。
スペキュロスにヴェルジョワーズが欠かせないように、ジンジャーブレッドには糖蜜が欠かせません。
ここで言う糖蜜は砂糖を精製する際に出る副産物で、ゴールデンシロップや廃糖蜜(モラセスやトリクル)と呼ばれるもの。
特にモラセスはタールのような濃い茶色の糖液ですが、黒砂糖のようなコクのある風味が特徴。
このモラセスの香りがスパイスとうまく調和しているのがジンジャーブレッドの魅力だと、私は思っています。
味だけでなくジンジャーブレッド・クッキーの深い色合いや独特のガリッとした食感もモラセスならではの仕上がり。
一般にはあまりなじみのない素材ですが、是非手に入れて作ってみていただきたいと思います。

ちなみに、モラセスにはフル(糖度75度±2)マイルド(糖度77度±2)があり、フルの方は甘さ控えめで風味が強く、マイルドの方は黒蜜に近い感じで甘みが付けてありなじみやすい味になっているようです。
私が使用したのはマイルドの方でしたが、かなり濃い甘みのクッキーに仕上がったので次回はフルの方を使用してみようと思っています。
ただ、ジンジャーブレッド以外で利用するには、レビューを見る限り、マイルドの方が使いやすそうですね。

ところで、「モラセス」は廃糖蜜と訳されます。
廃糖蜜とは、上にも書いたように、砂糖を精製する際に出る副産物、黒砂糖から白砂糖を作る際の残りが廃糖蜜です。
と、言う事で、材料のモラセスが手に入らない場合には黒蜜(通常は糖度80度程度)で代用が可能です。
ただ、黒蜜の方が甘みが強くなりますので、砂糖分を減らすなど、レシピのアレンジが必要になります。
また、黒砂糖のみで作られた本物の黒蜜は値も張りますので、結論としてはやっぱりモラセスの使用をオススメします。

この他、蜂蜜やメープルシロップを代用するレシピもありますが、これらはモラセスとは風味が全く異なり、食感に影響する成分にも大きな違いがありますので、個人的にはおすすめしません。


本来のジンジャーブレッドは
とにもかくにも”生姜!”が命

ただし、レシピ通りに生姜を入れてしまうと
かなりピリピリした仕上がりに・・・

ジンジャーパウダーの
質にもよるかもしれませんが・・・



 「ジンジャーブレッド」作りに欠かせない
もうひとつの重要素材、モラセス

タールのような深い色合いと
黒砂糖様の独特のコク

焼き上がったモラセス入りクッキーは
バターのサクサク感に
瓦煎餅のようなガリッとした食感が加わり
なんとも素朴な雰囲気に!



 色が濃いほうがココア入り
薄いほうがココア無し

こちらのレシピではココアを
スパイスの一部として使っています

ココアは少量しか入らないので
チョコレート風味は尽きませんが
ちょっぴりコクが増す気がします



さて、
上記に加えて更に深くジンジャーブレッド作りを学ぶのに勉強になるサイトはこちら!

  - Marmiton 「Gingerbread Christmas Cookies (biscuits en pain d'epice de Noel)」
    フランスの料理サイトで最も高評価だったレシピ;私がご紹介したレシピについて基本になる分量はこちらを参考にしました。
変更点は、出来上がり量が多かったので総量を1/2に、モラセスの量が多く生地がまとまらなかったので20%減に、それでもべたついたので薄力粉の量を20%増やしました。
  - You Tube 「Gingerbread Men Recipe」
    上のサイトの分量は良さそうだったのですが、バターを溶かして使用する点が不満だったので、手順について参考にしたのがこちらのレシピ。
ただ、分量については基本分量がカップ表示でわかりにくかったこと、薄力粉の量が異様に多い点が引っかかって別サイトの分量を参考にした次第です。
  - クリーム ドリームズ ドット コム 童話の中のお菓子たち「ジンジャーブレッド」
    生クリームの中沢フーズ株式会社が運営する製菓関係の情報サイトが提供する吉田菊次郎氏のクッキータイプのジンジャーブレッドレシピ。
私がご紹介したものよりもモラセスとスパイスが少なめ・小麦粉の量は多め、なので味的にもクセがなく型抜きしやすいレシピだと思います。
  - 使える生姜!「ジンジャーブレッド」
    パウンドケーキタイプのジンジャーブレッドの作り方。オーソドックスなものの他、クルミ&ごま入りの和風バージョンも紹介されています。
  - You Tube 「英国風バナナジンジャーブレッド」
    ”大阪梅田の本格英国紅茶専門店「ロンドンティールーム」が、実際に行っている、英国風バナナジンジャーブレッドの作り方”だそうです。
  - E・recipe 「ジンジャーブレッド」
    ドライイーストを使用した、パンタイプのジンジャーブレッド、マフィン型で焼き上げてあります。


ジンジャーブレッドマンについて知っておくとためになる情報が紹介されているサイトはこちら!

  - 永谷園生姜部 生姜部だより ”クリスマスと生姜の深い関係 -- ジンジャーブレッド”
    ”あの”永谷園が運営する「生姜のための」HP、なぜクリスマスに生姜なのか、わかりやすく解説されています。
  - イチジク製薬株式会社 便秘解消レシピ ジンジャーブレッドマン
    イチジク浣腸で有名な”あの”会社のHP、全粒粉入りジンジャーブレッドで便秘解消!レシピとともに生姜の効果について解説されています。
  - アンサイクロペディア「ジンジャーブレッド」
    ウィキペディアのパロディサイト「アンサイクロペディア」でのジンジャーブレッドの記述です。
ジンジャーブレッドが非常に意地悪な視点で語られていますが、そうはいっても学ぶことが無きにしも非ずです。







レープクーヘン Lebkuchen
レープクーヘンはドイツやスイス・ドイツ語圏で親しまれているクリスマス菓子です。
「蜂蜜・香辛料、またはオレンジ・レモンの皮やナッツ類を用いて作ったケーキの一種で、ドイツを中心に中央ヨーロッパ各地で作られている」焼き菓子。(「」内はWikipediaより引用)
ケーキ状、クッキー状、ハードタイプ、ソフトタイプと種類が豊富、材料にライ麦やアーモンドパウダーが入る・入らないなど素材の違いがあるほか、地域ごとに無数のバリエーションが、と、言うあたりはパンデピスやジンジャーブレッドと似ています。
それもそのはず。
このレープクーヘンも十字軍が持ち帰ったレシピが由来なのだそう。

と、まあ、一応調べてわかったことを書いてみましたが、私にとって「レープクーヘン」は、今回挙げたお菓子たちの中で一番縁遠い存在でして・・・。
とりあえずレープクーヘンについて知っていること、と言うと、「ヘクセンハウスを作る生地」というくらいでしょうか。

【楽天市場】Die Gasse
本場ドイツから
クリスマスだけのお楽しみ
「レープクーヘン」
毎年11月ごろ限定入荷

だそうです



グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」に出てくる「お菓子の家」。
お菓子でできたこの家は、人里離れた森の奥深くに暮らす「魔女の家(Hexenhaus)」でした。
Wikipediaによると「原作では壁がレープクーヘンで、屋根は菓子類、窓は透き通った砂糖で出来ていたと記述」されていたそうです。

蜂蜜と香辛料をふんだんに使って作られた滋養たっぷりのレープクーヘンで作られた家の壁。
レープクーヘンの語源は「Leben(レーベン=命、生活)のKuchen(クーヘン=ケーキ)」と言う説もあり、妖しい魔女の住処にはぴったりの素材ですね。


ただ、 「レープクーヘン」という名称の由来や意味については諸説あり、「Leben Kuchen」(命のケーキ)説よりは、どちらかというと「ラテン語の”libum(リーブム=パンケーキ、捧げもののケーキ)”を語源と解釈される」説の方が有力なんだそうです。(「」内はWikipediaより引用)


ここ数年
気合を入れて取り組んでいる
クッキー生地でのヘクセンハウス作り

「なんとなく」バタークッキー生地で作り始め
より丈夫で変形の少ない生地作りを、と
試行錯誤を重ねてきましたが・・・

はじめっから
レープクーヘン生地で作っていれば
そんな苦労はなかったかも??!



さて、このヘクセンハウス用のレープクーヘン、「Hexenhaus Lebkuchen Rezept」で検索するとドイツのヘクセンハウスレシピのまとめページがヒットしまして、こちらでは個人が家庭で作ることを目的としているためか、食べても美味しそうなクッキー様のレシピが多数紹介されていましたが、現在クリスマス時期に販売される「商品としての」ヘクセンハウスは食べておいしいというよりは堅くて丈夫・扱いやすい「観賞用のレシピ」で作られることも多いようです。

確かに、作る側にしてみれば家を組み立てる際の利便性を考えると出来るだけ硬い生地である方が作業が容易&仕上がりが確実!ですし、購入した側としてもクリスマス時期に飾って、時間がたった末には「食べない」という選択肢も大いにあり得ます。

例えば辻調おいしいネットで見つけたこちらのレシピは卵もバターも使わない、見るからに丈夫で堅そうな配合。
蜂蜜をたっぷり使いますので、食べることを全く意識していないわけではないとは思うのですが、やはり、バターや卵入りの生地よりは食べづらそうな印象です。
ただ、手元にある古いレシピ本のレープクーヘンでもバターは使われていなかったので、このタイプの生地ではこれが本来の姿なのかもしれません。


一方「食べる」ためのレープクーヘンでは、「エリーゼン・レープクーヘン」が最も高級かつ美味しい、のだそうです。
一番上に張ったリンクの商品がそれ。
ナッツの香り豊かでソフトな口当たりが特徴なのだとか。
ヘクセンハウス用のものとは随分様相が違います。

エリーゼン・レープクーヘンはドイツ1のクリスマス市で有名なニュルンベルクの名産品。
その規格はドイツの食品に関わる法律で厳密に決められているそうです。

「生地においてアーモンド、ヘーゼルナッツ、クルミのうち最低1種類を25%以上使用すること」
「穀物粉の割合が生地の10%以下か、もしくは穀物粉とデンプンを混ぜたものが7.5%以下であること」
この規格に合うものだけが「エリーゼン・レープクーヘン」を名乗れる、とのこと。

ちなみに、「エリーゼン」というのは「エリーゼに捧げる」と言う事みたいです。
「エリーゼ」というのは、とあるレープクーヘン職人のお嬢さんの名前で、17歳で亡くなった娘へのオマージュとして自作のレープクーヘンに名付けたのが始まりなんだとか・・・。
これは1864年の出来事とされているのですが、「レープクーヘン職人」という地位は17世紀には確立していたみたいですね。
一番古いニュルンベルク産のレープクーヘンレシピは16世紀にまでさかのぼるようです。
(出典はこちらから → Saveur Passion 「Lebkuchen ou・・・ Lebkuchen ?」

そんな伝統あるエリーゼン・レープクーヘン。
法で定められた材料比率の他にも特徴が色々あるようです。

例えば、「oblaten(オブラーテン)」という台に乗せて焼かれるということ。
これは生地の成形を容易にするためと、生地が焼成時に天板に張り付くのを防止するために使用されるようです。
この時使用されるのは「Back-Oblaten」という、レープクーヘン用のオブラーテン。
そもそもオブラーテンと言うのはキリスト教カトリック教会などで聖別用に用いられる円形の薄いパン「ホスチア」が原型なんだとか。
その昔、レープクーヘンは修道院で作られていたそうで、土台にホスチアが使われているのはどうもそのことに由来するみたいです。

ところでこの「オブラーテン」、和訳では「製菓用オブラート」とされていますが、原材料に小麦粉が使われていることから、実際には日本で言うところのオブラートではなく、むしろ薄焼き煎餅に近いもののようです。
日本で売られている製菓用オブラートはボタンアメを包むようなすこーしだけ厚いかな?って感じの「デンプン製オブラート」なので、オブラーテンとは全くの別物です。
本場通りのレシピでエリーゼン・レープクーヘンを作りたいと思っても、今のところ日本の個人向け製菓材料店でオブラーテンを取り扱っているところは無く入手は困難です。
自作できるものかどうか「オブラーテンのレシピ」を検索してみましたが、ドイツでは薄焼きワッフルのこともオブラーテンと呼ぶようで、そちらのレシピしか出てきませんでした。

ただ、オブラーテンの一番重要な役割は焼成時の生地の天板への張り付き防止なので、シリコンペーパー等があればオブラーテンは必要ないというコメントも目にしました。
まあ、このあたりは作ってみないと何とも言えませんね。


エリーゼン・レープクーヘンにはこの他に、乾燥防止のためにチョコレートかアイシングの上掛けが施されること、生地にオレンジやレモンの皮の砂糖漬けを練りこむこと、などなどの特徴があります。
400年以上の歴史を持つこのお菓子は、ドイツらしい合理性とこだわりと、そしてウンチクに満ちた焼き菓子なのです。


さてさて、そんなレープクーヘンを自作する際のスパイスですが、ドイツでは「Lebkuchen Gewürz」という商品があるそうで、現地の方々はこちらを購入・使用されるようですね。
Lebkuchen Gewürzを使用しない場合のレシピでは、使用するスパイスは大体がシナモン・アニス・ジンジャー・ナツメグ・クローブ、、、と、これまで見てきたスパイスクッキーにほぼ共通の香辛料であまり変わり映えがなかったのですが、たまたま見つけたサイトでちょっと趣向の変わった凝ったレシピを見つけましたので、ご紹介させていただきます。

Cpicon ミックススパイス;レープクーヘン


「趣向が違う」理由はクローブ。
ここまで見てきたレシピでは控えめな使い方でしたが、今回は結構な量が入ります。
そのまま食べると舌がしびれるような刺激味のするクローブは、甘さを引き立てる個性的な強い芳香が特徴。
同じように甘味に合うカルダモンとのダブル使いで、ひと味違うミックススパイスが完成!
ここでクローブと高級スパイス・カルダモンの分量を入れ替え、カルダモン小さじ2・クローブ小さじ1/2とすると、更にグレードアップしたブレンドになります。

こちらのレープクーヘン用ミックススパイスは
シナモン、クローブ、オールスパイス
コリアンダー、カルダモン、ジンジャー
アニスシード、ナツメグ、の、
8種類をブレンド

これまでに出てきたミックススパイスよりも
刺激臭が少なく
クローブやカルダモン等の
甘い香りが特徴的!



仕上がりはこれまでのミックススパイスの中では最も「上品で印象深い、いい香り」になります。
シナモンの量も多いので、若干スパイシーさに欠ける甘いだけの香り?な印象がしなくもないですが・・・。
柑橘系の素材を多用するレープクーヘンにはおそらくぴったりなんだと思います。(まだ使っていないので、こんな感想ですいません・・・)


以上、いまだ口にしたことのないお菓子;レープクーヘンについてでしたが・・・・・。
今回いろいろ調べてみて、俄然このお菓子に興味がわいてきました。
残念ながらレープクーヘンはどこもクリスマス時期限定の取り扱いになるようで今の時期(←梅雨時です・・・)の入手は難しいようです。
と、言う事で、今年の冬には絶対に試してみよう!と、今から意気込んでいる筆者です!


さて、
レープクーヘン作りにはこちらのサイトをどうぞ!

  - WIVES WITH KNIVES 「Nurnberger Lebkuchen ~ German Gingerbread」
    オレゴン州在住のナッツ販売業(たぶん・・・)の女性が開設するサイト。ミックススパイスのレシピはこちらを参考にさせていただきました。レープクーヘン自体のレシピもこちらを参考にさせてもらう予定です。
料理・製菓のレシピや旅行記等個人の趣味のサイトのようですが、公開されているレシピはなかなか本格的で為になります。アメリカ発のレシピはアメリカンサイズのカップ表示になっていることが多く、わかりにくい印象がありますが、この方はグラム分量も併記されているのでわかりやすかったです。
  - MICHIE'S BACKSTUBE「レープクーヘン」
    ドイツでパン職人の資格を持っておられる(現在はスイスにお住まいとか・・・)方のサイト。
レープクーヘンの説明から、スパイスの配合、日本で作りやすいレシピまで、非常に参考になるページです。
  NHK番組”グレーテルのかまど” 「レープクーヘンのお菓子の家」
    レシピ監修が辻調系列の方だから?かどうかはわかりませんが、上でご紹介した辻調おいしいネットのレシピと似ているバターも卵も入らないレープクーヘンです。
「うーん、堅そう・・・」と思って見てましたが、ヘンゼルこと瀬戸康史君が出来上がりをとっても美味しそうにほおばっていたので、意外にいけるのかも?????
  cafe-sweets カフェ-スイーツ vol.106 (柴田書店MOOK)
    こちらは雑誌のバックナンバー。メイン記事は「チョコレートケーキ最新レシピ」ですが、レープクーヘンについての詳しい記事もありオススメの号です。
ニュルンベルク郊外にある老舗「アルント・エアベル」のエリーゼン・レープクーヘン・レシピが写真付きで公開されており、材料についての解説や詳しい成型方法、オブラーテンの使い方や専用の道具についてなどが4ページにわたって紹介されています。


レープクーヘンについて知っておくとためになる情報が紹介されているサイトはこちら!

  - Wikipedia レープクーヘン
    Wikiのレープクーヘンの項です。レープクーヘンの種類や名称の解説など詳しく記載されています。
  - Kumpel 連載エッセイ 「ヘンゼルとグレーテル」とお菓子(レープクーヘン)
    童話の元になったのではないかとされる実話について書かれたエッセイ、読み物として非常に興味深いです。
  - 岡部由紀子のホームページ 「グリム童話を読み直す ヘンゼルとグレーテル」グリムの昔話と類話 2 お菓子の家とパン焼き窯
    童話で語られる「お菓子の家」の変遷や、童話が書かれた時代の「お菓子・パン」の持つ意味からパン焼き釜の考察まで、日本人には理解しづらい「物語の背景」を分析されています。






まとめ・というか、言い訳
今回は西洋で親しまれるスパイスを使ったお菓子について調べてみました。

「スパイシーなクリスマス菓子が西洋各国にあるのはなんでだろう?使用されるスパイスに違いはあるのかな?」という素朴な疑問から立ち上げたページでしたが・・・。
基本的には元レシピが同じなので使われるスパイスにも大きな違いは無い、と言うのが結論です。

なにしろ、「すべてのお菓子の起源は同じ、十字軍が持ち帰ったレシピが元だった」、というオチですから・・・。


日本人の感覚では、これらのお菓子を口にして西洋のクリスマスを感じるわけですが、
西洋の方々はこの東方伝来のスパイスの香りを嗅いで遠い東の国々に思いを馳せるのだとか。

なんとも不思議な話です。


しかしながら・・・。
いやぁ〜、知らないってコワイものですねぇ。
元が同じレシピで、使用されるスパイスもほぼ同じ、ということを初めから知っていたら、このページは多分企画しなかったと思います。

ただそれでも、調べていくうちに、各々において特徴あるミックススパイスの配合例を見つけることが出来たのはラッキーでした。
レシピでは、一応「○○用のミックススパイス」としてご紹介していますが、その用途にしか向かない、という事ではもちろんありません。
それぞれメインになるスパイスが違いますので、主になる香りのお好みで選んでいただくのもオススメです。


とは言え。
穴があったら入りたい。
ちょっとハズカシイお話でした。

さて、言い訳は終わりです。
せっかくですから、今年のクリスマスは、
これらのミックススパイスを使ってお菓子作りを楽しむ予定です!






参考書籍
香辛料について調べる場合、現在ではネットで検索すれば書籍をしのぐ量の情報を手に入れることが可能です。
しかしながら、ネットでの検索が常に能動性を求められる(自分から検索しないと情報までたどり着けない)のに対し、書籍はページをめくるごとに受動的に情報を受け取れるという利点があると、私は考えています。
スパイスやハーブをもっと身近に感じるために、ぜひ、「香辛料への愛」があふれる解説本との出会いをおすすめします。

今回このページを構成するにあたり、参考にさせていただいたのは以下の書籍ですが、これ以外にもスパイスについての本は結構あります。
また、上の二冊は古い本ですので、図書館等での閲覧がおすすめです。

スパイス名人宣言
平成8年(1996年)2月発行。
雄鶏社から出版されている「うんちくとこだわり派のバイブル”日曜日の遊び方”」シリーズの本。
このシリーズは基本的に写真が使われておらず、文章で語って説明、いくらかのイラストで解説を補う、というスタイル。
手に取ると文字ばかりが目に飛び込んでくるので、若干「重い」と言いますか、とっつきにくい本なのですが・・・。
読んでみると著者のこだわりと愛のあふれる内容で良著が多い、と言うのが私の印象。

「スパイス名人宣言」の場合、著者はあの朝岡スパイスの社長夫妻!
かつてエスビー食品にお勤めだった朝岡氏;スパイスへの愛の深さゆえに、独立し自分で会社を立ち上げたという御人です。

本の内容は、スパイスに関する知識、基本になる30種類のスパイスに関する情報+α、ソーセージやカレー・ソース作りとスパイスの関係、数種類のミックススパイスレシピや料理への応用、果てはスパイスを生活に取り入れる法など多岐にわたるスパイス活用術が、熱っぽく語りかけるような文章で紹介されています。
日常で気軽に使えそうなレシピは多くは無いですが、スパイスと上手に付き合うための方法書、特に初心者への入門にお勧めの本だと思います。

書店では絶版扱いとなっており、アマゾンでも中古本での購入となりますが、朝岡スパイスのHPからなら新品が購入できるようです。



味つけ名人になるシーズニング便利帳
2005年8月発行。
料理研究家、栗山真由美氏の著書。
ミックススパイスレシピ全95種類と活用レシピ142点という、その名の通りまさに「シーズニング便利帳」。
洋風・和風・エスニック・デザートと4部門のシーズニング紹介とそれぞれの活用レシピでシーズニング好きにはたまらない内容になっています。

大さじ小さじやローリエの葉っぱの絵等を使って量を表現するなど、ブレンド内容を見た目にわかりやすく記載されています。
どのスパイスをどれだけ・どんなふうにミックスするか、というのが列挙してある感じのレシピ本で写真の掲載はありません。

なじみのあるものから無いものまで、あらゆるシーズニングレシピが網羅されていますので、知的に楽しい一冊だとは思いますが、どれだけ活用できるかは人によるかな?という気がします。
例えば、実際にミックススパイスを作っても、使うのはその何分の1かになるわけで・・・、毎回そうやって余分が出ると管理も大変だな、と。
私などは、こんなに沢山レシピがあっても気軽に試せないジレンマがつきまとう気がします。

また、「(ホールスパイスを)空煎りした後、電動ミルで砕く」など、本格的な反面、道具がないと難しい、あっても難しいレシピも多いです。

活用レシピ中のデザートレシピにパンデピスやスペキュロスがあったのは良かったですが、分量がカップ表記になっているのが個人的にはマイナス点でした。

こちらも絶版のようですので、手に入れるには中古品を購入するしかありませんが、気になるシーズニングをチェックする程度なら図書館等での閲覧がオススメです。



スパイス&ハーブの便利帳 おいしい活用術
2012年11月発行。
内容はスパイス・ハーブの使い分け方等基礎知識、図鑑、オリジナル調味料レシピ(16種)、ミックススパイスレシピ(18種)、「カレーパウダーを作る」等オリジナルカレー作りを楽しむレシピ、などで構成。
スパイス紹介・レシピ共に説明が丁寧で写真が豊富。
スパイス・ハーブ図鑑ではおそらく日本で手に入るであろう、ほぼすべてのスパイスについての説明が、ホール・パウダー(場合によっては粒状等)の状態ごとの写真付きで解説されており、非常に分かりやすいです。

ミックススパイスのレシピも決して多くはありませんが、本格的で活用しやすいものばかり。
扱いやすいパウダースパイスでのブレンドが中心なのも好感が持てました。
レシピページとは別に、図鑑部分にも個別のスパイスを活用したレシピ紹介があり、このレシピがまた本格的で◎。
お菓子に使われるスパイスを調べていたこともあって、ジンジャーのページに紹介してあるジンジャー&スパイスクッキーなどは非常に目を引く本格レシピで印象的でした。

今回参考にした3冊はそれぞれ系統の違うものなので、同じ目線では比べ難いのですが、とりあえずの入門書としては手に入りやすいという事も考慮してこちらの書籍が一番のお勧めです。

ところで、この本は特定個人の著書では無く、スタジオタッククリエイティブと言う会社がマスコットフーズ鞄凾フ協力で編集した本のようです。
ですので、本に載っているミックススパイスレシピはマスコットフーズで販売されている商品の配合と同じかな?と思ったんですが・・・?
カトルエピスにつかわれている原材料名を確認・比較したところ、紹介されているレシピとは若干の違いがあるようでした。







スパイス購入のおすすめネットショップ
現在では結構な種類の香辛料を身近に調達することが可能になりました。
スーパーではS&B、業務用スーパーではギャバン、デパート地下の食料品売り場では朝岡スパイス、の商品を取り扱っていることが多い印象です。
この他、マスコットフーズの商品も見かけることがありますね。
マスコットでは個人的にマスコット サラダエレガンスがお気に入りなのですが、それ以外にもシーズニングの品数が充実していてオススメです。

ただ、量をたくさん使うスパイスなどは楽天市場などの専門ショップを利用する方が割安になるのでオススメです。
以下に(私が個人的にビビッときた)スパイス関連のネット専門店をご紹介します。

アメ横大津屋スパイス・豆の専門店
創業60年のアメ横の老舗。
香辛料はおおむね100gと1kgのパック売り。(カルダモンのように高価な品は40gの小パックもあり)
メール便送料180円;40g&100gパックは4つまで、500gパックは1つまでOK。

取り扱い点数も多く、ほとんどの商品でホールとパウダーがそろっています。
ただ、香辛料のひとパックがちょっと多めなのが難点。
私はシナモンやジンジャーなど、沢山消費するスパイス類の購入で利用しています。
製菓材料やオイル類、豆類、その他もろもろの取り扱いもあるのでお買い物はしやすいかも?

今回はメール便利用で注文、オーダー後3日程度で届きました。


神戸スパイス
「世界のスパイスを神戸から」がキャッチフレーズの輸入食材・食品専門店の神戸スパイス。
香辛料は20g、50g、100g、300g、500g、1kg、3kg、5kgときめ細かく分かれたパック売り。
20gパックのものは商品によっては「ゆうメール便」が利用でき、5袋まで送料無料で対応してもらえます。
(ただし、20gの小パックでもゆうメール便対象外商品があるので注意!)

取り扱い点数も多く、ほとんどの商品でホールとパウダーがそろっており、20gからの少量買いができる上、ゆうメール便対象のものであれば送料無料で購入可能と利用メリットは大きいです。
小パックでの購入は確かに割高ではありますが、必要量を考えて賢く利用するのがオススメ。
ちなみに、市販のスパイス小瓶が15g前後での販売なので20gパックでも少ないわけではないです。

今回はゆうメール便利用で注文、こちらもオーダー後3日程度で届きました。


レピス・エピス
スパイス・ブティック”レピス・エピス”
「フランスの星付きレストランで使われているスパイスをフランスから直輸入。お気軽なサイズからご家庭にお届けします。」がキャッチフレーズ。

香辛料はおおむねSサイズ(30g)、Mサイズ(50g)、Lサイズ(100g)、LLサイズ(300g)、と贈答セット用のガラスチューブパッケージ(少量)が販売されています。
メール便の利用は合計100gまでで、メール便利用時の送料はA4サイズ・厚さ1cmまでが80円(税込)、A4サイズ・厚さ2cmまでが180円(税込)。

黒コショウだけで15商品を扱うこだわりぶり。
「フランスの星付きレストランで〜」というだけあって、フレンチ仕様の品ぞろえ?
オリジナルのカトルエピスの取り扱いをしているのは楽天ではここだけでした。

ただ、ものによってはホールのみの取り扱いしかないものや、ガラスチューブパックしかないものなど、商品には偏りがあります。


パリのスパイス屋さん
業務用・プロ向け輸入調味料・香辛料のお店。

香辛料はおおむね20gと70gのパック売り。
メール便送料80円;小パックは6つまで、中パックは2つまでOK。

レピス・エピスと同様、黒コショウの種類は5種類と多め。
こちらも名前の通り、フランス料理を意識した品ぞろえのようです。

また、長こしょう(ロングペッパー)スモークパプリカなど他店では取り扱っていない珍しい商品もあります。
ペルシャのブルーソルトハワイアン・ブラックソルトなど、塩の種類も豊富。

こちらのお店もホールのみしか取り扱いのない商品が結構あります。












ポイント&雑感

  • ミックススパイスを自作する際の注意点

    1. 使用するスパイスの「状態」について

      販売されている「香辛料」には大きく分けてホール状のものとパウダー状のものがあります。

      - ホール・スパイス
      原型の状態の香辛料。
      使用する度に粉末状に挽いて使えば、すでにパウダーになっているスパイスに比べ新鮮な香りが得られるが、特に製菓に使用する場合は口触りのよいキメ細かな粉末状が望ましく、家庭でそのように挽くのは難しいのが難点。
      八角など香りがきつく苦みのあるスパイスなどは、ホールのままシロップなどで煮出して香りのみを移す方法が取られることがある。


      - パウダー・スパイス
      香辛料を粉末状に挽いたもの。
      まぶす・振りかける・練りこむ等、使いやすいのが利点。
      ミックススパイスを作る際にも混ぜ合わせるだけでOKと手軽。
      非常に細かい粉末に挽いてあるので、製菓・製パンに使用する場合、生地と均一に混ざりやすく食べた際の口当たりも◎。
      ただし、すでにパウダーになっているものは香りが飛びやすいので、なるべく新鮮なものを手に入れ、新鮮なうちに使いきれるように配慮をするのが望ましい。


      - その他
      上記の他、ミンス(きざみ)、コース(顆粒・粗挽き)、スライス等があります。

      料理同様、製菓の場面でも、どれをどのように使用するかで得られる効果は変わります。
      このページでは主にパウダースパイスを混ぜて作るミックススパイスについての配合例を見ていきますが、ホールスパイスでこだわりたい方はパンデピスの項でご紹介しているプロの使用方法を参考にされるとよいでしょう。


    2. スパイスの種類について

      周知の通り、スパイスには多くの種類があり、それぞれの香りと味を把握して使いこなすにはそれなりの知識と経験を要します。
      しかし、洋菓子に限って言えばシナモン、ジンジャーなどなじみのあるスパイスも多く、使用される種類にも限りがあるので、一つ一つのスパイスの特徴を覚えるのもそれほど大変ではないと思います。
      個々のスパイスの特徴についての説明はS&B食品のスパイス&ハーブ総合研究所が参考になります。

      ただ、特に注意・補足したいスパイスについて、以下にその内容をまとめてみました。

      - アニスシードと八角(スターアニス)
      アニスシードスターアニス、名前も香りも似ていますが植物としては全くの別物。
      (二つの違いについてはリンク先を参照してください)
      レシピに「アニス」と書いてある場合、通常は「アニスシード」をさします。

      両者とも似たような独特の甘い芳香がありますが八角の方がきつい臭いをしています。
      また、口に含んだときアニスシードにはほのかな甘みがあるのに対し八角の方はなんとも言えない苦みと渋みを感じます。
      香りを得るのが目的であればレシピ中の「アニス」は八角で置き換えることが可能にはなりますが、その使用量は大幅に減らす必要があります。

      販売価格g単価では八角の方が高いことがありますが、アニスシードに比べ少量で香り付けできることから、食品加工の現場ではアニスシードの代用として使用されるなど、どちらかと言うとアニスシードの方が高級品扱いになります。


      アニスシードとスターアニス





      - ナツメグとメース
      ナツメグメースは共に「肉豆く(ニクズク)」という木の、木の実からとれる香辛料。
      メースは果実の種子をとりまいている仮種皮で、ナツメグは種皮核中の仁にあたります。
       (こちらの画像と説明がわかりやすいと思います →S&B食品のスパイス&ハーブ総合研究所・メース

      元が同じなので似たような味と香りをしていますが、ナツメグの方が匂いがきつく味は刺激を伴う苦み、メースはナツメグに比べると穏やかで上品な香りで苦みも若干軽め、また、苦味と同時に豊かな香りも鼻の奥で感じられます。
      ナツメグの方が直線的な強さを感じるのに対し、メースは弱めですが奥行きを感じさせる風味を持つ、とでも言いますか・・・。

      ミックススパイスを作る場合、ナツメグの方がホールもパウダーも手に入りやすいのですが、こだわるならぜひメースに置き換えて作ってみてください。
      やっぱり違う気がします。
      レシピにある量は、ナツメグ⇔メースとも基本的には同量で置き換え可能ですが、メースの方が香りの出方が弱めなのでその辺を念頭に置いて加減をされるとバランスが取れると思います。


      ナツメグとメース








      - シナモンとカシア
      シナモンはスパイスの中でもかなり身近なものだと思いますが、実はちょっと複雑な事情を持つスパイスでもあります。
      というのも、シナモンと言う名前で販売されている商品の大半はカシアという同じクスノキ科ではありますが別の植物の樹皮であるからです。
      (この二つの違いについての詳細はリンク先を参照してください)

      こだわるならもちろん”本物のシナモン”一択なのでしょうが、有機栽培されたセイロン産の高級シナモン(上品な香りと優しい口当たりが特徴だそう)のレビューを見ると我々の舌に慣れている「シナモン」(要するにカシアの風味)とは違う事に違和感を感じる方も少なくないようです。

      どちらを使うかはお財布と相談しつつお好みで。
      カシアは通常「シナモン」として販売されていますが、大抵は「どちらなのか」の記載がありますので、スパイス購入の際には確認してみてください。
      最近では量販ブランドでもシナモンカシアをそれぞれ別物として取り扱うなど、こだわりに答える商品提供が進んでいるようです。




    3. パウダースパイスを混ぜ合わせる際の注意

      実際に混ぜ合わせる際に気をつけたいこととして。

      このページでは各種パウダースパイスを混ぜ合わせて作り置き用のミックススパイスを調合しています。

      混ぜ合わせる際、使用するのは「パウダー」ですのでそれぞれすでに粉末状にはなっているわけですが、ダマになりやすいものやふわふわしてカサの多いものなど同じ「パウダー」でもスパイスによって「状態」にはかなりの違いがあります。
      ですので、匙などで混ぜるだけでは意外にきちんと混ざりません。

      ミックスしたスパイスは、乳鉢などで挽き合わせたり、目の細かいフルイにかけるなどしてダマやムラを無くし均一に混ぜ合わせておくほうが、使用の際にムラが無く便利です。
      中でも乳鉢で挽き合わせる方法は、スパイスがしっかり混ざる上、擦られることで香りがたち、風味が強くなる気がするので、個人的には一番のオススメです。

      私が使っているのはアーネストのお茶挽き香房

      石臼の原理で対象が程良く引っかかり滑らないのでうまく混ざります。

      乳棒もセラミック製なので適度な重さがあり固形物も少しの力できちんと挽けて◎
      便利でオススメ!

      本来の目的である緑茶葉も、時間はかかりますがなかなかきれいな粉末になります。



    4. スパイスをブレンドした後の注意

      さて、ブレンドが終わったら実際に使ってみます!

      が、その前に。

      ミックス直後のスパイスは、個々のスパイスがそれぞれに主張しあって独立した香りを放ち、まとまりが無い印象を与えるかもしれませんが、時間とともに「熟成」され、全体が一つの風味にまとまってきます。
      これをスパイスの「エイジング効果」と呼ぶそうで、時間をかけるほどに風味の角が取れマイルドになるのだとか。(スパイス&ハーブの便利帳より)
      スパイス名人宣言によると、熟成期間は最低で15日、長くて4カ月、ブレンドされるスパイスの量が増えるとその分熟成期間を長くとるのが普通だそうです。

      ただ、一方でスパイスには香りの元となる「揮発油」が含まれており、この量がスパイスの「善し悪し」を決定します。
      新鮮なものほど香りが強いのはこの揮発油の量が多く盛んに揮発しているからで、古いスパイスの香りが薄いのは揮発油が飛んでしまったから、と言えます。
      また、パウダースパイスがホールスパイスよりも劣化しやすいのは、粉末状になることでこの揮発油が揮発しやすい状態にあるからです。(同じくスパイス名人宣言より)
      「角が取れマイルドに」というのは「熟成」されている反面、スパイスの香りが飛んでいることにもなりますので、必ず密封できる容器・包材で保管し半年程度を目安に使いきることをおすすめします。


    5. ミックススパイスを使用する時に注意したいこと

      では! いよいよ使用する時がやってきました!

      ここで感じた注意点は、スパイスによって調理後に残る風味の強さが変わる、という事。
      また、ブレンドの具合は主に香りをかいで「外から入ってくる匂い」を確かめますが、実際に重要なのは調理したものと混ざりあったうえで口に含まれ、喉の奥から鼻に向かう「内側から抜ける”匂い”と”味”」です。

      例えばこのページでご紹介している調理用のカトルエピスを例にとると、配合されるのはホワイトペッパー・ナツメグ・シナモン・ジンジャー・クローブ。
      レシピではホワイトペッパーが全体の半分程度入るので、出来あがりも「白コショウ」の香りが強くそれほど個性的な風味はしません。
      ところが、加熱調理に使うと白コショウの香りは薄まってそれ以外の香りが強く主張するようになってきます。(今回の場合は特に、ナツメグ)
      その理由はよく分からないのですが・・・。

      例えば、白コショウは嗅ぎ慣れた匂いで料理の中で違和感を感じないのに対し、その他の異質な匂いが目立つ、とか?
      後は、白コショウの匂いは熱で飛びやすくその他の匂いは加熱に強いのかもしれない、とか?

      この「印象の変化」は調理法や用い方によっても変わってきます。

      例えば、パンデピス・スパイスミックス中のアニスは、いわゆるパンデピスのような、いくらか水分を含んだしっとりとした焼き菓子に使用するとかなりきつめに感じますが、クッキーなどの乾き菓子に用いるとあまり気にならなくなります。

      このように、ミックススパイスはその表向きの香りに注意が払われがちですが、「実際の風味は使ってみないとわからない」ということにも注意してください。


    6. パウダースパイスの分量について

      ご紹介しているミックススパイスのレシピでは、ある程度細かく使用スパイスの分量を記しています。
      ですが、実際の仕上がり具合は個々のスパイスの品質に左右され、常に同じものができるわけではありません。
      例えば、スーパーで小瓶で販売されている商品と通販で入手した大袋入りの商品とでは、同じスパイスでも随分と印象が違います。
      そもそも、産地によっても香りの強さや風味は変わるそうなので通り一遍の扱いで語れる素材ではありません。
      また、場合によっては、買い置きしてあった少々年季の入ったものを使用される場合もあるでしょう。
      スパイスの強さや風味が違えば、ミックスした際の全体的な香りももちろん変わってきます。

      そう考えると、0.1g単位で計量する意味はあまり無いのかも?と、本末転倒な考えも浮かんできます。

      それにこの「ミックススパイス」というものは、「どれが正解」とかいう厳密なものではなさそうです。
      参考資料とした多数のレシピを比較して、つくづくそう思いました。
      結局は嗜好;好きか嫌いかの問題です。

      ただ、軽いパウダー状のスパイスを出来る限り一定の仕上がりを目指してブレンドするには、何か基準が必要です。
      そのための0.1gです。
      家庭用の計りですと精度は知れていますが、タニタの0.1g単位で計量できる計りなどはオススメだと思います。
      また、レシピでは大さじ小さじでの量も記載しましたので、1/8まで計れる計量スプーンまたは微量用の計量スプーンなどもあると便利です。

      ただ最終的には、嫌いな臭いは減らすとか、香りが飛んでいる古いスパイスは多めに配合するとか、レシピの分量はあくまで目安として捉え、あとは感覚とお好みによって加減していただければ・・・と、思います。





  • このページについての注意点

    このページは現在更新中につき、順次項目を追加予定です。
    現在公開している項目についても、予告なく内容を変更する可能性があります。


  • スパイスの薬効・効能について

    このページに記載されているスパイス類の薬効・効能・効果等の記述は、主にインターネット検索により著者が得た情報を元に転記・構成したもので、著者本人が実験・実証等を行って証明しているものではありません。
    また、著者はこの分野について完全な素人です。
    記述内容については複数の情報を確認するなど、嘘や偽りのない内容構成に努めていますが、真偽の保証はしかねますのでこの点ご了承ください。


  • 参考にした情報源(サイト)の表記(リンク)について

    このページを構成するに当たり、参考にした情報源(サイト)については、一般論としてある程度認知されている内容(スパイスの産地や風味についての記述など)については特に表記(リンク)をしておりません。
    また、レシピを拝借したミックススパイスについても、複数のサイトで同様程度の記載があったものについては特に表記しておりません。
    ただし、特別個性的でほぼ丸映しさせてもらったレシピ内容や、特に参考にさせていただいたサイトについては情報元を明らかにするように心がけました。














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