音を感じる
授業のための基本的な「音」を、楽しみ感じる事例です。
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1.声を感じる「音叉の手品」
ステップ1.
音叉を取り出し、「これは、ラの音が鳴ります」ではなく、「これはAの音で440Hzの純音が出せる」
などと少し難しい能書きを言って、生徒たちに聞くための気持ちの準備をさせておきます。
ステップ2.
生徒たちの前で鳴らしてみます。(音さを鳴らすときには、自分のひざの骨などに当てて鳴らしてください。)
ステップ3.
でも、聞こえない!のを、確認する。(もちろん、小さく鳴っているので聞こえないように注意)
ステップ4.
「今度は、聞こえるかな!」と言って鳴らした後、音叉をピアノに接触させます。
ステップ5.
(重要) すると、今度は音が聞こえてきます。その瞬間、生徒達は、なぜ・どうしてと興味を向けます。
ステップ6.
さらに、興味を高めるため、「黒板」「机」「人の頭」などで試してみましょう。
ステップ7.
生徒たちの興味が高まったところで、「これは、共鳴現象により音が増幅されて聞こえるようになった。」ことを説明します。
ステップ8.
次に、全ての楽器もこの共鳴によりいい音がしていることを説明し、その上で、
人の声もこの共鳴を使って声を出すようにするといい声になると、指導するとその方法に興味を持ちます。
ステップ9.
そこで、頭声発声の仕方を教えると、抵抗なく受け入れていきます。
(この時に、人の頭でも、その人には聞こえていることを事前にやっておくと効果的です。)
2.声を感じる「ハミング」(1)
ステップ1.
共鳴を用いた頭声発声の基礎となる「ハミング」の導入方法です。
ステップ2.
両方の人差し指を鼻の上の部分にあて、そこから鼻の両側に沿ってゆっくりおろしてみましょう。
ステップ3.
そうすると、硬い骨がなくなってへこんだ部分に行き当たります。
ステップ4.
そこを軽く押さえながらしゃべってみましょう。
ステップ5.
でも、何も起きませんね。
ステップ6.
(重要)とここが、このままハミングします。すると、その部分が振動しているのが解って、生徒はびっくり。
ステップ7.
これが、人の体での共鳴である、説明します。
ステップ8.
ハミングに興味を持たせ、かつ、効果的にハミングを理解するための導入になります。
3.声を感じる「ハミング」(2)
ステップ1.
(1)で感じた、共鳴している「ハミング」を声に活かす方法です。
ステップ2.
まず、(1)の方法で「ハミング」がちゃんと鳴るようにしましょう。
ステップ3.
次に、口を開けてハミングしてみます。が、この時に声が出てはいけません。
ステップ4.
口を開けてハミングするという、初めての体験に、生徒達はいろいろな声を出します。
ステップ5.
どう出したらよいのかを迷っている時に、声のために必要なのは、ノドと鼻と舌だという意識を作ります。
ステップ6.
(重要)具体的な方法です。ハミングする時の息は鼻からのみ出ています。ですので、口を開けても鼻からのみ息が出るようにします。
そのため、舌の奥を上げて、息が口の中に流れてこないように遮断してしまいます。こうすれば、口を開けたままハミングが出来ます。
ステップ7.
この口を開けたハミングの状態から、上げていた舌をゆっくりさげて、口に息を流してみましょう。
ステップ8.
こうすると、ハミングでつかんだ共鳴をうまく声として発声することが出来ます。
4.ブレスを感じる
教材「夢路より」
ステップ1.
まず、前半の16小節を歌えるようにします。
ステップ2.
ここで、教科書を閉じさせて、「今歌った部分に、休符はどこにあったか」と聞いてみます。生徒たちの前で鳴らしてみます。
ステップ3.
何の気なしに歌っていると、息が短めになって、自分勝手にフレーズを区切って歌っている場合が多いので、
その場所が休符であると勘違いします。そして、ほとんどの場合、「2小節目の終わり」とか「4小節目の終わり」と答えが返ってきます。
ステップ4.
ところが、楽譜には休符は書いてないので、答えは「ない」が正解です。
ステップ5.
(重要) 楽譜を見ているつもりでも、ちゃんと見ていなかったことを生徒に自覚してもらいましょう。
ステップ6.
そこで、しっかり息を吸って、しっかり最後までのばして歌うことを大事にするように注意して歌いなおします。
ステップ7.
このように、ブレス(息継ぎ)を大切にして歌わせるようにすると、歌い方が変っていきます。
5.二重唱を感じる
二重唱というと、「リズムを合わさせないといけない」・「音程を合わさせないといけない」、というようなことがネックとなって、難しい感じがします。 しかし、これらのことは単なる技術的な問題です。二重唱をする時の大切なポイントは、まず自分以外の他者の音楽を感じることにあるのです。 男声と女声の声の違いを感じる、歌い方の違いを感じる、ということが大切です。ですので、教材は、極端な言い方をすればなんでもいいのです。 次に章で取り上げている「トゥナイト」を例にとると、この曲の構成は、女性が歌う・男性が歌う・男女一緒に斉唱するという形式で、音程的にも、リズム的にも 二重に重なるところはないのですが、十分に二重唱の教材としては意味があります。 相手の歌を聴きながら歌う、相手を意識しながら歌う、相手に合わせて歌う、 などという練習経験は、自分の声に自覚を持ち、音楽をしっかり意識して歌う姿勢を育て、生徒達の歌唱力のアップに役立ちます。
4.リズムを感じる
準備中。