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【更新履歴】
第20回 アルゼンチン共和国 2019/06/01 
第19回 ベトナム社会主義共和国 2019/05/31 
第18回 インドネシア共和国 2019/05/30 
 第17回 トルコ共和国 2019/05/29 
第16回 ドイツ連邦共和国 2019/05/28 
第15回 アメリカ合衆国 2019/05/27 
第14回 ブルガリア共和国 2019/05/26 
第13回 オランダ 2019/05/25 
第12回 トルクメニスタン 2019/05/24 
第11回 グレートブリテン及びアイルランド連合王国 2019/05/23 

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第1回~第10回第11回~第20回第21回~第30回



第20回

Fito Paez

 アルゼンチン共和国

このPVの主人公であるフィト・パエスは、その生涯の始まりにおいて父母を失っている。

そして成人し、ロックスターの道を歩み始めるやいなや、自らのストーカーにより祖母と叔母を惨殺されている。

人は愛し、憎み、与え、奪う。

本作は、一度は人間不信に沈みながら、やがて人性の清濁を併せのみ、人間社会に生還を果たした男、フィト・
パエス一流の『都市賛歌』だと思う。

曲名は「お前の心の悪魔」。
自分は五回見て、五回泣いた。

どれを見なくても構わないから、これだけは観てください。
映像の最後に、まぶたを腫らせて起き上がるサエない兄ちゃんが、フィトです。


第19回

Noo Phuoc Thinh

 ベトナム社会主義共和国

ほんの四・五年前には「名古屋と博多に抜かれ、早晩5番目の都市になる」と言われていた大阪。

この一極集中の半世紀に一人負け喰らい、衰退の崖を真っ逆さまに転がり落ちていた大阪が、あにはからんや、
にょきっと伸びたインバウンドの枝に引っかかり、一命を取り留めた。

絶望のはて、死に装束をまとい始めた大阪人の肩を、ある日アジアからの観光客がポンポンと叩き、「なあ、
はよ、たこ焼き焼いてよ」と列をなしていたのである。
今思えばベトナムの、このヌー・フォック・ティンさんこそが、その最初のお客さんだったのかもしれない。

ラブ・ロマンスの舞台としての大阪。

関空・道頓堀・ハルカス・大阪城・新世界・中之島・グランフロント・スカイビル。
描き方次第で、大阪だってこうなりますよと。

でも国内的には、相も変わらず「ニシナリ」と「トビタ」と「ツルハシ」の大阪、でしかないねんけどな。


第18回

Inul Daratista

 インドネシア共和国

『インドネシアの一人新喜劇』、イヌル!!!

アスリート仕様の島田珠代というべき、ルックスと気概。
そして岡八郎から間寛平、坂田歩きまで、歌うギャグ100連発と称すべきマンキン・ダンス。

新喜劇のあらゆる一発ギャグに通底する所作とリズムが、南の国から黒潮に乗って来たものである事を、
イヌルの肉体言語は、この上なく明確に告げている。

よいっ とせえ の こっら せえ・・・と告げている。

関西は南アジアである。
関ケ原から先が東アジアである。


第17回

Derdiyoklar Ikilisi

 トルコ共和国

『アナトリアのあふりらんぽ』、デルディヨクラル!!!

トルコのハルク音楽を熱く鈍くロック化した、T-ロックの先達であります。
そのライブ・アット・体育館。

ごらんください!

エレキ・サズによる、炎のジミヘン奏法!
トグロを巻く、長尺タムタム回し!

燃える顔面キーボード奏法!
迫りくる子供おひねり団!

心を強く。
強く持つこと。

ハート1番!カステラ2番!
皆さん、Derdiyoklarのように雄々しく、令和を生き抜こうではありませんか。


第16回

Der Plan

 ドイツ連邦共和国

ええ加減、ホッとするヤツをひとつ。

もうひとつの、80年代退行アートパンク・バンド、from Germanこと、デア・プラン。
ドイツならではのメルヒエン感覚と、お嬢さんの野暮ったがあいまって、実にホッコリする表現主義世界です。

しかし下のアメリカなんかと比べると、なるほどちゃんと中世や古代もあった、文明の消息が明らかです。

いわば『綿とか麻の暮らしぶり』の事であり、かたやDEVOの国なんかほぼ『ビニール・ラバーでスタート』
なのであって、まあこれは「どんだけアメリカが実験国家だったのよ」という話ではあります。

やっぱ「アメリカって国家は異様だなあ」と、ドイツを見ても思いますね。


第15回

DEVO

 アメリカ合衆国

「我々は退化(De-evolution)した生き物だ」という鮮烈なコンセプトをひっさげ、70年代末に登場した
アート・パンク・バンド DEVOの本動画は、ロック史上もっとも芸術的なPVのひとつであります。
ここに高く顕彰し、誉めそやさずにはおけません。

さて、そんな彼らは様々な姿をした「幼児退行した人類」を描いたわけですが、これに対し自分が常々感じて
いたのは「DEVOの赤ん坊は随分と大人だ」という事です。

それはなぜか。
彼らアメリカ人自体が、どうしようもなく大人であるからです。

近日公開の、ハリウッド版『ポケモン』のピカチューをご覧なさい。
愛玩動物的無力感あふれるオリジナルの天真爛漫な笑顔から一転、いわば開拓者精神の萌芽みたいな頼もしい
表情を、すでに宿しているではありませんか。
あと2・3年もすれば、起業すらしそうではないですか。

その意味では、日本の戦後文化の精髄ともいうべき『KAWAII』の感性こそが、リアルDe-evolutionなのでは
無いかと思っているほどです。
そんで、『きゃりーぱみゅぱみゅ的ILL』のセンスが完成形なのかなと思ってます。


第14回

Andrea

 ブルガリア

第11~13回と、かなりオヤジの酸味が強かったので、強烈な中和剤を。
ブルガリアのお色気歌手、アンドレアちゃん。

もはや、国民の意識が「ポリコレ炎上で繋がってる」といっても過言ではない昨今のわが国においては、正直
『無いヤツ』となって久しいタイプの作品であります。

しかし、この手の『性差大爆発』表現と言うのは、世界音楽にあってむしろ多数派ともいうべきでしょう。

例えば、トルコのような比較的寛容なイスラーム国家では、女性POP歌手たちはバラエティ番組などでしば
しば過剰に性的な衣装に身を包み、激しく身をよじったりします。
これに対し、観客のイスラーム的に清楚な装束を纏ったマダムたちは眉を顰めるどころか、満面の笑みで拍手
喝采を送るのです。

あるいは件のトランプの奥さんや、その支持者のような保守的な価値観を有する人々、そしてそれらの人々が
享受する文化も、極めて社会的性差には肯定的であります。
これは右派、伝統的な価値観への回帰勢力が伸長する昨今の文化状況において、いよいよ顕著な傾向と思われ
ます。

自分は勿論、性的マイノリティの権利主張には賛成の立場ですが、また性差を愛しこれにこだわる権利も尊重
されるべきと思います。
おおいに男が女にコビを売り、女が男にコビを売る事もこの世の華と思っています。

そして時代は無慈悲なもので、ジェンダーフリーやフェミニズムといった思想はある種、戦乱期の間において
文化の余剰により保証されるもので、いざひとたび『力の時代』に戻れば、それらは歌舞音曲の類とまとめて、
社会の埒外にはじかれる。

さて、固い話になりましたが、基調色の赤色があまりにも印象的なこの動画。
必ず最後までご覧ください。
女が男を食います。
それは世界の男女に不服の無い、美しくも大人なラストシーンです。


第13回

Focus

 オランダ

『音楽は顔面』といえば、これも。
前奏パートでちゃんと、顔面をほぐしてはるやんか。

タイトルの Hocus Pocus は『呪文』という意味だそうですが、多分「Hocus Pocus / Focus」という
駄洒落が言いたかっただけのはず。

古楽やクラッシックやジャズやヨーデルや歯笛の豊かな素養を乗り物として、ここまで横山ホットブラザ
ーズに肉薄するグループはありません。

この顔面に、『まごころ』を感じない人はいないでしょう。
ドラマーのヤバい目つきも印象的です。

顔面は芸能の根源である。
マイルス・デイビスは、早くサングラスをとりなさい。


第12回

Rishad Shafi and Gunesh

 トルクメニスタン

トルクメニスタンのドラムス永久機関、リシャド・シャフィ率いるギネシュの熱演。

猛烈に駆け寄る大型犬みたいな無邪気さ。
もう「ハフハフ」と顔面に書いてあるやん。

すべての感情が伝わる。
後ろ向いちゃっても、いよいよ背中から伝わる。

素晴らしい。
やはり音楽は「顔でやるもの」である。
グラサンかけていかにもクソつまらなそうに吹くマイルスはやはりダメだ・・・
と、思わぬトバッチリも飛ばしたくなる胸躍る熱演だ。

聴衆に顔を見せなくていいのかな。
何に向かってやってるのかな。
ジャンルの発展のため?
グレートアフリカンミュージックみたいなやつ?
自分はそういうのんようわからんし、リシャドおじさんの真顔を支持しますよ、本能的に。

しかし、第11回の Godley親父に似てるよねえ。


第11回

Godley and Creme

 グレートブリテン及びアイルランド連合王国

通常、有名バンドが2つに分裂とかすると、せっかくの10点満点が『3点』と『2点』ぐらいにつまらなく
なって、「ああ、残りの5点分はバンドマジックだったのねえ・・・」と惜しまれるものだが、10cc は変な
バンドで、分裂後は『9cc』と『8cc』くらいになっている。

そもそも、10cc という4人組バンドの名の由来にしてからが、『成人男性の一回の●●量が 2.5cc だから』
という事らしいので、まあ、This is イギリス人という感じだ。

で、その8ccの方(と、自分は思ってる)のゴドレイ&クレームは、10ccの業の深い偏屈さをゴッソリ
持って出たコンビ。
とにかく、この知性あふるる悪趣味ワールド、無残さのジェットコースタームービーをご覧ください。

人が悪いわ~。
大好き。


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