ジェロントロジー・高齢社会の人間学をテーマにしています   老いの実り 
                     
 

活動内容

2018.夏
2018年夏
     
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                四葉クローバー 老いの実り

     先日高齢者の集まりで「老いなんて寂しく辛いばかりだ」と言った女性がいました。
  本当にそうでしょうか、ショックでした。
   長年社会に迷惑をかけずに生きてきたのです。
  それこそが誇りではないでしょうか。
  自分の生きてきた道は決して間違いはありません。自信をもって日々暮らしましょう。
     
  
マーク1) 生きてきた経験は自分の宝

   人生に於ける経験は全て自分の宝です。例え、他人から見て不幸と思えるようなこと
 でも何かは得ている筈です。
  私は、ガンを3ヵ所も告知されましたが、これは他人から見ますと不幸の見本の
 ように思えるかもしれません。
 しかし、健康で元気いっぱいの時には気付くことなく過ごしてきたことが、
 病気のお蔭で「ありがとう」と素直に言える自分を発見することができました。

  不幸と言えることも、どこかには得る何かを取得している筈です。
 それが、経験ではないでしょうか、
 経験とはプラスマイナス入混じっているものと思います。
 他人ではその経験を判らないものです。これこそが宝物であり誇りです。
 自分の人生に誇りを持っている人は素晴らしい何かを発散しており魅力のあるものです。
  自分の宝に誇りを持ちましょう。
  

マーク 2) 老いと信頼感

   長年社会に迷惑をかけずに生きて来た人には信頼感が持てます。
 これは、言葉ではなく、その人全体から醸し出すムードと言うのでしょうか、
 その人といると安心感がもてるのです。80数年生きて来てどれだけそのような
 ムードがあるかどうか、それは、自分で決めることでなく人々が決めてくれることだ
 と思っています。
  大昔より、長老と言われる人物には、肉体的にも腕力も決して強い老人では
 ありません。
 その人より醸し出されるムードでしょうか、その人に対する信頼感だと考えます。
 高齢期になり自然と人々より信頼されような人物になりたいものです。
  残り短い人生ではありますが、自然と信頼されるような日常を送りたいものです。
  
マーク
3) その時までを「デザインする」

  人間は、長く生きたとか短いとかでその人の価値は判断できません。
 残り少ない人生であろうと自分の生きさまを、計画を立てデザインすることに生きる
 意味があるのではないでしょうか。

  そのデザインは独りよがりでは良くありません。家族とよく話し合い計画を立て
 その計画が美しく輝くようにデザインすることではないでしょうか。
 それは、大変難しく大変な仕事だと思いますが、進める間には楽しさが加わって
 来るのではないでしょうか。

  家族との会話も増えると思います。買い出しに出ても、何時お逢いしても夫だけ、
 妻だけの方がいますが、家庭内でお互いに会話があるのでしょうか。
 これからの残された人生について話し合ったことがあるのでしょうか。

  これからの人生を計画し、それをデザインするために多くの協力をしてくれる
 人々が必要です。不幸にして相棒を亡くした方は多くの友達に囲まれている人が
 多いような気がします。
 

マーク 4) 喜びは身体一杯に

   人から与えられた喜びは当然ですが、自ら得た喜びも身体一杯にこころから
 喜びの気持ちや表情をあらわしたいものです。人間は、人々の喜びを見て嬉しくなる
 ものです。
  今回の入院中気力も萎え、体力的にも減退しました。その折々に医師、看護師
 その他多くの人々より優しさを頂きました。どのようにお礼をすればよいか
 色々と考えましたが、こちらの嬉しさを体いっぱいに表す事だと気付きました。
 そのお礼と言っては変ですが、先ず、気力を強く持ち病気に対する気が萎え
 ないように過ごすことが、最高のお礼と気付きました。

  今回の病気で多くのことに気づかされましたが、その第一は好意、愛情に対して
 体いっぱいにこころから喜びを表すことだと考えました。
 退院後もその気持ちを忘れないようにと心掛けているのですが、一番身近な妻には
 ついついと甘えて仕舞い「ありがとう」が口に出てこない時があります。
  ヨコにいる妻は、毎日毎日目立たない気遣いで看病してくれています。感謝。
  
マーク 5)ボーとする時間を

   社会貢献活動としてNPO法人や公的なグループに属していましたが、ガン告知
 を受けた(81歳)時期に、その活動を離れました。
 当時は寂しさがこころを占めましたが、治療に専念するごとによりそれも気になら
 なくなりました。
  退院後、することもなく気分的に落ち込んでいた時期もありましたが、馴れるに
 従い遊ぶ時間の大切さを見出してゆきました。1日に2~3時間を何も考えること
 なくボーとすることを覚え、その素晴らしさに気付きました。

  瞑想とまでは言わないのですが、何も考えない時間の大切さを知りました。
 考えてみますと入院中はまさにその時間であったような気がします。
 ボーとする時間に普段考えられない色々なことに気付き、一人でニヤリとしている
 時間の重要なことが良く判りました。

  何事も焦らず慌てず、しかし、残された時間を大切に生きてゆきたいものです。

  ~ 「春の海 ひねもす{終日}のたり のたりかな」 の心境も大切 ~
     

                        シニア ライフ アドバイザー
                               岡島 貞雄


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