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四葉クローバー  高齢者の対応 (2018年3月)

  はじめに
    毎日新聞2018年1月29日の教育の窓に子供に対する対応について書かれていました。
  よく読んでみますとこの言葉は、高齢者に対する言葉としても同じように心すべき言葉
  と思います。 
   安心感と共にいるという落ち着き感が大切と思います。優しく楽しい会話は100年
  生きる時代には欠かせないものと考えます。
   高齢者が、常に感じている気持ちも合わせて述べてみます。

記号① 高齢者との対話をスムーズに進めるために

  (毎日新聞2018年1月29日教育の窓より)
   子供との対話をスムースに進めるための「機中八策」の文章を見つけましたが、
  これは高齢者との対話も同じようなことが言えると思います。

  「ほまれかがやきを」……  ほ
 → 褒める
                ま → 待つ
                れ → 練習
                 → 代わりにする行動を提示する
                 → 環境つくり
                 → 約束
                 → 気持ちを理解する
                 → 落ち着く


    ・高齢者の言葉や行動を先ず褒めて下さい。相手の答えを急いではいけません。
   ・一度にできずとも繰り返しも必要です。
   ・こちらの行動で手本を見せて下さい。
   ・高齢者や判断力の定かでない方々が安心できる環境が大切でしょう。
   ・認知症の方と言っても、約束を守ることは大切で。信頼感の構築に大きく貢献します。
   
   高齢者や認知症の方の気持ちを理解することは難しいことですが、これらを守ることは、
   最も大切なことです。
   施設の職員・家族の皆さまが忙しいことは良く判りますが、
   ひと呼吸入れて、自分が落ち着いてから行動して下さい。
    

 高齢者が萎縮してしまう伝わりにくい対応
     (毎日新聞2018年1月29日教育の窓より)



 「ひどいおとぎばなし」……  ひ
 → 否定
                 → どなる、たたく
                 → いやみ
                 → 脅す
                 → 問う、聴く
                 → 疑問形
                 → 罰を与える
                なし→ なじる


    高齢者に対しても上記の言葉は同じように相手を萎縮させたり、こちらの意思が
   伝わらないことが多々あります。
    上記の「ひどいおとぎばなし」
   説明の必要はないと思いますが、は、「何故」と言う言葉をよく聴くことがあります。
   「何故・どうして」と言う言葉を連続して口にしている人がいます。萎縮の大きな原因。
   高齢者や判断能力が定かでない人々に対して「ひどいおとぎばなし」を極力少なく、
   優しい言葉で接して欲しいものです。
    高齢者や判断能力の定かでない方を質問責めにしたり、
   「・・・しなければ知りませよ」等などは施設などでよく耳にする言葉です。
   

 ③一人ではない 誰かが見てくれています

     現在、「えんがわ」という高齢者の集いを月一回行っていますが、
   その最も大切な目的は同じ地域にて生活している高齢者の方々が少しでも孤独感から
  解放されることです。「誰かと一緒」という感覚を持てることは日常生活に大切で安心感
  がもてるのではないでしょうか。
  自分自身の日常生活でしゃべらない、笑えない、ひとりごとの生活は精神的にも寂しく、
  たまらない時間が1日の間にあると思います。
  そのような時間が多くなりますと人々から認知症ではと見られるようなことが発生すると
  思います。

   特にご主人を亡くし、孤独な生活を送っている方には「一人ではない」という気持ちが
  もてることは孤独感より脱出できる要素が多くあると考えます。
   支援者は、高齢者が、自分のこころに閉じ籠らないためには「ほまれかがやき」で接し、
  「ひどいおとぎばなし」を会話の中から捨てて欲しいものと考えています。
  
     
 ④ 高齢者の幸せ

    多くの高齢者とお話をしていますとその幸せ感が良く判ります。
  若者のように多くの望みではなく、日々の穏やかな時間と小さな安心を願っている気持ちが
  良く判ります。
   楽しい会話が出来る環境を最も望んでいるようです。
  楽しい会話と言っても自由で安心した気持ちで話しあえる場所は中々ないような
  気がします。

   主役はだれ?を常に考えなければ楽しい会話の場所はつくることはできないと思います。
  高齢者の集まりは多くありますが、往々にしてそれらは、主催側の一方的な決まりで進んで
  いるようにさえ思われる場面にであったり、高齢者の意志が出ていないような気がします。

   閉鎖的グループは新しい参加者を寄せ付けないムードがあります。
  それらはそれでいいとは思いますが、
  それが、高齢者の安心感につながるためには工夫が必要でしょう。
  高齢者自身もどうすればよいか一人ひとりが考えましょう。
  グループはグループそれ自体で判らない壁が自然につくられてしまいます。

   私達のグループ「えんがわ」もその傾向にあり、今後は注意して自由なムードを醸成
  したいと思っています。
   高齢者であれ、若者であれ、一人一人が考えることが幸せにつながるように思います。
  主役はだれ?と言うことを、もう一度考えたいものです。
   

 ⑤ 孤立より脱却 ホットできる日々を

   100年生きる時代とか、超高齢社会とか、日々マスコミで騒がれています。
  老後って何でしょうか、私は、4月で82歳となります。私の老後って?。
 老中と言うのでしょうか、老現と言うのでしょうか。

  この世に生を受けてより、現在の日々の準備であったような気がします
 現在もこれからの短い人生のために何かをする、何かを準備する日々と思っています。
 残りの人生が少なくなればなるほど残りの人生のためにしなければならない何かの準備を
 しようと心掛けています。それが、楽しく励みにもなります。
 よく言われる終活ではありません。生きる準備です。
  
  その為の準備としては、物質的な経済でなく、こころの経済とでも言うのでしょうか、
 こころのゆとりが最も大切と考えています。
 その為には、先ずは人々との絆を最優先して大切にして、これからの人生のために準備と
 実行をしたいものです。

  高齢期となれば社会がどんどんと狭くなるとよく言われます。
 社会が狭く成れば孤独感が発生します。
 市民の一人として町へ出てゆきましょう。町には、自然もあり、人々もおり、動物もいます。
 自分の気持ち一つで友達もできることでしょう。決して一人ではありません。

  自分の意思を書きとめておくことも大切でしょう。何時かはこの世を去ります。
 この世を去った後が大切と考えています。
 多くの人々に楽しい想い出を残すとこともその一つ。
 肉体はなくなりますが、人々のこころには生き続けています。
 自分の意思をしっかりと書きとめておくことは難しく多くの勉強と経験が必要でしょう。

  人生は、自分自身のものです。自分の意思で自分をしっかりと生きてゆきたいものです。


                            シニアライフアドバイザー
                                  岡島貞雄

            


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