FZシリーズ情報集積所 FZ5 VS. FZ20 VS. Z5 VS. S2IS VS. H1 性能比較

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パナソニックのFZ20が登場してから(2004年8月27日)、非常に類似したスペックの12倍ズーム機が続々と登場し続けています。いずれも光学12倍ズーム、光学手ブレ補正付き、500万画素というスペックです。FZ20の後、まずコニカミノルタのZ5が登場(2005年2月18日)、次いでパナソニックのFZ5(2005年2月25日)が発売されました。ここにきて、CANONからS1ISの後継機であるS2ISが(2005年6月2日)、そしてSONYから新開発のH1(2005年6月17日)の発表がありました。これらの機種は、基本的なスペックが同じの良きライバルですが、各機種ともにそれぞれ特徴があり、長所短所を持っています。このページでは、これらの性能の違いをできるだけわかりやすいように比較してみました。表の下に詳しい説明があります。
スペック比較
パナソニック及びコニカミノルタのWEBサイト内にある仕様表を中心として主に差異のある点をピックアップしています。
表の見方
比較機種が増えたので、以前の表示方法を変えています。赤字の太字になっているものが比較機種の中で最も優れていることを表しています。

FZ20とFZ5を比較したい場合・・・こちらを参照

FZ5とFZ3を比較したい場合・・・こちらを参照
Z5とZ3を比較したい場合・・・こちらを参照
  FZ20仕様表 FZ5仕様表 Z5仕様表 S2IS仕様表 DSC-H1仕様表
有効画素数、CCD 500万画素1/2.5型原色フィルター
光学ズーム 光学12倍
デジタルズーム デジタル4倍
手ブレ補正方式 レンズシフト式(OIS) CCDシフト方式(AS) レンズシフト式(IS) レンジシフト式()
補正効果 約3-4段分 約3-4段分 約2-3段 調査中 調査中
レンズ 8群13枚
(非球面レンズ3枚3面、EDレンズ1枚)
8群11枚
(非球面レンズ3枚3面)
10群13枚
(非球面レンズ、ADレンズ)
9群11枚
(非球面レンズ1枚、UDレンズ1枚)
9群11枚
(EDレンズ1枚、非球面レンズ1枚)
開放絞り値 全域F2.8 F2.8-F3.3 F2.8-4.5 F2.7-F3.5 F2.8-F3.7
ISO感度 80,100,200,400,AUTO 50,100,200,320,AUTO 50,100,200,400,AUTO 64,100,200,400,AUTO
焦点距離(35mm換算) 6-72mm(36-432mm) 6-72mm(36-432mm) 5.83-69.9mm(35-420mm) 6-72mm(36-432mm) 6-72mm(36-432mm)
シャッター速度 8-1/2000秒 8-1/2000秒 4-1/1000秒 15-1/3200 30〜1/2000秒
撮影可能範囲 通常:W端 30cm/T端 2m〜∞ 通常:W端 30cm/T端 2m〜∞ 通常:W端 60cm/T端1.6m〜∞ 通常:W端 50cm/T端90cm〜∞ 通常:W:0.5m〜∞ T:0.9m〜∞
マクロ/A/S/Mモード時:
W端 5cm/T端 2m〜∞
マクロ(テレ端以外)/A/S/Mモード時:
ワイド端
5cm/テレ端2m〜∞
マクロモード;
W端 1cm〜1m/T端 1.2m〜2.5m
マクロモード;
10cm〜50cm(W)
マクロモード;
W:0.02m〜∞ T:0.9m〜∞
マクロ(テレ端時):100cm〜∞
スーパーワイドマクロ;1cmで2.6倍ズーム(35mm換算94mm)で撮影可能※2
スーパーテレマクロ:テレ端84cm〜∞※2
  スーパーマクロモード(35mm換算63mm(1.8倍ズーム)に固定);1〜100cm スーパーマクロモード;
W端0cm〜10cm
 
最大撮影範囲 34*26mm(W)、85*64mm(T)実測値 調査中 最大撮影倍率時の被写体サイズ:約31×23mm 22×16mm(W)、92×69mm(T) 調査中
静止画記録サイズ 2560×1920、2048×1536、1600×1200、1280×960、640×480、1920×1080画素(HDTV) 2560×1920、2048×1536、1600×1200、640×480 2592×1944、2048×1536、1600×1200、640×480 5M:2,592×1,944 3M:2,048×1,536 1M:1,280×960
VGA:640×480
3 : 2 mode(2,592×1,728)
画像処理エンジン ビーナスエンジン2 CxProcess(R)III DIGICU リアル・イメージング・プロセッサー
画質設定 コントラスト/シャープネス/彩度/ノイズリダクション ナチュラル/標準 /ヴィヴィッド シャープネス、コントラスト、ナチュラル、ビビッド、ノイズリダクションは自動 ポジフィルムカラー、色白肌、褐色肌、あざやかブルー、あざやかグリーン、あざやかレッド、ワンポイントカラー、スイッチカラー、カスタムカラー コントラスト/シャープネス/彩度
カラーモー ウォーム、クール、白黒、セピア ウォーム、クール、白黒、セピア セピア、モノクロ モノトーン、セピア
ホワイトバランス オート/晴天/曇り/白熱灯/フラッシュ/セットモード、蛍光灯なし オート/晴天/曇り/白熱灯/フラッシュ/セットモード、蛍光灯なし オート、プリセット(昼光/白熱灯/蛍光灯/曇天/フラッシュ) オート、プリセット(太陽光/くもり/電球/蛍光灯/蛍光灯H/ストロボ)、マニュアル 自動/太陽光/曇天/蛍光灯/電球/フラッシュ/ワンプッシュ
画質モード TIFF/ファイン/スタンダード/動画MotionJPG TIFF/ファイン/スタンダード/動画MotionJPG ファイン、スタンダード、エコノミー、動画MotionJPG スーパーファイン、ファイン、ノーマル、動画:AVI(画像データ: Motion JPEG、 音声データ: WAVE[ステレオ]) スタンダード/ファイン、動画MPEG1
フォーカス方式 コントラスト検出方式 コントラスト検出方式 映像AF方式 TTL 調査中
フォーカス速度 3点AF時
0.30秒(W)-0.79秒(T)
高速1点AF時
0.33秒(W-T)
0.26秒(W)-0.36秒(T) 調査中 調査中
フォーカスエリア 9点/3点/1点/スポット 9点/3点/1点高速/1点/スポット 5点測距ワイドフォーカスエリア(ワンショットAF時のみ有効)、ワイドフォーカスエリア/ローカルフォーカスエリア 1点AF(任意位置選択可能)、 シングル/コンティニアス選択可能、AFロック可能 マルチポイントAF(3点自動測距)/中央重点AF/スポットAF/フレキシブルスポットAF
フォーカスエリアセレクト 不可 不可
フルタイムAF※1 コンティニアスAFとして可※1 コンティニアスAFとして可※1 可※1 調査中 調査中
コンティニアスAFの動態予測機能※1 なし なし あり 調査中 シングルAF/モニタリングAF/コンティニュアスAF
AF補助光 あり あり なし あり あり
マニュアルフォーカス リング方式 不可
フォーカスロック ワンショットAF時、シャッターボタン半押しで可能 AF駆動切換え、シャッターボタン半押しで可能 ワンショットAF時、シャッターボタン半押しで可能 シャッターボタン半押しで可能 シャッターボタン半押しで可能
フォーカスブラケット 不可 不可 不可 調査中
レリーズタイムラグ 0.008秒 0.008秒 0.06秒 調査中 約0.009秒
撮影間隔 0.4秒 0.3秒 1.0秒 調査中 約1.0秒
測光方式 評価測光/中央重点測光/スポット測光 評価測光/中央重点測光/スポット測光 多分割測光(256分割)、スポット測光、中央重点的平均測光 評価測光、中央部重点平均測光、スポット測光(中央固定/AF枠連動) マルチパターン/中央重点/スポット
ホワイトバランス微調整 ±10ステップ(オート時以外) ±10ステップ(オート時以外) ±10ステップ(プリセット、セットモード時)    
露出モード P、A、S、M、プログラムシフト P、A、S、M P、A、S、M    
露出補正 1/3EVステップ、-2〜+2 EV 1/3EVステップ、-2〜+2 EV かんたんモード時:逆光補正 1/3EVステップ、-2〜+2 EV ±2段(1/3段ステップごと) ±2.0EV、1/3EVステップコントロール可
シーンセレクター P/A/S/M / マクロ / 動画 / シーン1・シーン2 (シーンモード:ポートレート / スポーツ / 風景 / 夜景 / 夜景ポートレート / 流し撮り/ 花火 / パーティー / 雪 P/A/S/M / かんたん / マクロ / 動画 / シーン(ポートレート / スポーツ / 風景 / 夜景 / 夜景ポートレート / 流し撮り / 花火 / パーティー / 雪) P、A、S、M
フルオート時:ポートレート、スポーツ、風景、夕景、標準
任意設定時:ポートレート、スポーツ、風景、夕景、夜景ポートレート・夜景
オート、プログラム、シャッタースピード優先、絞り優先、マニュアル露出、カスタム、ポートレート、風景、夜景、スペシャルシーン(新緑/紅葉、スノー、ビーチ、打上げ花火、パーティー/室内、ナイトスナップ)、マイカラー、スティッチアシスト、動画 夜景/夜景&人物/ポートレート/風景/高速シャッター/ビーチ/キャンドル
連写撮影 高速連写(H)3コマ/秒 最大7コマ(スタンダード)最大4コマ(ファイン)
低速連写(L)2コマ/秒 最大7コマ(スタンダード)  最大4コマ(ファイン)
フリー連写モード(∞) カード使用可能容量いっぱいまで連写可能、連写速度はカード書き込み速度に依存。1GB SDメモリーカードまで対応。
連続撮影:約2.2コマ/秒、連続撮影コマ数:6コマ(2560×1920、STD.)
撮影可能コマ数は目安であり、被写体および条件によって異なります。
高速連写:約2.4画像/秒、通常連写:約1.5画像/秒 (ラージ/ファイン) 0.7 fps(0.7コマ/秒) 最大9連写
UHS連続撮影 なし なし 約10コマ/秒最大20コマ(1024×768(80万画素)) なし
シャッターチャンス連続撮影 なし なし シャッターチャンス連続撮影:約10コマ/秒最大20コマ(約2秒前まで)1024×768(80万画素) なし
連写中のAF追従 不可 不可 コンティニアスAF時可※1 調査中 調査中
インターバル撮影 不可 不可 不可 調査中
フラッシュ撮影範囲 0.3〜7.0 m(ISOオート設定時) 0.3〜4.5m(ワイド端/ISOオート)
0.3〜3.8m(テレ側/ISOオート)
0.2〜3.6m(ワイド側)
1.2-2.2m(テレ側)
通常撮影:0.7m〜5.2(W)/0.9〜4.0m(T)
マクロ撮影:0.3〜0.7m(W)(感度設定:オート時)
0.3−6.8m(ワイド端時)/0.9−5.2m(テレ端時)
フラッシュ制御方式     P-TTL調光、フラッシュ同調速度:全速  
フラッシュモード オート/赤目軽減オート/強制発光/赤目軽減スローシンクロ/発光禁止・発光量調整 オート/赤目軽減オート/強制発光/赤目軽減スローシンクロ/発光禁止・発光量調整 AUTO、P、シーンセレクトモード時:自動発光、赤目軽減自動発光、強制発光、スローシンクロ、発光禁止、
A・S・Mモード時:強制発光、赤目軽減強制発光、スローシンクロ、発光禁止
  自動 / 強制発光 / 発光禁止 / スローシンクロ / 赤目軽減
縦位置検出機能 なし 搭載 なし 搭載 調査中
動画記録サイズ 320×240 320×240 640×480(FINE)、640×480(STD.)、320×240(STD.) 640×480、320×240 VXファイン(640×480、約30fps)/VXスタンダード(640×480、約17fps)/ビデオメール(160×112、約8fps) 
動画最大記録時間 最大1GB 連続約91分30秒(ビデオメール)/連続約5分50秒(VXスタンダード)
動画中のズーム 不可 不可
動画中のAFの追従 不可 不可
動画編集 不可 不可 静止画切り出し(セレクトショット)、動画編集  
ナイトムービー 不可 不可  
フレームレート 10コマまたは30コマ/秒 10コマまたは30コマ/秒 30フレーム/秒、15フレーム/秒 30フレーム/秒、15フレーム/秒 30フレーム/秒、17フレーム/秒、8フレーム/秒
液晶モニター 2.0型 13万画素 低温ポリシリコンTFT液晶、視野率約100% 1.8型13万画素 低温ポリシリコンTFT液晶、視野率約100% 2.0型デジタルインターフェースTFTカラー、モニター画素数:約11.4万画素、視野率:約100% 1.8型 11.5万画素 低温ポリシリコンTFT液晶、視野率100%、バリアングル 2.5型TFT LCD(11.5万画素)
モニター自動感度アップ 不可 不可 調査中
電子ビューファインダー 0.33型11.4万画素 0.33型11.4万画素 0.33型11.4万画素 0.33型11.5万画素 0.3型11.5万画素
キーカスタマイズ機能 不可 不可 調査中
セルフタイマー 2秒/10秒 2秒/10秒 2秒/10秒/カスタム(0-10、15、20、30秒で撮影枚数1-10枚も設定可) 10秒
電源 専用リチウムイオンバッテリーパック 専用リチウムイオンバッテリーパック 単3形電池4本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池) 単3形電池4本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池) 単3形ニッケル水素充電池2本(アルカリ乾電池非対応)
電池寿命 CIPA規格:約240枚(付属バッテリーパック) CIPA規格:約300枚(付属バッテリーパック) 約240コマ(CIPA※準拠、付属単3形アルカリ乾電池4本) 単三アルカリ乾電池4本使用時:約130枚
単3形ニッケル
水素電池4本使用時:
550枚(CIPA測定準拠)
単3形ニッケル
水素電池
約290枚
外形寸法 幅 約127.6 ×高さ 約87.2 ×奥行約106.2 mm(突起部を除く) 幅約108×高さ約68.4×奥行き約84.8mm(突起部を除く) 108.5(幅)×80(高さ)×84(奥行き)mm(突起部を除く) 113.0(幅)×78.0(高さ)×75.5(奥行き)mm(突起部を除く) 幅107.8×高さ81.4×奥行91.2mm(突起部を除く)
質量 約520g(本体) 約290g(本体) 約340g 約405g(本体) 約438g
約556g(メモリーカード、バッテリー含む) 約326g(メモリーカード、付属バッテリーパック含む) 約436g(→ソース 約501g(メモリーカード、バッテリー含む) 約591g(単3形ニッケル水素充電池(2個)、“メモリースティック”、レンズキャップ、レンズアダプターリング、レンズフード、レンズキャップストラップ、ショルダーベルトを含む)
起動時間 約5秒 約3秒 約1.9秒 約1.4秒 約2.1秒
外部ホットシュー あり なし あり なし なし
純正テレコン あり なし※3 なし※3 あり あり
純正ワイコン あり なし※3 あり あり あり
純正クローズアップ なし※3 なし※3 なし※3 なし※3 あり
リモコンシャッター あり なし なし なし なし
記録メディア SDカード、MMCカード メモリースティック
内蔵メモリー なし 32MB
※1・・・FZシリーズのコンティニアスAFはシャッターボタンをしていない間もピントを合わせ続ける機能ですが、Z5では同じ機能をフルタイムAFと呼びます。Z5のコンティニアスAFは連写中もAFを合わせ続ける機能のことを指します。
※2・・・FZ20のスーパーワイドマクロ及びスーパーテレマクロはカタログスペックの範囲外の数値です。ユーザーの検証により使えることがわかった機能です。スーパーワイドマクロについてはこちら、スーパーテレマクロについてはこちらを参照してください。
※3・・・他社製のコンバーションレンズを使用することは可能です
レンズの明るさとISO感度とシャッタースピードの差
広角側でレンズが最も明るいのはS2ISですが他機種がF2.8に対してF2.7なので実質的な差は無いと思われます。望遠側で最も明るいのはFZ20です。ISO感度も400まで上げられるので、室内などの撮影に最も強いと思います。FZ5は望遠側でF3.3とFZ20に比べて1/3EV分暗いので、シャッタースピードがその分遅くなります。S2ISもF3.5ですがFZ5とほぼ同じでしょう。Z5は望遠側でF4.5とレンズが暗くISO感度も320までしか上げられないので、FZ20に対して半分以下、FZ5やS2ISに対してはちょうど半分のシャッタースピードしか得られません。また、ISO感度を上げない時ではFZシリーズがISO80からなのに対し、S2ISとZ5はISO50からですので、その分シャッタースピードに差がつきます。実際にどれくらいの差になるかを比較すると以下のようになります。また、同じシャッタースピードで条件を合わせると、FZ20の方がISO感度を低く出来るので、高画質に撮影できることになります。ただし、ワイド側で撮影する場合は、どの機種もF2.7〜F2.8ですので、ISO感度だけの差となります。
テレ側(12倍ズーム時)におけるシャッタースピードの差
絞り開放、最低および最高ISO感度 例1 例2 例3 例4
FZ20 F2.8、ISO80及びISO400 1/400秒 1/200秒 1/100秒 1/30秒
FZ5 F3.3、ISO80及びISO400 1/320秒 1/160秒 1/80秒 1/25秒
Z5 F4.5、ISO50及びISO320 1/150秒 1/75秒 1/45秒 1/10秒
S2IS F3.5、ISO50 1/300秒 1/150秒 1/75秒 1/22秒
絞り開放、ISO感度同じ 例1 例2 例3 例4
FZ20 F2.8、ISO100及びISO200 1/400秒 1/200秒 1/100秒 1/30秒
FZ5 F3.3、ISO100及びISO200 1/320秒 1/160秒 1/80秒 1/25秒
Z5 F4.5、ISO100及びISO200 1/160秒 1/80秒 1/40秒 1/13秒
S2IS F3.5、ISO100及びISO200 1/300秒 1/150秒 1/75秒 1/22秒
テレ側(12倍ズーム時)において、絞り開放で同じシャッタースピードを得ようとした時のISO感度の差
  絞り開放 ISO感度
FZ20 F2.8 ISO80
FZ5 F3.3 ISO100
Z5 F4.5 ISO200
S2IS F3.5 ISO100
たとえば、FZ20で12倍ズームの時にF2.8で1/50秒になるような条件の時、同じシャッタースピードを得ようとするとFZ5だとF3.3なのでISO100にする必要があります。Z5だとF4.5なのでISO200まで上げなければ同じシャッタースピードに出来ません。
Z5のレンズの暗さについてはこちらのレビューでも指摘されています。
開放F値のズーム倍率による変化
FZ20 F2.8
FZ5 F3.0(2倍) F3.3(4倍)  
Z5 F3.2(1.8倍・62mm) F4.0(6.8倍・239mm) F4.5(11倍・385mm)
S2IS 調査中 調査中 調査中
シャッタースピードの設定範囲の差
シャッタースピードの差が最も広いのはS2ISの15秒から1/3200秒です。次いでFZシリーズの8秒から1/2000秒、Z5は4秒から1/1000秒になっています。この差はたとえば、次のような時に出てきます。晴天の屋外で撮影する時など、絞りをF8.0まで最大に絞っても露出オーバーになってしまうことがあり、設定範囲が少ないとNDフィルターなどを使う必要があります。スローシャッター側でも表現の幅はS2ISが最も広くなります。
手ブレ補正効果の差
手ブレ補正効果は、スペック上FZシリーズが3-4段分、Z5が2-3段分となっており、FZシリーズの方が約1段分優れています。またFZシリーズの方がレンズが明るいので、手ブレや被写体ブレに強いです。明るい屋外での使用ならその差はほとんど出ませんが、晴れた日でも日陰、曇りの日、夕方、室内など暗くなるにつれて、その差が大きくなっていきます。レンズの明るさやISO感度の差を含めて手ブレ補正効果の差を考えると、以下のようになります。
  1倍ズーム時、絞り開放、最低ISO感度 12倍ズーム時、絞り開放、最低ISO感度
FZ20 0(F2.8、36mm、ISO80) 0(F2.8、432mm、ISO80)
FZ5 0(F2.8、36mm、ISO80) 0.3段分不利(F3.3、432mm、ISO80)
Z5 1.3段分不利(F2.8、36mm、ISO50) 2.6段分不利(F4.5、420mm、ISO50)
1倍ズーム時の1.3段分不利とは、F2.8、ISO80でシャッタースピードが1/4秒になるような時(室内でよくある条件です)、FZ20ならなんとか手ブレを防ぐことが出来ますが、Z5だと手ブレを防ぐためには1/10秒のシャッタースピードが必要で、このままでは手ブレの可能性が高くなります。
また、12倍ズーム時の2.6段分不利とは、同様にFZ20なら1/50秒でいいときにZ5だと1/320秒必要ということです(曇りだと屋外でも確保できないことがあります)。特に望遠時のこの差はかなり大きいと思います。
※この比較はカタログスペックでの比較で、手ブレのしやすさや補正の効果は、カメラの持ち方や、その時々の撮影条件や撮影方法によっても影響を受けますので、必ずしもこの数字がすべての人に当てはまるわけではありません。
こちらのレビュー記事では、Z5のアンチシェイクはボディの持ちやすさもあって、FZシリーズとほぼ同等の効果を発揮しているとされています。
AFの速さと機能の差
AFの速さは広角側で最も速いのはZ5の0.2秒(0.26秒※1)です。逆に望遠側で最も速いのはFZ5の0.33秒(※1)です。しかし、FZ5とZ5の差は極わずかで、実際の撮影時の差はほとんどないと考えてよいと思います。FZ20は広角側は0.30秒と速いのですが望遠側は0.79秒と遅くなります。機能面では、連写中もAFが追従するコンティニアスAF、動態予測機能(※2)があるなどZ5が優れています。またZ5には測距点を任意に選べる機能があります。FZシリーズは、連写中にAFは追従しませんし、動態予測機能も付いていません。測距点を選ぶ機能もありません。なお、FZ5の高速1点AFとZ5のAFはピントが合うまでの間、画面がフリーズする場合があります。ただし、どちらも高速なAFなので気になるケースは稀だと思います。
※1・・・Z5のAFの速さは公表値で広角側0.2秒、望遠側で0.3秒となっていますが、これはレリーズタイムラグを含まない数字です。実際にシャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでの時間は、広角側0.26秒、望遠側0.36秒となります。(コニカミノルタのユーザーサポートより)
※2・・・Z5のコンティニアスAF、動態予測機能の追従スピードは等速で時速22km(秒速6m)で、小学生の運動会のかけっこなどに有効ということです。(コニカミノルタのユーザーサポートより)
一方、マニュアルフォーカスでは、フォーカスリングを備えるFZ20が最も優れています。Z5にもマニュアルフォーカスは付いていますが(Z3と同等なら)使い勝手はとても悪いです。FZ5はマニュアルフォーカスが出来ません(AF駆動切り替えで置きピンはできます)。
FZ20 W側 T側
1点AF 0.39秒 0.93秒
3点AF 0.30秒 0.79秒
9点AF 1点AFより若干遅い
スポットAF 0.39秒 0.93秒
FZ5 W側/T側
1点AF 0.51秒
1点高速AF 0.33秒
3点AF 0.58秒
9点AF 1.06秒
スポットAF 0.51秒
※FZシリーズのAFスピードは、AFに要する時間とレリーズタイムラグを合計した数字です。FZ5はワイド側もテレ側もAFスピードは同じということです(パナソニックのユーザーサポートより)。
Z5  W側 T側
0.2秒(0.26秒) 0.3秒(0.36秒)
※Z5のAFスピードの公表値はレリーズタイムラグを含まない数字です。実際にシャッターボタンを押してからピントが合ってシャッターが切れるまでの時間は( )内の数字となります。
S2IS 調査中
AFの精度について
Z5の旧機種のZ3は少し暗くなると望遠側でAFが合わない、迷って時間がかかるというユーザーからの指摘が多かったのですが、Z5ではどうなったのか?また、速さでZ5に並んだFZ5のAFの正確さがどの程度なのか?店頭で実機を使ってチェックしてみました。その結果、やはりZ5ではどうしてもピントが合わないケースがありました。なお、まったく同一場面でFZ5(FZ20も含む)では問題なくピントが合いました。やはりZ5はZ3と同様、少し暗いとピント精度に問題があるようです。
以下がZ5のAFが何度シャッター半押しをし直してもどうしてもピントを合わせられなかった場面で、FZ5とFZ20ではまったく迷うことなく合いました。
Z5 FZ5 FZ20
Z5 FZ5 FZ20
※いずれもテレ端、絞り優先AE、AF(FZ5は高速1点AF、FZ20は1点AF)、画質ファイン、画質設定標準、ホワイトバランスオート、最低ISO感度(Z5はISO50、FZはISO80)での撮影です。
Z5のAF精度に関しては、『デジCAPA 2005年3月号(P22)』のレビュー記事にも同様の指摘があります。
また、AFは非常に高速だが、ときどきピントを大きく外しているのに合焦サインが点灯するすることがある(かなりのド・ピンボケなのでむしろわかりやすいが、AF精度に不安を感じてしまう)。
連写スピードと機能の差
連写スピードは、FZ20とFZ5が秒間3コマ7連写(スタンダード)で、Z5は秒間2.2コマ6連写(スタンダード)ですから、FZシリーズの方が優れています。FZシリーズは画質をファインにしても秒間3コマ4連写が可能です。さらにSDカード一杯まで連写し続けられるフリー連写モードがあります。この場合の連写速度は秒間2コマ(高速タイプ(10MB/S)のSDカード使用のとき)になります。
Z5には過去にさかのぼって記録できるシャッターチャンス連続撮影(※1)、UHS連続撮影(秒間10コマ)などの便利な機能があります。ただし、この場合の記録画素数はどちらも80万画素しかありません。Z5の連写で優れているのは、コンティニアスAF時には、連写中にAFが追従するという点です。コンティニアスAFの追従スピードは等速で時速22km(秒速6m)で、小学生の運動会のかけっこなどに有効ということです。(コニカミノルタのユーザーサポートより)
※1シャッターチャンス連写とは・・・シャッターボタンを押している間は内蔵メモリーに画像を記録し続け、内蔵メモリーの容量を超えると古いコマから上書きしていきます。シャッターボタンから指を離した時点で、内蔵メモリーに残った画像をメモリーカードに書き込みます。シャッターボタンを押し込んで離した時点からさかのぼって、最大20コマ分(約2秒前まで、1024×768時)の画像が記録でき、約10コマ/秒での連続撮影が可能。(コニカミノルタのサイトより
マクロ撮影機能
FZシリーズとZ5ではマクロ機能に差があるので単純に比較することが出来ませんが、カタログスペック上、ワイドマクロではZ5が最も近づくことが出来、最も大きく写すことができます。望遠マクロでは、FZ5が1mまで近づけますので一番大きく写すことが出来ます。次がZ5の1.2m、FZ20は2mまでしか寄れません。1mと2mの差は、同じものを写した時2倍大きく写せるということです。
実際にそれぞれどれくらいの大きさに写せるかをテストしてみました。カタログスペックでは寄れないという距離まで寄れる場合もあり、カタログスペックとは違う結果となりました。結果は、ワイドマクロでは、大きく写せる順にFZ20、Z5、FZ5です。FZ20とZ5の差はほとんどありません。テレマクロでは大きく写せる順にFZ5、Z5、FZ20です。※その後、FZ20、FZ5には裏技が発見され、テレ端で約84cmまで寄れることが判明しました。よって、実際の順序はFZ20とFZ5がほぼ同等で、次いでZ5の順になると思います。
使い勝手の点では、FZシリーズの方が良いと思います。Z5のマクロ撮影には最長撮影距離に制約がありますが、FZシリーズには制約がありません。
ワイドマクロ
Z5(スーパーマクロモード) FZ5 FZ20
テレマクロ
Z5 FZ5 FZ20
※いずれもマクロモード、AF(FZ5は高速1点AF、FZ20は1点AF)、画質ファイン、画質設定標準、ホワイトバランスオート、最低ISO感度(Z5はISO50、FZはISO80)での撮影です。
動画撮影機能
動画は、撮影サイズも機能もZ5の圧勝です。動画撮影中AFも追従しますし、ズームも可能です。またナイトムービーの機能もあります。さらに動画編集機能や動画から静止画(30万画素)を切り出す機能もあります。FZシリーズは動画に関してはおまけ程度の機能しかありません。動画中のズームも出来ませんし、AFも追従しません。記録サイズもZ5の640×480に比べて320×240と小さいです。
※Z5の旧機種Z3では動画撮影中のAFが迷いを繰り返すためピントがなかなか合わないというユーザーからの指摘が多かったですが、Z5ではどうなっているのか?検証が必要です。
サイズ・重さ
サイズは、FZ5が最も小さく軽いです。次いでZ5、S2ISです。FZ20は最も大きく重くなります。Z5とS2ISは単三乾電池を4本使用なので、予備を持つ場合は、持つ数によって重さが飛躍的に増していきます。以下は予備バッテリーをいくつ持つと、総重量がどれくらいになるかを比較したものです。これを見ると、予備バッテリーを1つ持つと、S2ISはFZ20を超え最も重くなります。2つ(2組)持つとZ5とFZ20は同じ重量になります。3つ(3組)持つとZ5の方が重くなります。
  本体(電池
SDカード込み)
予備バッテリー
1個(組)の場合
予備バッテリー
2個(組)の場合
予備バッテリー
3個(組)の場合
FZ20 556g 590g 624g 658g
FZ5 326g 360g 394g 428g
Z5 436g 530g 624g 718g
S2IS 501g 595g 689g 783g
こちらと同条件で単3形電池は1本23.5g、SDメモリーカードは2gとして計算しました。FZシリーズのバッテリーは34gで計算しています。
レスポンス
起動が最も早いのはS2ISの1.4秒です。次いでZ5の約1.9秒、次いでFZ5の約3秒、FZ20は約5秒と最も遅いです。レリーズタイムラグ(AF時間を含まない)はFZシリーズの0.008秒がZ5の0.06秒を上回っています。撮影間隔(AF時間を含まない)はFZ5が0.3秒と最も速く、次いでFZ20の0.4秒、Z5は最も遅い1秒です。ズームの速さ(ワイド端からテレ端まで)は、S2ISが一番早く1秒、次いでZ5の1.5秒、次いでFZ5の2.3秒、FZ20は2.6秒です。
※FZシリーズもZ5も起動時間は電源を入れてから撮影可能になるまでの時間を表しています(カタログスペック上)が、以下のレビュー記事によると実測値で、電源オフの状態から撮影開始までFZ20は4.8秒以内、FZ5は3.1秒以内、Z5は2.9秒となっています。
FZ20FZ5Z5
電子ビューファインダーと液晶モニター
電子ビューファインダーは4機種とも0.33型でS2IS以外は11.4万画素、S2ISは11.5万画素でほぼ同等です。液晶モニターはFZ20が2.0型13万画素、Z5は2.0型11.4万画素ですから、FZ20の方が高精細です。FZ5は1.8型13万画素です。Z5には、暗い時に自動的に明るくなるモニター自動感度アップ機能が付いています。Z5の情報はこちらから。
こちらのレビューによるとEVFはZ5の方が大きくて見やすいということです。
専用バッテリーか乾電池か?
専用バッテリーか乾電池かについてはそれぞれ長短があります。
乾電池式の良い点・・・いざというときコンビニなどで入手できる。カメラを買い換えた時、同じ乾電池式ならバッテリーを買い換える必要が無い。充電式乾電池の性能があがれば、電池を買い換えれば最新の性能で使える。
乾電池式の悪い点・・・重い。予備を持つとかなり重くかさばる。バッテリー交換の時+-を確認しながら4本交換するのは手間がかかる。乾電池を使用するとランニングコストがかかるので結局充電式電池が必要になる。ニッケル水素電池だと、使わずにカメラに入れておくと消耗していくので、撮影直前に改めてフル充電しなければならない。またメモリー効果があるため、メンテナンスが必要。
専用バッテリーの良い点・・・軽い。予備を持っても乾電池ほどかさばらない。バッテリー交換の時簡単に交換できる。自然放電が少ないので使わない時カメラに入れっ放しでもある程度の期間なら消耗が少ない。メモリー効果が無いので継ぎ足し充電が出来、メンテナンス不要。
専用バッテリーの悪い点・・・違うシリーズのカメラに買い換えた時無駄になってしまう。バッテリーが切れたとき撮影が不可能になる。バッテリー性能はカメラを買った時点の性能のまま変わらない。
フラッシュ性能
内蔵フラッシュはFZ20が7mまで届き最も高性能です。次がFZ5の4.5(3.8)m、一番届かないのはZ5の3.6(2.2)mです。外部フラッシュ用ホットシューはFZ20とZ5には付いていますが、FZ5には付いていません。FZシリーズにはAF補助光が付き、Z5には付きません。
拡張性
FZ20は外部フラッシュ、シャッターリモコン、各種コンバーションレンズ(純正、他社製ともに)など豊富なアクセサリーが使用できます。Z5には外付けホットシューがありますが、使用できるフラッシュが限定されていて非常に高価です。シャッターリモコンは使用できません。コンバーションレンズは純正でワイコンが用意されていますが他社製のテレコンも使用可能です。FZ5は外部ホットシューが付いていません、シャッターリモコンも使用できません。コンバーションレンズは純正は用意されていませんが他社製のものが使用できます。
その他の使い勝手
絞り優先やシャッタースピード優先モードにおいて、露出決定のためにFZシリーズはEXPOSUREボタンを押してから決定するのに対して、Z5ではダイレクトに決定でき1ステップ少なく設定が可能です。この点ではZ5の方が使い勝手が良いです。
画質比較
画質については好みによるところが大きいので、同一場面での比較ができるレビュー記事などをご紹介します。
FZ20とFZ5とZ5の画質比較
FZ5のISO80とZ5のISO50・・・FZ5のレビューZ5のレビュー
FZ5のISO400とZ5のISO320・・・FZ5のレビューZ5のレビュー
FZ20のISO80とFZ5のISO80・・・FZ5のレビュー
FZ20のISO400とFZ5のISO400・・・FZ5のレビュー
FZ20とFZ5とZ5のレンズ性能と解像度・・・FZ5のレビューZ5のレビュー
メーカーの製品説明のページ
FZ20 FZ5 Z5
メーカーのサンプル写真
FZ20 FZ5 Z5
その他のサンプル写真(レビュー記事)
FZ20はこちらを参照
FZ5はこちらを参照
Z5のレビュー記事
dc watch 1
it nikkei
dc watch 2
all about japan
imaging resource
dpreview
Steave's Digicams
ユーザーのアルバム
FZ20・・・リンクのページを参照
FZ5・・・1234
Z5・・・12
情報交換
価格.comFZ20掲示板
価格.comFZ5掲示板
価格.comZ5掲示板
D'z Club・・・Zシリーズの情報が豊富です

 

Z5のZ3に対する性能差
スペックアップした点
(1)400万画素→500万画素になった
(2)液晶画面が1.5型7.8万画素から2.0型11.4万画素に大型化精細化した
(3)省エネ化で記録枚数が170枚から240枚に増えた
(4)連写枚数が5枚から6枚に増えた
スペックダウンした点
(1)起動時間が1.7秒から1.9秒に遅くなった
(2)AFスピードが広角側0.15秒→0.2秒に、望遠側0.2秒→0.3秒にそれぞれ遅くなった
(3)最高ISO感度が400→320になり高感度に弱くなった
(4)シャッタースピードの設定可能な範囲が狭くなった。15-1/1000秒→4-1/1000秒になり、更に「タイム露光最長30秒」も無くなった
(5)連写速度が2.5コマ/秒から2.2コマ/秒に遅くなった
(6)UHS連続撮影の記録サイズが130万画素から80万画素に減った
(7)シャッターチャンス連続撮影の記録サイズが400万画素から80万画素に減った
(8)フラッシュ到達距離がW側4.0m→3.5m、T側2.5m→2.2mに短くなった
S2ISとS1ISの性能差
→CANONサイト内の比較表
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2005/2/13作成
2005/2/14追記
2005/2/16追記
2005/2/19追記
2005/2/25追記
2005/3/1追記
2005/3/7追記
2005/3/9追記
2005/3/15追記
2005/3/27追記
2005/4/12追記
2005/5/9追記(Z5レビュー記事、拡張性、マクロ機能)