ショートスキーの保管方法

非常に嘆かわしいことに、スキーはウィンタースポーツと言われるとおり冬にだけできる期間限定のスポーツです。(夏は南半球へぶっ飛んで年中滑っている一部例外の人たちはいますが・・・)
春が近づく頃になると、ショートスキーのシーズン中の労をねぎらい、来シーズンもがんばってもらうためにメンテナンスをしてきちんと保管してあげるのがよいでしょう。
シーズンオフの保管方法でスキーの寿命がかなり異なってくるという話があります。スキーの寿命を縮める主な原因は、エッジの錆、滑走面の酸化、傷口などからの水分が入り滑走面やエッジが剥離することなどが挙げられます。
スキーを保管する前にチューンナップをして、エッジの錆付き防止やワックス処理による滑走面の保護を行います。
作業工程は至って簡単。きれいに掃除してから空気と触れない状態にするだけです

かくいう私は自分の板にはすこぶる厳しく、次のシーズン前に板の状態を見てびっくりすることはよくあることです。
板のチューンナップは遊びの一環というスタンスを貫いているので、気分が向いたら徹底的にやるけれど、そうでない時は板が濡れたままであっても放っておくといったありさまです。しかし、シーズンオフの時に滑ってきたままで放置された板が次に日の目を見るときの無残な姿は確かに見るに堪え難いものです。
このサイトのこの文章を今現に読んでいるあなたは、少なからずショートスキーのチューンナップに興味を持っており、板を片付けるにあたってお手入れをしようと思っていたはずです。その気はすでに失せてしまったかもしれませんが、できることなら勢いに任せて今からでもチャッチャッと必要なページを印刷してすぐ準備にかかることをお勧めします。
がんばってください!!

もう一つの問題は保管場所です。
ショートスキーであれば倉庫や車庫に保管しなくても、それほどスペースは必要ないので自分の部屋に飾っておくという人も多いかもしれません。私の場合は自分専用の部屋はありませんが、運良く家族の理解もあり車庫もあるので、そこに長いスキーやブーツなど様々な道具と一緒にショートスキーも保管しています。
できることなら、なるべく風通しの良い日陰に保管しましょう。直射日光、水分、塩分はエッジや滑走面の酸化には大敵です。
もし、自分の部屋もなく、どこにも道具を保管する場所がないという人は、きちんとチューンナップした状態で次のシーズン前まで保管してくれるサービスをしているチューンナップショップもあるようなので調べてみると良いでしょう。


保管までの手順

1.板に付いた水分をしっかりタオルやキッチンペーパーなどで拭き取ります。


2.板のクリーニングをします。
リムーバーでのクリーニング、ホットワックスでのクリーニングのどちらの方法をとっても良いと思います。ちなみに私はシーズン終了時の掃除はリムーバーを滑走面が浸るほど使ってクリーニングします。


3.ホットワックスを行います。
ホットワックスの作業手順の1から5までを行って下さい。
エッジや滑走面が空気に触れなければ良いので、ここで使用するワックスは高価な物の必要はありません。一番安いワックスをかなり多めに使ってパッキングすれば良いと思います。厚く塗ると剥がすのが面倒ですが、せっかく塗るのであればアイロンでのばした時にサイドエッジまで垂れるぐらいにワックスを使ってください。


4.スキー板をパッキングします。
滑走面と滑走面側のエッジはワックスで空気との遮断は完了ですが、サイド側のエッジはそうはいきません。たくさんワックスを使ったとしてもさすがにサイドエッジ全てをパッキングすることは不可能です。
これから長い期間保管することになるので、なるべく外部の空気とは遮断しておく方が良いでしょう。滑走面の酸化もエッジの錆びつきも空気に触れることさえなければ起こらない現象です。

スキーバック宅急便ビニール袋での梱包

スキー板同士を合わせてスキーバンドでしっかり止めます。

スキーキャスター(スキーバック)用の宅急便ビニール袋の幅がちょうど1m超ぐらいで99センチタイプの板だと横向きに入ります。

板を袋の中に入れてクルクル巻けば、このとおり!

キッチン用のラップで滑走面とエッジをパック
みなさん新しい板を買った時のことを覚えていますか?ビンディングも付いていない新品の長い板はほとんどが板全体をビニールに包まれて真空に近い状態で売られています。(通販の布団圧縮袋のように)
ビンディングが付いているので丸ごと包むのは無理ですが、サイドエッジと滑走面をビニールで包んで、これに近い状態を作ります。
そこで重宝するのが、キッチン用のラップです。
まずは板の長さ分のラップを滑走面の上に被せます。空気が入らないように左右にピンと引っ張って板の表面でテープを使って止めます。
ラップの無駄遣いが許される方は、腕に包帯を巻くように板そのものをラップでグルグル巻きにしても良いでしょう。
この作業をすると裏から見ると新品の板のようになるので、とても気分が良いと思います。
少々錆びてもまた削れば良いので、そこまで念入りにやる必要はないと思う人はこの行程はとばしましょう。(はっきり言うと面倒くさいです。私は基本的にはやりません。)


5.場所を探して、保管します。
直射日光を浴び続ける場所や水分が多く湿っぽい場所は避けましょう。シーズンまでにも気が向いた時には状態が確認できるように比較的普段から目に付く場所の方が良いと思います。


前項
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