エッジの研磨

滑走面側のエッジも自分で削る人もいますが、ここでは専門店に任せた方が良い領域とします。
私もそうですが、自分でチューンナップをある程度やる人でもエッジの研磨はサイドエッジのみとしている人が多いようです。
購入した時点でその板は自分のものです。自分でどこのエッジを削っても別にかまわないと思いますが、チューンナップショップなどでも滑走面側エッジを素人が削ることを勧めていないようなので解説は省きます。

サイドエッジを削るのはそんなに難しい作業ではありません。
はじめは軽くそっと撫でるような感じでやると良いでしょう。最悪失敗してもチューンナップ専門店に持って行き助けを求めれば、少々のことであれば元どおりにしてくれるはずです。

エッジの研磨はチューンナップのなかでも一番それらしく見えるカッコイイ作業だと思います。
私のチューンナップの定番は「夜中に車庫で独りぼっち」なので格好良くてもあまり関係はありませんが・・・・・


作業に必要な主な用具

・チューンナップテーブル
・バイス
・ストッパー
・ファイル(ヤスリ)
・ガイド
・オイルストーン
・軍手、エプロン
用具の説明についてはこちらから→ショートスキーのお手入れに必要な道具たち


エッジ研磨の作業手順

1.バイス台にバイスを固定します。
バイス台、バイスともにスキー用のものでなくても大丈夫ですが、専用のもののほうが使い勝手も良くできているので金銭的に余裕のある人は勢いに任せて買ってしまうのも一つの手です。ちなみに私はバイスはスキー用のものを使っていますが、テーブルはホームセンターで買った日曜大工用の作業台を使っています。
ホットワックスまでの作業については簡易的な台などを用いてもできましたが、エッジを削る作業となるとある程度しっかりした台にバイスでスキー板をしっかり固定しておく必要があります。




2.スキー板をバイスに取り付けます。
流れ止め付きのビンディングを装備している場合はストッパーなどを使って止めてから取り付けます。
エッジを削る時に流れ止めがじゃまになるので上がった状態でとめておく必要があります。これについても私は幅広で強力な輪ゴムを使っています。(今使っているショートスキーには流れ止めがないのでそのまま取り付けます。)


これからエッジを削るので、板を立てた状態でしっかりとバイスで固定します。


3.ファイルをガイドに取り付けます。
ファイルとは金属製のヤスリのことです。
サイドエッジを削るために、ガイドという滑走面と直角にヤスリをエッジにあてて、削りやすくするものがあります。3000円ぐらいから売っています。これを使って滑走面に押し当てながら均一に力をかけながら引けば削れます。
ガイドなしで均等に直角に削るのは不可能と思われます。エッジ研磨を自分でやるのであればガイドとファイルは購入しましょう。
エッジシャープナーと呼ばれるファイルとガイドが合体したような商品も売られています。便利ですが、私的にはアングルガイドとファイルの組み合わせの方が格好良く見えたのでそっちを使っています。
本などでは粗目のファイル→細目のファイルとヤスリを取り替えながらやるべきだと書いている場合がありますが、粗に目のものをとばして比較的細かい目のファイルだけで十分です。粗目のヤスリを使っている時に失敗するとエッジが取り返しがつかない状態になってしまうこともあります。時間はかかりますが、細かい目のみでやることをおすすめします。
私は怠け者でシーズン前に行うチューンナップの時にはエッジは錆びきっていることが多いので、最初は粗めのファイルで思い切って削ってしまいますが、あまり賢い方法とは言えません。
エッジの研磨はエッジの錆落としのためにやるのではなく、エッジを立てる(尖らせる)ためにやる作業にしたいものです。(←自分に言い聞かせているだけです。)
第一に錆びないようにメンテナンスが重要ですが、いったん錆び付いてしまったエッジにもとの輝きを取り戻すためには錆ごと削りとってしまう方法が一番手っ取り早いと思います。


4.エッジ研磨に不要なボーダーを削ります。
新品の板の場合はエッジの上部にエッジを保護しているボーダーと呼ばれるプラスチックの出っ張りがあります。
エッジを削る時にサイドエッジよりもボーダーの方が出っ張っていると邪魔になるので、サイドエッジよりも低くするためにボーダーカッターと呼ばれるような道具を使ってボーダーを削ります。
私はファイルの角などを使って削っています。できるできないは素材にもよると思いますが、わざわざボーダーを削るためだけに専用カッターを買うのはちょっと勿体ない気がします。


5.全体に均一に力がかかるようにヤスリをかけます。
スキーのトップからテールへ向かって削ります。
あまり力を入れすぎるとヤスリがエッジから落ちたりずれたりしてエッジがつぶれてしまったりするので注意が必要です。軽く添えた状態で何回にも分けて削るような感じでも十分削れます。
また、金属の削り屑がでますので、軍手やエプロンなどをつけて作業する方が良いでしょう。
エッジが立っているかどうかを指で触って確認しながら十分エッジが尖った状態になれば完成です。


安全のために手袋をはめて、ガイドを滑走面にまっすぐ当てながら優しく削っていきます。

削りかすがこんな感じでたくさん出ます。最初はこんなに削って大丈夫かな?と不安になりますが、この程度であれば問題ないと思います。(この板は使い始めて5年ぐらいになりますが、まだまだエッジが薄くなったなどと思ったことはありません。)


6.エッジのバリが気になる人はオイルストーンなどでエッジをこすってなめらかにします。
オイルストーンを水や油で濡らして、エッジを削った要領と同じようにして研いでいきます。包丁を研ぐ砥石のようなものなので、確かにオイルストーンをかけるとバリがとれて滑らかになります。
気になる人はやるというスタンスで良いと思います。


7.最後に板をクリーニングして終わりです。


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