下半身リードのダウンスイング

その1 - ダウンスイングへしなやかに切り換えるためのバックスイング からの続き。

大切なポイント:解説の言葉
「ここでは、岡本プロの膝(ひざ)の動き、ニーアクションにご注目下さい。
岡本プロの飛びの秘密は、このニーアクションにあると言っても過言ではありません。」

バックスイング(テイクバック)の次は、
振り上げたクラブを振り下ろすダウンスイングなのですが、
ゴルフのスイングでは、ダウンスイングの初動で
腕を振ってクラブを振り下ろそうとしてはいけません。

はじめに理解しておいて欲しい
ゴルフレッスンに潜む大きな落とし穴


左肩の力で左腕を振ってクラブを振り回すのではなく、
左肩を回して左腕を引き下ろし、クラブを引き回すのです。
腕を振らずに肩を回して左腕を引き下ろすために、まず腰を回す。
厳密には、腰と言っても”ウェスト”ではなく、
“お尻(ヒップ)”の回転 - 『ヒップターン』です。

では、ひと言で「お尻を回す」と言っても、
どこに力を入れて、どのように回すのでしょう?


左足を捻る? 右足を蹴る?
おへそを狙った方向に向かって突き出す? 
腰を反時計回りに捻る?
いろんな回し方がありますが、

ボディーターンのダウンスイングのきっかけの動作は、
まず、下の岡本綾子師匠の連続写真のように、
バックスイングから連続的に左足を踏み込んでひざを外側へ捻り、
お尻を左側へ僅かにスライドさせるように左尻を回します。(ニーアクション)。


バックスイングからダウンスイングへしなやかに切り換え、
下半身のリードで上半身の回転にクラブヘッドをシンクロさせて回すには、
どのタイミングで左足を踏み込んでいくか?

そのリズムがとても重要なのです。


岡本綾子師匠の著書『情熱と挑戦 - 私の履歴書』の中には、以下のように書かれています。

バックスイングを上げたら、一般的にはトップからの「切り返し」というが、私の考え方では「切り返し」という言葉は禁句である。アドレスからフィニッシュに至る、ボールを打つ一連の流れの中で、「切り返し」はない。

トップオブスイングへいくまでに、すでにダウンスイングの動作は始まっているからだ。 - - - 以上引用- - -

上のビデオ動画をじっくりと見て、しっかりとしたイメージとリズムを掴んで欲しいのですが、左の連続写真を見ると、

バックスイングで踏ん張った右足を軸に、右腕でグリップを引き上げながら
左肩を回し込みトップオブスイングになる直前に、左足を踏み込み曲がった左ひざを外側へ捻り始めておられます。


さらに詳細に見ると、
バックスイングの終盤、左腕の付け根が窮屈になり始めたところで、
グリップの左手小指側を右耳の右横あたりに突き出すようにして、
左ひじをしっかり伸ばしたまま、右ひじをしっかり曲げ、
グリップをトップオブスイングの位置に固定しながら、

左腕とクラブが直角になるくらい
左手首を親指側にしっかりコックして両手首を固め、
左肩を顎の下に入れてボールを狙うのとほぼ同時に、

左足をグッと踏み込んで(踏みしめて)
曲がった左ひざを外側へ捻って、
頭を支点にした振り子のように、
左尻を僅かに左側へスライドさせながら
左足に乗せるように回します。


この左ひざの動きに合わせて、
上半身は、前傾姿勢を保ったまま、
上体が決して左側へスライドしないように頭を残し、

両肩の中心(首筋の下あたり)を軸に、
左肩を左斜め上方に向かって回し、
左腕をボールに向かって引き下ろす
と同時に、

グリップを、右肩の右横(トップオブスイングの位置)に残し、
腕の形を崩さずに右ひじを脇腹に絞り込むように右肩を回し、
グリップエンドからボールに向かってクラブを引き回します。

何気ないことだが、頭の角度がショットの良し悪しを左右する!

左足の踏み込みと同時に、若干上半身が右側に傾くのに合わせて
頭を少し右に傾げることを意識することがとても大事です。

これを意識することによって、
左肩を左斜め上方に向かって回しやすくなるばかりでなく、インパクト前後で肩の回転を緩めることなく、ビハインドザボールで頭を右に傾げたまま、

スイングプレーンと平行にフィニッシュまでしっかり肩を回してボールをムチでしばくように打ち抜き、右上のような視界の中を飛んで行く打球の行方を追いやすくなります。

多くの女子プロのフォロースルーでは、
上半身が若干右側に折れ、頭はさらに右に傾げて打球の行方を追っています。

頭を傾げずに真っ直ぐに真上からインパクトの瞬間を見ようとすると、
脳が勝手に首にできる歪みを避けようとして、
肩をスイングプレーンではなく、地面と平行、つまり水平に回そうとして、
上体が起き上がるようなフォローになってヘッドの軌道が安定しない。

あるいは、首にできる歪みを避けるためにインパクト前後で肩の回転が緩み、瞬間的にグリップやヘッドが慣性力で落ちてしまい、
しっかり肩を回わしてボールをしばくように振り抜ききれないために、
手打ちのような中途半端なフィニッシュになる。

インパクト後にボールのあった位置を見過ぎてしまい、肩をしっかり回せず、打球が視界から消えてしまい、その行方がわからなくなるなど、
インパクトからフォローにかけての頭の角度は、ボディーターンのスイングイメージ作りに大きな影響を及ぼします。


このように、左ひざの動きで、上(右)半身主導のバックスイングから下(左)半身主導のダウンスイングへの連続的なリズムをリードすることによって、バックスイングの勢いを吸収しながら、インパクトまでのタメがつくられます。



つまり、左ひざを捻るように左足を踏み込むことが、
バックスイングの終わりであり、
ダウンスイングの開始でもあり、
ヘッドスピードを上げようとして腕を振るのではなく、
グリップをトップオブスイングの位置にしっかり残し、下半身リードで左腕を引き回す意識が大切なのです。

腕を振ってグリップを振り下ろすのではないので、
バックスイングの最後に、
左ひじを伸ばして左手首をしっかりコックしながら、
右ひじをしっかり曲げて、右腕で右耳の右横あたりにグリップを引き上げ固定するのとほぼ同時に、左足を踏み込むのに連動して左肩を左斜め上方に向かって開くように回します。

このとき、左腕の付け根部分が鎖骨あたりにグッと押し付けられるような感覚を感じるくらい左肩の力を抜いて、
グリップを残す(遅らせる)のです。

左腕が振られてグリップが早く落ちてしまうと、
その後のタイミングがすべて狂ってしまいますので、
グリップを残して(遅らせて)左腕を引き下ろすイメージがとても大事です。

このイメージを作れるかどうかが、腕を振り下ろさずに、
下半身リードのボディーターンでクラブを振れているかを判断する大切なチェックポイントになります。


両腕はトップオブスイングの形を崩さずに、
グリップを右肩の右横に残したまま、
しっかり曲げた右ひじが腰と肩の回転によって
脇腹に絞り込まれます。
決して、グリップを落とすように腕を振って
右脇を締めようとするのではありません。

つまり、身体の右横にグリップを残すように右腕に力を入れることになるので、
クラブヘッドを振り回すように腕を振る動作をしてはいけないのです。

また、インパクトでのヘッドの勢いを最大化するためには、
ダウンスイングで遠心力によってヘッドが外に膨らまないように、右ひじを曲げ、

左腕とシャフトがつくる角度を直角に保ち、スイングプレーン上をグリップが描く円軌道の接線方向に常にクラブが保持されるように両手グリップを固めたまま、グリップエンドからボールに向かって真っすぐクラブが引き回される
事がとても大切です。

このグリップのコックの角度を保持したまま、
ダウンスイングからインパクトまでクラブをグリップエンドから引き回すことを強く意識することで、ハンドファーストにボールを捉えることができるのです。


岡本綾子師匠の教本「岡本綾子LESSON」には次のように書かれています。
「ダウンでの上半身の動きを単純明快に表現すると、『クラブが立ったままの状態で振りおろす』といえます。他のいいかたでは『グリップエンドをボールの位置に向けながら』です。」
        ・・・ 以上引用 ・・・

そのためには、遠心力に対抗するために、
右肩、右ひじ、両手首に力を入れてグリップとクラブヘッドをトップオブスイングの位置に固定
して、左肩は腕を振り下さないように力を抜いて、

左の写真のように、右腰の後をインサイドから右ひじ、グリップ、クラブヘッドの順で引き回されることを意識しながら、左足を踏み込みダウンスイングを始動するのです。


腕を振ってクラブヘッドをボールに当てようとしたり、
クラブヘッドが外に膨らみ早く回り込んでしまわないように、右腕にしっかり力を入れて我慢していないと、このフォームは絶対できません。

こうすることによって、ダウンスイングの初動段階ではヘッドの描く弧が小さく慣性モーメントが小さいために、
大きな負荷を感じることなく身体の回転力でスムーズにヘッドを回すことができるとともに、
クラブの重さやシャフトの長さの影響を受けにくくすることができるので、
すべてのクラブをほぼ同じリズムで振ることができるようになります。

さらに、スイングの「タメ」がつくられることによって、
インパクトの直前から後ほど説明する「ムチをしばく原理」が働いて、
ダウンスイングで溜められたパワーがインパクトで一気に開放されてヘッドが加速しながら飛び出すようになり、インパクトの威力を増すことができます。


左肩の力で左腕を振り下ろそうとしてはいけないばかりでなく、
右ひじの曲げと、左手首のコックとそれを支える右手グリップを絶対に緩めてはいけないのです。

これらを緩めてしまうと、
遠心力によって右ひじが伸びて左腕が振られ、
グリップが落ちるタイミングが早くなったり、

コックが緩んでクラブヘッドが外に膨らんだりして、
ボールを捉えるまでの身体の回転とクラブの振りがバラバラになり、
インパクトのタイミングやフェースの向きが乱れやすく再現性が落ちます。


岡本綾子師匠の教本「岡本綾子LESSON」には次のように書かれています。
・・ 前略 ・・ どうしてもダウンスウィングの途中でコックがほどけてしまい、クラブヘッドがすぐに落ち、いわゆるスウィングの「タメ」が作れません。

このスウィングの「タメ」をキープするには、右手の親指と人さし指を固く締めておき、コックが勝手にほどけてしまうのを防ぐ必要があります。 ・・ 以上引用 ・・

「岡本綾子のすぐにチェックしたい! ゴルフの急所」には、
「・・・この形を作るために、ダウンスイングで右ヒジを伸ばしてしまってはいけません。右ヒジは、インパクトを過ぎてから延ばす。一方、左ヒジは曲げちゃいけない。手首もできるだけ同じ形をキープする。こうすれば、自然にレートヒットが可能になります。」 ・・ 以上引用 


上のビデオ動画「岡本綾子プロの指導」の腰の動きには、
岡本綾子プロのように、力(りき)みのないしなやかさの中に、
飛距離と方向性を兼ね備えたスイングをマスターするための秘訣が隠されています。


ダウンスイングの開始動作として、左ひざを捻ることを意識し過ぎると、
左足一本でお尻を回そうとして、上体が左サイドへ流れて右足が浮いてしまい、
インパクト前後で肩を充分に回すことができにくくなります。

飛球線方向にヘッドを振り抜こうとすると、
右尻を不自然に回し込んで腰を飛球線方向に向けようとしたり、
インパクト直前にヘッドを回し込もうとして上体が浮き上がったりグリップが緩んだりして、却って右方向に打ち出してしまうので

左足を踏み込み(踏みしめ)お尻を振り子のように左サイドへスライドさせながら、後述するように右足のかかとを上げ、
右尻を狙いよりもやや右斜め前方に押し出すように回しつつ、
しなやかに左足にお尻を乗せていくように下半身を回しながら、

下図のように、ヘッドはしっかり遅らせたまま、狙った飛球線方向より若干右斜め前方に向かってボールを捉えるイメージで、ボールのやや内側をめがけて、
左肩を淀みなく回し切って左腕を引き抜く
のです。

こうイメージすることによって、右尻と右肩、右ひじ、グリップを一体化して
無理なく身体を回すことが出来、インパクトでは後述する「ムチをしばく原理」が働いて、ヘッドがしっかりとボールを捉え狙った方向に打ち出せます。


インパクト前後で、肩の回転が淀むことなくフィニッシュまで回し切ることによってボールを打ち抜いている。

腰を回すことを意識し過ぎると、両足で踏ん張ったままお尻の真ん中(体幹)を軸に腰を捻るように回そうとしてしまうために、
腰の左側が引けて左足にしっかり乗り込めなかったり、

左足を必要以上に踏ん張って、
左足股関節の柔らかさが失われ、お尻の回転が不十分になったり、
振り子のようなお尻の動きが失われ、スイングリズムが速くなります。

すると、右脇の余裕が少なくなり、
腰が飛球線方向を向く前に右ひじが伸び始めてしまう
ために、
インパクト直前に、左腕の振りにあわせて、
リストを反してフェースを反すことになり、
身体の回転とリストの反しのタイミングが合わなければ方向性が安定しません。

さらに、左足を踏み込む際に左ひざが伸びきってしまわないように注意してください。
左ひざが伸びきってしまうと左半身が伸び上がり、
腰を充分に回せなくなって打球が安定しなくなったり、
お腹が極端に前に突き出るような弓なりのフォームがきつくなり
腰への負担が大きくなったりします。





左足を踏み込み、ダウンスイングを始動した直後は

左足を踏み込み、ダウンスイングを始動すると、
左の写真のようなフォームになります。

ここから、右足かかとを積極的に上げ、
右尻を押し出すように回すのと同時に、
右尻と同じリズムで淀みなく肩を回してクラブを引き回し、身体の回転でボールをしばくように打ち抜きます。

このとき、お尻は左足、肩は首筋がそれぞれの回転軸となります。


下の連続写真の後半のように、踏み込んだ左足を軸にして、
右足かかとを積極的に上げ、右尻を狙いよりも右斜め前方(インサイドアウト)に向かって押し出すようにグッと回し込みながら、


右ひじはしっかり曲げたまま、右手グリップは右肩の右横にしっかり固定したまま力を抜かずに、グリップエンドからクラブを引き回すように、右ひじと右肩を右尻と一緒に回し込みます。


左の連続写真では、インパクト前に右ひじが伸びているように見えますが、
ダウンスイングの途中では、出来るだけ右ひじが伸びないように我慢して、右尻が回り込み、腰がほぼ飛球線方向を向いたところで、左腕を引き抜くように左肩を回しながら、右ひじをリリースしてボールを捉るイメージです。

すると、ダウンスイングのタメが解放され、遠心力によってヘッドが回り込み、右尻の横、右肩の右斜め前でボールをしばくように捉えることができます。
このボールを捉える瞬間に、絶対に肩の回転を止めてはいけません。
肩の回転を止めると、慣性力によってヘッドが急速に回り込んでフェースが反り左方向への打球になります。

右ひじの曲げや右手首のコックをリリースするタイミングが早いと、
身体がしっかり回る前にヘッドがボールに到達してしまい、
ボールをしっかりと捉えられず右方向への打球になります。

打球の方向は、右ひじの曲げとグリップのコックをリリースするタイミングに依存します。それ故、常に一定のリズムで身体を回し、リリースするタイミングを安定させることが、スイングの再現性を高める上で重要になります。

左半身は、右足かかとを上げるのと同時に、
決して上体が起き上がったり、左へ流れたりしないように前傾を保ったまま、
下の図のようなインパクトをイメージして飛球線方向に胸を向けるつもりで、
頭を右に傾げたまま、首筋を軸に左腕を引き抜くように、
左肩をスイングプレーンと平行に左斜め後方に向かって淀みなく回し、
グリップエンドからクラブを引き抜きます。

つまり、右ひじの曲げも両手首のコックも緩めずしっかり固定したまま、
右足かかとを上げて左足を軸に右尻をインサイドアウトに押し出すように回し込むのと同時に、右尻と一緒に右ひじ、右肩を回し込みながら、
左腕を引き抜くように左斜め後方に向かって左肩を回す
のです。

ボールを捉える瞬間のイメージは、身体の正面でヘッドを振り抜くのではなくて、左肩の回転を緩めることなく、しっかり回して左腕を引き抜きながらクラブを引き回し、身体の横でボールを捉えるイメージを意識することが大切なのです。

このイメージを意識していないと、インパクト直前に肩の回転が緩んで、慣性力でクラブヘッドだけが先に落ちて小さなスイングアークでボールを捉えてしまい、打球に体重を乗せることができず飛距離が出なくなります。

逆の言い方をすると、上の写真のように後述するインパクトで、
左足を軸に、腰が飛球線方向を向くまで、
首筋を軸に、胸がボールの位置よりも前方を向くまで、
右尻と左肩をしっかり回し込んだところで、

右ひじが、腰と一緒に回りながら伸びて、
グリップがインサイドに引き込まれて
ムチをしばくようにヘッドが回り込み、
左腕とクラブシャフトがほぼ一直線になって、
右腰の横、右肩の右前でボールを捉えられるイメージが大切であり、

このイメージでボールを捉えるためには、
ダウンスイングの途中で、
遠心力や慣性力によってグリップやヘッドが早く落ちてしまわないように、
右ひじと右手グリップに力を入れて我慢して、
お尻と肩をしっかり回さなければならない
のです。


この右足かかとを積極的に上げる動作のタイミングはとても重要です。
右足かかとを上げて右尻を押し出すことを意識していないと、
左足の捻りのみでお尻を回そうとして上体が起き上がってしまい、
重心が左側へ流れて、右足が浮いてしまうと、
右足で右尻を押し出せなくなり、しっかりしたインパクトができません。


また、右ひじの曲げとグリップのコックをしっかり保持して
グリップやヘッドが早く落ちないように我慢していなければ、
お尻や肩がしっかり回り込む前に
フェースが開いたまま、クラブがアウトサイドに振り抜かれるので、
プッシュアウト気味のスライスになりやすくなります。

さらに、クラブを早く振ろうと意気込むと、
右足かかとを上げてお尻を充分に回す前に、
左足を踏ん張ると同時に、肩を先に水平に回したり、腕を振ろうとしてしまい、
スイングリズムが早くなってインパクトが乱れ易くなります。



他のスイング解説などで、
「インパクトで右肩が下がってはいけない。」という説明がよくありますが、
こちら で解説している通り、

下半身リードのボディーターンでスイングする場合、
前傾したままで、右ひじを伸ばさずに積極的に肩を回さなければならないので、
肩の回転は、クラブのスイングプレーンとほぼ平行になり、
インパクトの瞬間は、右肩下がり左肩上がりで、
胸を飛球線方向に向けるイメージ
になります。

インパクトで腕を振る癖がついていると、
無意識の内に肩を水平に回すようにしてクラブを打ち込むことが当たり前になっているので、このイメージを払拭するためには、
決して上体が起き上がらないように注意して、
肩をクラブのスイングプレーンと平行に斜めに回すことを強く意識することが、とても大切で、

首筋から背筋にかけての肩の回転軸が構えからフィニッシュまで上下左右に大きくぶれないように出来るだけ一定に保ったまま、
下半身リードで上半身を回すことです。


「右足かかとを上げる」というのは、「蹴る」のではなく、
右の岡本綾子師匠のように右尻を押し出すように右足かかとを上げ、右ひざを送り込むように右尻を回し込みながら、
右腰と一緒に右ひじを回し込むということです。

感覚的には「出来るだけヘッドを遅らせて、身体の回転で
ヘッドを回し込む」
ようなゆったりしたイメージです。

ボールに頭を正対させたまま肩を回そうとすると、
身体の正面でボールを捉えるイメージが邪魔をして、
インパクト直前に肩の回転が淀む(遅くなる)ことがあり、
引き下ろした慣性力によって腕が振られてグリップが先に落ち、
フェースが開いたままボールを捉えて、
右方向へのスライスが出やすく、

逆に、インパクト直後に肩の回転が止まると、
フェースが早く反って左方向へのフックが出やすくなります。
手首のコックが早く緩んで、フェースが早く反った場合も左方向への打球が出やすくなります。

そのような時は、ダウンスイング開始の際に、
若干頭を右側に傾げる
ように意識すると、
身体の正面でボールを捉えるイメージによって生まれる
肩を思い切って回すことへの無意識の抵抗感が弱まり、

ダウンスイングの開始時に、左斜め上方に向かって
スイングプレーンと平行に肩を回しやすくなる
とともに、
ボールを捉える瞬間を後方から見られるようになります。

すると、右上の写真のように、
スイングプレーンに沿って淀みなくスムーズに肩を回して、
飛球線方向に胸を向けながら、クラブを引き回すようにしてボールを捉え、
そのままの勢いでヘッドを振り抜くことができるようになり、
インパクト前後でのフェースの向きが安定して真っ直ぐな打球が打て、
インパクト直後から打球の行方を追うことができます。

この頭を右に傾げることを意識していないと、
インパクト時に肩の回転が淀む
ばかりでなく、
インパクトからフォロースルーにかけて、
上体が起き上がりやすくなり肩の回転面が水平に近くなって、
フォロースルーが乱れて打球の方向性が安定しなくなるのと、
インパクトでのヘッドアップを恐れて地面方向を見続けてしまい、
打球の行方を追いづらくなります。


ボディーターンのスイングをマスターする上においては、両足の動きに連動してフィニッシュまでしっかりお尻と肩が淀みなく回るスイングリズムが大切です。

決してお尻より先に肩を回し始めたり、腕を振り下ろすような早いリズムでこれらの動作をしようとしてはいけません。

バックスイングの終わりに、左尻を乗せるように左足を踏み込み、
右足かかとを上げて左足を軸に右尻を回し込む
下半身の動きに集中して、
下半身の動きに連動して上半身が動くスイングリズムを身に付けて下さい。


右腕でグリップを振り上げた位置にしっかり固定したまま、
左足を踏み込んで左肩で左腕を引き下ろした始めた直後から、

右足かかとを上げて、
脇腹に絞り込まれた右ひじを右尻と一緒に回し
ながら、
前傾を保ったまま首筋を軸にしっかり左肩を回して、左腕を引き抜きクラブをグリップエンドから引き回すことがリズム良くできるようになるまで、
何度も素振りをしてその感覚とリズムを掴んで下さい。


ダウンスイングでアドレスした時の前傾を崩さずに左足と首筋を軸に身体を回した時、身体の右サイドは右足かかとを上げ、右ひじが脇に絞り込まれ右肩が下がるように回り、

左サイドは左足をやや伸ばしながら左肩を左斜め上方に向かって回すことになるので、全体的な身体の回転イメージとして、身体の右サイドは締める(縮める)ように、左サイドは開く(伸ばす)ように意識することになります。

左足を踏ん張ると同時に上体が起き上がってしまうと、
肩が水平になったところで回転が止まって腕を振ってしまいスムーズなボディーターンでフィニッシュまで振り切れなくなります。
決して上体が起き上がらないように意識すれば肩がスムーズに回りスイングプレーンに沿ってフィニッシュまで思い切ってクラブを引き回すことができます。

クラブを日本刀に持ち変えて刃を下にして構えたとすると、
グリップの指側(クラブヘッドのシャフト側)が、刃の向きになります。
バックスイングのトップで、刀はイメージしたスイングプレーンと平行になり、
刃はスイングプレーン上でボールを切る方向を向きます。
(クラブヘッドのフェースがスイングプレーンと平行になり上を向く)

ボディーターンのスイングでは、
そのままの両腕の形とグリップの位置を保ったまま
決して腕を振ろうとせずに、お尻と肩を回すだけで
ボールを切るように、刀を引き下ろすイメージです。
(クラブヘッドのシャフト側から振り下ろされる)

すると、インパクトでは、腰と肩が開きながら
グリップが回り込み、ムチをしばく原理が働いて、
ボールを捉える直前にシャフトが捻られ、クラブフェースが自然に反り、
ちょうどいい角度でクラブヘッドがボールを捉えるので、
インパクトで手首を反すリストターンの必要はなくなるのです。

腰(お尻)と肩をどこまで回して、どのようなイメージでボールを捉えるかは、
どのようなスイングリズムで一連の動作を行うかに左右され、
インパクトイメージとスイングリズムがボールを正確に飛ばす鍵となります。

逆に、ヘッドがボールに到達するまでに、身体が充分に回らず中途半端だと、
フェースが反る前に、開いたままヘッドが落ちて、
プッシュアウト気味にボールを捉えて、
右方向への打球が出てしまうことになります。

躊躇うことなく、リズムよく、淀みなく、身体を回しきることが大切です。


インパクトへ続く


2000年代前半にマスターズで歴代日本人最高位の4位になるなどの大活躍をされ「キング オブ スイング」と称されるほど美しいスイングだった伊沢利光プロが、2002年に出版された「伊沢利光の結論 [飛距離と精度]」には、

「腰のターンが最初から最後まで主体になるように意識する」
「下半身から切り返した瞬間、手は何もしてはいけない」
「まず下半身から動かし出す。その感覚を体にしみこませる」
「プッシュアウトが出ても腰のターンと腕の振りを連動させることだけ考える」
「タメて下してきたヘッドは勝手に走らせるようにする」
「ダウンスイングで絶対に左脇を開けないで振り下ろす」 などの内容のほか、ボディーターンのスイングをマスターする上での多くのヒントが詳しく解説されています。

高速ビデオ撮影でスイングチェック!

ゴルフスキルの上達に欠かせないスイングモーションを簡単に撮影できるハイスピードカメラ。
スマート端末で撮る・見る・分析。EX-SA10とスマホを専用アプリ『EXILIM Connect for GOLF』で連動して、リモートでスイング動画を撮影。
撮影した動画は、『EXILIM Analyzer for GOLF』のライン表示や2画面同時再生機能を使用して、その場ですぐにスイング分析することができる。
モーションシャッターを使えば離れていても撮影可能。
動きを感知すると自動でセルフタイマーのカウントが始まり、カメラに触れずに撮影できる。


通常スピードで素振りとボールを打つ場合とを見比べても、
どちらもスムーズなスイングができているように見えるのですが、

実際にボールを打つスイングをスローモーションで見てみると、
インパクトで、腰をしっかり回せずに左足への乗り込みが弱いまま肩の回転が止まり、
右腕のタメ(グリップのコック)が勝手に解けてヘッドが落ちてしまい、
腰が引けたような姿勢のままヘッドが回り込んでボールを捉えています。

それ故、身体の回転で弾き飛ばすというよりも、
ヘッドの回り込みのみでボールを掃うような弱々しいインパクトになっています。

腰と肩の回転でグリップエンドから引き抜くように意識して、
自分では出来ていると思い込んでいても、
インパクト直前に、瞬間的に肩の回転スピードが遅くなってしまうことが多く、
自分の眼で確かめながら、理想通りのスイングに仕上げていくことが大切です。