更新日:2023年5月9日
測量士補試験は、土地家屋調査士の午前試験(測量関係)の免除資格になっていることから、土地家屋調査士を受験する前に測量士補試験を受験される方も多いかと思います。
とはいえ、測量士補試験が難しいのかどうか、簡単に合格できるのかどうか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで、このページでは、宅建や管理業務主任者などの不動産系資格と比較しながら、測量士補試験の難易度や合格率について、ご紹介していきたいと思います。
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測量士補試験の難易度
それでは、測量士補試験の難易度を測る指標として、まずは合格率から確認していきます。
合格率は30%前後で推移
測量士補試験の合格率は、年度によって幅がありますが、おおむね30%前後で推移しています。
30%というと、それほど高くない難易度と感じますね。
直近の2022年実施分で見ると、受験者数 12,556人のうち5,540人が合格しており、合格率は44.1%となっています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成25年 (2013年) |
10,596 | 2,248 | 21.2% |
平成26年 (2014年) |
11,118 | 4,417 | 39.7% |
平成27年 (2015年) |
11,608 | 3,251 | 28.0% |
平成28年 (2016年) |
13,278 | 4,767 | 35.9% |
平成29年 (2017年) |
14,042 | 6,639 | 47.3% |
平成30年 (2018年) |
13,569 | 4,555 | 33.6% |
令和1年 (2019年) |
13,764 | 4,924 | 35.8% |
令和2年 (2020年) |
10,361 | 3,138 | 30.3% |
令和3年 (2021年) |
12,905 | 4,490 | 34.8% |
令和4年 (2022年) |
12,556 | 5,540 | 44.1% |
不動産系資格で合格率を比較
次に、測量士補試験の難易度を不動産系資格で比較してみたいと思います。
資格名 | 合格率 |
---|---|
土地家屋調査士 | 約 8% |
マンション管理士 | 約 8% |
宅建 | 約 15% |
管理業務主任者 | 約 20% |
測量士補 | 約 30% |
賃貸不動産経営管理士 | 約 30% |
このように、一般によく耳にするような不動産系資格の中では、最も高い合格率(難易度が低い資格)だということがわかりますね。
そうは言っても、実際のところ合格率30%ということは、10人受験すると、7人は落ちる試験だということになります。
つまり、半分以上の人は落ちるわけです。
ということで、測量士補試験は、不動産系資格の中でも難易度は低い(合格率は高い)とはいえ、十分な受験対策が必要な試験だと言えますね。
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測量士補の合格点は64%の正解(700点満点中450点)
次は、測量士補試験の合格基準について見ていきたいと思います。
合格基準とは何かというと、この点数さえ取れば合格ですという、まさに「合格点」のことです。
一般に、国家試験では「相対評価」で合否が決まる試験が多く、あらかじめ何%又は何人を合格させるか決められているケースが多くなっています。
ところが、測量士補試験では、「絶対評価」が採用されており、何点以上正解すれば合格、という合否の決め方になっています。このため、毎年の合格率に変動が生じることにもなっています。
測量士補試験では、択一式(マークシート方式)で、28問が出題されます。このうち18問を正解すれば合格です。28問中18問ということは、約64%の正解率ということになりますね。
6〜7割の正解で合格できるのなら、しっかりと勉強していれば、大丈夫そうな感じがしますよね。
なお、実際には点数で換算されますので、700点満点(1問25点×28問)のうち、450点(1問25点×18問)をとれば合格です。これが合格基準ということになります。
測量士補の偏差値は?難易度ランキング
測量士補試験の難易度を測る指標として、偏差値を利用するという方法もあります。
偏差値は47の簡単レベル
偏差値というのは、平均点を50とし、受験者全体の得点分布に基づき算出される数値ですので、受験者の属性がまったく異なる資格試験を跨いで、各資格試験の偏差値を算出するというのは、本来は不可能です。
しかし、「資格難易度ランキング」というサイトにおいて、公表されている合格率や合格点などの情報や傾向に基づき、 独自に資格試験の偏差値が算出され、公表されています。
ここに掲載されている偏差値によると、測量士補試験の偏差値は47とされています。
偏差値40台の資格は「簡単」レベルの難易度とされています。
偏差値を不動産系資格で比較
次は、不動産系資格の偏差値と比較してみたいと思います。
「資格難易度ランキング」に掲載されている偏差値によると、主要な不動産系資格の偏差値は以下のようになっています。
資格名 | 偏差値 |
---|---|
土地家屋調査士 | 64 |
マンション管理士 | 61 |
宅建 | 57 |
管理業務主任者 | 55 |
測量士補 | 47 |
賃貸不動産経営管理士 | 41 |
このように、上記の合格率の比較のところで見たのと同様のランク付けとなっており、不動産系資格の中でも最も易しい部類の資格ということがわかりますね。
難易度と勉強時間との関係
次は、測量士補試験の難易度を測る指標として、「合格するために必要な勉強時間」から比較していきたいと思います。
合格に必要な勉強時間は200時間
まずは、測量士補試験についてですが、測量士補試験に合格するためには、一般的に200時間の勉強時間が必要と言われています。
私自身も、この一般的な時間数と同様に、約200時間の勉強で合格できましたので、概ね200時間というのは信用できる数値だと考えられます。
勉強時間を不動産系資格で比較
では次は、不動産系資格で、合格に必要な勉強時間を比較してみたいと思います。
測量士補試験を含め、資格試験の難易度は、試験に合格するために必要な勉強時間と、ある程度の相関関係があります。
資格名 | 合格率 | 必要な勉強時間 |
---|---|---|
土地家屋調査士 | 約 8% | 1,000時間 |
マンション管理士 | 約 8% | 500時間 |
宅建 | 約 15% | 300時間 |
管理業務主任者 | 約 20% | 300時間 |
測量士補 | 約 30% | 200時間 |
賃貸不動産経営管理士 | 約 30% | 100時間 |
このように、難易度の高い(合格率の低い)資格試験ほど、合格に必要な勉強時間も多くなっていますね。
つまり、上述の偏差値の比較や合格率の比較と同様、測量士補試験の難易度は、易しいということになります。
とはいえ、合格するためには、およそ200時間の勉強が必要になってきますので、何も対策せずに誰でも受ければ合格できる、といった甘い試験ではありません。
社会人が働きながら勉強することを考えると、200時間の勉強時間を確保するためには、1日に1時間ぐらいはすぐに確保できるとして、2時間もそこそこ頑張ればなんとかなるかと思いますが、3時間というのは、私自身の経験上、かなり無理をしないと確保できないかと思います。
そこで、1日に2時間を確保するとすれば、200時間÷2時間=100日⇒3〜4ヶ月という計算になりますので、これぐらいの期間を想定しておくのがよいのではないでしょうか。
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測量士補は独学でも合格できる!
私が測量士補試験の受験勉強をしていた当時は、なかなか独学に適した市販テキストがありませんでしたが、今は、市販テキストもかなり品揃えが良くなってきています。
ですので、市販テキストだけで、初学者の方でも十分に合格レベルに達することができるはずです。
基本的には、テキスト1冊+問題集1冊(又は、テキストと問題集が一体になっているもの1冊)をしっかりと取り組めば、問題ありません。
独学の勉強方法については、測量士補の独学におすすめの勉強法のページで、独学におすすめのテキストについては、測量士補の独学におすすめのテキスト・問題集のページでご紹介していますので、そちらを参考にしてください。
測量士補試験の難易度まとめ
以上のとおり、測量士補試験の難易度について見てきました。
最後に、ここまでの内容をまとめると、以下のようになります。
- 合格率は約30%でそれほど高くない難易度
- 不動産系資格で比較すると、最も難易度は低い(易しい)
- ただし、半分以上の人は落ちる試験なので、十分な対策が必要
- 合否は絶対評価で、合格基準は64%の正解
- 偏差値は47で国家資格の中では「簡単レベル」に位置付けられる
- 合格するには200時間の勉強時間が必要
- 独学でも合格できる!
測量士補試験は、比較的、難易度の低い(易しい)試験ではありますが、10人中7人は落ちる試験ですので、油断は禁物です。
とはいえ、独学で挑戦するにしても、講座を受講するにしても、しっかりと計画を立てて、とにかく最後までやり切ることができれば、誰でも合格することができる資格だと思います。
ぜひ、測量士補試験の合格を目指して、頑張ってください!