欧米の囲碁大会のポスターには、こう書いてあります。
「4000年の歴史を持つ、日本の神秘で哲学的な盤上競技」
美しい表現ですね、気に入っています。
現在も、国を超えた囲碁対局を通じ、国際交流の輪が広がっています。
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5)囲碁の効能
認知症予防に効果的とのことで、高齢者の間では昔から人気のあった碁ですが、
最近の研究で、うつ病やPTSDなど、心の病にも効果があるそうです。
阪神淡路大震災後に被災者向けにボランティア団体が立ち上げた囲碁教室により、
被災者の「心のケア」がなされ、今も活動は続いています。
子供には、集中力、忍耐力、柔軟性、構想力、大局観、礼儀作法、思いやりの心を培うのに
効果的とのこと。
対局中、大きな陣地がボロボロに荒らされたり、
大事に大事に温めていた地が、相手の打ちこんだ一石で、頓死したりすると(地がなくなること)、
情けなくて悔しくて、大人でも投げ出したくなる局面もあります。
そんな自分に忍耐力がつき、また、そんな相手に対し、思いやりの心が育まれます。
部分だけ見て、盤上全体を見ないでいると、足元をすくわれて大石(たいせき)が死んだりします。
だから、大局観が身に付きます。
特定の石に固執し、執着していると、その執着した石全体が、取られたり。。。
だから、捨石(すていし)という柔軟な考え方が必要です。
囲碁はまるで、戦地の作戦総本部。
無茶な作戦をとると、石(兵士)はみな、特攻隊のように死んでしまう。
逃げてばかりいると、陣地が狭められて、地が無くなってしまう。
集中して、構想を練るのです。
囲碁にはいろいろな格言があり、あまりに有名過ぎて、
日常使っている言葉が、実は囲碁が語源だった、、、というケースも多いのです。
「一目置く」「ダメ(駄目)」「八百長」「布石を敷く」「岡目八目(傍目八目)」
「先手をとる」「後手を引く」「手抜き」「白黒つける」「玄人」「素人」「玄人はだし」・・・・
囲碁の心構えを説いた中国の格言「囲碁十訣」に至っては、まるで人生訓のよう。
囲碁は、世代を超えて、柔軟な脳力と、調和の心を育みます。
国境を越えて、あるいは、すぐ身近な知人友人との乾いた人間関係に、潤いを持たせます。
考える癖、脳の持久力がつくこの囲碁を、どんどん教育に取り入れるとよいと思う。
中国、韓国、台湾の囲碁レベルは急上昇し、もはや日本の黄金時代は遠い昔となりました。
中国や韓国は、学校義務教育時期に、熱心に囲碁を取り入れ、学習塾並みに囲碁教室が盛んです。
日本も、少数の学校が取り入れ始めました。
一部の小学校や高校、他に、東大・慶応大の教養科目に囲碁があり、
プロ棋士(東大卒の石倉昇九段、慶応大卒の吉原由香里四段)が指導し、
実際に単位も認められる授業があります。
そうそう、異色のプロ棋士に、坂井秀至プロがいます。
灘高校から、京大医学部へ。
医師国家試験に合格後、京大付属病院での勤務が決まっていましたが、
棋士になる夢をあきらめきれず、プロ編入試験を経て、プロ棋士の仲間入りを果たしたのです。
棋聖も獲得し、現在も棋士として活躍中。
前出の石倉昇プロも、異色の経歴の持ち主。
麻布高校から、東大法学部へ。
日本興業銀行入行後、2年で退職し、プロ棋士に転向。
アマチュア向けの囲碁の著書多数。
日本の教育は、知識教科書偏重主義で「感性を育む面」に欠けている、と
海外からもよく指摘されるところ。
感性豊かな囲碁を教育に取り込み、しっかり考え、相手を思いやり、
強い心を持つ日本人を育成する一策になればいいですね。
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囲碁も、ガーデニングも、広島の両親から教わりました。
このきっかけが無ければ、囲碁もガーデニングもしていません。
庭は、ほったらかしだったでしょう。
マンション暮らしの長かった私は、
草木花の育て方もわからなかったし、最初、庭は雑草と害虫だらけだったので、
気持ち悪くて、虫嫌いの私は、庭に近寄りもしませんでした。
両親が、生い茂った雑草や害虫と格闘しながら、気持ち良い庭にしてくれた。
この最初の手入れが無ければ、今でも庭は放置し、庭には、出ていなかったと思う。
そして、囲碁・・・・・
私が大阪に引越してきた時、両親は、私達夫婦に、囲碁を勧めました。
テーブルに、碁石と碁盤を置いて、なんとか囲碁を打てるように、と、
乗り気になれない私達を前に、熱心にルールを教えてくれました。
でも、なかなか最初は興味を持てなくて。。。
(主人は、いまだに、興味を持てないまま(^^ゞ)
やはり、大人になってからの趣味というものは、
最初から、よほど興味があれば別ですが
時間的、経済的、精神的余裕がなければ、なかなかできないものです。
当時は、興味を持てませんでしたが、
うちに置いて行ってくれた、碁石と碁盤のおかげで
数年後、余裕のできた頃から、徐々に打つようになり。。。。
その頃には、もう両親は広島に帰っておりましたので
私の囲碁は、本とゲームソフト、碁会所の方々に鍛えられました。
でも、きっかけは、やはり両親です。
ガーデニングと囲碁は、両親のおかげ。
ゴルフは、主人のおかげ。
チェロは、ユカリのおかげ。
(音感のある娘が、チェロの音程を調整してくれました。)
本当に、「おかげ様」ですね。
どうもありがとうございます<m(__)m>
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