Gクロイツボーデンからアルマゲラーアルプ (Kreuzboden - Almagelleralp) |
雄大なミシャベル山群をあます所なく眺めながらハイキングをするコースとしては、サース・グルント(Saas
Grund)からゴンドラを乗り継いでホーサース(Hohsaas)駅まで上がり、そこを出発点にして中間駅のクロイツボーデン(Kreuzboden)へ下り、更にサース・アルマゲル村(Saas
Almagell)まで歩くのが最適と思う。しかし、今回はツェルマットからの日帰りなので、時間の都合上ホーサース行きを諦め、クロイツボーデンからの出発とした。 平凡な歩きになるかと心配したが、山腹をトラバースするほぼフラットなトレイルで、絶えず右手にサース・フェー(Saas Fee)の町を囲む真っ白なミシャベル山群を眺めることができ、終始気持ちの良い歩きができた。 サース・アルマゲル村に下る道には、真っ直ぐ下る川沿いの道と、南に分かれて吊橋を渡る道があるが、今回歩いたときには吊橋の道は崩落していて通行止めになっていた。 |
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2479m付近から見るサース・フェーの町とミシャベル山群 | 参考地図;1329 Saas 1/25000 |
歩いた日;2010年7月08日
コース;St.Kreuzbodenー(10min)池往復(10min休み)ー(1h05min)Saas Grund分岐(Lunch 15min)ー(1h25min)Almagelleralp(10min休み)ー(1h15min)Saas
Almagell
合計時間:3h55min (総合計時間:4h30min) 標高差: 登り 100m 下り840m
最高標高:2,500m
ゴンドラでクロイツボーデンの中間駅に下りて、歩くトレイルと反対方向の北側に池があるので行ってみる。たいした池ではなかったが、背景が素晴らしいので池まで綺麗に見えてくる。サース谷を挟んで見えるミシャベル山群は、ツェルマットのオーバーロートホルンからとは丁度反対側を見ていることになるが、こちらから見る方が山全体がほぼ正面になり、氷河も多く一層雄大に見える。
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池から見たミシャベル山群 山は左からアラリンホルン(4027m)、上が平らなアルプフーベル(4206m)、テッシュホルン(4491m)、ドーム(4545m)、レンツシュピツェ(4294m)、ナーデルホル(4323m)ン、右端はウルリッヒスホルン(3925m) |
振り向いてミシャベル山群とは反対側を見ると、こちら側にも4000m峰がある。デンとおさまった感じのラッギンホルン(Lagginhorn
4010m)が正面に見え、左奥に尖ったフレッチホルン(Fletschhorn 3982m)が聳える。
池の畔から下を覗くと、ミシャベル山群に囲まれたサース・フェーの町が良く見える。サース・フェーに行った時に、この町ほど氷河が良く見える町は他に無いと思ったが、このような地形なら当然と合点がいった。
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振り返えれば 正面がラッギンホルン(4010m)、 左奥がフレッチホルン(3982m) |
池の傍から見るサース・フェーの町 |
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大きな石が転がる道 |
クロイツボーデンの池からの眺めを楽しんで出発。ゆるい登りのなだらかな道を右手にミシャベル山群を眺めてのハイキングです。非常に短いスパンでりっぱな高山植物の説明版が立てられていて、1つ1つ読んでいたのでは前に進めなくなる。この道はアルペンブルーメン・プロムナード(花の散歩道)」と言うそうです。
トレイルが南から西に向きを変える辺りから、突然大きな石がゴロゴロと転がるようになるが整備された道が続き心配はない。大きな石の間を縫うようにして尾根を回り込むと展望が変わる。
振り返ると、クロイツボーデンから見たラッギンホルンとフレッチホルンが角度を変えて見え、その右にはクロイツボーデンでは良く分からなかったヴァイスミース(Weissmies
4017m)が大きく聳えている。
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歩いてきた道を振り返る | ヴァイスミース(Weissmies 4,017m) |
正面がラッギンホルン(4010m)、左奥がフレッチホルン(3982m) |
サース谷の先には尖ったピークが見えた。オーバーロートホルンからも見えたレッチェン谷(Lotschental)のビーチホルン(Bietschhorn
3934m)だ。ロートホルンからよりずっと近く見える。その左の氷河はビーチ氷河(Bietschgletscher)で、更に左はヨーリ氷河(Joligletscher)だろう。
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右端はレッチェン谷(Lotschental)のビーチホルン(Bietschhorn 3934m) |
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直ぐ近くに見えるサース・フェーの町 |
尾根を回り込んだ先端が地図上の2479mの地点で、眼下にサース・フェーの町が一番近く見えるところだ。町の一番奥にグランドのような広場が見えたが、恐らくはサッカーの日本チームが南アフリカ・ワールドカップ戦の高所トレーニングに使った場所ではなかろうか。
ミシャベル山群も一番近づく。ドームのピークに雲がかかってしまったが、それでも素晴らしい。しばし足を止めて眺めた。
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2479m付近から見るミシャベル山群 |
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マットマルクダム湖、白い山の左端辺りがモンテ・モーロ峠 |
尾根の先端を過ぎ急斜面をトラバースしながら回り込むとサース・グルントに下る道の分岐に出る。ここで昼食、ミシャベル山群の景色に加えて正面にマットマルクダム湖(
Stausee Mattmark)が見え、その先にイタリアへ越えるモンテ・モーロ峠(Monte
Moropass)辺りも望める。
右手を見ると、5年前に歩いたブリタニアヒュッテ(Britanniahutte 〇印)とプラッティエンのゴンドラ乗り場(Plattien 〇印)が視認できた。フェルスキンからの雪道もはっきり見える。傾斜をトラバースしたミッタックホルン(Mittaghorn 3093m)とエッギナー(Egginer 3367m)の山も目の前に見える。当時はサース谷を挟んで、こんな所に今歩いているトレイルがあることなど全く知らなかった。 | ![]() |
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右手の山は手前がミッタックホルン、奥がエッギナー 左奥はシュトラールホルン(Strahlhorn 4190m) |
上の写真はシュトラールホルンと 〇印のブリタニアヒュッテ 下の写真は〇印のプラッティェンゴンドラ乗り場 |
分岐からは真っ直ぐ南に向かう。道はほぼフラット、右手は相変わらず素晴らしい眺望。調子よく歩くと次第に下りになり、東に向きを変えアルマゲルの谷(Almagellertal)に入っていく。谷の中にアルマゲラーアルプヒュッテ(Almagelleralp hutte)が見え、小屋をめがけて下る。
小屋で休憩、谷間の小屋なので景色は望めないだろうと思っていたら全く違った。西には正面にミシャベル山群が広がり、東にはヴァイスミースから連なる稜線の山々が広がり、以外に広々としている。アルプスの小屋は何処に行っても展望の良い所に建っていることを改めて知らされた。
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アルマゲラーアルプの小屋、左の写真は東方向、右の写真は西のミシャベル山群方向 |
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ミシャベル山群を眺める牛さん達 |
小屋からの下りの最初は、下りてきた道と殆ど平行にミシャベル山群を正面にしながら歩く。牛さん達がミシャベル山群を眺めながらのんびりと寝そべっている。いい景色だなー、と少し近寄って一緒に山を眺めた。
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サース・アルマゲルの村 |
更に下ると吊橋を渡ってフルックシュタルデン(Fruggstalden)のチアリフトに向かう道と、真っ直ぐサース・アルマゲルへ下る小川沿いの道があるが、吊橋への道は崩落で交通止めになっていた。小川沿いの道を進むと、途中に滝があり上から覗ける。サース・アルマゲルの村が眼下に広がり、吊橋の道がある崖が左上に見える所迄くると、谷下に立っている人から止まれの合図をうけた。何故かなーと5分ほど立っていると、突然ドカーンと音がして左の崖上から土煙が上がり同時に石がバラバラと落ちて行った。発破だった。日本ではサイレンを鳴らすんではなかったかなーと思いながら、解除されたトレイルを下った。つり橋の道は結構大掛かりな改修工事が行われているのかもしれない。