外科的手術-2-

・大腿骨頭切除術(femoral head and neck ostetomy=FHO)
     大腿骨頭を切除して、骨と骨の接触をなくし痛みをとる。切除した後は結合組織が偽関節を形成する。
     偽関節なので、正常の関節の機能を期待することはできない。
     肢の長さは短くなる。正常の運動能力、運動耐用性は得られないし、一度この手術をしたら元には戻せない。
     20s以下の体重の犬に適応。


・股関節全置換手術(Total hip replacement=THR)   
     大腿骨頭と寛骨臼を人口関節に換える手術。
     人工関節と骨の接合にセメントを使う方法と、セメントを使わない方法がある。
     セメントを使う方法は、骨と人工関節の間に細菌が入るとゆるみ(ルーズニング)が起こりやすくなるので、
     無菌手術でなければいけない。
     ルーズニングが起こると人工関節が骨からはずれてしまい、再手術は、セメント除去に大変時間が掛かってしまう。
     95%は正常の犬と同等の股関節機能、運動能力、運動耐用性となる。また正常の股関節機能となった肢が
     他側の足をかばうことにより80%の犬は片側のみの手術で済む場合がある。
     人工股関節の寿命はまだ判らないが、人で20年と云われている。
     Zurich Cementless モジュール式法は、セメントの代わりにネジで固定します。
     以前は、全てのネジを両側で固定していたが、最近は上だけ両側固定で後は内側だけを固定し
     骨のしなりに合うようになっている。
     ほぼ正常時の機能は期待できるが、脱臼すると自然に整復出来ないので細心の注意を払う必要がある。

    
50Kg以下の体重の犬に適応。

     アメリカのBIOMEDTRIX社でネジを使わずに埋め込むタイプのセメントレスの人工関節が開発され
     近年日本の獣医療でも取り入れられるでしょう。

     *セメントレス全置換術を行えるのはライセンスを取得した獣医師だけに認められています。
 
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外科的手術-1-
外科的手術-2-
     ・全置換手術模型
    骨各部名称
    股関節各部名称
    関節構造
    骨格筋
はじめに 股関節形成不全とは 症状 環境因子