王重陽
『立教一五論』
 
第二    雲遊
 


第一  住庵
 
・・・

第十三  論超三界
・・・

第十五  論離凡世

 
内丹理論


 
デュシャン・コード

 
石川虚舟/作品集
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随風舎

 
 
凡遊歴之道有二、
 
一者看山水明秀、花木之紅翠、
 
或玩州府之繁華、或賞寺観之楼閣、
 
或尋朋友以縦意、或為衣食而留心、
 
如此之人、雖行万里之途、
 
労形費力、遍覧天下之景、
 
心乱気衰、此之虚雲遊之人。
 
二者参尋性命、求問妙玄、
 
登?嶮之高山、訪明師之不惓
 
渡喧轟之遠水、問道無厭。
 
若一句相投、便有円光内発、
 
了生死之大事、作全真之丈夫。
 
如此之人、乃真雲遊也
 
 
第二    旅
 
旅行には二つの方法がある。
 
一つは、風光明媚な自然や、花木の美しさを観たり、
 
都会の繁華を満喫したり、寺院の楼閣を鑑賞したりする。
 
また朋友を訪ねて心を許し、また衣食に心引かれる。
 
このような人は万里の道を行くが、体は疲れ、力を消耗する。
 
天下の景色をすべて観覧するが、心は乱れ、気は衰える。
 
これ、すなわち虚しい旅人である。
 
もう一つは、参じて性命をたずね、玄妙を問い求める旅である。
 
険しい高山に登り、明師の勤行を訪ねる。
 
轟々と流れる奥深い渓流を渡り、道を問うことに厭かない。
 
一句に理解し合えば、円光が内から発し、
 
生死の大事をさとり、完全な真人となる。
 
このような人が、真の旅行者である。

  訳 ・ 石川虚舟