内丹園
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『内丹園作庭記』
 
内丹園(東西南北)
 
石庭内経図
 
桃李之園
 
白虎石
 
桃源郷
 
内丹園の華
 
白隠・内観法
 
白幽子
 
 
 
石川太玄『内丹園作庭記』
 
      中村翁に捧げる「昔取った杵柄への賛」、
    鎚打てば岩にとけゆく春の風
 
 「内丹園」の岩壁に面する石庭は、道教の全真教本山、北京・白雲観所蔵の『内経図』を典拠とし、園全体の構想は陰陽五行説に基づいている。作庭開始は2007年9月。「内丹」とは、いわゆる気功術で、『内経図』はそれを絵解きした図である。「内丹園」では、「内丹」によって岩山の「気」を体内に取り込み、生命力である「精」を錬成する。やがて、性(精神)と命(生命)は不二となり、不老長寿が達成される。
 
 古代中国において、「金」は「金丹」、つまり不老不死の霊薬であり、それを錬成する術が「錬金術」と呼ばれた。しかし古代の「錬金術」が水銀中毒死などによって衰退した後、体内でそれを生成する術が発展する。その術が、薬剤を調合する「外丹」と区別され、「内丹」と呼ばれる。
 
『内経図』の上部には仙山の峰々が聳え、峰々の間から沢の水が流れ落ち、谷川を下って最下部の大海に注ぐ。その構図は山水画のようではあるが、しかし静坐する身体の側面図としても読み取れる。つまり仙山の峰々は脳として、その下にある月と太陽は二つの眼球として。さらに下部では、それぞれの臓器が寓意的に描かれる。最下部には「陰陽玄踏車」と名づけられた二輪の足踏み式水車があり、陰陽を意味する男女の童子が、「精(水)」を仙山(脳)へと逆流させる。
 
 「内丹」では、下丹田で「精」を体内に流れる「気」に融合させ、脾臓や腎臓、そして中丹田へと逆流上昇させる。さらに喉を通って頭部の上丹田に達すると、眼に繋がる督脈と任脈に沿って下降させ、下丹田に戻す。その循環の持続によって、やがて下丹田で「気」が光り輝き、「神」と化す。「性命双修」の内丹理論では、「精・気」を『易経』の二つの卦、「坎(水)・離(火)」に対応させ、性(精神)と命(生命)の不二が論じられる。
 
 白隠禅師が京都北白川の道人、白幽子から伝授されたという「内観法」もまた、「内丹」に類するものである。白幽子は、北白川の石切り場跡の岩窟を住いとした。なお「内丹園」では、李白の「桃李園」に倣って桃と李の木を、そして松尾芭蕉の「幻住庵」を偲びて椎の木を植樹している。
 
      幻住庵を偲びて、   椎の木や頼む思いは夏木立
 
 
 

 鎚打つ中村翁(当年79歳)
 photo 2009.2.11