ご家族の方へ、どうしてこうなったのと過去を考えるよりも、今できることを始めてくださいね。
スクラムを組んで、どーんと構えた大きな愛を育んでいきましょう。愛=信頼なのです。

◇心ざわざわ Top<ご家族の方へ「知足(ちそく)の会」

大人への成長過程

心ざわざわへお越しくださってありがとうございました。一番辛いのは、もちろんご本人ですが、ご家族の心身のストレスや経済的負担も相当なものであると思います。セミナー、面談、摂食障害講習会、冊子資料、回復過程の出版本やサイトで何度も申し上げておりますが、症状の回復過程は、子供から大人になる過程と同じなのです。まずは、ご本人が「治したい」「成長したい」と思う気持ちが大切なのです。治す力は、ご本人がお持ちです。どうか見守ってあげてください。抱きしめてあげてください。娘さんと同じように揺れずに、感化されずに、どーんと構えてください。
どうしたらいい?
初めての方、ご家族の方

過去や世間体より、今が大事

■必ず改善されることを信じて、焦らずに名脇役的存在でいてくださいね。
■一番辛いのはご本人ですので、今の状態をそのまま受け入れてくださいね。
■治す力はご本人にありますので、信じて、その力を引き出すことを大切にしてくださいね。
■健康だったらと思ったり、将来を不安がるよりも、今できることを、一緒に考えてくださいね。
■今、心の成長過程にありますので、時間をかけること、そして一喜一憂しないようにお過ごしくださいね。
■ハードルは、必ずできることに設定し、出来たことはしっかり褒めてくださいね。
■子供みたいにと思わず、会話やスキンシップの時間の大切さを感じてくださいね。
■趣味、お手伝いやバイトなど、食事や症状以外のことにも目を向けてくださいね。
■ご家族の個々の時間も大切に、ストレスを発散してくださいね。
■状態や状況に応じて、ご家族でルールを作り、修正しながら進めてくださいね。
■心身だけでなく経済負担も辛くなる前に、専門機関、相談所、自助グループなどを利用してくださいね。
■過去を振り返る時間より、今できることを考えていく時間を大切にしてくださいね。

お母様の集い「知足(ちそく)の会」

一人で抱え込まないで

回復過程著書「死んだら、アカン」摂食障害・パーソナリティ障害が教えてくれた言葉〜回復への歩みの中で〜より抜粋。摂食障害は、神経性食欲不振症や神経性過食症などに分類されていますが、私は、摂食の障害だとは、思っていないところがあります。それぞれのパーソナリティの何らかの歪みがあり、それが行動として表れていると考えています。パーソナリティ、つまり人格とは、WHOでは「その人の思考、感情あるいは行動の根底にある一定したパターン」と定義されています。 摂食障害を語る上で、パーソナリティ障害の理解は大切ですが、DSM-Wの診断基準挙げられているものだけで、10のタイプが記載されています。それぞれの特徴は重なるものもあり、大きく捉えて、自分に拘りを強く持っており、傷つきやすく、対人関係を上手く築けない性格と言えると思います。よく言われます生きづらさを抱えて、愛や信頼に執着をしながら、自分自身はもちろん周囲の人々をも振り回してしまう行動もしくは衝動を取るのです。 私は、1980年代に精神科の思春期の病棟に4年間勤務しました。ボーダーラインの患者さんたちに、私自身が消耗し、摂食障害の専門書に感化されて、摂食障害を発症しました。幼少時のトラウマを抱えており、元々パーソナリティ障害を持っていたのですが。現在、メディアが発達、インターネット上にも、いろいろな情報が氾濫しています。私の経験上、それらの情報に感化されてしまうと、すべて自分のことだと思ってしまったり、原因はこれだと決め付けてしまったりと、益々自分自身を複雑にしてしまいます。自己診断ほど危険なことはありません。偏りのある行動が目立って、ご家族や周囲の方が気になる場合もあるでしょう。どのような場合でも、すべてを一人で抱え込まないで、なるだけ早く身近な方や専門家に相談をしていただきたいと思います。 摂食障害もパーソナリティ障害も、自立すなわち大人になるための内乱のような気がします。私自身も内乱の時期が長かったのですが、バランスがとれた生き方を知るための時期だったと、今は思っています。これらは、私の人生の教科書だったと感じます。

どーんと構えて、ありのままで

回復には時間がかかります。生まれてから母子分離をするまでの期間を、もう一度確実に歩んで行こうとする過程なので、周囲が焦らずに、どーんと構えていただきたく思います。愛=信頼。ここを根付かせていただきたいと願います。
摂食障害で悩む方の多さに心が傷みます。心ざわざわへのお問い合わせが、1年間で、1.200件、頂くメールが3万通を超えており、この病気は、パーソナリティ障害が根底にある場合が多く、寂しさや愛情飢餓からくるものが目立ちます。体重や過食という目に見える症状に振り回される本人と周囲の方々。幼少時からのいい子で頑張り屋さんは、とてもとても辛い思いを鉛のように抱えて、我慢して、感情を抑えて、周囲の顔色を伺って、それを伺っていないように見せて、いいえ自分でも気が付いていないのです。結果、いつかは無理がきます。本当の気持ちが分るのは、本人だけ、いや回復することで理解ができます。現在、この症状に苦しむ方も自分が分らなく、益して周囲の方々には理解しがたいものなのですね。
精神的にまだまだ子供、幼子なのですよ。失敗は許されない、叱られるともう人生が終わってしまう感覚があります。大人になれず、現実を怖がっています。 感情の起伏の激しさ、白か黒か、完ぺき主義、衝動性や不安など、自分をコントロールできなく、自分が自分に振り回されます。失敗をおそれ、見捨てられ不安に潰され、どうしようもない状態なのですね。安心感という情緒的な一体感を知らずに、人との距離がわからなくなっており、過食は現実逃避、転ばぬ先の杖なのです。現実が怖いので、それらの感情を麻痺させるために過食をします。逆にそれがあるので、生きていられるのです。感情を抱くことをしない方も多く、無意識にいきている感覚なのですね。まず、知ることから始めていただきたく思います。親御さんに、理解していただくのは難しいでしょうが、知るだけでも十分なのです。今は、母親や周囲の方々の愛情が欲しく、本当は素直に甘えたいのです。どうか、抱きしめてあげてください。寂しいんだね、辛いねとそれだけでいいので言葉をかけて、できるだけ話を「聴く」時間を作っていただきたく願います。「指示はしない」ただ「うん、うん。そうだね」と、聴いてあげてくださいね。どーんと構えて、受け止めてあげてください。

構ってほしい、傍に居てほしい

NPO法人心ざわざわでは、一人でも多くの方にご利用いただき、より良い方向へと歩んでいただきたく考えております。看護師としての専門のサポート実経験と専門の勉強を活かして、精神作家で回復者の岡本理香がご提供しております。精神分析的なお話と摂食障害とパーソナリティ障害のご説明、回復は精神的に大人に成長することですので、感情はたっぷり感じて、それを放置して、行動する、たくさん失敗することで体得する、その階段をご一緒に上るという、指示はしませんが、見守っていくという母親もしくは父親の役割をさせていただいております。日常の生活や社会生活へ視点を向けて、小さな目標を達成する喜びを感じ、それを重ねて自信を取り戻していきます。「これをしたい」とご本人が申し出た時、不安になり「まだ早い」よりも、状況を考慮して話し合い、それを始めてみることが大切です。「何かあったら困るから」よりも「何かあったら、その時に考えましょう。あなたを信じているから大丈夫」と一言あれば、ご本人も安心します。ただ完璧を目指さないことや一つでいいので継続することが大切であるとお伝えてくださいね。「温かい無関心」での、そのままのあなたでいいのよ、できることから、ゆっくりやればいいんだから、ここで見守っているからと、どーんと構えて愛情をふんわりと贈ってあげてくださいね。信じてあげてくださいね。娘さんは、母親に甘えたいのですね。自分がぬいぐるみのように、母親に抱きしめてもらいたいのです。見つめてほしいのです。

視野を広げてくださいね

周囲の方々は、対応に一貫性を持つことが大切ですね。そして、決め付けないことも大事です。どうしてもこの子はこうだからと、決め付けてしまうことが多くありませんか?今までは、娘さんが周囲の方の気持ちに敏感で、見捨てられないようにという気持ちから、それに合わせてきたんですね。この辺りは気を付けてくださいね。そして、話を聴くこと、間違ったことは謝る、説明することです。ご家族の方々も、視点を換えてみることが大事ですよ。

歩む経過を汲み取ってあげて

「どうしてあげたらいいのか、わからない」何もしなくていい、のんびり構えて、温かく見守る。安心感を与えていく。親御さんの役割は、ここだと思います。娘さんたちは、敏感です。親が何を心配しているのかを察知します。回復とは、「大人になること」。一言で言えば、これなんですね。「信じているよ」っていう安心感がほしいんですね。娘さんは、腫れ物ではありません。親御さんも普通の生活をしながら、どーんと構えていてください。焦らないことです。時間をかけて、歩む経過を汲み取ってあげてくださいね。

家族の存在の大切さ

娘さんが摂食障害で対応に困っているご家族の方、回復過程のヒントを得たい方、摂食障害やパーソナリティ障害について知りたい方やご家族間での情報の交換をしたい方など、ご遠慮なくお問い合わせくださいね。大阪府茨木市で開催中の摂食障害講習会では、毎回ご参加いただくお母様、神戸のルームでは、ご家族の方だけの面談をさせていただくことも多く、ご家族の方がメール療法を継続されていらっしゃる場合もあります。安心して長期にご利用できる場所として、NPO法人心ざわざわは、歩んでおります。会員様登録でのご優待や親睦会など、ご家族の方々も一番ベターな方法でご活用ください。

お母さんを尊敬なさっています

お母さんはお母さんの素晴らしいところがたくさんおありです。人それぞれですので、良し悪しはないと思います。それぞれ人間、皆素晴らしい存在ですね。娘さんは、娘さんなりに、お母さんを尊敬なさっていますよ。プライドの高さもあり、理想の自分が頑張る良い子、現実から逃げるのは、失敗が怖いからですもの。コツコツの素晴らしさも、分ってくれる日がくると信じています。
「私は頑張り屋さんじゃないし、我慢強い子でもない、ただ口に出して言えなかっただけ。言ったらだめ、そう思い込んでいたから。お母さんを私が困らせたりしたらいけないと思って、我慢しなきゃ、ずっと思っていたから。本当は辛い、寂しい。辛かったんだよ、言えなかったんだよ」

回復とは、大人になること

摂食障害という疾患を、もっと知ってほしい。決して食に関する病気ではないことを。とても生き難く不安な気持ちの中で、もがく苦悩を。甘えているだけでも、弱虫なだけでもなく、どうしていいのかが分らない事実を。繊細すぎて、他人の一言に傷つき、他人の視線に身を強張らせ、益々動けなくなる毎日を。寂しく、切ない、孤独な気持ちを。愛がほしい。見守っていてほしい。傍にいてほしい。立ち上がるまで、そっと傍にいてほしい。もっと知ってほしい、この疾患に罹った者しか分らない、この疾患を克服して初めて分る事柄を。
人は、不安の中で、色々な技法を覚えて生きているんですよね。怖がりなんですよね。愛がほしいと、精神的に一時期は誰かに執拗に求めていても、自分で自分に、愛を注ぐことを覚えると、本当に楽になりますね。理想の自分を演じすぎて、本当はこんな子なのにって、心の奥で叫ぶ声も聴こえない。自分と対話して、この声を聴いてあげる。私って、これかっ・・・と現実を知ってほしいんですね。
グレーの感覚、すっきりしない感覚を抱えて歩く。知るということは、素直になることですね。もろもろの変化にも対処できます。八方美人を止めると、本当の仲間が集まってくる。そのまんまの自分でいいんだ。このままでいいんだ。自分の視線で生きていいんだ。
愛=信じる。自分を信じる=自信。誰かに、この心を埋めてほしい と叫んでいた頃は、周囲も見えなかった。愛と信じるというものが、何となくわかってくると、叫ばなくなり、ボーッとしながら、視野も拡がる。素直になる=怖がらない。現実に素直になる。信じて見守るのが私の愛です。今日も、「信」という「愛」をあなたに贈り続けます。
回復とは、大人になることなのです。大人とは、諦めではなく、納得が増えることであり、好い加減を知ることなのですね。そう固定観念の枠が柔らかいってことですね。焦らず、諦めず。コツコツと。まず自分で知ること、気づくこと、それを行動すること。大事なことは、転ぶことなんですよね。たくさんたくさん転び、痛くて辛くて泣く。そして、いろいろなことを体得し、体で掴んでいくのですね。曇りの日が多く、雨の有難さも感じながら、時折現れてくれる晴れ間に感謝できる、穏やかな自分が誕生です。

◇心ざわざわ Top<ご家族の方へ
since 2003/5/1 Copyright (C) kokorozawazawa 2014 All Rights Reserved