「死んだら、アカン」 摂食障害・パーソナリティ障害が教えてくれた言葉〜回復への歩みの中で〜

あなたの回復を願って、愛を込めて、心の言葉を贈ります。あなたの存在を愛しています。


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第2刷 限定300部発行
NHKラジオ第2(全国放送)に出演、好評をいただき、2008年9月に第2刷発行となりました。
あなたへ心を込めて贈る1冊です
著書 「死んだら、アカン」 摂食障害・パーソナリティ障害が教えてくれた言葉〜回復への歩みの中で〜
岡本理香自身の回復過程を綴り、言葉の大切さと回復へのメッセージを奏でました。回復者として、また看護師としての専門のサポート実経験と勉強を活かして、摂食障害やパーソナリティ障害に悩み、今、生きづらさを抱える方々の幸せを願って、心を込めて贈ります。
娘さんが摂食障害で対応に困っているご家族の方や回復過程のヒントを得たい方に、是非に読んでいただきたい1冊です。 新書判60ページ(カバーカラー向日葵写真)、ブイツーソリューション発行、定価700円(税込)。
目次
はじめに
愛する皆様へ
第1章 摂食障害から学んだこと〜私の回復への歩み〜
 1「死んだら、アカン」
 2「先生、私、寂しい」
 3「もう頑張らなくていいよ」
 4「これから長く一緒に生きる人を選びなさい」
 5「遠くから温かく見守っている」
第2章 自分を知ること〜私は、私という感覚〜
 1「一人で抱え込まないで」
 2「愛しているよ」
 3「これも私、あれも私、すべて私」
 4「自分の足で歩く」
 5「人生は、自分という存在を作り上げる素晴らしい過程」
第3章 視線は永く、視野は拡く、心のアンテナは大空に伸ばして
第4章 自分の言葉と一緒に〜大人への階段〜
あなたへ贈るメッセージ
おわりに
参考文献
著者プロフィール
はじめに
私は、摂食障害、トラウマやパーソナリティ障害の諸症状に苦しみながらも、看護師として勉強を続け、そして、回復への過程を歩き、摂食障害の相談ルーム「心ざわざわ」を開設するまでに二十年という時間を使いました。周囲の方に恵まれ、申し訳なく恥ずかしいほどのご迷惑をかけましたが、ここでは書ききれないくらいにたくさんのことを感じ、自分の中へ取り入れ、自分のものとしました。現実を、知って、見て、感情が生まれ、現実が怖くて逃げていても、トラウマで精神的な成長を止めていても、諸々の症状に振り回されていても、確かに自分が歩いてきました。背伸びをやめて、まだまだ子供で出来ないことがある自分を認めた時に、辛い過去の出来事も丸ごと自分だと認めた時に、この重たい恥ずかしい辛さをコンパクトに整理して、自分で持って歩けばいいのだと思いました。本当に一歩間違えると、どうなっていたか分らない人生でしたが、それも自分。今、ここにいるのも自分。転んで、痛くて泣いて、また立ち上がって歩き出すと、必ず何かを掴んでいます。自分の手で何かを掴んでいます。そうです。人に夢を与えることができるって、自分の失敗を堂々と話すことができる人なのです。今、自分であることが幸せだと思い、この二十年という時間は私の宝物となっています。 相談ルームに毎日たくさんのお言葉をいただき、きちんとしっかり読ませていただいています。それぞれの思いをしっかり受け止めています。私の心の言葉を私の心でそれぞれの方に贈らせていただいています。「心ざわざわ」のサイトを訪れてくださる方、面談でお逢いできました方、メールで毎日お話させていただいている方、メールフォームをご利用くださる方、「心ざわざわ」の本や冊子を読んでくださる方、皆様の存在を心からうれしく感じ、心から感謝をしております。  心の言葉を送ってくださる瞬間、交流が始まります。その交流は、心で繋がります。同じ空を見ることができ、心がすーっと繋がっていきます。瞬間瞬間、繋がっています。私は、二十歳代から三十歳代の十年間、過食、嘔吐、拒食、下剤乱用、衝動的行動や自殺願望諸々で、自分で自分を振り回しました。幼少時の恐怖を感じるトラウマで記憶がほとんどなく、二十歳過ぎまで心の成長を止めていました。フラッシュバックに苦しみ、自分の気分のコントロールができず、パーソナリティ障害の諸症状を抱えて、生きづらく、寂しさから愛を求めて彷徨い続けてきました。通院し服薬も受けながら、涙が絶えることなく、自分の存在に恐怖と罪悪感を持ち、自ら命を絶つ選択をし、潰れそうになりながら綱渡りのように生きてきました。  三十歳半ばに、あの苦悩の症状を手放して、気づくことがたくさんありました。愛は自分の中に存在していること、自分を労わって感謝すること、自分が感じるままを素直に言葉で出すこと。苦痛の日々の中で、いつも私を見守ってくれたのは、言葉でした。言葉を贈ってくれる存在でした。自分の言葉もありました。たくさんの言葉と仲良くなり、すれ違いもあり、心の宝物にしました。その中で、私にとって一番の大きな存在となった言葉は、主治医の「死んだら、アカン」。どんなボロボロの私でも、成長が遅く大人になろうとしない私でも、いつも大きな器で受け止めてくれ、成長を信じて、じーっと見守ってくれた存在でした。長く変わらない態度で、どっしりとした存在でした。もちろん今も心の故郷です。  言葉は心に新風を吹かせてくれます。辛い厳しい言葉もありますが、それも後になると、なるほどという素晴らしい気づきをくれます。人それぞれ、感じる言葉は異なります。心に残る言葉は異なります。しかし必ず何か残る言葉があるはずです。もらった言葉、自分の言葉。必ず心に残っています。 さあ、今感じるままに、あなたの言葉を素直に出してみましょう。遠慮はなし、良い子もなし。その中で、素敵なことがあったと気づくでしょう。摂食障害やパーソナリティ障害を抱える方々の繊細で感情が豊かな言葉は、本当に素晴らしいのです。そして、皆様の存在は、とても素晴らしいのです。かつて私を支え続けてくれた大きな存在、愛が溢れる存在からもらったたくさんの言葉を、今度は皆様に贈りたいと思います。愛は信頼を根付かせてくれます。信じるという大切さを教えてくれます。 「心ざわざわ」と出逢ってくれた言葉たち、生きる力をありがとう。その言葉を贈ってくれた存在に、生きる勇気をありがとう。そして、今、「心ざわざわ」と出逢ってくださった皆様、その存在に、今を生きている存在に、心からありがとう。

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