マルタの会: これからの予定

 

未定

 

これまでの開催

 

2023年1月28日

2023年度初めての会がオンラインで開催されました。2度目の参加者、また新しい方も参加され、途中から体験談を交えながら真剣で、深い話が盛り上がり楽しい集いでした。あっという間に3時間が経過しました。

前半は話題が多岐に渡り、活発にやり取りが続きました。コロナに罹患した方は症状やその後の経過など具体的にお話してくれました。それに関連してワクチンの毒性を下げたり上げたりしながらの拮抗が続いていること、今回のワクチン接種やマスクの定着度などを通して世界中に日本人の国民性が知れ渡ったこと、更にもっとも大きな変化として、この会でも行っている遠隔地でのzoom会合という点が挙げられました。コロナがなければ、これほどzoomは浸透することはなかったわけで、コロナ以前・以後では何かが決定的に異なっていくことでしょう。

マニ教を調べている方からは刺激的なお話が次々と飛び出しました。ソグド語のマニ教の宇宙図が日本で発見され、日本の中で古来から続いている精神性と繋がっていきます。マニ教神話と仏教の観音と清浄光明との関係、ズルワンと清浄光明、ズルワンはアーリマンとアフラマツダを生み出した善悪両方を含んでいること、アイオーンとズルワンとディオニュソスの関係などマニ教の変遷の流れから一つの明確な意志のようなものが読み取れます。

マニ教は仏教の中に入り込みながら大陸を経て日本という地域へ辿り着きました。法華経とマニ教神話の類似性、アダムの堕落していない部分が日本へ入っていること、神道の大本の古神道には本来のキリスト教を解き明かすカギがあること。それをどうやって行うかの1つの道に「方法としての人智学」が位置付けられるというお話もありました。

後半はAさんが「宇宙進化論から見たキリスト衝動の本質と人間のハートからの宇宙変容」と題して、作成された資料に即して皆で見ていきました。最後に、昨年末の人智学協会の京都講演会のお話がありました。テーマは「孤独と共同体」。本当の共同体とは建物や規則がある、既成の作られた組織の中にあるのではなく、運命を魂に担った一人ひとりが集うとき生まれるもので、「孤独」でなければ「共同体」ではないという示唆的な内容だったとのことです。また高橋巖氏のそれにまつわる個人的なエピソードは驚きと笑みを誘うものでした。

次回は2023年4月22日(土)です。Aさんの資料の続きを話し合う予定です。

 

2022年10月22日

今年最後の会がオンラインで開かれました。今回はメンバーの様々な事情で4人と少ない人数でしたが、その分お一人お一人のお話があれこれと広がり深まり、終了時間を過ぎても続きました。

Yさんはニカノール・ペルラス著『AI 分岐点に立つ人類』に書かれている「アントロポゾフィーは隆盛に到らなかった」という視点の人智学者の一人、セルゲイ・プロコフィエフの言葉を最近調べているそうです。『クライシス・イン・アントロポゾフィー協会』という本の中にそのことが書かれているということで、グーグル翻訳でその箇所を当たっていて、いずれそれに関して会で発表できれば、ということでした。アントロポゾフィーは衰退しているのかいないのか、隆盛すると語ったシュタイナーの言葉は的を得たものではなかったのかなど、大変大きなテーマであり、各人各様の考えもあり様々な意見が出ました。また、GLS銀行やヨゼフ・ボイス、『社会問題の核心』などを足掛かりに社会三層化について今後調べていきたいということです。

Nさんは、シュタイナー関係の勉強会を主催していた友人が突然倒れた話しをされました。今年7月中旬のことでした。それ以来この勉強会に参加していた他のメンバーとの交流が中断されたのはやむを得ないとしても、この勉強会とは無関係であるはずの他の交流にも大きな変化が生じたそうです。運命の転換点のような出来事でした。

Eさんは今年亡くなった恩師や友人のことを振り返り、最近復刻版として出版された『シュタイナー教育入門』を再度読み直したということでした。その中に古代ギリシア時代の教育はギムナスト(体育教師)による教育が重視されていると書かれています。それは無意識の教育であり、頭で考えなくても「魂の骨格」ができていたということす。アントロポゾフィー運動も協会の人数が増えたり運動という形が隆盛したりするというより、アントロポゾフィー的な考え方が広まりそれが無意識にまで社会意識として浸透したときが、本当に隆盛したと言えるのではないかということでした。また、浅田豊氏の「シュタイナーとその時代」の中に「シュタイナーは自分の運命の道を歩みつくすことを諦め、シュレーアーの運命を自分のものとして生きる決意をした」とあり、カルマと自由との関係を考えさせられたそうです。

Aさんは、生涯の研究テーマに関わる本で、最近出版されたエリナ・ダナン著『SEEDERS−return of the Gods』の紹介として内容をかいつまんでお話してくれました。現代という時代がいかに特異点であり、言わば「収穫」の時期であるのか、レベルアップしないともう後がない時にまで来ているということです。宇宙存在からすると地球がそれ自体で独自に発展させたものとしてシュタイナー的なものも捉えていく必要がありそうです。ある一つの終息に向けて世界は今動いていて、そんな中で人間に影響を与える存在として宇宙人や霊的存在、ヒエラルキアも考慮に入れ、銀河コミュニティでの人類の立ち位置を運命的なものとして目覚めていく使命があるということでした。そのためには人間の三層構造である頭中心から心臓・ハートを核とした行動が求められています。

近況報告の後、Nさんから「輪廻転生 − キリスト者の視点から」のプリントに沿ったお話が続きました。キリスト教徒向けの読書会で発表された内容とのことでしたが、死後の生活について簡潔にまとめてあり、またユーディット・フォン・ハレのイラストも挿入され興味深いものでした。 次回は2023年1月28日(土)です。

 

2022年7月9日

今年3回目のオンライン勉強会は、前日(8日)暗殺された安部元首相の話題から始まりました。近況報告でも先ずはそれに触れてからのお話になりました。

Tさんも今回の事件について今の時点で分かっていることを語ってくれました。ホリエモンの意見や、ネット上では2日前から事件に関する情報が上がっていたこと、クライシスアクターの存在、選挙直前に起こった事件であること等、多くのことを考えさせられたということです。

Nさんは1990年代に参加したカイロプラクティック関係の勉強会が、今から思えば一種のイニシエーション(秘儀参入)の場ではなかったかと、語ってくれました。病の治療を、アーリマン的世界を通らずに追求していくと、結局霊界に参入することになる、ということです。

Eさんは、コロナ終結の出口がそろそろ見え始めたときに安部元首相が暗殺されたのは象徴的だと感じたそうです。アベノミクス、経済復興、フクシマ原発事故を無視したオリンピック誘致、その果てのコロナ禍開催のオリンピックで残った負の遺産など、歴史的にどんな役割を彼が果たしたのかに関心があるということです。また今後コロナについて様々な考察が行われるであろう中で、最近読んだジジェクの『パンデミック2』、サラマーゴ『白い闇』についてお話しました。

Wさんは、事件を聞いてまず感じたのは暗い気持ちになったということです。「こういう社会、時代になってしまった」と感じたそうです。国からの一方的に流される情報に従っていればよいという風潮がはびこっている中で、池田晶子のように「私は、よく生きていこう」という姿勢でいるしかないと痛感したそうです。最近は吉本ばななの短編集『ミトンとふびん』を読み、その自然な文体が心地よいとのことです。

Oさんは5月に福祉施設を開設し主にお役所向けの書類仕事をしているそうです。そこに集う小中学生と接する中で、こちら側から何かをしようとするのではなく、リラックスできて何もしなくてもいい場所が一番よいのだと気づいたとのことです。またコロナ禍で学校閉鎖によってそのまま学校へ行けなくなった子供たちが多くいて、今後その結果があらゆる形であらわれてくるだろうと語りました。大人にとってのコロナと小中学生にとってのコロナ体験は全く異なると感じているそうです。

AさんはOさんの話を受けて、「何かの役に立つ」という発想が特に男性には根強くあり、現状を受け入れる難しさを感想としてお話されました。人の成長とは何かを考えるとき、毎日会社へ行くのもいわば「プチ秘儀参入」で周りの人々と接することで自我の器が作られていくのでは? ということです。今回の事件について、2日前に「安部元首相銃撃」のニュースをネットで見た記憶があり、今回の件はコロナワクチン絡みの事件にも感じられるとのことです。その死によって得をする人は誰かを考えることがヒントになると示唆されていました。

休憩後、GA254第二講義の一部を読みました。神智学協会のエソテリック派とエクソテリック派とが対立しているところへ登場したブラヴァツキーについての論考です。内容が中途半端な箇所で終わったので、次にさらにじっくりと読んでいく予定です。次回は2022年10月22日(土)です。

 

2022年4月23日

今回もオンラインでの勉強会でした。前半はお一人おひとりの近況報告に耳を傾けました。

Wさんの最近の大きな変化は、毎朝食事をして珈琲を飲みながらゆったりと聞いていた午前6時からのラジオ・バロック音楽が5時に変更されたことです。何十年も6時から放送され生活のリズムができていたことが、わずか1時間とはいえ早まるということはエーテル体のリズムが変わってしまうことでもあります。また、最近買い物に行くと物価上昇と郵便物の遅配を痛切に感じ、それが社会問題にならないのがおかしいと感じているということでした。

Eさんは前日の夜、古典の「とりかへばや物語」を教えるため、現代語にアレンジされた田辺聖子の『とりかえばや物語』を読んだところあまりに面白く一気読みしたということです。また3月31日に最も影響を受けた敬愛する司祭が亡くなり、それにまつわる1つのエピソードを語ったところ、話に登場したとある異端と称された宗教に自分も含め3人も関わっていることがわかり、話題はそちらで盛り上がりました。

Yさんは40年前20代の頃、Eさんの話に登場した宗教との関わりを発端に、高校生のころ桐山靖雄の阿含宗の本を読み入会したことから、超能力絡みでシュタイナーの『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』に巡り合ったという精神的な遍歴をお話してくれました。またこの2年ほどコロナ禍で出かけなくなったこともあり、最近体全体にあちこち支障が出ているということです。

Tさんは3月上旬に家族全員がコロナに罹患し、今も後遺症で悩まされているそうです。イベルメクチンが効果が高いことが分かり、再び感染したときのために購入したということです。最近のウクライナ・ロシア間の戦争にも触れ、その報道のされ方自体に問題が多々あり、プーチンが正教会のキリスト教徒であることやバイデン大統領の息子がウクライナのガス会社の重役に就任していること、生物兵器研究所のこと等、日本での報道に偏りがあることに危機感を覚えるとのことでした。

Aさんもロシア・ウクライナの戦争関連についての報道のされ方に注意を喚起していかなければという点に触れました。現在のニュースだけでなくネット情報等でもお互いがそれぞれフェイクニュースを流し混沌とした状況になっています。いずれにせよ多くの人民が戦争で亡くなっているのは事実で、正しいことを伝えようとするのに対抗する何らかの働きが背後にあることは公的な報道が逆転していることからも分かると言います。現象だけを見ていても真実はつかめず、むしろ私たちがどういう未来を望むかにかかっているのでは? というお話でした。

Nさんによれば、コロナ予防・治療はシュタイナーのいう生命霊(Lebensgeist, Buddhi, Chaja)への到達と表裏の関係にあるようです。言い換えれば、何もせずコロナに罹患したり、適切なケアをしなければ、仮に日常生活を送るのには不便がない程度に回復しても、思考力、集中力などが低下し、その状態が継続する恐れがあります。霊的な修行、進化が困難になる、とのことです。人類の霊的進化を遅らせることこそ、コロナの背後にいる(ソラトと呼ばれる)霊的存在が意図していることのようです。

休憩後、前回の続きである宇宙論GA254を8ページから読みました。今回も問題になったのは第八領域についてでした。初期のエソテリックスクールでの講義では、1つの地球のシステムが終わるまで、第八領域に留まり続けるとシュタイナーが語っていることから、第八領域を抜け出すには永劫とも言える期間が過ぎた後、また一からやり直すのではないかと推測できます。

次回は2022年7月9日(土)、テーマは宇宙論に関連した箇所に登場したブラヴァツキーについてシュタイナーが述べている文献について読んでいく予定です。

 

2022年1月22日(土)

2022年度初のオンライン会合でした。

Oさんは数日後に引越するそうです。国の福祉サービス「放課後等デイサービス」の支援も取れ、以前から温め続けてきた、不登校児の居場所作りの場所が湘南台に決まり、徒歩10分という近くに移られます。今はその場所の内装工事をしている最中で細かな一つひとつの事案を決める作業で大忙しとのこと。仮名称は「ポルカ」。丁度今年はご本人がバイオグラフィーの第三ノードの年に当たり、まさにピッタリの人生の展開だそうです。引き続き、その後の様子などの報告を皆が楽しみにしています。

Nさんはある本の翻訳に関わっています。この著者は文章の合間にいわなくてもよいことを次から次へと関係詞で挟み、文章を限りなく長くする癖があります。日本語にするのに手間取るそうです。

Yさんは久しぶりの参加でした。昨年から身体も精神的にもあまり調子がよくなく、またオミクロン株のこともあり、どこへも出かけられない日が続いているとのことです。またご家族が入院されお忙しそうな様子でした。そんな中でキリスト者共同体関連の勉強会が高尾であり、ときどき参加されていたそうです。テーマはペリコーペに沿ってその時々の聖書の箇所(クリスマスにはヨハネ福音書等)のお話だということです。

Eさんはふと見たテレビ番組に大学時代の神秘学研究会の友人が登場し驚いたお話から、そのきっかけとなった、当時見たグルジェフの「注目すべき人々との出会い」を最近ニコ動で数十年ぶりに見たそうです。その後続けてクリシュナムルティのグルジェフについての動画も見て、外へグルを探しに行くことと内面の旅に出ることは結局は方向性が違っても同じことではないかとの疑問を持ったということです。そこからシュタイナーのマクロコスモスとミクロコスモスのお話へつながっていきました。

Aさんは去年からこの会で宇宙の進化論を読んでいて、非常にタイムリーだったということでした。元々UFOの研究をしていて背後に闇の勢力が存在していることや、このところ話題のQアノンも全くの夢物語かと思っていたがさにあらず、という感を強くしているとのことです。特にワクチンに関しては12歳以上の子供でも5人が死亡していること、渋谷でワクチン反対デモを行っていること等殆ど報道されていない事実に触れました。霊的実体が背後にいることを実感したそうです。

Tさんは昔の友人からかなり久しぶりに連絡があったそうです。きっかけはハレの『十字架から復活体へ』の後書きにエソテリズム研究家として名前が出ていたことです。かつて大沼忠弘氏のカバラ研究会に参加していたメンバーの一人で、ハイデガー哲学の弱点を指摘しジル・ドゥルーズについての研究を冊子に複数回発表していたということです。久しぶりにそれを再読し、再びメールでの交流が始まったそうです。

Wさんはワクチンに関する話をしてくれました。ワクチンに関しては右派、左派ともに賛成していて、例えば原発問題のように左派は反対派という区分けがつかないこと。今という時代に悪の部分が人間に指令しているのか、それとも人間一人ひとりが麻痺させられているのか。世の中が不穏な、何かがおかしい雰囲気にある感じがするとのことです。

休憩後、前回の続きである宇宙論GA254を8ページから読みました。第八領域という言葉が最近出版された『ミカエルの使命』にも登場し、ここで使われている意味と同じがどうか(エロヒムが関与しているのかどうか)で議論が出ました。また前回から問題になっている自由意志の問題がこの講義全体を貫く重要なトピックであることを再確認しました。何度も出てくる「降霊術」の源流はアメリカで、死者と言葉を交わす、目に見えるエクトプラズム、深いトランス状態で死者が語るなど、降霊術にも種類があります。またブラヴァツキーが「シークレット・ドクトリン」で書いているヤハウェに対する偏見がどのような背景から出てきたものなのか、非常に興味深い講義の内容でした。意見が活発に飛び出し、分量も少なく今回で終わるかに見えたテーマですが次も続きます。

次回のテーマは引き続きシュタイナーの宇宙論についてです。いよいよ大詰めの段階です。

 

2021年10月16日(土)

今年最後のマルタの会のオンライン会合でした。今回は飛び入りで新しい方も参加してくれました。

Aさんは、先回7月のマルタの会からここ数カ月間で最もショッキングだったニュースとして、アフガニスタン問題を取り上げました。アメリカ軍撤退後、タリバン政権が復権しましたが、その思想的背景を理解する手段の1つとしてイスラム教についての本『コーランには本当は何が書かれていたか?』を紹介してくれました。元々コーランの教えにはタリバン政権が行っているような残虐とも言えるような教えはないそうです。

Eさんは今年直木賞を受賞した佐藤究の『テスカトリポカ』の話から、佐藤氏が作家を目指すきっかけとなった詩人・河村悟氏について語りました。10年以上前に新潟で何度か開催した詩人のダンスワークショップ、当時新人賞を受賞したばかりの佐藤氏。テスカトリポカはシュタイナーによるとヤーヴェと同じ月から霊感を受けた存在です。小説は臓器売買や麻薬密売が絡んだ魔術的クライムノベルです。

初参加のTさんは、自己紹介の後、このところ夢中になっているドロレス・キャノンの『入り組んだ宇宙』を紹介してくれました。ヒプノセラピストである筆者は被験者の退行睡眠状態で語られたことから宇宙の仕組み、構造を解き明かし、数多くの著作があります。他にも『エッセネ派とイエス』や『この星の守り手』などが翻訳されているということです。

Wさんはこの夏のご自身の体調のお話を端緒として、最近見た展覧会で最も印象深かった作品展のことを語ってくれました。埼玉県立近代美術館で開催された「ボイス+パレルモ」展です。ブリンスキー・パレルモは日本では殆どその名を知られていませんが、社会芸術を展開し、芸術アカデミーの教授だったボイスの下で学んだ芸術家です。33歳の若さで他界したそうです。

TさんはGA204の「唯物論と人智学の使命」第14講の一部を翻訳し紹介してくれました。1921年のシュタイナーの講義です。前回お話に出てきた元イエズス会司祭ダグラス・ガブリエルのブログとの関連は大変興味深い内容でした。今の地球には上昇(アセンド)しない人間がいること、決して進化しない、疑似的自我の持ち主である存在とは何なのか、今回の第八領界にもつながる内容でした。

Oさんは不登校児のための居場所作りのその後の様子をお話してくれました。そもそも不登校という言葉自体が日本ではネガティブなイメージで語られていますが、元の学校へ戻ることが解決策ではないこと、結局はその子一人ひとりの守護天使に聞くしかないこと。来年の3月オープンへ向けて、ゆるゆるのんびりと過ごせ、自分の進む方向をそこから見出していけるような場所にしたいそうです。

休憩後、高橋さん主導で前回の続きである宇宙論GA254を再読しました。途中たくさんの疑問や考えが出され、活発に意見交換がなされました。最も問題になったのが、自由意志が欠如したヴィジョン的透視がどのようなものであるかということです。イマジネーション認識との違い、当時の降霊術への批判、月紀の人間が見ていた夢意識状態のヴィジョンなど、地球紀の自由意志による認識を深める意味でも大切な部分でした。

次回のテーマは引き続き宇宙論と第八領界についてです。

 

2021年7月17日(土)

昨年来のオンラインでの会合も4回目になりました。 恒例の自己紹介・近況報告はWさんからです。

Wさんが他にも参加しているオンライン講座は、キリスト論、四季の宇宙的イマジネーションだそうです。最近読んでいる小説はカズオイシグロの『クララとお日さま』が良かったので、同じ作家の『私を離さないで』を続けて読了し、今は『忘れられた巨人』を読んでいるとのことでした。

Nさんは最近のワクチンを打つか打たないかという話題に関連して、別のアプローチがあると発言されました。JvH『十字架から復活体へ』に述べられている、エーテル界に臨在する復活体とキリストの血にアクセスしてウィルスや他の病気から身を守ることができると確信しているそうです。

Eさんはここ数か月日本の古典である『更級日記』や「奥の細道」を数十年ぶりに1冊の本として読んでいるそうです。高校生の教科書に掲載されている芥川龍之介の『羅生門』のエゴイズムの問題に感化され、フィヒテの『浄福なる生への導き』に当てはめながら読む作業をしているとのことでした。

Tさんはカトリックの司祭であるダグラス・ガブリエルと人智学との関わりに興味を持ち調べていたそうです。ベネディクト会、トラピスト会、イエズス会と渡り歩き、イエズス会では対アントロポゾフィー支部に配属され、アントロポゾフィー協会でスパイ活動のようなことをやっていた人物として興味深いお話が多々あり盛り上がりました。

Oさんは小児心療内科医の家族が昨年から心療内科に来る子供たちの居場所作りを始めている経過を語ってくれました。自宅から出られない子供たちのために来られる場所で、シュタイナーの音楽療法やゆくゆくはフォルメンなどをできる方向を目指しているとのことです。

Aさんはそれに関連して、ご家族のことを話してくれました。1人ひとりの子どもの状況や環境、心理状態に即した丁寧な方策が一番大切なことであり、最初から社会復帰を目指すと解決への道は遠くなってしまうなど今の問題点をついた内容でした。メッセージという映画のお話も興味深いものでした。

近況報告後、Nさんが Facebookのグループサイト "Judith von Halle and Anthroposopy" に投稿された文章と、同サイト管理者の投稿が紹介されました。聖ペテロに関連した前ゴルゴタの一場面と後ゴルゴタの一場面をとりあげ、カルマ的関連が述べられています。

休憩後、前回からの続きであるシュタイナーの宇宙論に登場した「第八領域」について、Tさんの資料を元に皆で読み合わせをしました。シュタイナーの著作の中でも第八領域については特に纏まったものはなく、複数回の講義で部分的に語られています。今回はGA254の第五講義を翻訳されたものを見ていきました。イギリスの神智学者であるシネットに対する批判から始まっています。シネット自身は月そのものが第八領域という間違った見解を持っており、それに対してシュタイナーがさらに詳しく第八領域について語っています。「イマジネーション的」「ヴィジョン的」等の言葉の使い方も話題になりました。

 

2021年4月17日(土)

前回から3か月ぶりのマルタの会。

自己紹介はNさんから始まりました。ここ数ヶ月Terry Boardmanさんの論文を読んでいるそうです。過去から現在までの地政学的な出来事をシュタイナーの考えなどを織り込みながら解説しているのできわめ刺激的とのことです。

Wさんはここ数か月の間に関わりのあった方々が次々と他界されたこともあり、このところ気分が上向きになれないこと、体調も本調子ではないと在りのままの現況を語ってくれました。コロナも2年目に入り、やはり全体の雰囲気が下降気味なのを感じました。

Oさんは最近加わったグループの話を端緒に、数十年前から続く旧態依然の状況について疑問を投げかけました。共同体の在り方、組織論につながる重要なテーマがそこにはあり、いずれ会でも取り上げたい内容でした。

Yさんは定年退職後は、二足の草鞋をようやく1つにしぼれそうだということでした。アントロポゾフィー関連のことを今後メインに取り組んでいきたいとのことでした。

Eさんは最近読んだ本で感銘を受けたものとして、カズオイシグロの『クララとお日さま』について語りました。AF(アーティフィシャル・フレンド)のクララの描き方が秀逸だということでした。

Aさんは夏目漱石に影響を与えた米山保三郎に関する資料を、1つの可能性として西田幾多郎が持っていたかもしれないと仮定してみる面白さを教えてくれました。日本に当時の戦争を食い止めるほどの思想が出てこなかったこと、その背後にある霊的な問題を引き続き考えていきたいそうです。

Tさんはかつて読んでいたカルロス・カスタネダを最近読み返しているそうです。マジカルパス(テンセグリティ) という体操的な呪術や捕食者についてシュタイナーの思想と比較してみて分かることを語ってくれました。

メインテーマはシュタイナーの宇宙論3回目です。Tさんがまとめてくれた彗星についての資料を読みながら進めていきました。最近の科学的仮説とは異なり、シュタイナーの彗星についての論考はとても興味深いものでした。彗星には太陽系のアストラル体をクリーンにする役割があり、高位のヒエラルキアが関係していること、更にはサタンによって彗星が地球進化を壊す方向へ使われる可能性があること等、これまであまり知られていなかった論考を参加者で考えました。

 

2021年1月23日(土)

恒例の自己紹介・近況報告から始まった今年初めてのオンラインでのマルタの会。

Eさんはオンライン授業の作文で読んでいる夏目漱石の『夢十夜』、宮沢賢治の『よだかの星』について語りました。法華経の影響が見られる『よだかの星』には、自己を燃やして他を照らす宇宙論につながる一面があるとのことです。

それを受けてW氏は宮沢賢治の童話が好きなこと、病院での『夢十夜』にまつわるエピソードを語ってくれました。また今はボブ・ディランの新しいアルバムの17分続く曲を何度も聴いているとのことです。

Oさんは最近始めた英語をサポートする仕事について話してくれました。再び英語を勉強したいと思っている方たちの、若き頃の英語に対する思いやマイナスな感情などの話を聞く中で、それをプラスの方向へ向かわせようとする情熱が感じられました。

N氏は、コロナパンデミックはソラトと呼ばれる霊的存在によって仕掛けられているので、それに対抗するにはやはり霊的な方法を用いるしかないと主張されました。それに関連して最近のキリスト教会がいともたやすく礼拝、特に聖餐式(コムニオン)を中止しているのは無責任な職場放棄であり、今後は個人レベルでコムニオンに代わる方法を見つけ実行すべきであるとのことです。

A氏は夏目漱石に影響を及ぼした、学生時代の友人・米山保三郎について調べているそうです。資料が少なくこれから発掘されるべき哲学者です。また河西善治『京都学派の誕生とシュタイナー』を紹介し、西田幾多郎の思想とシュタイナーの関連について語ってくれました。

T氏は、ここ最近アメリカの選挙にまつわる関連事項を調べていることから、ディープステートと陰謀論、Qアノンやある同盟との関連を説明してくれました。質問も多く出され、それらが端緒となり、自ずと今日のテーマである「シュタイナーの宇宙論」へと有機的につながっていきました。

先回の続きである「破壊のかまど」についての資料を見ながら、月と太陽の役割、また第八領域について非常に興味深い話が展開されました。第八領域に対抗するためにヤーヴェが月に留まったことや、破壊のかまどが現実界でどのように現れるのかの疑問を巡ってのアイデアのやり取りは刺激的でした。シュタイナーの宇宙論は奥が深く、これからの続きが楽しみです。

 

2020年11月7日(土)

コロナ禍の中、しばらく休会していたマルタの会ですが、11月7日(土)にzoom開催しました。テーマは高橋さんの「シュタイナーの宇宙論」。GA233「薔薇十字の秘儀」、それに関連したアグリッパの「オカルト哲学」など、資料をひも解きながら解説してくれました。次回も宇宙論の続きを行います。 次回は2021年1月23日14時〜17時です。

 

2020年1月18日(土)

今年初めての会が開かれました。今回は新しい方も参加されたので自己紹介+近況報告となりました。また「中二病」が話題となり、メンバーが自分の中二病発症期を語ってくれ、楽しく和やかな雰囲気となりました。

Oさんは昨年5年かけて学んできたバイオグラフィーワークが終了したそうです。人生を振り返りながら、自分で歩んできた道のりを整理する最後の発表では、「言葉」を切り口としたものの、例えば明治維新の時代に作られた訳語や外国へ渡った日本人の言葉など、そちらに興味関心が引かれていったということでした。

Wさんは昨年のクリスマスに高熱を出しクリスマスの式に参加できなかった話から、今毎日のように聴いている女性アーティストのことを語ってくれました。17歳のビリー・アイリッシュというシンガーで、その曲のオリジナル性と生い立ちなど今という時代を代表するクリエーターなのが伝わってきました。

Eさんのお話は昨年肉親が亡くなり、浄土真宗で夜通し見守る寝ずの番をきっかけにキリスト者共同体で行われている死後の三日間とのつながりを考えさせたれたということでした。蝋燭や明りは「認識の光」であり、四大霊から遺体を守る意味もあること等。昨年は「死」について知る数多くの深い体験が貫いていたそうです。

新しく参加されたKさんはシュタイナーの本との出合いを端緒に語ってくれました。22歳の時、『神智学』『いかにして超感覚的世界を認識するか』を読み始め、今でも折に触れて読んでいるのは、メーベル・コリンズの『道を照らす光』だそうです。年月をかけて一冊の本を深めているのがよく分かるお話でした。テナーサックスでジャズ演奏をするのが趣味とのことでした。

Nさんは、以前読んだプロコフィエフ著『12聖夜と天界のヒエラルキー』をもとにして12聖夜それぞれの過ごし方、瞑想法などをまとめてみたそうです。それを昨年・今年の12聖夜(12/25-1/6)に実行しようと意気込みましたが、実際には酒を飲んだり、飲まされたりする機会が多く、聖夜体験には到達できなかったそうです。次のクリスマスには頑張るとのことでした。

Aさんは若いころプロテスタントの受洗をしたことを告白してくれました。その後シュタイナーと出会い『個人と人類を導く霊のはたらき』を読み、「これだ」と得心したということです。長年(現在も)サラリーマンをやりながら人智学を個人的に深め、最近では組織開発の中に人智学的な要素を持ち込みながら、その流れを促進していきたいそうです。

TさんはOさんの話と一部共通した話題として、人工言語について最近関心が増し、それに関連したYouTubeを見ているそうです。その中にはエスペラント語を始めフェミニストが作った言語やゲーム、小説の架空の言語を話す人もいるそうです。またコンピュータのヘルプデスク業務について教えてくれました。

Sさんはかつてある雑誌でブラヴァツキーとシュタイナーの記事を読んで神秘学の世界を知ったそうです。『世界史の秘密』でシュタイナーに出会い、その本のデザイナーと今一緒に活動しているという発見が最近あったようです。また未翻訳のシュタイナーの『カルマ論』についても語ってくれました。

休憩後、Nさんが用意してくれたユーディット・フォン・ハレ著『現代におけるキリストとの出会い‥』の中にある「放蕩息子の帰還」についての解釈を皆で読み、話し合いました。

メインテーマはAさんの「企業生活と秘儀参入」を更に発展させた「ティール組織、U理論」です。この二つについてレジュメを作成して説明してくれました。ティール組織とは組織にもシュタイナーが示唆しているように人類史的に見た発達段階があり、それを7色の段階に分け、最新の進化型を「ティール」と呼んでいます。色分けされた図は視覚的にもインパクトがあります。またU理論の著者O・シャーマーは若いころ社会変革運動に関わっており、人々が集まったとき、その集団の生命がめざす過程で思考・感情・意志が開かれると未来に触れることができるとのことでした。そこでは絶えず恐怖を克服し、体験を手放す勇気が必要とされます。

最後に次回の予告として、Tさんがシュタイナーの宇宙論に関連したテーマを語ってくれました。

 

2019年11月16日(土)

今年4回目のマルタの会でした。

自己紹介兼近況報告はOさんから始まりました。今年の引っ越しも無事終わり、5年目のバイオグラフィーワーク講座も終盤となり、最後に自分自身に関するあるテーマを選択し発表するという課題に取り組んでいるということでした。

Wさんは最近足を運んだ2つの展覧会で見た絵についてご自身が感じたことを語ってくれました。バスキア展での深い感動と印象派展で見たセザンヌの1枚の絵の印象。セザンヌのその絵はまるでその絵の前の空間が別様な在り方をしているように思えたそうです。そのときのWさんだからこそ感じられたエーテル空間だったのかもしれません。

Eさんのお話はこの夏から秋にかけて読了した高橋和巳の『邪宗門』についてでした。重厚で濃密な作品には様々に絡み合った主題があり、特にその中で女性教祖について最近身近で体験したことに関連した内容でした。新しく建立された神社の奉納演奏会に参加した際、102歳になるという巫女的な女性に出会い、明治の初めから今に至るまで新興宗教において女性が果たす役割について考えさせられたそうです。

FBでとあるグループに参加されたことを話してくれたのはTさんでした。その中ではロズウェルUFO事件やそれらに関連した公開されていない重要な出来事が語られているようです。また以前からやっていた占星術の中でもインド占星術は高い確率で当たるとのことでした。

Sさんはここ数年親しい友人たちとの別れを体験し、ずっとその喪中にいた感覚だったと言います。最近になり、それがようやく明けたと思えるようになったそうです。

Nさんは最近、京都市内の複数(4つ)の教会での聖書研究会に参加していて、ご自分でも手を広げすぎていると感じておられるようです。

AさんはTimewaverセラピーのセッションについて語ってくれました。そのパンフレットによると、12次元レベルから見た情報分析で過去、現在、未来を含む領域、スピリチュアル、カルマ、遺伝子、DNA、染色体、遺伝的要因など広範囲に渡るエネルギー情報フィールドにアクセスし問題の原因を探るということです。参加者からはパンフを元にいろいろな質問が出ました。

その後、Nさんから、ラファエル前派に属する英国人画家ウィリアム・ハントの作品「世界の光」をシュタイナーがどのように解釈したのか、興味ある話題を提供していただきました。

次に、Aさんからは先回の続きとして「企業生活と秘儀参入」というテーマの「企業体の進化変容」で紹介された『U理論』の著者シャーマーが、アントロポゾフィーと深い関係があることが判明したとの報告がありました。この理論はシュタイナーの霊的進化の考え方を応用したもので今後の発展が楽しみな分野です。さらに最近では企業発展段階説としてティール組織の思想が、天外伺朗が最近著した『実存的変容・ティールの核心』にもみられるということで、それらの関連本を紹介してくれました。

 

2019年8月24日(土)

今年3回目のマルタの会が開かれました。この会の参加者が増加傾向にあるので、円滑な進行をはかるため、Eさんに座長を担当していただくことになりました。

近況報告では、W氏は韓国の若手作家キム・エランの『外は夏』を紹介してくれました。この7つの短編が納められた小説は「喪失」をテーマとしています。言葉の選び方、視点の置き方、翻訳の言葉の美しさが際立ち、久ぶりに再読に足る作品に出合った喜びを語ってくれました。

Eさんは最近読んだ竹田崇元『出口王仁三郎の霊界からの警告』や、最近アメリカでヒットしているバグワン・シュリ・ラジニーシのドキュメンタリーに見られる共通点の話題が出ました。宗教や共同体が、あることをきっかけに崩壊していくプロセスには何らかの似通った特徴が見られるのでは、という話でした。

T氏は、それぞれの近況報告への質問や各々の話題についての独自の視点で気づいた点やそこから発展した話を交えながら真摯に語ってくれました。また木星紀の呼吸についての興味深いお話がありました。

M・Sさんの近況報告は綿棒で多面体作りのWSを行った際の気づきについてでした。数年来よく見知っている子供に対して多面体作りが一種の治療として働きかけてくれるという具体的な例のお話でした。

N氏からは、社会問題になっている少子化現象、男女の未婚率およびセックスレス夫婦の増加、出会いの場における男性のイニシャティブ欠如、いわゆる草食系男子、人工授精に頼らざるを得ない不妊治療の問題などが指摘されました。そして背景にある霊学的問題について示唆がありました。

J・Sさんは、これまで自分が取ってきた方法や自分が生き方の指針としてきた遣り方が、いろいろな意味で限界にきており、方向転換せざるを得ない地点にきているという切羽詰まった報告でした。その気づきから呼吸法を深めていきたいというお話がありました。

参加者の近況報告の後、A氏から「企業生活と秘儀参入」というテーマで話して頂きました。長年、企業戦士として現場で働いてきた経験豊富なA氏ならではの視点と、人智学的思想の方法や認識を通しての秘儀参入が企業生活においてどのような繋がりがあり、どのような問題提起ができるのか、それに対する処方がまとめられたレジュメを見ながらの説明でした。「企業生活を通じた個人の変容が起きうる」「企業自体に変容のプロセスが起きている」「最終的には愛に立脚した社会全体の変容が必要である」という3部構成でした。非常に興味深かったのは、思想としての企業論が一部、人智学的な考え方に近付いていること、あるいはその応用として企業生活に取り入れられようとしているということでした。 全員でじっくり話し合える時間が足りなかったのが少々残念でした。

 

2019年5月25日(土)

5月の最終土曜日、今年2回目のマルタの会が開かれました。
学芸研究室ではちょうど渡邊純一さんの「小さな個展」が開催されていて、多くの方が入れ代わり立ち代わり入室されていました。ヴェールペインティングの技法で描かれた絵は、重ねられた色彩が見る者に様々なイメージを湧き起こし、時に繊細にささやき、時にハッとする構図で語っていました。特に印象深かったのは十字架シリーズです。1枚1枚のクロスはある瞬間を切りとったようにも思え、そこに重ねられた色彩はアストラル的というよりエーテル的な空気をまとっているように見えました。会の前に皆で鑑賞できたのは良い時間でした。

そんな中、隣の一室でマルタの会が始まりました。今回は個展にいらっしゃった方も飛び入り参加してくれました。恒例の「自己紹介」「近況」では、度重なる引っ越しの話やドイツの神秘学所縁の地を訪れたお話のほか、サークルや会社などの知人・同僚との関係性から自分のアストラル的なものを刺激する相手との付き合い方、対処の仕方等へと話が発展していきました。近況報告では一人のお話がその場に集った方たちと共通の要素を持っていることが多いので、質問やアドバイスで話が弾み、瞬く間に1時間半が経過しました。

後半はN氏がユーディット・フォン・ハレの『ルドルフ・シュタイナー オカルトバイオグラフィー』からホワイトロッジのマイスターの地上への現れ方のお話を紹介してくれました。ハレによると主として受肉(Incarnation)、合体(Incorporation)、分身(Bilocation)の三様態があるようです。受肉は普通の人の場合と異なり、複数の転生に渡って肉体、精神の(ある程度の)連続性が保たれます。例として、ラザロ→(福音書記)ヨハネ→ある少年→クリスチャン・ローゼンクロイツが挙げられました。また分身の例として、当時シュタイナーがどのような現れ方をしたかの興味深いエピソードが紹介されました。それに対して、物質的肉体ではないが、その人とすぐにわかる「体」とはどのようなものなのか? について質問が出ました。そのようにして現れ得る肉体ではない体・ファントム体(復活体)の詳細は事細かに分からないまでも、その一端が伺われる内容でした。

 

2019年1月26日(土)

2019年初めてのマルタの会が開かれました。今回は初めて参加された方が「自己紹介」の口火を切り、続けて久しぶりの参加者も加わり一人ひとり近況報告や今の状況などをお話ししてくれました。集った8人がそれぞれの語りに傾聴し、とても濃い時間が流れました。

「自己紹介」では質問やアドバイスも飛び交い、真剣に語り手の内面に降りていく会話となりました。つくづく「自己紹介」の時間は日常とは全く異なる時間の流れの中に入っていくのだと感じられ、そこに働いているエーテル的なうねりが絡まり、思いがけない作用を及ぼすのが分かりました。

後半は、昨年末に出版されたシュタイナーの『秘教講義』が自ずと話題になりました。参加している方々の殆どが英語版、ドイツ語版、日本語版のこの本を手にとり、読み込み、あるいは本は読んではいなくても実践されている方もいて、非常に熱のこもった様々な視点からの意見が飛び出しました。もっとも関心が集まったのが、何故、門外不出の秘教的書物が、21世紀の今という時期に日本で出版されることになったのか? という疑問です。答えは一人ひとりが自分の内面で問い続けなければならないのでしょう。

残りの時間でN氏がユーディット・フォン・ハレの『アリマタヤのヨセフと聖杯の道行』と『ルドルフ・シュタイナー:オカルト・バイオグラフィー』からいくつかの話題を提供してくれました。ひとつには、聖書では最後の晩餐が行われた場所が二階の広間であると記されていますが(ルカ22:12)、では一階では何が行われていたのかという疑問が生じます。この疑問に答えることで、最後の晩餐を空間的、時間的により広い視野から位置づけることができるというお話しでした。他の話題については時間の関係で深く入ることができなかったので、次回はもう少しこの話題を掘り下げて、参加者の質問や意見を聞きたいと思っています。

 

2018年8月25日(土)

今回は新しい参加者も加わり、それぞれの自己紹介・近況報告から始まりました。

Wさんはここ数か月ずっと聞いている宇多田ヒカルのアルバム「ファントーム」の「人魚」という曲について語ってくれました。歌詞というより、詩のような情景が浮かんでくる言葉遣いと旋律に深い眼差しが感じられ、久しぶりによい曲に巡りあえた感覚だということです。

Eさんからは、春から読み続けているシュタイナーの死に関する講義と、最近、数十年ぶりに読み返したおおえまさのりの『チベット死者の書』との比較の話題が出ました。死の直後まだ気息が体に残っている間に死者の耳元で死後世界のことについて語りかける言葉と、シュタイナーの霊界案内とを比較すると驚くほど類似点がある一方、カリ・ユガ期の『チベット死者の書』の限界性も見えてきました。

Oさんは前回も話題になったオーケストラ・オイリュトミーの日本公演が中止になった顛末を話してくれました。その理由を聞いたメンバーからも背景にある本当の理由が分からないとの声が複数あがりました。

M・Sさんからは長年自分には関係ないと思っていたマインドフルネスが、今一番自分に近い感覚になってきているとのお話がありました。ベトナム人禅宗の指導者ティク・ナット・ハンの本とクリシュナムルティとの類似点など興味深いものでした。

初めて参加したJ・Sさんは自己紹介の後、参加者から出た話題について様々な感想を熱を込めて語ってくれました。特に最近上演されたオイリュトミーに関しての見方や感じ方が独特で面白い視点でした。

Nさんからは、ユーディット・フォン・ハレ著『アリマタヤのヨセフと聖杯の道行き』の紹介がありました。本書は彼女の著作『十字架の道行きと聖杯の血の秘密について』(邦訳:『 十字架から復活体へ』涼風書林2018)の続編です。Tパレスティナとヨーロッパにおけるアリマタヤのヨセフと聖杯 U 南ガリア地方でのマグダラのマリアの活動とヨハネ・キリスト教の誕生 V エフェゾスにおけるヨハネとイエスの母マリア、 の三部から構成されています。パレスティナ、ガリアからヨーロッパの西北端にまで及ぶヨセフの旅路は興味をそそられます。またマグダラのマリアを「悔い改めた元娼婦」とみなす誤った風評の発信源についての解説もあります。(聖書好きの?)Nさんにとってたまらなく面白い本だそうです。

近況報告の後、ユーディット・フォン・ハレの『十字架から復活体へ』2章の「高次の肉体への進化」を皆で読みました。この箇所はちょうど近況報告とリンクする内容で、理解するのが難しい内容でありながらメンバーと一緒に読んでいくと所々腑に落ちる箇所も出てきました。

 

2018年5月19日(土)

今回も参加者の最近の「自己紹介」から始めました。

大規模なオーケストラ・オイリュトミーの日本上演へ向けて活動しているOさんからは一歩進むごとに立ち現れる困難極まる状況のお話がありました。Wさんは最近、心惹かれる1枚の絵を見るためだけにさまざまな美術館へ足へ運び、そこでお目当ての1枚の絵と対話していることを話してくれました。今まで教えたことのないモンゴルの留学生との交わりからモンゴル語に興味をもったEさんからは、1つ覚えたモンゴル語「アマルタイワン」が「平安」を意味するお話。最近、預言カフェに通っているお話がTさんからはありました。Nさんからは、ハレの翻訳に関連して、シュタイナーのGA206に収められている2つの講演録(1921.8.13 & 8.14)と悪戦苦闘しているとの報告がありました。Sさんは仕事疲れのためか最近体調がすぐれないこと、精神的にも以前と違う地点にきているというお話がありました。

その後Tさんのナビゲートで「シュタイナーの民族論」を皆で読みました。天皇制の問題や人智学関係者による天皇に関する見解、シュタイナーの見解とのずれ、ダライ・ラマに関するシュタイナーの見解など、さまざまな疑問、問題点が浮かび上がり、熱のこもった話し合いとなりました。

 

2018年2月17日(土)

数か月ぶりの会合は参加者の近況報告から始まりました。Oさんからはオイリュトミー(Symphonic Eurythmy )来日公演にかかわる準備作業のお話、Sさんは夢にあらわれた「霊界通信」と象徴、Eさんは魂のこよみの冬と春の間の46週の謎について、Yさんからはマグノリアの灯と福島に農業大学を設立するプラン、Nさんは最近の学校現場におけるアーリマン医学の浸透などのお話でした。その後 D.T.さんから、日本における人智学運動で民族魂がどのようにとらえられてきたかのお話があり、資料を皆で読み合わせながら時間をオーバーして意見交換が活発になされました。また、10年ぶりにお会いしたY.T.さんの参加は皆を喜ばせてくれました。

 

2017年10月28日(土)

出席者による近況報告があった後、O さんによる、カール・ケーニッヒ(※)のバイオグラフィー紹介 Part II がありました。

 

2017年7月22日(土)

O さんによる、カール・ケーニッヒ(※)のバイオグラフィー紹介、T さんからの話題提供などがありました。

※ カール・ケーニッヒ(1902−1966)

第二次世界大戦の最中に、スコットランドで「キャンプヒル」という知的障がい者との共同生活体を始めた人物。ウィーンで生まれ育った小児科医だったがユダヤ系であったために、本人はキリスト教の洗礼を受けていたにも関わらずナチスに国を追われイギリスに移住。ウィーンで人智学を勉強していた仲間とともに障害児を引き取り、当時まだ公立の学校教育システムでは見捨てられていた子ども達に、人智学に基づいた適切な医療と教育を与えようと奮闘した。キャンプヒルは初期には学齢期の子ども達に向けてだけ計画されていたが、子ども達の成長とともに、生涯を過ごし、働き、死んでいく場となる。現在世界中に100か所以上のキャンプヒルがある。

 

2017年1月28日(土)

今年初めてのマルタの会が開かれました。今回はそれぞれの個人的な近況報告や今取り組んでいることなどをお互いにシェアしました。

京都からカントを専門に研究されているT氏が初参加され、時間と空間の認識についてカントの考えを紹介していただきました。自我の形成に空間認識がどのように関わっているのか、などさまざまな意見が活発に飛び交いました。瞬く間に時間が過ぎ、有意義な話し合いになりました。

 

2016年10月22日(土)

植村仁氏をお迎えして始まったアグニヨガについての会は、植村氏が予言?した通り、8名のワンダラー(参加者)が集いました。ベースに神智学の霊的指導者ハイアラーキーや宇宙論があり、その説明だけでも眩暈をおこさせるような遠大な内容でした。活発な意見交換があり、またレーリッヒの素晴らしい絵も拝見することができました。

 

2016年6月18日(土)

今回は顔を合わせるのが数カ月ぶりなので、「自己紹介」から始めました。最近考えていること、思っていること、読んでいる本や聞いている音楽、やっていることやさまざまな体験など、1時間以上かけてゆっくり話していると、一人ひとりの興味や体験が誰かのものとつながっていき、連動していくのが面白いです。

その後、W氏によるノーシス運動のお話がありました。 ノーシス運動について、特に三つの観点からの比較がありました。カトリックで修道者に求められる誓願である「貞潔」「従順」「清貧」に当たるのが、ノーシス運動では「性エネルギー昇華」「エゴ根絶」「人類への奉仕」に相応します。ではキリスト者共同体では? これは参加した方にしかわからない?事項でした!

サマエル・アウン・ベオールの『ノーシス心理革命』からの引用もあり、興味深い内容でした。

2016年1月23日(土)

2015年10月24日(土)

2015年6月27日(土)

2015年4月25日(土) 初回

 
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