健全な成長のために


特定の養育者との間に
安定した愛着(アタッチメント)を
築くことができるかどうかが、
子どもの健全な成長や
精神的な安定、
パーソナリティ(性格)の形成に
大きく影響を及ぼします。
安定した愛着を築くことができず、
生きづらい思いをしている人のことを
「愛着障害」といいます。

「愛着障害」という言葉の印象から、
何か重い症状を抱える人という感じを
受ける方がいらっしゃるかと思いますが、
周りの世界との関わりを
肯定的にとらえているか、
否定的にとらえているかの違いにより、
周りの人々への態度や反応が
制限されたものになってしまう
ということなのです。
そのために生きづらさを抱えたり、
うつ、不安障害などの症状を
抱える方もあります

安定した愛着スタイルを持っている人は
対人関係においても、
勉強や仕事においても
高い適応力を発揮します。

小さな頃に育まれた根本的な
安心感により、
自分以外の世界との関わりを
肯定的にとらえることから始まるので、
人との信頼関係を築くことを恐れず、
また、一度築いた信頼関係を
長期にわたって
維持していくことが可能なのです。

安定した愛着関係を築くことは
遺伝的要因に勝るとも劣らず
その人の性格、生き方や人との関わり方、
仕事の仕方や健康など様々な面に
大きく影響を及ぼすのです。

小さな子どもにとって親は
絶対的な存在です。
条件つきの愛情ではなく、
どんな自分も受け容れてもらえる、
自分の言い分が認められ尊重されていると、
子どもが肌で感じられるような体験が
子どもには必要不可欠なのです。

・特定の子どもに違和感がある
 (第1子と第2子など)
・子どもと触れ合うのが苦手
・子どもとどう接していいかわからない
・子どもとどう遊んだらいいかわからない
・言葉や行動で傷つけてしまう
・子どもの粗相や失敗を許すことができない
・子育てに自信が持てない
・子育てについて周りの人と意見が合わない
・子どもといると疲れてしまう
・叱るとき、感情を抑えられない
・子どもに関心を持てない

など、子どもとの関わり方に違和感を
お持ちの方や他者に気を遣ってしまって
疲れるという方は自身の養育者との間に
愛着が形成される過程で
うまくいかなったのかもしれません。

子育てのお悩み、自分の親との関係、
自分との関係など、
人に相談しにくいこともあります。
一人で抱えこまないで、話してみませんか?

子育てに正しい答えなどありません。
みんな悩んで迷って、
間違えたり、反省しながら
1日1日を進んでいるのです。

子どもに愛情が湧かないと感じている人も
少なくありません。私もかつてそうでした。

でも大丈夫。愛情が湧かないのは、
それをせき止める何かがあるからです。
せき止めているものを取り払えば、
愛情は自然にあふれてくるのです。
だからどうか、自分を責めないでください。

苦しい心の内をそっと話してください。
話すことで「せき止める何か」を
少しずつ取り払っていきましょう。

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