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奈良・新大宮

不妊症・不育症治療について

不妊症・不育症についてa newborn baby2

 できるだけ自然なかたちでの妊娠を希望しているのに、なかなか子供ができずに悩んでいたり、いくども不妊症の治療を受けておられる方へ、お身体を妊娠しやすい状態に近づけるもう一つの選択肢として、鍼灸治療がお役に立てるかもしれません。

 不妊症を定義づける期間が、以前は3年だったものが2年に縮まり、さらに日本産科婦人科学会は「不妊と認める一定期間は1年というのが一般的である」と定義しています(こちら)。 
 つまり結婚して一年経つけど、子供に恵まれない」場合は不妊症と診断されてしまいます。
 鍼灸治療を始める前に、まずは原因が器質的にないかを医療機関で検査を受けてみてください。
 医療機関で原因が見つかるものとしては、女性側に原因がある場合(卵巣機能不全や子宮筋腫など)と男性側に原因がある場合(精子減少症や無精子症、精子無力症など)そして男女双方に原因が見つかる場合があります。西洋医学的な不妊症の治療として、まずはタイミング療法から始め、人工授精、そして高度生殖医療(体外受精、顕微授精)へとステップアップしてゆきます。
 医療機関を頼らずに、ご夫婦で妊娠への第一歩をすすめる場合、排卵日の見当をつけるため、まずは基礎体温の測定から始めましょう。
 精子が授精場所である卵管膨大部にたどり着くのに、早いものでは1時間足らずで、遅いものでは十数時間かけて到達するといわれています。排卵前の段階でも精子は卵管膨大部をめざし、そこで待機して授精するタイミングを計ります。多くの精子は競争しながら一つの流れを作り、卵管膨大部に到達します。ゴールインする一つの精子のために多くの精子が協力しているようにも感じます。うまく卵子にめぐり会っても、さらに卵子の透明帯を貫通する能力が求められます。
 女性の身体の内部でも排卵日には、いちど体温が下がります。これは精子が活動しやすいように一時的に下げているのかもしれませんね。そのように考えますと基礎体温を計り、高温期に入ったのを確認してからセックスを行っていては遅いように思います。
 つまり、タイミングは高温期になる前の体温が下がる日を予測して、その前に済ませておくことが大切になります。
 そのためには、きちんと基礎体温を計り、月経の開始、終了、間隔、そして排卵日などの毎月のリズムを知っておくべきです。(ご主人様も奥様の生理周期は知っておいて協力してあげてくださいね)

鍼灸治療についてjyoukotennshinron1
 さて、前置きが長くなりましたが鍼灸治療について、ご説明いたします。
鍼灸治療の原典といわれている書物に『黄帝内経=こうていだいけい』という古典があります。この『黄帝内経』は『霊枢=れいすう』という81篇と『素問=そもん』という81篇から成り立っております。
 その『素問』の一番最初の篇「上古天真論」には、「人が老いて子供を作られなくなるのは、材力(身体の内に精力)が尽きてしまったからなのか、それともまた天から与えられた年限によるものなのか」と黄帝が問うています。それに対して岐伯先生は人の成長や生殖には「腎気=じんき」が大いに関係していると答えています。

女子は七の倍数
 まず女性ですが、7の倍数で成長に変化が現れます。何と書かれているのかを読み下してみましょう。
「女子は七歳にして腎気が盛んになり、乳歯から永久歯へと歯が生え変わり髪も伸びてきます。
十四歳で生殖能力が備わり、任脈という気の通りみちができ上がります。太衝という気の通りみちも旺盛になって、月経も始まります。だから子供を作ることができます。
二十一歳になると腎気が身体中に満ち溢れ、たくさんになり、オヤシラズが成長し身体の丈もまた伸びきります。…(このあと49歳までつづく)」

男子は八の倍数jyoukotennshinron2
 次に男性ですが8の倍数で成長に変化が現れます。
「男子は八歳にして腎気が実し、髪が伸び、乳歯から永久歯に生え変わります。
十六歳になると腎気が盛んになり、生殖能力が備わり、身体中に精気があふれて健康な状態になります。だからよく子供を作ることができます。
二十四歳になると腎気がたくさんになり、筋骨が強くなりオヤシラズが成長し、身体もまた伸びて最も盛んになります。…(このあと64歳までつづく)」
 そして読み進めてゆくと、女子は49歳で子供を作ることができなくなり、男子は56歳で生殖能力が尽きてしまうと書かれています。

腎気が大切
 このように生殖能力は鍼灸の古典には「腎気」の多い少ないが関係していると書かれています。この「腎気」というのは父母から受け継いだ「腎のもつ精気」のことですが、ここでいう「腎」とは西洋医学でいうところの「腎臓=kidney」とは違います。東洋医学でいうところの「腎」とは泌尿器としての腎と、生殖器としての腎の2つの意味合いがあります。
 鍼灸や漢方の用語で「補腎=ほじん」という言葉がありますが、不妊症・不育症の治療方針で中心となるのが補腎(=腎を補う)となります。
 腎の経脈は足の裏から下肢の内側をのぼり骨盤内を通り、胸元のあごの下あたりまで通っていますが、鍼灸治療は足を中心に浅く1〜2ミリ程度、鍼を刺します。このとき「鍼管」といって鍼が曲がらずに刺さるように管を皮膚に押し当てて刺しますので、痛みはほとんどございません。
 腎の経脈以外にも、内股、下腹部、仙骨のツボも女子胞の気血を増やすために有効です。

ストレスも大敵
 また、気血のながれを阻害する要素として現代社会ではストレスが挙げられます。ストレスの感じ方は人それぞれですが、ストレスを長く受け続けると最終的には臓腑に影響を及ぼします。鍼灸・漢方では「内傷=ないしょう」といいます。そんなときは手足や頭部、背中のツボで調整をいたします。
 緊張するタイプのほとんどの方は手が冷たいです。のびやかに気血が手足に流れていたら手足は温かく乾いていますが、緊張していたり、イライラして怒っていたりしたら手汗が出ますね。この状態が身体の中でも起こっているとしたら、臓腑を流れる気血も滞ってしまいます。ですので、できるだけストレスや緊張とは無縁の生活を送ってほしいと思います。
 養生も立派な治療法です。

栄養素は足りてますか?
 「ワタクシの身体は健康です。」と言い切れる方は運動はもとより、やはり食事には気を使っていらっしゃいます。
 妊娠は自分と同じ身体を10ヶ月間かけて作り上げてゆくわけですから、栄養には妊娠前から気を付けていただきたいです。
 特にお野菜は積極的に摂るようにしてください。玄米食もおススメです。
いろいろと異論はあろうと思いますが、女性は「葉酸」と「亜鉛」のサプリメント男性は「亜鉛」のサプリメントを意識して摂るといい結果があると思います。

鍼灸治療の効果の判定
 鍼灸治療が効いたのか、まだ効いていないのか、効果の判定は手首の動脈(橈骨動脈)で行います。
悪い方のお脈は、力がなかったり、平たくて柔らかさに欠けていたりします。腎の判定部位を押さえてゆくと途中で力がなくなります。こういう状態を「腎虚=じんきょ」とよびますが、治療後には力強く深く押さえても脈が消えずに打っていればよしとします。長年の蓄積状態によっては、すぐに力強く打ち出さない場合がありますが、継続して鍼灸治療をすれば軽い治療でも十分に脈に反応があらわれてきます。
 「腎は五臓の精気を蔵(かく)す」といわれていてとても大切な臓です。人の身体を上から三分割すると、腎は一番下に位置しますので、ヘソから下の気血の流れを良くすると、お脈の出方も良くなります。妊娠をご希望のご夫婦はできるだけ時間を見つけて歩くようにしてください。そして女性に冷えは禁物です。特に寒い冬は、仙骨部と下腹部(恥骨の上あたり)に洋服の上から貼るカイロを貼って過ごすといいでしょう。温泉に入りたいなぁと思われたら、お身体が冷えているサインだと思います。しっかりと下半身(ヘソから下、足の先まで)は温めるようにしてください。

治療の回数と料金割引について
 鍼灸治療は魔法のように効くと思われている方が多いのですが、「治療について」のところでも書きましたように、薬物を使わず、お身体を流れる「気血」の流れを良くすることで不調の改善を探ってゆく治療法です。
 不妊症治療は他の疾患とは違い、効果の判定がとても長くなります。つまり根気よく治療して妊娠・出産に導いてゆきますので、できれば最低でも6ヶ月は通っていただきたいです。そして治療の頻度は、4〜5日に一度、少なくとも7日に一度の治療が望ましいです。来院されない日は、こちらから指示した箇所に、ご自身でお灸をすえてください。排卵日の前だけ治療したらいいのではないかと思われるかもしれませんが、やはりコンスタントな治療間隔・回数がいいと思います。
 そのため鍼灸で不妊症の治療をご希望のご夫婦には、少しでも負担を減らし、そのぶん長くかかっていただきたいので不妊症治療に関してのみ 治療料金を通常の4.000円ではなく2.000円に割引をいたします。
 このことは、男性に不妊症の原因があるといわれた場合にも同じく割引いたしますので、初診時におっしゃってください。

子供は「授かる存在」だと思います。
授かったときに、赤ちゃんが苦しくないよう、母体を健康に保ちましょう。
そして、生まれてきてくれて「ありがとう」と言えるように、
腎気の流れを良くして、妊娠しやすいお身体をめざしましょう!

上古天真論のつづき(ご興味のある方は こちら をクリックしてみてください)

回生堂鍼灸院治療院情報
回生堂鍼灸院
院長:福本佳之

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一般治療 4.000円
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不妊治療 2.000円