2球再生式/レフレックス方式切り替え
2バンドラジオ 2R-STD-R の製作


海のかざり

2014/8/22
Last update : 2014/12/18

花のアニメ概要

初めての真空管工作として、このラジオを製作しました(2014年8月完成)。NPO法人 ラジオ少年の「2R-STD 2球再生式真空管ラジオキット」をベースにしていますが、レフレックス方式にも切り替えでき、短波も受信できるようにするなど、改造しています。ラジオだけでなく、7MHz CW/SSB も受信できました。

2R-STD-R 左後ろより 2R-STD-R 真空管

2R-STD-R 左後ろより(左)、真空管(右)
(真空管は、左が 6BA6/5749、右が 6AK6)
(右の写真の右上の明かりはネオンランプ:後述)

真空管工作には以前から興味を持っており、情報収集してきましたが、何度も読み返した、高田 継男 OM著「ゼロからつくるアマチュア無線局」(CQ出版社、1993年発行、1998年絶版)に掲載されている「単球式受信機 0-V-0」の記事が、真空管工作を始めた直接のきっかけになりました。


花のアニメ製作概要

改造点は以下の通りです(主な点のみ記載)。

「再生式とレフレックス方式」×「中波と短波」×「2球と単球」=8通りの実験ができます(0-V-0、0-V-1 が含まれる)。

2R-STD-R 前面より

2R-STD-R 前面より
(上部のメインチューニングのツマミは、キットと同デザインで、1つ大きい「特大」サイズに変更)
(右下のツマミは増設したスプレッドバリコン)
(下中央のツマミは再生調整で、その左のジャックは、セラミックイヤホンジャックと、ヘッドフォンジャック)
(ネオンランプ設置のため、左端の電源スイッチは左に寄せ、穴には銀色のシールを貼った)
(キットに含まれる電源トランスとアウトプットトランスは「Radio Boy」ブランドに改良(?)されている)

2R-STD-R 後面より

2R-STD-R 後面より
(リアパネル左の赤黒の端子はアンテナ、右はスピーカー:当初上下逆に取り付けていたがこの向きにした)
(アンテナ端子台とパラに BNC レセプタクルを増設した)
(右端はヒューズホルダー)

2R-STD-R 底面より

2R-STD-R 底面より
(左の「TRON」は、キットに含まれる 200H 低周波チョーク)
(中央上に 2.5mH 分巻きの高周波チョークが見える)
(CR類は、真空管パーツ集めの練習を兼ねて、ほとんど別途購入した)
(底面全体は 2mm厚の透明アクリル板で保護(マジックテープで固定:写真は外した状態)
(横面は 1mm厚の透明アクリル板で保護:写真にも写っている)

NPO法人 ラジオ少年のHPを見ると、「本会頒布のキットは、推奨配線図のみで、詳しい組み立て説明書はつけておりません。」とか「本会のラジオ教材は、指導者がいる(略)という想定で作られています。教えてくれる方がいない場合は、製作は困難です。」等の記載があり、初心者が1人で製作することを想定していないようです。
しかし、電子回路や部品の知識と製作経験がある程度あり、注意深く、よく考えて製作すれば問題ないと思います。

参考までに、キットの製作上、気づいた点は以下の通りです。

完成して良くチェックし、アンテナとスピーカーを接続して電源を入れると、一発で動作しました。
後述のように良く聞こえますし、とても見栄えが良い(立派)です。
このラジオの仕様に合うバリコンやアンテナコイル、チョークコイルなど、入手が難しい部品を揃え、この価格というのはすばらしいです。


花のアニメ2バンド切り替え

短波が受信できるよう、中波と同じ大きさのコイルボビンを購入し、巻きました。プラグインという方法も考えられますが、今回は中波コイルの横に設置しました。

中波コイルと短波コイル

中波コイルと短波コイル

中波/短波の切り替えは、メインチューニングダイアルのすぐ右下に 3回路2接点のトグルスイッチを設置し、同調コイル、アンテナコイル、カソードタップを同時に切り替えることにしました。また、メインチューニングダイアルのすぐ左下に周波数高/低スイッチを設け、周波数「高」の場合は、メインバリコン(290+120=410pF)のうち、小さいほうの 120pF のみ使用し、周波数「低」の場合はメインバリコンの両方 290+120=410pF を使用するようにしました(BC バンドは、「中波」の周波数「低」を選択します)。

中波/短波切替スイッチおよび周波数高/低スイッチ 10pF スプレッドバリコン

中波/短波切替スイッチ(写真左の手前)、周波数高/低スイッチ(写真左の奥)
10pF スプレッドバリコン(写真右)


花のアニメ再生式/レフレックス方式切り替え

初歩のラジオ編集部 編 「真空管レフレックス・ラジオ実践製作ガイド」p.137〜 大利根OM著「再生式ラジオのキットをレフレックスで楽しむ」を読むと、再生式ラジオは簡単にレフレックス方式に改造できると書いてありました。この書籍では、まず、再生式として組み立て、体験してから、レフレックス方式に改造していますが、「簡単に改造できる」のであれば、切り替え式にできないか検討したところ、4回路2接点のスイッチがあればできそうでした。複雑な配線にすると異常発振などのトラブルのリスクがありますが、だめならスイッチを撤去して再生式専用にすればよいと考え、実施したところ上手く切り替えできるようになりました。

レフレックス方式への切り替え回路 レフレックス方式への切り替えスイッチ

レフレックス方式への切り替え回路(左)とスイッチ(右)
(分かりにくいが、左の写真の下半分の青い物体が、4回路2接点のスイッチの裏側)
(左の写真の左上にゲルマニウムダイオード 1N60×2個が見える)
(これら以外に、CRを計6個追加した)
(右の写真のスイッチだが、再生式の方が音が大きいので上側にした。逆でも良い)

スイッチを切り替える瞬間、カソードやグリッドがオープンにならないよう、若干回路を改造しました。


花のアニメパイロットランプとしてネオンランプ追加

パイロットランプとしてネオンランプを追加しました。レトロな感じを出すため、カバーがクリアで電極が見えるのものを選び、また、前面に取り付けると傷つきそうだったので上面に取り付けました。ネオンランプは雑音源になる可能性があるようなので、念のためシャーシ内部に入り切りスイッチを設けました。

ネオンランプ ネオンランプの入り切りスイッチ

ネオンランプ(左)と入り切りスイッチ(右)

今のところ雑音の心配もなく、いい感じで点灯しています。真空管のヒーターがそれほど明るくないので、パイロットランプとして役立っています。


花のアニメ電灯線アンテナスイッチ追加

受信感度向上のため、AC100V 回路とシャーシ間に、0.01μFのコンデンサを取り付けました。
ネットで「電灯線アンテナ」で検索すると出てくるのですが、正しくは何と言うのか分かりません。
効果が確認できるように、スイッチで入り切りできるようにしました。
コンデンサは安全規格品の方が良さそうですが、今のところ入手できていないので、耐圧 400V の通常のメタライズド・ポリエステル・フィルムコンデンサを使っています。

電灯線アンテナスイッチ

電灯線アンテナスイッチ
(「AC LINE ANT」と表示したが、「POWER LINE ANT」に変える予定)
(「LINE」の文字の下の橙色の物体が、耐圧 400V のコンデンサ)
(この部分には、1mm厚のアクリル板を貼っているので、少しぼけている)

後述のように、アマチュア無線の HF のアンテナを接続して聴いているので、このスイッチの ON-OFF でほとんどの場合、音量に変化がありません。しかし、ON にすると、音が大きくなる場合も時々ありました。


花のアニメスピーカーボックスの製作

キットには直径 10cm のスピーカーが付属しています。ラジオ本体に取り付けることも考えられますが、ラジオ本体と分離してスピーカーボックスとし、他のラジオやアマチュア無線機の実験や実受信にも活用することにしました(従来、市販のスピーカを使用)。プラスチックケースはタカチTW13-5-13B(W125×H45×D125)を使用しました。内部には基板取付用ボスが出っ張っており、スピーカ取り付けの邪魔になりますが、プラスチックなので、ニッパで容易に切断できます。

スピーカーボックスの外観 スピーカーボックスの内部

スピーカーボックスの外観(左)と内部(右)
(きれいに 61個の穴をあけた)

ラジオ本体と並べて写真を撮ってみました。

2R-STD-R とスピーカーボックス

2R-STD-R とスピーカーボックス


花のアニメ受信してみて

アマチュア無線のアンテナ(8バンドダイポールやCP-6)を接続し、受信しました。
アマチュア無線のアンテナだからか、短波も中波と同等以上によく聞こえました(短波の周波数「高」で、約7〜約13MHz)。
スピーカーの音量は、静かな部屋で1人で聞くには十分です。強力な局はガンガン鳴ります。
レフレックス方式より再生式の方が大幅に感度が良いのですが、強力な局はレフレックス方式でも良く聞こえます。切り替えることができるので、良く分かりました。
セラミックイヤホンの 0-V-0 でもよく聞こえました。真空管工作の直接のきっかけとなった「ゼロからつくるアマチュア無線局」の「単球式受信機 0-V-0」とほぼ同じ回路が体験できて良かったです。
再生式ではラジオだけでなく、7MHz CW/SSB も何とか受信できました。CW/SSB のチューニングでは、スプレッドダイアルが大活躍しました。
AM の受信だけではバーニアダイアルは不要と思いますが、AM の受信であってもスプレッドダイアルは便利だと思う場面がありました。
なお、CW/SSB を本格的に受信する場合は、スプレッドダイアルの方にバーニアダイアル等があると良いと思います。


花のアニメゲルマニウムラジオアダプターの製作

このラジオの同調回路を活用し、ゲルマニウムラジオとするためのアダプターを製作しました。ミノムシクリップは直接同調回路に接続します。

ゲルマニウムラジオアダプター ゲルマニウムラジオアダプター 内部

ゲルマニウムラジオアダプター(左)、その内部(右)
(電子部品はゲルマニウムダイオード 1N60 と、470kΩの抵抗器のみ)

アマチュア無線のアンテナ(CP-6)を接続すると、中波のローカル局と、短波/中波の中国の局が聞こえました(夜です)。
想像していたより音が大きく、よく聞こえました。
中波では、CP-6 を接続しなくても、電灯線アンテナでも聞こえました。
ゲルマラジオは、遠い昔、小学生の時に作ったような気がしますが、アンテナやアースの知識がなく、聞こえませんでした。
その後、最もシンプルなラジオとして、1石のラジオは作りましたが、ゲルマラジオは作りませんでした。この歳になって初めて聞くことができました。
ゲルマラジオの音を聞いたことがない方は、ぜひ一度聞いてみてください。


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