院 長 紹 介

 

[ 院長 ] 岩切 章太郎 ( 京都大学医学博士 )


 皆様はじめまして。院長の岩切章太郎です。
医師になって21年、肺がん・気管支喘息(ぜんそく)・COPD(肺気腫)などの呼吸器疾患を中心に様々な経験をしてまいりました。
ここに書き出せばきりがありませんので、この中でもとりわけ、私の医師としての心構えに大きく影響を与えた、患者さんの御家族の一言を紹介させていただきます。

 医師になって8年目、京都大学病院に勤務していた頃のことです。
医師としての技量にも、ある程度自信が出てきた頃で、忙しい日々の診療をいかにスムーズにこなせるかということを考えながら、毎日を過ごしていました。
そんな中、手術・抗がん剤・放射線などの最先端治療にもかかわらず、肺癌が進行し余命1ヶ月となった70歳台の女性患者さんがおられました。医局員による検討の結果、それ以上のきつい積極的治療は、患者さんのためにならないと判断され、最期は自宅で過ごす方針となりました。そして、救急車で自宅まで送迎する1時間余りの道中、普段は物静かな娘さんから、涙ながらに、こんな一言を言われました。

『 大学の医療は最先端かもしれませんが、全てが合理的・流れ作業的に行われているように見え、母自身は置き去りにされているようで少し残念でした。私の母は先生方にとっては、たくさんの患者さんの中の一人なんでしょうが、私にとってはたった一人の母親なんです 』


 私はこの時、スムーズかつ合理的に、最先端の治療をルールに沿って進めていくことだけが、患者さん自身の幸せや満足につながらないのだと心の底から痛感しました。当然と言えば当然のことですが、一人一人の患者さんと一対一でじっくりと向き合うことは、病気を治すことと同じくらい大切であるのだと実感しました。

 医師は全ての病気を治すことはできません。だからこそ、『 患者さんという存在は、本人はもちろん、その家族にとってもたった一人のかけがえのない存在である 』、ことを常に念頭に置き、『 医師は、患者さんの病気が治るお手伝いをしているにすぎない存在である』、ことを心掛けるようにしており、今日現在までそれを実践するように心がけています。

( 記載 : 2017年7月1日 )

 

 [ 略歴 ]
1996年3月 国立・滋賀医科大学医学部医学科 卒業
1996年4月 京都大学 医学部付属病院 内科
      京都大学 胸部疾患研究所附属病院 外科
1997年5月 京都桂病院 呼吸器センター
2002年4月 静岡市立静岡病院 心臓血管外科・呼吸器外科
2004年4月 京都大学 医学部付属病院 呼吸器外科
2005年4月 京都大学 医学部大学院 入学
2009年3月 京都大学 医学部大学院 卒業
      (医学研究科 博士課程にて博士号取得)
2009年4月 兵庫県立尼崎総合医療センター 呼吸器外科
      (旧:兵庫県立尼崎病院)
      呼吸器センター 部長を歴任
2017年7月 岩切クリニック 開院
 [ 資格 ]
京都大学医学博士
呼吸器専門医(日本呼吸器学会)
がん治療認定医(日本がん治療認定医機構)
気管支鏡専門医(日本呼吸器内視鏡学会)
外科専門医(日本外科学会)
呼吸器外科専門医(日本呼吸器外科学会)
日本医師会認定産業医