周波数と波長と電磁波と放射線と光

HOME : 試験案内 : 目次 : 掲示板 : 参考書 : Link : 参考文献 : メール



  未熟な左手が作った生体物理に関するノートです。誤りがございましたら、ご連絡下さい。



周波数と波長

周波数と波長

  周波数とは、1秒間に繰り返される波の数で、ヘルツ(Hz)という単位で表されます。一方、波長とは一つの波の長さを表し、単位としては、メートル(m)で表されます(図1)。

  周波数と波長の関係は、
   λ=c/f   λ=波長(m)  c=波の速度(m/s)  f=周波数(Hz)
で表されます。

  図1の周波数は、1秒間に3つの波がみられるので3Hz。波の速度が300(m/s)であれば、上の関係より波長は、100mとなります。
では、波の速度が同じで、周波数が2倍の6Hz(1秒間に波が6つ)とした場合、上の関係より波長はというと50mとなります。よって、周波数が2倍となれば、波長は逆に1/2倍となることがわかります。
このことから、波の速度が一定であれば、周波数は波長に反比例することがいえます。



電磁波

電磁波とは

  電気と磁気の性質を持つ高速の波の総称です。電磁波は、波長(又は周波数)によって種類分けされます。その種類には、波長の短いもの(高周波)からいうと放射線( γ 線、X線等)、光(紫外線、可視光線、赤外線)、電波(TV、ラジオ、携帯電話等の通信に使われる)などがあります。


電磁波の特性

≪電磁波の速度≫

  速度は波長に関係なく一定(光の速さと同じ)で媒質(電磁波が伝播するもの)によって多少変わります。電磁波は、真空中で最も速く(光速)移動します。又、電磁波の速度は、波長によらず一定なので波長と周波数は反比例します。

≪エネルギー≫

  エネルギーは、波長の短いもの(高周波)程、高いエネルギーを持ちます。

≪性質≫

  性質は、反射、屈折、干渉、回折、透過などの現象を生じさせます。その性質を可視光の現象であらわすと
   反射 : 光が鏡などの物体の表面にあたってはね返る現象
   屈折 : 光が一つの媒質(例:空気)から他の媒質(例:水)に入るとき、その境の面で進む向きが変わる現象
   干渉 : 隙間に光を当てると、反対側にあるスクリーン上に縞模様が出現する現象
   回折 : 物体の陰の部分まで光が回り込む現象
   透過 : 光が物体を突き抜けて反対側から出てくる現象がみられます。



放射線

  放射線は、X線やγ線などの電磁放射線とα 線やβ 線等の粒子放射線に分けられます。

放射線の特徴

電荷電離能物質透過力
α 線+2(正)、He大(直接)
β 線+1(正・負)中(直接)中(Alで遮蔽に数mm必要)
γ 線小(間接)大(Alで遮蔽に数cm必要)

電離能が大きいほど、生体に与える影響は大きく、透過力に反比例します。



  光は波長の短い(高周波)ものから紫外線、可視光線、赤外線に分けられます。可視光線以外は、人は見ることはできません。可視光線は、約400〜800nmに位置し、波長の長いほうから赤、橙、黄、緑、青、藍、紫(せき・とう・おう・りょく・せい・らん・し)に見えます(虹の外側から内側の色)。
光の3原色 : 赤・緑・青 →3色混合より白色光に見えます。
※ 絵具の3原色 : 赤・黄・青


屈折率

  光は屈折率の異なる境界面で屈折現象を起こします。これは、屈折率の異なる媒質中では光の速度が異なるために起こります。一般に密度の濃い媒質中の方が光の速度が遅い。

屈折率

◎遅い媒質に入る場合(例;空気→ガラス)

・ 遅い媒質に入る場合は、屈折角は小さくなります。
・ 速度の遅い媒質に入る時に波面の下側が先に遅くなるので、波面の上側が前に進み、その結果、より下側に曲がってしまいます。
・ 入射角が0°の場合、屈折せずにそのまま通過します。

◎速い媒質に入る場合(例;ガラス→空気)

・ 速い媒質に入る場合は、屈折角は大きくなります。
・ 屈折角が90°以上になると入射光がすべて反射され、速い媒質には入れなくなります。
  これを全反射と呼びます。
・ 入射角が0°の場合、屈折せずにそのまま通過します。








        目次